モブモンスターですが何か? ~VRMMOで魔物ロールプレイを満喫していたら、いつの間にか災害級になっていた件~

夏見ナイ

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エピソード56:包囲網起動、混沌の反撃

忘れられた王国跡での陽動作戦は成功した。ゼロが生み出したアンデッド・ゴーレム軍団と天候操作による嵐は、対ウロボロス連合軍に多大な混乱と損害を与え、一時的に彼らの追跡能力を麻痺させた。その隙に、ゼロは誰にも気づかれることなく地下深くから脱出し、大陸を横断するように移動を開始した。

しかし、それは束の間の猶予でしかなかった。【魔力感知(上級)】が捉える情報によれば、連合軍はすぐさま体勢を立て直し、より大規模かつ緻密な包囲網を大陸全土に展開し始めていたのだ。

空には常にジャッジメントの飛行艇や偵察部隊が飛び交い、地上では各ギルドの精鋭部隊が主要な街道や拠点を固めている。さらに、エルミナから得た知識によれば、連合軍は古代遺跡から発掘された探知装置や、高位の精霊使いの協力を得て、ゼロの【万象擬態】すらも見破る可能性がある特殊な探査網を構築しつつあるという。

『……もはや、完全に隠れ潜むのは不可能か』

システムの監視の目も、常にゼロの存在を感じ取っている。このまま息を潜めていても、いずれは発見され、圧倒的な物量で押し潰されるだけだ。

ゼロは、広大な針葉樹林帯の上空、厚い雲の中に【万象擬態】で溶け込みながら、決断を下した。

逃げるのではない。狩るのだ。
包囲される前に、包囲網そのものを喰らい、破壊する。

ゼロは【並列思考】Lv.1を使い、連合軍の配置、戦力、移動経路、そして指揮系統(セラフィナは不在だが、ジャッジメントの副司令官クラスが指揮を執っているようだ)を分析し、最も効果的な攻撃目標を選定した。

それは、連合軍の東翼を担当し、比較的孤立して進軍している、<太陽騎士団>と<森の守り手>という二つの大手ギルドの合同部隊だった。総勢は約100名。個々の実力も高く、連携も取れているだろうが、主力部隊からは距離があり、増援が到着するまでには時間がかかるはずだ。

『最初の贄は、お前たちだ』

ゼロは目標を定めると、音もなく降下を開始した。目標部隊は、深い森の中を進軍している。上空からの奇襲が最も効果的だろう。

ゼロは【天候操作(低級)】Lv.1を発動。周辺の天候を急変させ、濃霧と豪雨を発生させる。視界が悪化し、プレイヤーたちの士気がわずかに低下したのを確認すると、ゼロは雲の中から急降下!

目標は、部隊の後方に位置するヒーラーとメイジの集団!

【万象擬態】を解除し、巨大な竜化進化体の姿を晒す! 同時に【竜の威圧(中級)】Lv.1を最大解放!

「な、なんだ!?」
「敵襲! ウロボロスだ!」
「後方! 後方を狙われているぞ!」

プレイヤーたちが混乱する中、ゼロは【マグマブレス】Lv.1を後衛部隊に叩き込んだ! 灼熱の奔流が木々を薙ぎ倒し、数名のプレイヤーが悲鳴と共に蒸発する!

「くそっ! 陣形を組め! 対空迎撃!」
前衛の騎士たちが慌てて盾を構え、弓兵やメイジがゼロに向かって矢や魔法を放つ。

だが、ゼロはブレスを放った勢いのまま、さらに降下! 地面に激突するかと思われた瞬間、【形態変化戦闘(竜技)】で体を巨大なドリルへと変化させ、【物質潜行(低級)】で地面へと潜行した!

「消えた!?」
「どこへ行った!?」

プレイヤーたちが上空を警戒する中、ゼロは地中を高速で移動し、前衛部隊の足元から奇襲を仕掛けた! 地面が爆発するように隆起し、ゼロが【形態変化戦闘(竜技)】で形成した無数の竜の顎(あぎと)が、騎士たちの足を食いちぎらんと襲いかかる!

