57 / 89
エピソード57:疑心暗鬼の猟犬たち
ゼロによる電撃的な奇襲と、大手ギルド二つの合同部隊壊滅の報は、瞬く間に対ウロボロス連合軍全体へと伝播した。それは単なる戦術的敗北以上の、心理的な打撃を彼らに与えた。
「馬鹿な……100名以上の部隊が、わずか10分で……!?」
「しかも、相手はほぼ無傷で離脱しただと?」
「奴の移動経路を完全に誤認していた……我々の情報網は、奴に筒抜けなのか?」
連合軍の臨時司令部となったジャッジメントの飛行艇内では、各ギルドの代表者たちが集まり、喧々囂々の議論が繰り広げられていた。 holographic map に表示されたゼロ(ウロボロス)の推定移動経路は、もはや何の信頼性も持たないものとなっていた。
「落ち着け諸君!」ジャッジメントの副司令官である壮年の騎士、バルドルが声を張り上げる。「敵の狙いは、我々の混乱と士気の低下だ。ここで動揺していては、奴の思う壺だぞ」
「しかし、バルドル殿! 我々の部隊は各地に分散しており、いつ、どこを襲われるか分からんのだ! このままでは各個撃破されるだけではないか!」<竜騎士団>の団長が反論する。
「奴の擬態能力は、我々の探知を完全に欺いている。魔力反応すら偽装可能となれば、もはや通常の索敵は意味をなさない!」<月影旅団>の隠密頭が苦々しげに付け加える。
会議室の隅で、アルトは腕を組み、黙って議論を聞いていた。彼の脳裏には、ゼロ(ウロボロス)との二度の戦闘が鮮明に焼き付いている。あの底知れない力、予測不能な戦術。そして、何よりもあの『進化』。奴は戦うたびに強くなる。生半可な包囲網など、何の障害にもならないだろう。
(……面白い。だが、いつまでも好きにはさせねえよ)
アルトは、単独でゼロを追うことを決意していた。連合軍の鈍重な動きに合わせていては、奴には追いつけない。
一方、セラフィナから前線指揮を任されているバルドルは、新たな作戦を提示した。
「……やむを得ん。全軍、一時的に後退し、主要な補給拠点及び、奴が現れる可能性の高い古代遺跡周辺に戦力を集中させる。広域探知結界の範囲を絞り、そこに奴をおびき寄せ、精鋭部隊で一気に叩く!」
それは、待ち伏せ作戦の縮小版であり、同時に、これ以上の損害を避けるための防御的な判断でもあった。連合軍は不承不承ながらも、その指示に従い、再編成を開始した。
だが、ゼロはその動きすらも読んでいた。
『後退し、戦力を集中させるか。守りに入ったな。だが、それこそが隙となる』
ゼロは、連合軍の動きを【魔力感知(上級)】と【空域認識(初級)】で把握しながら、次のターゲットを選定していた。それは、連合軍が後退する際に、一時的に手薄になるであろう、後方の補給部隊だった。
補給部隊は、食料やポーション、武器弾薬などを前線へと運ぶ重要な役割を担っている。ここを叩けば、連合軍の継戦能力を削ぎ、さらなる混乱を引き起こすことができる。
ゼロは、山岳地帯を進む比較的小規模な補給部隊を発見した。護衛のプレイヤーは30名ほど。輸送用の大型ゴーレムや荷馬車が列をなしている。
今回は、嵐雲への擬態ではない。ゼロは【万象擬態】Lv.2を使い、輸送用ゴーレムの一体へと完璧に姿を変えた。サイズ、材質、動作音、そしてゴーレム特有の微弱な魔力反応まで模倣する。ゼロ(ゴーレム)は、何の疑いも持たれずに、補給部隊の列に紛れ込んだ。
「ったく、なんで俺たちが後方支援なんだよ。ウロボロスと戦って、手柄を立てたかったぜ」
「ぼやくなよ。補給がなけりゃ、前線も戦えねえんだ。これも重要な任務だろ」
護衛のプレイヤーたちが、気の抜けた会話を交わしている。彼らは、自分たちのすぐそばに、災害級モンスターが潜んでいることなど夢にも思っていない。
ゼロは、機が熟すのを待った。部隊が、両側を崖に挟まれた、見通しの悪い狭い谷道に差し掛かった、その時。
『――開始する』
ゼロ(ゴーレム)は、突如としてその動きを止め、内部から【形態変化戦闘(竜技)】を発動! ゴーレムの偽りの外殻を突き破り、無数の鋭利な竜爪と触手を全方位に展開させた!
