モブモンスターですが何か? ~VRMMOで魔物ロールプレイを満喫していたら、いつの間にか災害級になっていた件~

夏見ナイ

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エピソード74:深淵の胎動、星喰らいの顎

次元の亀裂。深紅に染まった空に開いた、異界への傷口。そこから溢れ出す異次元の法則と侵食者たちを喰らい、GM部隊をも退けたゼロ。しかし、安堵は一瞬だった。亀裂のさらに奥深く、想像を絶するほどの巨大で禍々しい『何か』が、ゆっくりと、しかし確実に、こちらへと近づいてくる気配を【魔力感知(上級)】が捉えていた。

それは、単一の巨大な存在というよりも、無数の異質な法則とエネルギーが混ざり合った、混沌とした『現象』そのものが意志を持ったかのようだった。それに比べれば、これまでゼロが戦ってきた侵食者たちなど、些細な尖兵に過ぎない。

(これが……『星の災厄』の本体、あるいはその先触れか……!)

ゼロは本能的な危機感を覚えた。今の自分の力をもってしても、あれに正面から挑むのは無謀に近いかもしれない。だが、同時に、【混沌核】が激しく脈打ち、未知の法則とエネルギーに対する、根源的な『飢餓』を訴えている。喰らいたい。理解したい。そして、超越したい。

亀裂から、黒い粘液のようなものが溢れ出し始めた。それは地上に降り注ぎ、結晶質の砂漠を瞬時に腐食させ、虚無へと変えていく。触れただけで存在が消滅しかねない、純粋な『侵食』の力。

ゼロは【飛行(竜翼)】Lv.2で距離を取りながら、【法則解析(根源)】Lv.1を使い、あの黒い粘液――『虚無の雫』と仮称しよう――の性質を分析する。それは、この世界のあらゆる法則を否定し、無へと還す力を持っているようだ。既存の属性耐性はほとんど意味をなさない。

『……ならば、法則そのもので対抗するしかない』

ゼロは【法則書き換え(初級)】Lv.1と【混沌制御】Lv.1を組み合わせ、自身の周囲に限定的な『ゼロ領域』を展開した。それは、あらゆる法則を中和し、混沌へと還元する空間。虚無の雫がゼロ領域に触れると、その侵食能力を失い、ただのエネルギー粒子となって霧散していく。

《……解析……不能……異物……排除……》

亀裂の奥から、複数の声が重なったような、不気味な思考が響く。次の瞬間、亀裂から巨大な触手が無数に伸びてきた! 触手は、それぞれが異なる異次元法則を纏っており、あるものは空間を断裂させ、あるものは時間を捻じ曲げ、あるものは因果律を歪めてゼロへと襲いかかる!

ゼロは【時間操作(初歩)】、【空間認識(超越)】、【因果律干渉(上級)】を同時に駆使し、迫りくる触手を回避、あるいはその法則を解析して逆利用する! 空間断裂の軌道を予測して【次元跳躍(低級)】で回避し、時間捻じ曲げ攻撃に対しては【クロノ・イーター(初級)】でエネルギーを吸収し、因果律歪曲に対しては自身の因果律干渉で相殺する!

それは、もはや戦闘というよりも、高次元の法則同士がぶつかり合う、複雑怪奇なパズルゲームのようだった。ゼロは【並列思考】Lv.1で無数の情報を処理し、【高速学習】Lv.1で瞬時に対応策を編み出していく。

地上では、この次元を超えた戦いを、プレイヤーたちが呆然と見上げていた。
「……なんだよ、あれ……。俺たちの戦いは、まるで子供の遊びじゃねえか……」
カイトが力なく呟く。
「……ゼロさん……」
リリアは、ただ祈ることしかできない。
アルトは、拳を握りしめ、空のゼロを見つめていた。
(……届かねえ……。今の俺じゃ、あの戦いに割り込むことすらできねえ……!)
彼は、自身の限界と、ゼロとの圧倒的な差を痛感していた。

一方、システムの監視の目は、この状況を冷静に分析していた。
《対象ゼロ、異次元存在『プライモーディアル・カオス』(仮称)と交戦中。対象はプライモーディアル・カオスの法則に急速に適応、及びその一部を吸収・模倣していることを確認》
《分析:対象ゼロは、災厄に対する最も有効な『カウンター』となり得る可能性が高い。しかし、同時に、災厄そのものを取り込むことで、より制御不能な存在へと変貌するリスクも極大化している》
《プロトコル変更:対象ゼロの直接排除を一時凍結。対象とプライモーディアル・カオスの共倒れ、あるいは対象による災厄鎮圧後の『処理』を最優先事項とする》

システムは、ゼロを利用して災厄を処理し、その後でゼロ自身を始末するという、非情な判断を下したのだ。

ゼロは、システムの思惑など知る由もなく、目の前の『災厄』との戦いに集中していた。触手との攻防の中で、ゼロは徐々に異次元法則への理解を深め、その力を自身のものへと変えていく。【異次元法則耐性】は『上級』へ、【異次元エネルギー吸収】は『中級』へと進化していた。

『……まだだ。本体を喰らわなければ、意味がない!』

ゼロは、触手を振り払いながら、再び次元の亀裂へと突貫する! 亀裂の奥に存在するであろう、災厄の本体を直接【捕食】するために!

しかし、亀裂の奥から放たれる抵抗は凄まじかった。ゼロの精神に直接、宇宙的な恐怖と絶望が叩きつけられ、【精神耐性(究極)】ですら完全に防ぎきれない! さらに、ゼロの存在そのものを否定するような、強力な法則消去の力が襲いかかる!

