36 / 65
第36話 楽園への侵入者と侮蔑の眼差し
夜の闇が、『安らぎの庭』を支配していた。
暖炉の火が揺れる、温かいはずのログハウスの中は、今、かつてないほどの緊張感に満ちていた。フェンの低い唸り声が、静寂を切り裂くように響いている。彼の全身の毛は逆立ち、その巨体は、いつでも飛びかかっていけるように、しなやかなバネのように低く構えられていた。
俺は、黒鉄の棍棒を握る手に、ぐっと力を込めた。隣に立つエリナの指先からは、淡い翠色の魔力が、陽炎のように立ち上っている。彼女の翠の瞳は、ログハウスの扉の向こう、深い闇の奥を、氷のように冷たい光で射抜いていた。
招かれざる客。
その足音は、もう、家のすぐそこまで迫っていた。
複数人いる。それも、ただの人間ではない。その足取りには、目的を果たすための、歪んだ意志と、醜い欲望が色濃く滲んでいた。
「……来たな」
俺がそう呟いたのと、扉が、乱暴に叩かれたのは、ほぼ同時だった。
ドンドン!と、まるで扉を破壊するかのような、無遠慮なノック。
「おい! 誰か、いるのはわかっているんだ! 開けろ!」
その声を聞いた瞬間、俺の全身を、冷たい怒りが駆け巡った。
聞き間違えるはずもない。
傲慢で、自己中心的で、俺を無能と罵り、この死の森に捨てた男の声。
ガイアスだ。
エリナが、俺の顔を、心配そうに見上げた。俺が、かつての仲間たちの登場に、動揺すると思ったのかもしれない。
だが、俺は、静かに首を横に振った。
俺の心は、驚くほど、凪いでいた。かつての仲間への情など、追放されたあの日、魔瘴の森に足を踏み入れた瞬間に、すべて消え失せていたのだ。
俺は、エリナの肩を軽く叩き、フェンの頭を一度撫でてやると、一人で扉へと向かった。そして、ゆっくりと、その重い黒鉄の扉を開いた。
扉の向こうに立っていたのは、予想通りの顔ぶれだった。
リーダーのガイアス、盗賊のイザーク、魔法使いのクローディア、そして、聖女リリアナ。
Aランクパーティ『暁の剣』。俺の過去の亡霊たちが、そこにいた。
だが、彼らの姿は、俺が知っていた頃とは、まるで違っていた。
自信に満ち溢れていたはずのガイアスの顔には、深い疲労と焦りが刻まれ、その目は、獲物を探す飢えた獣のように、ギラギラと血走っている。
軽やかだったはずのイザークは、痩せこけ、その視線は、絶えず周囲を警戒するように、落ち着きなく彷徨っていた。
常に冷静で、美しくあったクローディアの装いも、今は泥と埃で汚れ、その表情には、隠しきれない後悔の色が浮かんでいる。
聖女リリアナに至っては、神聖なオーラなど見る影もなく、ただ青ざめた顔で、この森の邪悪な気に耐えるかのように、小刻みに震えているだけだった。
彼らは、ボロボロだった。
心も、体も、そして、おそらくは、その魂までも。
そんな彼らが、俺の姿を、そして、俺の背後に広がる、壮麗なログハウスの内部を認識した瞬間、その場に、時間が止まったかのような、完全な沈黙が訪れた。
「……ル、イン……?」
最初に声を発したのは、クローディアだった。その声は、信じられないものを見たかのように、か細く震えていた。
「な、なぜ、お前が……生きている……? そ、それに、この家は、なんだ……? こんな、魔瘴の森の、ど真ん中に……?」
イザークが、どもりながら、うわ言のように呟く。
彼らの常識では、理解が追いつかないのだろう。
死んだと思っていた、無能な荷物持ちが、生きては帰れないはずの死の大地で、まるで王侯貴族の別荘のような、ありえないほど豪華な家に住んでいる。この、悪夢のような現実を、彼らの脳は、処理しきれずにいた。
俺は、そんな彼らを、ただ黙って、冷ややかに見つめていた。
そして、彼らの視線が、俺の背後から、ひょこりと顔を覗かせた、エリナとフェンの姿を捉えた時、彼らの驚愕は、頂点に達した。
「エ、エルフ……!? それも、ただのエルフじゃない……この、気高い魔力は……!?」