「な、なんだぁっ!?」
「ゴーレムが……暴走したのか!?」
周囲にいたプレイヤーたちは、何が起こったのか理解できないまま、ゼロの不意打ちによって薙ぎ倒され、引き裂かれる!
ゼロは即座に【竜の威圧(上級)】Lv.1を放ち、残りのプレイヤーたちの動きを封じ込める! 上位に進化した威圧は、中堅クラスのプレイヤーならば、短時間とはいえ完全に動きを止めるほどの効果を発揮した。
動けなくなった護衛たちを、【腐食毒液】と【混沌弾】で一方的に蹂躙する。悲鳴を上げる暇すら与えない、文字通りの瞬殺だった。
戦闘は、わずか数十秒で終わった。ゼロは、残ったプレイヤーたちを【捕食】し、さらに輸送されていた物資――特に、エネルギー源となる魔石や、特殊な効果を持つ薬草、未知の金属素材など――も【捕食】、あるいは【情報吸収】で解析し、自身の力へと変えていった。
【スキルレベルアップ】
・錬金術知識(初級) Lv.1 → 錬金術知識(中級) Lv.1
・金属操作(微弱) Lv.1 → 金属操作(低級) Lv.1
・エネルギー変換効率(低級) Lv.1 → エネルギー変換効率(中級) Lv.1
補給物資の捕食は、直接的な戦闘能力向上には繋がりにくいが、ゼロの知識ベースと基礎能力を着実に底上げしていく。
ゼロは、再びゴーレムに擬態すると、何事もなかったかのようにその場を立ち去った。後には、破壊された荷馬車と、わずかな装備品の残骸だけが残されていた。
この補給部隊襲撃の報は、連合軍司令部にさらなる衝撃をもたらした。
「補給部隊までやられただと!?」
「護衛もつけていたはずだぞ!」
「生存者の報告によれば、輸送用ゴーレムが内部から変形し、襲い掛かってきたと……」
「ゴーレムに擬態だと!? そんな芸当まで可能なのか、あの化け物は!」
「もはや、何が奴で、何が奴でないのか、見分けがつかん……!」
疑心暗鬼。それが、連合軍全体を覆い始めた。味方かもしれない存在すら信じられない。どこにゼロが潜んでいるか分からない。その恐怖は、目に見える損害以上に、彼らの結束を蝕んでいった。
待ち伏せ作戦も、ゼロが全く別の場所で、予想外の方法で襲撃を繰り返すため、効果を上げていない。戦力を集中させた拠点にはゼロは現れず、手薄になった場所が的確に狙われる。ゼロは、まるで連合軍の思考を読み、その裏をかき続けているかのようだった。
(【並列思考】と【高速学習】、そして【魔力感知(上級)】による情報収集。これらを組み合わせれば、奴らの動きを読むのは、もはや造作もない)
ゼロは、連合軍を翻弄しながら、自身の能力をさらに洗練させていた。システムの監視の目は依然として感じるものの、今のところ直接的な攻撃はない。おそらく、連合軍(プレイヤー)によってゼロを排除させるのが、システム側の優先事項なのだろう。
『だが、それも時間の問題か……』
ゼロは、連合軍の混乱が頂点に達するであろうタイミングを見計らっていた。その時こそ、こちらも大きな賭けに出る時だ。
