元社畜、異世界でダンジョン経営始めます~ブラック企業式効率化による、最強ダンジョン構築計画~

夏見ナイ

文字の大きさ
29 / 41

第28話:荒ぶる力の鎮静、そして残されたもの

しおりを挟む
天井が下降し、壁から無数の針が射出される。その全てが、罠の中心に誘い込まれたバーサーカー・ゴブゾウへと殺到した!

「グオオオオオオ!?」

巨体を押し潰そうとする天井の圧力と、全身を襲う針の衝撃。バーサーカー・ゴブゾウは、これまで以上の怒号を上げ、石斧を振り回して抵抗しようとする。天井はミシミシと音を立て、彼の怪力によって破壊されかけるが、コアが限界まで魔力を注ぎ込み、なんとか持ち堪えている!

そして、無数の針が、赤黒く変色した硬い皮膚を貫き、その内部へと特殊な薬液――高濃度の魔力安定剤と鎮静剤――を注入していく!

『薬液注入、進行中! 対象の魔力レベル、徐々に低下! 生体反応にも変化が見られます!』
コアが、冷静に状況を報告する。

だが、バーサーカー・ゴブゾウの抵抗は凄まじい。注入された薬液に抗うかのように、さらに暴れ狂う! 石斧が壁を砕き、床を叩き割り、針が何本も折れて飛び散る!

「くっ…! まだ効かないのか!?」
俺は焦燥感を募らせる。このままでは、罠の方が先に破壊されてしまう!

「追加注入! コア、予備の薬液も全て叩き込め!」

『了解! 第二波、注入開始!』

さらに多くの針が壁から射出され、ゴブゾウの体に突き刺さる! 薬液が、限界量を超えて体内に流し込まれていく!

「グ……オ………ア……ァ………」

ついに、バーサーカー・ゴブゾウの動きが、目に見えて鈍り始めた。咆哮は力ない呻き声に変わり、血走っていた瞳の光が急速に失われていく。膨れ上がっていた体も、少しずつだが、元の大きさに戻り始めている。

そして、

ドシンッ!!

全ての抵抗が止まり、巨体は力なく床に崩れ落ちた。赤黒かった肌は元の緑色に戻り、体格も、通常のゴブリンよりは大きいものの、暴走時の異常なサイズではなくなっていた。彼は、完全に意識を失い、ぴくりとも動かない。

『……対象(ゴブゾウ)、鎮静を確認。生命反応はありますが、極度の消耗状態です。バーサーカー状態は解除されました。』

コアの最終報告を聞き、俺はようやく安堵の息をついた。罠は破壊寸前だったが、なんとか間に合った。賭けは、成功したのだ。

下降していた天井がゆっくりと元の位置に戻り、壁の針も収納される。後に残されたのは、破壊された壁や床、そして床に倒れ伏すゴブゾウの姿だけだった。

「………終わった、のか…?」
重戦士ゴルドが、呆然と呟いた。彼の全身は汗と埃にまみれ、戦斧を持つ手は微かに震えている。他の冒険者たちも、シルフィ、マルク、そして負傷したドルガンも、信じられないものを見るような目で、倒れたゴブゾウを見つめていた。

ジンも、短剣を鞘に収め、警戒を解いた。彼の額にも汗が滲んでいる。
「…やれやれ、肝が冷えたぜ。あんな化け物が、ただのゴブリンだったとはな。」

ゴブキチとゴブジも、恐る恐るゴブゾウに近づき、その様子を窺っている。自分たちの仲間が、あんな恐ろしい姿に変貌したことに、彼らもショックを受けているようだった。

「コア、ゴブゾウを回復泉へ運べ。厳重に監視し、再び暴走する兆候があれば、すぐに報告しろ。」

『了解しました。ゴブゾウを移送、及び監視を開始します。』
コアが、意識のないゴブゾウの体を静かに浮かせ、回復泉へと運んでいった。

さて、問題はこれからだ。
脅威は去った。だが、後に残されたのは、敵同士だったはずの俺(ダンジョンマスター)と、冒険者パーティ、そして盗賊ジンという、奇妙で不安定な集団だった。

俺は、マイクを通じて、再び彼らに語りかけた。
「…まずは、礼を言うべきか。諸君らの協力がなければ、あの化け物を止めることはできなかっただろう。」

ゴルドが、ハッとしたようにこちら(声のする方向)を見た。
「…礼など不要だ。我々も生き残るために必死だっただけだ。それより、ダンジョンマスター。貴様、一体何者だ? そして、あのゴブリンは何だったんだ?」

当然の疑問だ。どう答えるべきか。

(正直に話すのはリスクが高すぎる。だが、完全に誤魔化すのも難しいだろう。)

俺は、言葉を選びながら答えた。
「俺は、ワタル。見ての通り、このダンジョンを管理している者だ。あのゴブリン…ゴブゾウは、普段は大人しい奴なんだが、極度の興奮状態に陥ると、ああいう風に暴走してしまうことがある。今回、貴殿らとの戦闘が、その引き金になってしまったようだ。申し訳なく思う。」
バーサーカー化の原因については、正直に話しても仕方がないので、戦闘のストレスということにした。これは、あながち嘘ではないだろう。