「ぐわあああっ!」
「足元だ! 地下から来るぞ!」

前衛が崩され、陣形が完全に乱れる。そこへ、ゼロは再び地上に姿を現し、今度は【混沌弾】Lv.2を乱射! 予測不能な軌道を描くエネルギー弾が、プレイヤーたちの間を飛び交い、次々と爆発を起こす!

さらに、【死霊魔法(中級)】Lv.1を発動! 先ほど倒したプレイヤーたちの亡骸や、この森に漂う怨念を利用し、スケルトンやゾンビを召喚! 彼らに前衛を任せ、自身は中衛のメイジやレンジャー部隊へと突撃する!

「連携しろ! 落ち着け!」
「聖水を使え! アンデッドを浄化しろ!」
「ヒーラー! 回復を!」

ギルドのリーダーらしきプレイヤーが必死に指示を飛ばすが、ゼロの変幻自在な攻撃と、アンデッドによる妨害、そして悪天候による混乱で、彼らの連携は機能しない。

ゼロは【風属性操作(上級)】で突風を巻き起こして矢や魔法の軌道を逸らし、【電撃操作】Lv.1でメイジの詠唱を妨害し、【腐食毒液】Lv.2で騎士の鎧を溶かす。そして、【竜爪】Lv.1や【形態変化戦闘】による物理攻撃で、確実に敵の数を減らしていく。

「化け物め……!」
「撤退だ! ここでは勝てん!」

ついに、プレイヤーたちの戦意が砕け始めた。しかし、ゼロは逃がさない。【飛行(竜翼)】で退路を塞ぎ、【粘性操作】で足元を泥濘化させ、逃げようとする者を捕縛する。

そして、抵抗する力を失った者たちを、次々と【捕食】していく。

「やめろ……!」
「助け……」

悲鳴と懇願。だが、ゼロの【混沌核】は、それをただのエネルギーと情報として処理するだけだ。彼らのスキル、経験、知識、そして生命力そのものが、ゼロの力へと変換されていく。

【スキルレベルアップ】
・竜の威圧(中級) Lv.1 → 竜の威圧(上級) Lv.1
・聖属性耐性(微弱) Lv.1 → 聖属性耐性(低級) Lv.1
・複数属性同時操作(中級) Lv.1 → 複数属性同時操作(上級) Lv.1
(その他、捕食したプレイヤー由来の微細なスキルや知識を獲得)

約100名いた合同部隊は、わずか10分程度の戦闘で、生存者十数名を残して壊滅した。生き残った者たちも、装備を失い、深い傷を負い、ゼロに対する圧倒的な恐怖に打ち震えている。

ゼロは、彼らにとどめを刺すことはしなかった。生かして帰し、ゼロの脅威を連合軍全体に伝えさせる方が効果的だと判断したからだ。

『……これが、最初の警告だ』

ゼロは、生き残ったプレイヤーたちを一瞥すると、再び嵐雲に擬態し、その場から飛び去った。

残されたのは、夥しい数のプレイヤーの亡骸(すぐに光の粒子となって消えるが)と、破壊された森、そして、生存者たちの心に深く刻まれた、災害級モンスターへの恐怖だけだった。

この報せは、すぐに連合軍全体へと伝わった。ゼロが偽の痕跡に誘い出されたわけではなく、逆に連合軍の側面を奇襲し、大手ギルド二つの合同部隊を壊滅させたという事実は、彼らに計り知れない衝撃を与えた。

「馬鹿な……! 我々の動きが読まれていたというのか!?」
「奴はどこまでも狡猾で、そして強い……!」
「包囲網はもはや意味をなさないかもしれん……」

連合軍の士気は大きく低下し、作戦の見直しを迫られる。一方、ゼロは次のターゲットを探し、再び闇へと紛れていった。

ウロボロス掃討作戦は、始まったばかりだというのに、既に主導権はゼロの手にあるかのように見えた。だが、油断はできない。連合軍にはまだセラフィナやアルトといった切り札が残っている。そして、システムの監視の目は、ゼロの一挙手一投足を見逃してはいない。

混沌の反撃は始まったばかり。この壮大な包囲網を、ゼロはどのように喰らい、突破していくのだろうか。

---

名前: ゼロ
種族: 名無し(原初の不定形)
称号: 千貌を喰らう者、星屑を宿す者、竜を喰らう者、嵐を喰らう者、法則を喰らう者、世界を揺るがす災害
所属: 未定義

