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一章~久方ぶりの土地~
無意識の中で浮かぶ情景
先に動いたのはネズミだった。
右フックを繰り出し、ナイフを龍に向ける。
同じ速度で右に向き、そのままナイフをかわしながら後ろ回し蹴りで龍の右足がネズミのこめかみを狙うが、左腕で防がれ、そのまま龍のジーンズの裾が掴まれる。
ナイフを持った右手はそのまま文字通り、返す刀で龍の右肩あたりに襲いかかる。スウェーされるのを警戒して頭を狙わなかったようだ。
龍の左足が地面を蹴って、今度こそネズミの側頭部に食い込んだ。
『がはっ!』
思わずジーンズの裾を離し、二、三歩下がったネズミを追随するように龍が左アッパーを出したが、上半身を反らして避ける。
その瞬間を待ちわびたかの様に、龍が小さく息を吸った。
「三爪(さんそう)」
鼻の下、人中。
鳩尾。
金的。
を一息に右ストレートで叩き込んだ。
(あぁ…そうだったのか、生きてたんだね。龍さん)
薄れゆく意識の中で、ネズミが思い出したのは全てが変わったあの2つの日だった。
*
雑踏の中、カフェテラスのとある席で大きな声が聞こえる。
「離せよ!そんなにあるんだからちょっと位良いだろうが!」首根っこを掴まれながら少年が叫ぶ。
少年を掴んでいる小太りの丸眼鏡の男が椅子に座ったまま大きなため息をつく。
彼の目の前のテーブルには、所狭しと様々な料理が並んでいた。
「あのなぁ、坊主。人のモノを盗ったらあかんねんで?これは今俺が食ってんねんから横から手を出すなよ?っていうか、何処から来てん?この街の子ちゃうやろ?」
「うるせぇ、デブ!そんだけ腹に溜め込んでるならそれ以上食べたって無駄だろ!?」
「あっ、言うたなお前!それは禁句やで!さすがに温厚な俺も怒るで!」
小太りの男の頭に二、三度ポンポンと新聞紙が置かれる「そこまでにしとけ、亥」
椅子に座ったまま後ろを振り返り、声をかけた男を見つめる。
「龍さん、そんなん言うたかて…」
亥の訴えを黙殺して、龍は膝を曲げ、少年と目線を合わせる。
「腹へったのか?」
首を掴まれたままで少年がプイと横を向く。
「可愛げのない…」
良い良い、というように手を振りながらも少年の顔を見つめる龍。
「…名前は?」
「…ねぇ。」横を向いたままで呟く少年。
この世界では特に珍しくもない、名前がないまま大人になれずに亡くなるものがいる現実。
「そうか…うちの家族になるか?」
驚いて目を見開く少年、やっと龍と目が合う。
「龍さん!正気なん!?」
「俺達の街は皆が家族だ、好きなものが食べられるかは分からねえが、腹が減らないようにしてやる事は出来る。」亥の声を無視して、少年の目から逸らさない。
「亥よ、俺達だって似たようなもんだっただろ?まぁ、俺はお前とか申とか丑、それに戌さんが居たんだ。見てみろよ?あん時の俺と同じ目をしてる。」
「そらそうやけど、そやかて…」
「あ、憐れみなんか受けねぇ!自分の食い扶持は自分で探す!」
なっ?という様に亥に笑いかける龍。
そして、もう一度少年と目を合わせる。
「なら、俺達の仕事を手伝ってもらう。自分の働きで飯を食えば良い。お前は今日から『子』ネズミだ。」
*
燃え盛る建物、見たこともない衣服を着た無感情な人々が悠然とこちらに向かってくる。
「なんだよ…なんなんだよ、お前らは!」刀を振り回し、その内の一人に狙いをさだめる。
しかし、何度か急所に当たっているのに苦しそうな顔どころか怯むことなく、こちらに右拳を振り下ろしてくる。
(あぁ、駄目だ…ここで死ぬのか…)
諦めて目を反らそうと顔を背けた瞬間、臍辺りに衝撃が走り、後方へ吹っ飛ばされた。
「なにやってんだ、ネズミ!それでも俺らの仲間か!最後まで諦めるんじゃねぇ!」
髪が立つほどの短髪で金髪の男が長い棒を振り回し、ネズミを弾き飛ばし、直ぐに拳を下ろした相手を薙ぎ払い、ネズミに向かって怒鳴り散らす。
「申さん…」
舌打ちしながら右耳にある金色のイヤーカフを2、3度撫でてもう一度声を荒げる。
「言わねえと分からねぇのか、ほら走るぞ!」
そう言うと、ネズミの手を引っ張り、肩に抱え、走り出した。
「なんなの、あいつら…」
「知らねぇ。ほら、舌噛むぞ!黙っとけ。」
「他の皆は?」
「丑と亥は最前線で食い止めてた。後はわかんねぇ…」
「龍さんは?龍さんならあいつらなんか…」
申は黙り、走る音だけがずっと聞こえていた。
数分走った所で、ネズミはこの街がほぼほぼ壊滅的な状態である事を知った。
通ってきた建物はもれなく燃え広がり、少し離れた所で仲間達が戦い、守るべき住人は逃げ惑い、幾人かの顔見知りは地面に臥していた。
「嫌だよ、もう一人になりたくないよ…」
「うるせぇ、泣き言なんか聞かねぇぞ!お前も俺達の戦力の一人なら…」
ふいにバランスを崩し、地面に叩き付けられる。
「クソがっ!走れ、ネズミ!振り返るな!」
放り出されて、痛みに耐えながら声の方を見ると膝から下が切り離された申が蹲っていた。
傍らに先程とは違う服を着た人間がネズミとは違う形の刀を両手に持ち、無感動に申を見下ろす。