「暴走…? ゴブリンが、あんな力を持つとは…」
マルクが、信じられないといった様子で呟く。

「さて、ゴルド殿。我々は一時休戦し、共通の脅威を排除した。この後、どうする? 戦闘を再開するか?」
俺は、敢えて問いかけた。主導権はこちらにある、ということを示すために。

ゴルドは、苦々しい表情で仲間たちを見回した。神官ドルガンは重傷、ゴブキチに斬られた脇腹もまだ痛むだろう。シルフィとマルクも、消耗している。そして何より、彼らの目的であったはずの「コアの破壊」は、俺というダンジョンマスターと、その配下のモンスター(そして謎の協力者ジン)がいる以上、もはや達成不可能に近い。

ゴルドは、深いため息をつくと、戦斧を下ろした。
「…戦闘続行は不可能だ。我々の敗北だ、ダンジョンマスター。命までは取らん、と言ってくれるなら、我々は撤退したい。」

「賢明な判断だ。」
俺は頷いた。「命を取るつもりはない。だが、一つ条件がある。」

「条件だと?」

「貴殿らが見聞きした、このダンジョン内部の情報…特に、あのゴブリンの暴走については、ギルドや外部に報告しないでもらいたい。これは、我々にとっても、そして貴殿らにとっても、余計な混乱を招くだけだろう。」

ゴルドは、少し考えた後、頷いた。
「…分かった。その条件、呑もう。我々も、あんな化け物のことを報告して、さらに厄介な任務を押し付けられるのは御免だ。」

「話が早くて助かる。では、負傷者の治療を許可しよう。回復泉を使わせてやる。その後、速やかにダンジョンから立ち去ってくれ。」

「…回復泉だと? なぜ、そこまでする?」
ゴルドが訝しげに尋ねる。

「言っただろう。今回の騒動は、俺の管理不行き届きが原因でもある。それに、貴殿らには共通の敵を倒すために協力してもらった。これは、その礼だ。ただし、回復したらすぐに立ち去ってもらう。長居は無用だ。」
俺は、あくまで恩を着せる形で、しかし毅然とした態度で告げた。

ゴルドは、しばらく俺の言葉の真意を探るように黙っていたが、やがて仲間たちに指示を出した。
「…分かった。その申し出、受けさせてもらう。全員、回復泉へ向かうぞ。」

こうして、冒険者パーティ「鉄の拳」は、俺の監視の下、回復泉で傷を癒やし、その後、黙ってダンジョンから立ち去っていった。彼らが再びこのダンジョンを訪れるかどうかは分からない。だが、少なくとも、今回の経験は、彼らにとって忘れられないものとなっただろう。

後に残されたのは、俺と、ジン、そして回復中のゴブリンたちと、治療を受けている捕虜の盗賊、そして保護しているミリアとリナ。そして、破壊されたボス部屋前の広場。

「…やれやれ、とんだ大騒ぎだったな。」
ジンが、肩をすくめて言った。彼の足は、まだ少し引きずっている。
「で、マスター。俺への報酬は、どうなってんだ?」

「ああ、約束は守る。コア、ジンに高品質ポーションと、鋼鉄製の短剣を。それから、魔力枷を一時的に解除してやれ。ただし、ダンジョンから出ることは許さんぞ。」

『承知いたしました。』
ジンは、ポーションと短剣を受け取り、手首の枷が消えるのを確認すると、満足げに笑った。
「へへ、これで少しは動きやすくなるぜ。で、次は何を手伝えばいい?」

どうやら、今回の共闘と報酬によって、ジンとの間にも、ある種の奇妙な信頼関係(あるいは、利用し合う関係)が生まれつつあるようだった。

俺は、今回の戦闘で得られた教訓と、残された課題を整理し始めた。
Cランクパーティの脅威、神官のアンデッド対策能力、スケルトン部隊の脆さ、ゴブリン部隊の連携不足、そして…ゴブゾウの暴走という、制御不能な変数。

(ゴブゾウのバーサーカー化の原因は何だ? 再発の可能性は? どうすれば制御できる?)

課題は山積みだ。だが、同時に、大きな収穫もあった。
Cランクパーティを撃退できたこと(ジンの活躍と、ゴブゾウの暴走のおかげだが)。そして、DPを大きく稼げたことだ。

**【現在の所持DP:951DP】**
(Cランクパーティ撃退報酬: ゴルド+70, シルフィ+60, マルク+60, ドルガン無力化+50 = 合計240DP。ジンへの報酬等で若干消費)

目標の1500DPにはまだ足りないが、大きく前進した。地下二階層の建設も、いよいよ現実味を帯びてきた。

「よし、まずはダンジョンの修復と、ゴブリンたちの再訓練だ。それから、ゴブゾウの精密検査も必要だな…」

俺は、コアに指示を出し、次々とタスクを割り振っていく。
荒ぶる力の奔流は、多くの爪痕を残したが、同時に、新たな課題と、次なるステップへの道筋をも示してくれた。

俺のホワイトダンジョン計画は、また一つ、大きな試練を乗り越え、その歩みを進めるのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

処理中です...