36 / 171
王都学院 編
剣姫の悩み
しおりを挟むワタシはシャルロット•ヤーパニー、ヤーパニー王国第八王女です。悩みがあります。聞いてください。
最初は小さな棘のようなものでした。が最近それが大きくなってきたように思います。
彼との出会いは祝福の儀という12歳で才能を授けられるという儀式でした。そこでハッキリと聞こえてきました。
「黒髪黒目の男に話しかけよ」
聞き惚れるような良い声、従わない気持ちは微塵も有りませんでした。しかしこの国の人間は金髪、茶髪、赤毛が多く黒髪はあまりいない。その上黒目となるとより希少な存在となるでしょう。
「シャルロット•ヤーパニー殿下、『剣帝』‼︎」
教皇さまの声に大きな歓声が上がりました。ワタシは護衛のクリフォードに「ここで待ちなさい」と声をかけて黒髪黒目の男とやらを探しました、時間はあまりかからず見つかり彼のところまで歩きました。
彼は貴族相手に頭をずっと下げていました。でもどう話しかけたら良かったのでしょう?ワタシから見知らぬ異性に話しかけた事など皆無です。どうしましょう。
とりあえず頭を上げさせて名前を聞きました。名前はネロね、覚えたわ。珍しい黒髪について話しかけました。彼はワタシが誰かわかってないらしく「そうですかねぇ?」とごく普通の返事が返ってきてドキッとしました。ワタシ久しぶりに聞きましたわ、敬語でもなんでもない言葉。
その後彼は彼の父親で有りましょう男性に頭を下げさせられておりました。クリフォードが近づいてきた時に「殿下」と呼ばれたせいでおそらく素性もバレてしまった事でしょう。
彼の父親が謝罪をしてきましたがそんな事どうでもよくて、ネロの才能について聞いてみました。彼は男爵の子なので順番から言えば最後の方でしょう。こんな端の方で頭を下げ続けている事で気づいてあげられたでしょうに。
ネロの才能が気になり待つ旨を話すと、周りが騒がしくなり貴族達が順番を譲り始めました。
こういう特別扱いがワタシは好きでは有りません。媚びへつらっているような、その内心では何を考えているのかわからない感じが。
ネロが儀式を受けて大騒ぎになってしまいました。かつてない凄い加護が貰えたのでしょうがよくわかりません。本人もなんだかわかってなさそうでした。
クリフォードも何か言ってどこかに行ってしまったわ、護衛のくせに。まぁ他のも護衛はいたしワタシも賊程度にはやられませんけど。
結局ネロとまた話が出来たのは夜のパーティー。その前にお父様に聞いたらネロの才能は特別なものみたい。神級という一番上のクラスらしく王国でも過去に例を見ないものだったらしいわ。ワタシも剣帝ってとても良い加護だったけど霞んじゃった。
「シャルよ、ネロくんは優しそうな良い子じゃったぞ。結婚するか?ハハハ」
お父様の冗談にまたドキッとしてしまったわ。上機嫌だったからそんな事言ったんでしょうけど。
パーティーでやっとネロと話せたわ。彼は何故か最初に謝罪してきた。聞くと自分のせいで騒ぎになったと思っているみたい。いい人なんだ、と思ったわ。話し方も砕けてきてワタシ本当に久しぶりに楽しかった。
パーティーが終わってからも話し足りなくて、はしたないとは思いつつもこちらから誘ってしまったわ。でもネロは応じてくれた。話をしていても気遣ってくれたり同い年とは思えない。そのあと火事騒ぎになってワタシを安全なところに逃してくれたわ、手を繋いで。
次に会えたのが王都学院の入学式。適当に代表挨拶をしてる際ネロがいるのがわかって嬉しくなっちゃったわ。その後会ったら「殿下」なんて呼び方するからちょっとイラッとした。
でもすぐ「シャル」って呼んでくれて嬉しかったわ。
そしてそのあとよ。なんとワタシの口に手を当てたのよ。ワタシはドキドキしちゃって、ララは怒り出しちゃうし。未婚女性の口に手を当てると「黙って俺について来い」って意味なんだけど、アイツわかってるのかな?「」
15
あなたにおすすめの小説
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ
蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。
とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。
どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。
など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。
そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか?
毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜
ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが……
この世界の文明レベル、低すぎじゃない!?
私はそんなに凄い人じゃないんですけど!
スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