【能力値】
(※前話から微増)
体力: 114 → 116
魔力容量: 92 → 94
物理攻撃力: 40 → 41
物理防御力: 68 → 69
魔法攻撃力: 45 → 46
魔法防御力: 64 → 65
素早さ: 19

【スキル】
▼基本・進化スキル
・捕食 Lv.5
・自己修復 Lv.6
・万象擬態 Lv.2
・原初の不定形 Lv.2
・混沌核 Lv.1
・生命力吸収 Lv.2

▼戦闘・攻撃スキル
・腐食毒液 Lv.2
・形態変化戦闘(竜技) Lv.1
・電撃操作 Lv.1
・混沌弾 Lv.2
・精神攻撃(中級) Lv.1
・戦技:強襲 Lv.1
・剣技:亡者の剣 Lv.1
・闇属性操作(初級) Lv.1
・死霊魔法(中級) Lv.1
・竜爪 Lv.1
・風属性操作(上級) Lv.1
・光操作(低級) Lv.1
・念動力(サイコキネシス)(微弱) Lv.1
・マグマブレス Lv.1
・熱毒生成(低級) Lv.1
・氷結ブレス(低級) Lv.1
・凍傷呪詛(低級) Lv.1
・キメラ化(低級) Lv.1
・**複数属性同時操作(上級) Lv.1 (Level Up!)**

▼防御・耐性スキル
・装甲化(竜鱗) Lv.1
・毒耐性 Lv.5
・電撃耐性 Lv.2
・水属性耐性 Lv.1
・魔法耐性 Lv.5
・精神耐性(超越級) Lv.1
・魔力抵抗(中級) Lv.1
・冷気耐性 Lv.2
・呪詛耐性 Lv.2
・光属性耐性(中級) Lv.1
・時間歪曲耐性(中級) Lv.1
・火属性耐性(上級) Lv.1
・硬質化(熱)(初級) Lv.1
・**聖属性耐性(低級) Lv.1 (Level Up!)**
・再生能力向上(中級) Lv.1

▼移動・補助スキル
・水中適応(中級) Lv.1
・粘性操作 Lv.1
・光合成(中級) Lv.1
・魔力感知(上級) Lv.1
・物質潜行(低級) Lv.1
・振動感知(低級) Lv.1
・飛行(竜翼) Lv.2
・飛行戦闘(極級) Lv.1
・精神感応(テレパシー)(初級) Lv.1
・時間流感知(上級) Lv.1
・時間操作(初歩) Lv.1
・クロノ・イーター(初級) Lv.1
・熱エネルギー吸収(中級) Lv.1
・溶岩操作(初級) Lv.1
・噴火予知(低級) Lv.1
・**竜の威圧(上級) Lv.1 (Level Up!)**
・氷操作(初級) Lv.1
・空域認識(初級) Lv.1
・エネルギー変換効率(低級) Lv.1
・並列思考 Lv.1
・高速学習 Lv.1
・岩石操作(初級) Lv.1
・天候操作(低級) Lv.1
・空間認識(中級) Lv.1
・因果律干渉(微弱) Lv.1

▼知識・解析スキル
・石材知識(上級) Lv.1
・ゴーレムコア解析(最上級) Lv.1
・植物知識(上級) Lv.1
・錬金術知識(初級) Lv.1
・魔法工学知識(上級) Lv.1
・**アイテム鑑定(中級) Lv.1 (Level Up!)**
・機械知識(中級) Lv.1
・金属操作(微弱) Lv.1
・アンデッド知識(上級) Lv.1
・骨操作(初級) Lv.1
・高度魔術知識(上級) Lv.1
・地脈同調(中級) Lv.1
・星核知識(初級) Lv.1
・竜種知識(中級) Lv.1
・封印解除(低級) Lv.1
・古代言語解読(初級) Lv.1
・生命工学知識(上級) Lv.1
・情報吸収(中級) Lv.1
・世界知識(EFO)(中級) Lv.1
・自然エネルギー操作(初級) Lv.1
・植物再生(中級) Lv.1
・精霊知識(初級) Lv.1
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