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しおりを挟むかしわ(以下 か)「皆さん、こんにちは」
サキ(以下 サ)「こんにちは~」
か「梅雨入りですね」
サ「あら、うちの地方はまだなのよ」
か「うそ!?」
サ「ほらこれ」
か「え、かしわのスマホもそうなってる?」
サ「なってるわよっ! 同じに決まってるでしょっ」
か「うっわ、ホントだ。この地方は梅雨入りしてんのにこっちはしてないの!?」
サ「そうなんだって~」
か「そんな事て、あるんだな~」
サ「週末、天気良かったじゃない」
か「土曜日は降ったけどね」
サ「そうなの、いつ?」
か「昼頃。日曜日の朝もどんよりしてたよ。雨は降らなかったみたいだけど」
サ「よく見てるのね」
か「2階の窓開ける時、見えるから」
サ「窓なんか開けないわよ」
か「1日1回は開けた方がいいよ」
サ「起きたら昼だし。今暑いし、冬は寒いし。てか、あんた花粉症」
か「今年デビューだから。でもこの間、掃除の後に開けっ放しにしてたら床がザラザラになった」
サ「花粉で?」
か「そんなバカな。黄砂じゃないかな」
サ「あんた意外に掃除とかマメね」
か「週1だけどね」
サ「仕事してて一人暮らしなら充分じゃない?」
か「二人だから」
サ「あーゆーのも二人で暮らしてる、て云うの?」
か「云う。シェアハウスみたいだけどね」
サ「生活リズム真逆、て楽ね」
か「なんかムダな気がするんだよな。光熱費とか」
サ「どっちが払ってるの?」
か「今はパートナー。この間お風呂のお湯の量の設定、増やされてた」
サ「いいじゃない。向こうが払うんなら」
か「まあ、向こうも判ってるだろうし」
サ「ねえ、勉強て、二人でいる時はやらないの? やれないの?」
か「やらない。眠くなるから声出して読んでるし、ヤツは平気で話しかけてくる、たぶん。云ってなかったっけ?」
サ「忘れた。ここで聞いたかも知れないし、プライベートで聞いたかも」
か「かしわも、云った気がするけど、プライベートだったかもね」
サ「協力的とか云ってなかった?」
か「あー、それは勘違いだね、こっちの。勉強の事なんて、聞いてもこないし。この前たまたま、ちょっとテキスト開いてたら、『勉強してる~』て云いながらタバコ吸いに出てった」
サ「もっと面白い事云わなかったの?」
か「その時は別に」
サ「いいわね、楽しそうで」
か「なんかさー」
サ「何よ。またのろけ?」
か「いや。勉強の話、全然してないよな」
サ「えっと...、する?」
か「するよっ」
サ「じゃあ...この週末は、どうだった?」
か「取って付けたような質問だな。───品詞の続き。(2)てなってたの、あれやっぱ他の品詞だった。掘り下げるんじゃなくて」
サ「そうなの?」
か「ページ数も比べたら(1)の方が多かったけど、(2)は種類が多かった。全部で10くらいあった」
サ「(2)だけで?」
か「いや。品詞の総種類が、10種類くらい、て書いてあった」
サ「そんなにあるんだっけ?」
か「細かいけどね。『こ』『そ』『あ』『ど』とかもやったし。懐かし」
サ「なんだっけ、それ?」
か「こそあど言葉、とかいうの、覚えてない?」
サ「聞いたことある気がする」
か「後ろに『の』を付けたら『この』『その』『あの』『どの』だし、『れ』を付けたら『これ』『それ』『あれ』『どれ』だし」
サ「あ~、はいはい。やったね、そんなの」
か「それを論理的に書いてあるんだけど、ムズかった」
サ「あんなの、どうやって?」
か「なんか、領域で説明してた。ん~と、立ち位置によって違うじゃん。『この』時計、『その』時計、『あの』時計、て」
サ「それは分かってるわよ」
か「その、立ち位置によって使い分けるよ、て書いてた」
サ「あたし達は使えるから、そんな講釈なくても簡単に分かるけど───」
か「そ。実際はややこしいから、理論出されたところで、イレギュラーもあるし、てなると、日本語に限らないかもしれないけど大変だよな」
サ「解り具合が分かんないじゃない。こっちは教えたつもり、向こうは解ったつもり」
か「だから、テストするんだろ」
サ「えー、じゃ、あんたみたいな成績だったらどうする、かしわ先生?」
か「がっかりだよっ! つって机引っくり返す」
サ「暴力じゃん。パワハラ!」
か「じゃあ、日本語だけが人生じゃねえぞ、て慰める」
サ「慰める!? やらしいっ」
か「...何考えてる?」
サ「あんたと同じに決まってるじゃない!」
か「いっ...あーーっ...」
サ「ちょっと、どこ行くのよー!」
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