クローディアが、魔法使いとしての本能で、エリナの持つ規格外の魔力量を察知し、絶句する。
「し、白銀の狼……! ま、まさか、伝説の……神獣、フェンリルだというのか……!?」
ガイアスが、その巨躯を震わせ、目の前の光景を、信じられないといった様子で見つめている。
彼らの混乱と驚愕を、俺は、まるで、面白い芝居でも見るかのように、静かに観察していた。
やがて、ガイアスが、驚愕から、ゆっくりと、醜い嫉妬の色へと、その表情を変えていく。
「……ふん。少し見ない間に、随分と、偉くなったじゃないか、ルイン」
彼は、自分を落ち着かせるように、わざと、尊大な口調で言った。
「その立派な家も、その美しいエルフも、その珍しい獣も……。全て、俺たちが、お前をこの森に捨ててやったおかげで、手に入った幸運だと思え」
恩着せがましい、吐き気のするような言葉。
だが、俺は、もう、そんな言葉に、傷つくことも、腹を立てることもなかった。
俺は、ただ、静かに、そして、心の底から冷え切った声で、彼らに問いかけた。
「……それで、何の用だ?」
その声には、かつての、気弱なルインの面影は、ひとかけらもなかった。
それは、自らの聖域を、土足で踏み荒らしに来た侵入者に対する、庭の主としての、威圧感に満ちた声だった。
「ここは、俺の庭だ。お前たちのような、招かれざる客が、気安く足を踏み入れていい場所じゃない。用がないなら、さっさと失せろ」
俺の、あまりにも冷たい、突き放すような態度に、ガイアスたちは、一瞬、たじろいだ。
彼らは、俺が、泣いて、彼らに許しを乞うとでも、思っていたのだろうか。あるいは、再会を喜び、自分たちを、温かく迎え入れるとでも、期待していたのだろうか。
甘い。あまりにも、甘すぎる。
「……その態度、気に入らないな、ルイン」
ガイアスが、低い声で、唸るように言った。彼の瞳に、再び、あの、俺を支配していた頃の、傲慢な光が戻ってくる。
「どうやら、少し、お灸を据えてやる必要があるらしい。お前が、誰のおかげで、ここまでこれたのか。その身に、もう一度、思い出させてやる」
彼は、ゆっくりと、腰に差した大剣の柄に、手をかけた。
イザークも、短剣を抜き放ち、リリアナは、杖を構えて、詠唱の準備を始める。
クローディアだけが、何かを言いたげに、複雑な表情で、俺とガイアスを、交互に見ていた。
どうやら、彼らは、話し合いに来たわけではないらしい。
最初から、力ずくで、自分たちの要求を、通すつもりだったのだ。
「……そうか」
俺は、短く、そう呟いた。
そして、握りしめた黒鉄の棍棒を、トン、と、軽く地面に突き立てた。
「ならば、仕方ないな」
俺は、彼らに、最後の宣告をした。
それは、かつて、彼らが俺に与えた絶望に対する、俺からの、ささやかな返礼だった。
「ここが、お前たちの、墓場になる。その覚悟があるのなら……かかってこい」
俺の言葉を合図に、エリナの指先から、翠色の閃光がほとばしり、フェンが、大地を揺るがすほどの、雄叫びを上げた。
『安らぎの庭』の、静かな夜は、今、終わりを告げた。
招かれざる過去との、決着の時が、来たのだ。
暖炉の火が揺れる、温かいはずのログハウスの中は、今、かつてないほどの緊張感に満ちていた。フェンの低い唸り声が、静寂を切り裂くように響いている。彼の全身の毛は逆立ち、その巨体は、いつでも飛びかかっていけるように、しなやかなバネのように低く構えられていた。
俺は、黒鉄の棍棒を握る手に、ぐっと力を込めた。隣に立つエリナの指先からは、淡い翠色の魔力が、陽炎のように立ち上っている。彼女の翠の瞳は、ログハウスの扉の向こう、深い闇の奥を、氷のように冷たい光で射抜いていた。
招かれざる客。
その足音は、もう、家のすぐそこまで迫っていた。
複数人いる。それも、ただの人間ではない。その足取りには、目的を果たすための、歪んだ意志と、醜い欲望が色濃く滲んでいた。
「……来たな」
俺がそう呟いたのと、扉が、乱暴に叩かれたのは、ほぼ同時だった。
