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第一部 祝福の儀編
表彰
しおりを挟む翌朝目が覚めた。昨日は色々あったなぁ、大変だったなぁ。と考えていたら。
「おはようございます。ネロ様。本日表彰式がございます。御列席賜りますよう仰せでございます」
とメイドさん。残念ながらベテランのメイドさんだった。
「え?表彰式?」
「昨夜の火事の件でございましょう」
「え?だってちょこっと雨降らせただけだよ?」
「あの建物は食料倉庫でございました。燃えていたら食料危機に陥っていた可能性があります」
うーん、別に練習兼ねて使ってみただけなんだけどな。まぁいいか。
朝食が用意される。日本のホテルの朝食コースのようなメニューが次から次へと出てくる。そんな食えませんって。
朝食後着替えるのだが、まさかの想定外で礼服が一着しかない。どうしようと考えていたら
「お召し替えのお手伝いをさせていただきます」
と礼服一揃えを持ったメイドさん達が入ってきて、あれよあれよと言う間にお着替え完成。どうやって着たのか覚えてないので脱ぐ事も難しいだろう。兎に角至れり尽くせりだ。
また再度謁見の間で例のポーズ。そういえばゲオルグも礼服をレンタル出来たようだ。昨日と違う服だ。
昨日と同じように王様入室。二人とも呼ばれる。
「ゲオルグ•ヴァッサー男爵を子爵に陞爵する!」
俺もだけどそれ以上にゲオルグが固まっていた。
「あ、ありがたき幸せにございます」
なんとか絞り出すように声を出すゲオルグ。
なんでこうなったか後で経緯を説明してくれた。
まず俺の祝福が前例のない才能だった事、その才能を育てる上で男爵の手当では不足である事、そして昨夜の火事の件で早期対応したため食料不足が予防出来た事、この合わせ技で陞爵となったとの事だった。
本来なら俺自身に叙爵されるものだが法律上未成年では叙爵出来ないそうだ。それならばゲオルグを陞爵して遠回しに教育費として国から支給する形を取る事になったのだという。
ゲオルグからしたら俺を王都に連れて来ただけで陞爵という寝耳に水の事だったろう。
帰りの馬車でゲオルグに謝罪する。
「申し訳ありません。父様。」
「どうした?ネロ」
「僕の事でなんか大事になってしまって‥‥‥。」
ゲオルグが笑う。
「ハハハ、何を言うか。前例のない加護を授かりお陰で私まで陞爵されたのだ。礼を言うのはこちらの方だよ。まぁ特に何もしていないのに陞爵された事に思うところが無くはないが。もらったチャンスとして活かしていくさ。」
「そうですか、それなら良かったです。」
良かった、ゲオルグは前向きだ。
「それはそうとお前、シャルロット殿下と随分親しくなったのではないか?」
「ええ、殿下の飾らない人柄なのか話していて楽しいです」
「フレイン辺境伯のマリア嬢も楽しそうだったしなぁ」
「マリア‥様も馬が合うと言うのかわからないけど、話は盛り上がりますね」
「そうか。まぁ王族や寄り親と親しくなれる事は貴族にとって悪い事ではない」
ゲオルグとゆっくり話をしながらマイチー州に向かっていった。
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