神出鬼没の捕食者は、次なる一手として、連合軍が最も警戒し、同時に最も手薄になっているであろう『あの場所』へと、静かにその狙いを定め始めていた。それは、かつてゼロが激闘を繰り広げ、そして蒼き疾風と再会した場所――忘れられた王国跡。連合軍の注意が補給線や他の拠点に向いている今こそ、そこに眠る最後の秘密を探る好機だと、ゼロは判断したのだ。
包囲網は、もはやゼロを捕らえる檻ではなく、ゼロが自由に動き回るための、広大な狩場へと変わりつつあった。
---
名前: ゼロ
種族: 名無し(原初の不定形)
称号: 千貌を喰らう者、星屑を宿す者、竜を喰らう者、嵐を喰らう者、法則を喰らう者、世界を揺るがす災害
所属: 未定義
【能力値】
体力: 116
魔力容量: 94
物理攻撃力: 41
物理防御力: 69
魔法攻撃力: 46
魔法防御力: 65
素早さ: 19
【スキル】
▼基本・進化スキル
・捕食 Lv.5
・自己修復 Lv.6
・万象擬態 Lv.2
・原初の不定形 Lv.2
・混沌核 Lv.1
・生命力吸収 Lv.2
▼戦闘・攻撃スキル
・腐食毒液 Lv.2
・形態変化戦闘(竜技) Lv.1
・電撃操作 Lv.1
・混沌弾 Lv.2
・精神攻撃(中級) Lv.1
・戦技:強襲 Lv.1
・剣技:亡者の剣 Lv.1
・闇属性操作(初級) Lv.1
・死霊魔法(中級) Lv.1
・竜爪 Lv.1
・風属性操作(上級) Lv.1
・光操作(低級) Lv.1
・念動力(サイコキネシス)(微弱) Lv.1
・マグマブレス Lv.1
・熱毒生成(低級) Lv.1
・氷結ブレス(低級) Lv.1
・凍傷呪詛(低級) Lv.1
・キメラ化(低級) Lv.1
・複数属性同時操作(上級) Lv.1
▼防御・耐性スキル
・装甲化(竜鱗) Lv.1
・毒耐性 Lv.5
・電撃耐性 Lv.2
・水属性耐性 Lv.1
・魔法耐性 Lv.5
・精神耐性(超越級) Lv.1
・魔力抵抗(中級) Lv.1
・冷気耐性 Lv.2
・呪詛耐性 Lv.2
・光属性耐性(中級) Lv.1
・時間歪曲耐性(中級) Lv.1
・火属性耐性(上級) Lv.1
・硬質化(熱)(初級) Lv.1
・聖属性耐性(低級) Lv.1
・再生能力向上(中級) Lv.1
▼移動・補助スキル
・水中適応(中級) Lv.1
・粘性操作 Lv.1
・光合成(中級) Lv.1
・魔力感知(上級) Lv.1
・物質潜行(低級) Lv.1
・振動感知(低級) Lv.1
・飛行(竜翼) Lv.2
・飛行戦闘(極級) Lv.1
・精神感応(テレパシー)(初級) Lv.1
・時間流感知(上級) Lv.1
・時間操作(初歩) Lv.1
・クロノ・イーター(初級) Lv.1
・熱エネルギー吸収(中級) Lv.1
・溶岩操作(初級) Lv.1
・噴火予知(低級) Lv.1
・竜の威圧(上級) Lv.1 (Level Up!)