ドンドン!と、まるで扉を破壊するかのような、無遠慮なノック。
「おい! 誰か、いるのはわかっているんだ! 開けろ!」
その声を聞いた瞬間、俺の全身を、冷たい怒りが駆け巡った。
聞き間違えるはずもない。
傲慢で、自己中心的で、俺を無能と罵り、この死の森に捨てた男の声。
ガイアスだ。
エリナが、俺の顔を、心配そうに見上げた。俺が、かつての仲間たちの登場に、動揺すると思ったのかもしれない。
だが、俺は、静かに首を横に振った。
俺の心は、驚くほど、凪いでいた。かつての仲間への情など、追放されたあの日、魔瘴の森に足を踏み入れた瞬間に、すべて消え失せていたのだ。
俺は、エリナの肩を軽く叩き、フェンの頭を一度撫でてやると、一人で扉へと向かった。そして、ゆっくりと、その重い黒鉄の扉を開いた。
扉の向こうに立っていたのは、予想通りの顔ぶれだった。
リーダーのガイアス、盗賊のイザーク、魔法使いのクローディア、そして、聖女リリアナ。
Aランクパーティ『暁の剣』。俺の過去の亡霊たちが、そこにいた。
だが、彼らの姿は、俺が知っていた頃とは、まるで違っていた。
自信に満ち溢れていたはずのガイアスの顔には、深い疲労と焦りが刻まれ、その目は、獲物を探す飢えた獣のように、ギラギラと血走っている。
軽やかだったはずのイザークは、痩せこけ、その視線は、絶えず周囲を警戒するように、落ち着きなく彷徨っていた。
常に冷静で、美しくあったクローディアの装いも、今は泥と埃で汚れ、その表情には、隠しきれない後悔の色が浮かんでいる。
聖女リリアナに至っては、神聖なオーラなど見る影もなく、ただ青ざめた顔で、この森の邪悪な気に耐えるかのように、小刻みに震えているだけだった。
彼らは、ボロボロだった。
心も、体も、そして、おそらくは、その魂までも。
そんな彼らが、俺の姿を、そして、俺の背後に広がる、壮麗なログハウスの内部を認識した瞬間、その場に、時間が止まったかのような、完全な沈黙が訪れた。
「……ル、イン……?」
最初に声を発したのは、クローディアだった。その声は、信じられないものを見たかのように、か細く震えていた。
「な、なぜ、お前が……生きている……? そ、それに、この家は、なんだ……? こんな、魔瘴の森の、ど真ん中に……?」
イザークが、どもりながら、うわ言のように呟く。
彼らの常識では、理解が追いつかないのだろう。
死んだと思っていた、無能な荷物持ちが、生きては帰れないはずの死の大地で、まるで王侯貴族の別荘のような、ありえないほど豪華な家に住んでいる。この、悪夢のような現実を、彼らの脳は、処理しきれずにいた。
俺は、そんな彼らを、ただ黙って、冷ややかに見つめていた。
そして、彼らの視線が、俺の背後から、ひょこりと顔を覗かせた、エリナとフェンの姿を捉えた時、彼らの驚愕は、頂点に達した。
「エ、エルフ……!? それも、ただのエルフじゃない……この、気高い魔力は……!?」
クローディアが、魔法使いとしての本能で、エリナの持つ規格外の魔力量を察知し、絶句する。
「し、白銀の狼……! ま、まさか、伝説の……神獣、フェンリルだというのか……!?」
ガイアスが、その巨躯を震わせ、目の前の光景を、信じられないといった様子で見つめている。
彼らの混乱と驚愕を、俺は、まるで、面白い芝居でも見るかのように、静かに観察していた。
やがて、ガイアスが、驚愕から、ゆっくりと、醜い嫉妬の色へと、その表情を変えていく。
「……ふん。少し見ない間に、随分と、偉くなったじゃないか、ルイン」
彼は、自分を落ち着かせるように、わざと、尊大な口調で言った。
「その立派な家も、その美しいエルフも、その珍しい獣も……。全て、俺たちが、お前をこの森に捨ててやったおかげで、手に入った幸運だと思え」
恩着せがましい、吐き気のするような言葉。
だが、俺は、もう、そんな言葉に、傷つくことも、腹を立てることもなかった。
俺は、ただ、静かに、そして、心の底から冷え切った声で、彼らに問いかけた。