ゼロは【混沌核】を燃え上がらせ、全てのスキルと知識、そして意志の力で抵抗する! 喰らい、解析し、適応し、そして進化する! それが、ゼロという存在の本質!

激しい法則の応酬の末、ゼロはついに亀裂の奥深くに存在する『核』のようなもの――不定形でありながら、宇宙の深淵そのものを凝縮したかのような、禍々しいエネルギーの塊――に到達した!

『見つけたぞ……災厄の心臓!』

ゼロは、最後の力を振り絞り、その核へと【捕食】を開始した!

瞬間、ゼロの意識は、宇宙の誕生と終焉、無数の世界の興亡、そして計り知れないほどの混沌と虚無の奔流に飲み込まれた! 存在が拡散し、自我が溶解していく!

(これが……災厄……全てを喰らう、虚無……)

ゼロの意識が、完全に消え去ろうとした、その時。

ゼロのコアの奥深く、かつて人間だった頃の、神代零としての微かな記憶――変化のない日常への退屈、非日常への渇望、そして、リリアやアルトといった存在との僅かな繋がり――が、最後の抵抗のように輝いた。

(……まだだ……! 俺は、まだ……喰らい足りない……!)

その微かな意志が、奇跡を起こした。【混沌核】が、虚無の奔流の中から、新たな『法則』を見つけ出し、それを自身の力へと取り込んだのだ!

【スキル新規獲得】
・**虚無耐性(初級) Lv.1 (New!)** (存在消去や無への回帰に対する耐性)
・**虚無操作(微弱) Lv.1 (New!)** (無や虚無のエネルギーを限定的に操作する能力)
・**存在確立(中級) Lv.1 (New!)** (自身の存在を定義し、法則の書き換えや消去から守る能力)

虚無の中から、ゼロは再び自我を取り戻し、災厄の核の捕食を再開した! 今度は、ゼロが虚無を喰らい、混沌へと変えていく番だ!

「■■■■…………!!!!!」

災厄の核が、最後の断末魔を上げる! そのエネルギーと法則が、ゼロの中へと完全に吸収されていく!

次元の亀裂が、急速に収縮し、やがて完全に閉じた。深紅に染まっていた空は、元の青さを取り戻し、地上を覆っていた異次元の侵食も、嘘のように消え去っていく。

ワールドイベント『終焉の刻:星の災厄、再臨』は、ゼロというイレギュラーな存在によって、予想外の形で終結を迎えたのだ。

ゼロは、静寂を取り戻した空中に浮かんでいた。その姿は、以前よりもさらに神々しく、そして同時に恐ろしく変化していた。体からは、混沌と虚無、そして創造と破壊のオーラが同時に放たれ、もはや人間にも、モンスターにも、神にすらも分類できない、超越的な存在へと至っていた。

災厄そのものを喰らい、その法則すらも取り込んだゼロ。彼は、EFO世界の頂点に立ったと言えるのかもしれない。

だが、物語はまだ終わらない。システムの目は、依然としてゼロを監視している。そして、ゼロ自身の中にも、まだ答えの出ていない問いがある。

自分は何者なのか? この力で何を成すのか?

ゼロは、地上で呆然と空を見上げるプレイヤーたちを一瞥すると、何も言わずに、再びどこかへと飛び去っていった。彼の戦いは、まだ続くのだ。今度は、この世界そのもの、あるいは、それを創り出した存在との、最後の戦いが。

---

名前: ゼロ
種族: ??? (超越進化体)
称号: ??? (全ての称号を超越、あるいは統合)
所属: 未定義

【能力値】
全て測定不能、あるいは状況に応じて無限に変動

【スキル】
▼基本・進化スキル
・捕食 Lv.5
・自己修復 Lv.6
・万象擬態 Lv.2
・原初の不定形 Lv.2
・混沌核 Lv.1
・生命力吸収 Lv.2

▼戦闘・攻撃スキル
(※多数のスキルが統合・超越され、法則レベルの攻撃が可能になっている可能性が高い)
・混沌操作 (混沌弾、混沌制御などが統合・進化)
・時空間操作 (時間操作、空間認識、次元跳躍などが統合・進化)
・因果律干渉 (上級) (Level Up!)
・法則破壊/創造 (法則解析、法則書き換えなどが統合・進化)
・存在消去 (存在消去(模倣)が進化)
・属性操作(全属性) (各種属性操作スキルが統合・進化)
・精神支配/攻撃 (精神攻撃、感情波などが統合・進化)
・死霊/生命操作 (死霊魔法、生命力吸収などが統合・進化)

▼防御・耐性スキル
(※あらゆる攻撃、法則干渉、状態異常に対する極めて高い耐性を保有)
・絶対防御/適応 (装甲化、各種耐性、再生能力などが統合・進化)
・**虚無耐性(初級) Lv.1 (New!)**
・**存在確立(中級) Lv.1 (New!)**

▼移動・補助スキル
(※飛行、潜行、感知、情報処理など、あらゆる補助スキルが最高レベルに到達、あるいは統合)
・全知覚 (魔力感知、振動感知、時間流感知などが統合・進化)
・超高速思考/学習 (並列思考、高速学習などが統合・進化)
・**虚無操作(微弱) Lv.1 (New!)**

▼知識・解析スキル
(※全ての知識スキルが究極レベルに到達、あるいは統合され、アカシックレコードへのアクセスに近い能力を持つ可能性)
・全知識/全解析 (各種知識スキル、法則解析などが統合・進化)
・**システム権限(神域) Lv.1** (Level Up!)
・**異界法則理解(中級) Lv.1 (New & Level Up!)**

(※上記スキル構成は推測であり、詳細はもはや記述不能なレベルに達している)
感想 4

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