・氷操作(初級) Lv.1
・空域認識(初級) Lv.1
・**エネルギー変換効率(中級) Lv.1 (Level Up!)**
・並列思考 Lv.1
・高速学習 Lv.1
・岩石操作(初級) Lv.1
・天候操作(低級) Lv.1
・空間認識(中級) Lv.1
・因果律干渉(微弱) Lv.1
▼知識・解析スキル
・石材知識(上級) Lv.1
・ゴーレムコア解析(最上級) Lv.1
・植物知識(上級) Lv.1
・**錬金術知識(中級) Lv.1 (Level Up!)**
・魔法工学知識(上級) Lv.1
・アイテム鑑定(中級) Lv.1
・機械知識(中級) Lv.1
・**金属操作(低級) Lv.1 (Level Up!)**
・アンデッド知識(上級) Lv.1
・骨操作(初級) Lv.1
・高度魔術知識(上級) Lv.1
・地脈同調(中級) Lv.1
・星核知識(初級) Lv.1
・竜種知識(中級) Lv.1
・封印解除(低級) Lv.1
・古代言語解読(初級) Lv.1
・生命工学知識(上級) Lv.1
・情報吸収(中級) Lv.1
・世界知識(EFO)(中級) Lv.1
・自然エネルギー操作(初級) Lv.1
・植物再生(中級) Lv.1
・精霊知識(初級) Lv.1
「馬鹿な……100名以上の部隊が、わずか10分で……!?」
「しかも、相手はほぼ無傷で離脱しただと?」
「奴の移動経路を完全に誤認していた……我々の情報網は、奴に筒抜けなのか?」
連合軍の臨時司令部となったジャッジメントの飛行艇内では、各ギルドの代表者たちが集まり、喧々囂々の議論が繰り広げられていた。 holographic map に表示されたゼロ(ウロボロス)の推定移動経路は、もはや何の信頼性も持たないものとなっていた。
「落ち着け諸君!」ジャッジメントの副司令官である壮年の騎士、バルドルが声を張り上げる。「敵の狙いは、我々の混乱と士気の低下だ。ここで動揺していては、奴の思う壺だぞ」
「しかし、バルドル殿! 我々の部隊は各地に分散しており、いつ、どこを襲われるか分からんのだ! このままでは各個撃破されるだけではないか!」<竜騎士団>の団長が反論する。
「奴の擬態能力は、我々の探知を完全に欺いている。魔力反応すら偽装可能となれば、もはや通常の索敵は意味をなさない!」<月影旅団>の隠密頭が苦々しげに付け加える。
会議室の隅で、アルトは腕を組み、黙って議論を聞いていた。彼の脳裏には、ゼロ(ウロボロス)との二度の戦闘が鮮明に焼き付いている。あの底知れない力、予測不能な戦術。そして、何よりもあの『進化』。奴は戦うたびに強くなる。生半可な包囲網など、何の障害にもならないだろう。
(……面白い。だが、いつまでも好きにはさせねえよ)
アルトは、単独でゼロを追うことを決意していた。連合軍の鈍重な動きに合わせていては、奴には追いつけない。
一方、セラフィナから前線指揮を任されているバルドルは、新たな作戦を提示した。
「……やむを得ん。全軍、一時的に後退し、主要な補給拠点及び、奴が現れる可能性の高い古代遺跡周辺に戦力を集中させる。広域探知結界の範囲を絞り、そこに奴をおびき寄せ、精鋭部隊で一気に叩く!」
それは、待ち伏せ作戦の縮小版であり、同時に、これ以上の損害を避けるための防御的な判断でもあった。連合軍は不承不承ながらも、その指示に従い、再編成を開始した。
だが、ゼロはその動きすらも読んでいた。
『後退し、戦力を集中させるか。守りに入ったな。だが、それこそが隙となる』
ゼロは、連合軍の動きを【魔力感知(上級)】と【空域認識(初級)】で把握しながら、次のターゲットを選定していた。それは、連合軍が後退する際に、一時的に手薄になるであろう、後方の補給部隊だった。
補給部隊は、食料やポーション、武器弾薬などを前線へと運ぶ重要な役割を担っている。ここを叩けば、連合軍の継戦能力を削ぎ、さらなる混乱を引き起こすことができる。
ゼロは、山岳地帯を進む比較的小規模な補給部隊を発見した。護衛のプレイヤーは30名ほど。輸送用の大型ゴーレムや荷馬車が列をなしている。
今回は、嵐雲への擬態ではない。ゼロは【万象擬態】Lv.2を使い、輸送用ゴーレムの一体へと完璧に姿を変えた。サイズ、材質、動作音、そしてゴーレム特有の微弱な魔力反応まで模倣する。ゼロ(ゴーレム)は、何の疑いも持たれずに、補給部隊の列に紛れ込んだ。
「ったく、なんで俺たちが後方支援なんだよ。ウロボロスと戦って、手柄を立てたかったぜ」
「ぼやくなよ。補給がなけりゃ、前線も戦えねえんだ。これも重要な任務だろ」
護衛のプレイヤーたちが、気の抜けた会話を交わしている。彼らは、自分たちのすぐそばに、災害級モンスターが潜んでいることなど夢にも思っていない。
ゼロは、機が熟すのを待った。部隊が、両側を崖に挟まれた、見通しの悪い狭い谷道に差し掛かった、その時。
『――開始する』
ゼロ(ゴーレム)は、突如としてその動きを止め、内部から【形態変化戦闘(竜技)】を発動! ゴーレムの偽りの外殻を突き破り、無数の鋭利な竜爪と触手を全方位に展開させた!