「……それで、何の用だ?」
その声には、かつての、気弱なルインの面影は、ひとかけらもなかった。
それは、自らの聖域を、土足で踏み荒らしに来た侵入者に対する、庭の主としての、威圧感に満ちた声だった。
「ここは、俺の庭だ。お前たちのような、招かれざる客が、気安く足を踏み入れていい場所じゃない。用がないなら、さっさと失せろ」
俺の、あまりにも冷たい、突き放すような態度に、ガイアスたちは、一瞬、たじろいだ。
彼らは、俺が、泣いて、彼らに許しを乞うとでも、思っていたのだろうか。あるいは、再会を喜び、自分たちを、温かく迎え入れるとでも、期待していたのだろうか。
甘い。あまりにも、甘すぎる。
「……その態度、気に入らないな、ルイン」
ガイアスが、低い声で、唸るように言った。彼の瞳に、再び、あの、俺を支配していた頃の、傲慢な光が戻ってくる。
「どうやら、少し、お灸を据えてやる必要があるらしい。お前が、誰のおかげで、ここまでこれたのか。その身に、もう一度、思い出させてやる」
彼は、ゆっくりと、腰に差した大剣の柄に、手をかけた。
イザークも、短剣を抜き放ち、リリアナは、杖を構えて、詠唱の準備を始める。
クローディアだけが、何かを言いたげに、複雑な表情で、俺とガイアスを、交互に見ていた。
どうやら、彼らは、話し合いに来たわけではないらしい。
最初から、力ずくで、自分たちの要求を、通すつもりだったのだ。
「……そうか」
俺は、短く、そう呟いた。
そして、握りしめた黒鉄の棍棒を、トン、と、軽く地面に突き立てた。
「ならば、仕方ないな」
俺は、彼らに、最後の宣告をした。
それは、かつて、彼らが俺に与えた絶望に対する、俺からの、ささやかな返礼だった。
「ここが、お前たちの、墓場になる。その覚悟があるのなら……かかってこい」
俺の言葉を合図に、エリナの指先から、翠色の閃光がほとばしり、フェンが、大地を揺るがすほどの、雄叫びを上げた。
『安らぎの庭』の、静かな夜は、今、終わりを告げた。
招かれざる過去との、決着の時が、来たのだ。
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します
すもも太郎
ファンタジー
伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。
その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。
出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。
そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。
大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。
今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。
※ハッピーエンドです
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
「魔力無しの恥さらしめ」と実家から追放されたので、隣国で魔道具技師として大成します。父さん、うちの製品がないと戦争に負けますよ?
夏見ナイ
ファンタジー
魔力こそが全ての価値を決める名門公爵家。三男アレンは、魔力ゼロの「恥さらし」として実家から追放された。
すべてを失い流れ着いた隣国で、彼は自らの特異体質『魔力視』――魔力の流れを完璧に視る才能を開花させる。王女リリアーナに見出された彼は、魔道具技師として次々と革新的な発明を生み出し、瞬く間に国の英雄へとのし上がっていく。
その頃、アレンを追放した祖国は帝国との戦争で滅亡の危機に。彼らが最後の望みを託した同盟国の最新兵器。その開発者こそが、追放した無能な息子アレンだと知った時、家族の後悔は絶望へと変わる――。