「な、なんだぁっ!?」
「ゴーレムが……暴走したのか!?」
周囲にいたプレイヤーたちは、何が起こったのか理解できないまま、ゼロの不意打ちによって薙ぎ倒され、引き裂かれる!
ゼロは即座に【竜の威圧(上級)】Lv.1を放ち、残りのプレイヤーたちの動きを封じ込める! 上位に進化した威圧は、中堅クラスのプレイヤーならば、短時間とはいえ完全に動きを止めるほどの効果を発揮した。
動けなくなった護衛たちを、【腐食毒液】と【混沌弾】で一方的に蹂躙する。悲鳴を上げる暇すら与えない、文字通りの瞬殺だった。
戦闘は、わずか数十秒で終わった。ゼロは、残ったプレイヤーたちを【捕食】し、さらに輸送されていた物資――特に、エネルギー源となる魔石や、特殊な効果を持つ薬草、未知の金属素材など――も【捕食】、あるいは【情報吸収】で解析し、自身の力へと変えていった。
【スキルレベルアップ】
・錬金術知識(初級) Lv.1 → 錬金術知識(中級) Lv.1
・金属操作(微弱) Lv.1 → 金属操作(低級) Lv.1
・エネルギー変換効率(低級) Lv.1 → エネルギー変換効率(中級) Lv.1
補給物資の捕食は、直接的な戦闘能力向上には繋がりにくいが、ゼロの知識ベースと基礎能力を着実に底上げしていく。
ゼロは、再びゴーレムに擬態すると、何事もなかったかのようにその場を立ち去った。後には、破壊された荷馬車と、わずかな装備品の残骸だけが残されていた。
この補給部隊襲撃の報は、連合軍司令部にさらなる衝撃をもたらした。
「補給部隊までやられただと!?」
「護衛もつけていたはずだぞ!」
「生存者の報告によれば、輸送用ゴーレムが内部から変形し、襲い掛かってきたと……」
「ゴーレムに擬態だと!? そんな芸当まで可能なのか、あの化け物は!」
「もはや、何が奴で、何が奴でないのか、見分けがつかん……!」
疑心暗鬼。それが、連合軍全体を覆い始めた。味方かもしれない存在すら信じられない。どこにゼロが潜んでいるか分からない。その恐怖は、目に見える損害以上に、彼らの結束を蝕んでいった。
待ち伏せ作戦も、ゼロが全く別の場所で、予想外の方法で襲撃を繰り返すため、効果を上げていない。戦力を集中させた拠点にはゼロは現れず、手薄になった場所が的確に狙われる。ゼロは、まるで連合軍の思考を読み、その裏をかき続けているかのようだった。
(【並列思考】と【高速学習】、そして【魔力感知(上級)】による情報収集。これらを組み合わせれば、奴らの動きを読むのは、もはや造作もない)
ゼロは、連合軍を翻弄しながら、自身の能力をさらに洗練させていた。システムの監視の目は依然として感じるものの、今のところ直接的な攻撃はない。おそらく、連合軍(プレイヤー)によってゼロを排除させるのが、システム側の優先事項なのだろう。
『だが、それも時間の問題か……』
ゼロは、連合軍の混乱が頂点に達するであろうタイミングを見計らっていた。その時こそ、こちらも大きな賭けに出る時だ。
神出鬼没の捕食者は、次なる一手として、連合軍が最も警戒し、同時に最も手薄になっているであろう『あの場所』へと、静かにその狙いを定め始めていた。それは、かつてゼロが激闘を繰り広げ、そして蒼き疾風と再会した場所――忘れられた王国跡。連合軍の注意が補給線や他の拠点に向いている今こそ、そこに眠る最後の秘密を探る好機だと、ゼロは判断したのだ。
包囲網は、もはやゼロを捕らえる檻ではなく、ゼロが自由に動き回るための、広大な狩場へと変わりつつあった。
---
名前: ゼロ
種族: 名無し(原初の不定形)
称号: 千貌を喰らう者、星屑を宿す者、竜を喰らう者、嵐を喰らう者、法則を喰らう者、世界を揺るがす災害
所属: 未定義
【能力値】
体力: 116
魔力容量: 94
物理攻撃力: 41
物理防御力: 69
魔法攻撃力: 46
魔法防御力: 65
素早さ: 19
【スキル】
▼基本・進化スキル
・捕食 Lv.5
・自己修復 Lv.6
・万象擬態 Lv.2
・原初の不定形 Lv.2
・混沌核 Lv.1
・生命力吸収 Lv.2
▼戦闘・攻撃スキル
・腐食毒液 Lv.2
・形態変化戦闘(竜技) Lv.1
・電撃操作 Lv.1
・混沌弾 Lv.2
・精神攻撃(中級) Lv.1
・戦技:強襲 Lv.1
・剣技:亡者の剣 Lv.1
・闇属性操作(初級) Lv.1
・死霊魔法(中級) Lv.1
・竜爪 Lv.1
・風属性操作(上級) Lv.1
・光操作(低級) Lv.1
・念動力(サイコキネシス)(微弱) Lv.1
・マグマブレス Lv.1
・熱毒生成(低級) Lv.1
・氷結ブレス(低級) Lv.1
・凍傷呪詛(低級) Lv.1
・キメラ化(低級) Lv.1
・複数属性同時操作(上級) Lv.1
▼防御・耐性スキル
・装甲化(竜鱗) Lv.1
・毒耐性 Lv.5
・電撃耐性 Lv.2
・水属性耐性 Lv.1
・魔法耐性 Lv.5
・精神耐性(超越級) Lv.1
・魔力抵抗(中級) Lv.1
・冷気耐性 Lv.2
・呪詛耐性 Lv.2
・光属性耐性(中級) Lv.1
・時間歪曲耐性(中級) Lv.1
・火属性耐性(上級) Lv.1
・硬質化(熱)(初級) Lv.1
・聖属性耐性(低級) Lv.1
・再生能力向上(中級) Lv.1
▼移動・補助スキル
・水中適応(中級) Lv.1
・粘性操作 Lv.1
・光合成(中級) Lv.1
・魔力感知(上級) Lv.1
・物質潜行(低級) Lv.1
・振動感知(低級) Lv.1
・飛行(竜翼) Lv.2
・飛行戦闘(極級) Lv.1
・精神感応(テレパシー)(初級) Lv.1
・時間流感知(上級) Lv.1
・時間操作(初歩) Lv.1
・クロノ・イーター(初級) Lv.1
・熱エネルギー吸収(中級) Lv.1
・溶岩操作(初級) Lv.1
・噴火予知(低級) Lv.1
・竜の威圧(上級) Lv.1 (Level Up!)
・氷操作(初級) Lv.1
・空域認識(初級) Lv.1
・**エネルギー変換効率(中級) Lv.1 (Level Up!)**
・並列思考 Lv.1
・高速学習 Lv.1
・岩石操作(初級) Lv.1
・天候操作(低級) Lv.1
・空間認識(中級) Lv.1
・因果律干渉(微弱) Lv.1
▼知識・解析スキル
・石材知識(上級) Lv.1
・ゴーレムコア解析(最上級) Lv.1
・植物知識(上級) Lv.1
・**錬金術知識(中級) Lv.1 (Level Up!)**
・魔法工学知識(上級) Lv.1
・アイテム鑑定(中級) Lv.1
・機械知識(中級) Lv.1
・**金属操作(低級) Lv.1 (Level Up!)**
・アンデッド知識(上級) Lv.1
・骨操作(初級) Lv.1
・高度魔術知識(上級) Lv.1
・地脈同調(中級) Lv.1
・星核知識(初級) Lv.1
・竜種知識(中級) Lv.1
・封印解除(低級) Lv.1
・古代言語解読(初級) Lv.1
・生命工学知識(上級) Lv.1
・情報吸収(中級) Lv.1
・世界知識(EFO)(中級) Lv.1
・自然エネルギー操作(初級) Lv.1
・植物再生(中級) Lv.1
・精霊知識(初級) Lv.1
あなたにおすすめの小説
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】