ガシャン、ガシャンと動く度に音が鳴るのを聞きながら無意識に体当たりする。
機動力がないせいか動きが遅く、まともに体当たりを食らい転がる相手。
「申さん、一緒に逃げよう!今度は俺が負ぶるから…だから、だから。」
「いつまでも、甘いこと言ってんじゃねぇ!お前一人でも残りゃあ、いくらでも俺達の街はやり直せるんだ。早く逃げろ!」
「やだ…嫌だよ。もう独りになりたくないよ…」
申の傍らにしゃがみこむネズミ。
「ネズミ、何人かは生き残るはずだ。お前はもう独りじゃねぇ。龍みたいになるんだろ?」左手で頭を優しく撫でながら、右手でイヤーカフを外す申。
いつの間にか、またカシャンカシャンと音がなり、こちらに向かってくる気配。
「ほら、走れ!」
涙を拭わずに無言のまま、明後日の方向へ走り出したネズミ。
「良い子だ、やりぁ出来るじゃねぇか。」
その言葉だけを耳に残しながら、ネズミは左手の中のイヤーカフを強く握った。
数日後、街に戻ったネズミが見たのは…
*
地面に仰向けに寝転がりながら微動だにしないネズミ。
あの時、申の傍らに居た自分のように、龍がネズミの顔を覗き込む。
「よっ、久しぶり。目は覚めたか?」
「龍さん、俺…俺。」
「泣き虫は変わんねぇな。」と初めて逢った時のように微笑む龍。
差し出された手を掴みながらゆっくりと立ち上がる。
「だいぶ背も伸びたな、もう俺より高いんじゃねぇか?」
「龍さんはあんまり変わってないね。」
「そりゃ、3年じゃなぁ…」
「てっきり、また偽物じゃないかと思ったんだ…ごめんなさい。」
「良いんだよ、留守にして悪かった。それにしても」
出てきたバーの前で辺りを見回す。
「少ないけど、戻って守ってくれてたんだな。この街を。」
ポツンポツンと建物が立ち並び、何人かの子供が扉からこちらを伺っていた。
右フックを繰り出し、ナイフを龍に向ける。
同じ速度で右に向き、そのままナイフをかわしながら後ろ回し蹴りで龍の右足がネズミのこめかみを狙うが、左腕で防がれ、そのまま龍のジーンズの裾が掴まれる。
ナイフを持った右手はそのまま文字通り、返す刀で龍の右肩あたりに襲いかかる。スウェーされるのを警戒して頭を狙わなかったようだ。
龍の左足が地面を蹴って、今度こそネズミの側頭部に食い込んだ。
『がはっ!』
思わずジーンズの裾を離し、二、三歩下がったネズミを追随するように龍が左アッパーを出したが、上半身を反らして避ける。
その瞬間を待ちわびたかの様に、龍が小さく息を吸った。
「三爪(さんそう)」
鼻の下、人中。
鳩尾。
金的。
を一息に右ストレートで叩き込んだ。
(あぁ…そうだったのか、生きてたんだね。龍さん)
薄れゆく意識の中で、ネズミが思い出したのは全てが変わったあの2つの日だった。
*
雑踏の中、カフェテラスのとある席で大きな声が聞こえる。
「離せよ!そんなにあるんだからちょっと位良いだろうが!」首根っこを掴まれながら少年が叫ぶ。
少年を掴んでいる小太りの丸眼鏡の男が椅子に座ったまま大きなため息をつく。
彼の目の前のテーブルには、所狭しと様々な料理が並んでいた。
「あのなぁ、坊主。人のモノを盗ったらあかんねんで?これは今俺が食ってんねんから横から手を出すなよ?っていうか、何処から来てん?この街の子ちゃうやろ?」
「うるせぇ、デブ!そんだけ腹に溜め込んでるならそれ以上食べたって無駄だろ!?」
「あっ、言うたなお前!それは禁句やで!さすがに温厚な俺も怒るで!」
小太りの男の頭に二、三度ポンポンと新聞紙が置かれる「そこまでにしとけ、亥」
椅子に座ったまま後ろを振り返り、声をかけた男を見つめる。
「龍さん、そんなん言うたかて…」
亥の訴えを黙殺して、龍は膝を曲げ、少年と目線を合わせる。
「腹へったのか?」
首を掴まれたままで少年がプイと横を向く。
「可愛げのない…」
良い良い、というように手を振りながらも少年の顔を見つめる龍。
「…名前は?」
「…ねぇ。」横を向いたままで呟く少年。
この世界では特に珍しくもない、名前がないまま大人になれずに亡くなるものがいる現実。
「そうか…うちの家族になるか?」
驚いて目を見開く少年、やっと龍と目が合う。
「龍さん!正気なん!?」
「俺達の街は皆が家族だ、好きなものが食べられるかは分からねえが、腹が減らないようにしてやる事は出来る。」亥の声を無視して、少年の目から逸らさない。
「亥よ、俺達だって似たようなもんだっただろ?まぁ、俺はお前とか申とか丑、それに戌さんが居たんだ。見てみろよ?あん時の俺と同じ目をしてる。」
「そらそうやけど、そやかて…」
「あ、憐れみなんか受けねぇ!自分の食い扶持は自分で探す!」
なっ?という様に亥に笑いかける龍。
そして、もう一度少年と目を合わせる。
「なら、俺達の仕事を手伝ってもらう。自分の働きで飯を食えば良い。お前は今日から『子』ネズミだ。」
*
燃え盛る建物、見たこともない衣服を着た無感情な人々が悠然とこちらに向かってくる。
「なんだよ…なんなんだよ、お前らは!」刀を振り回し、その内の一人に狙いをさだめる。
しかし、何度か急所に当たっているのに苦しそうな顔どころか怯むことなく、こちらに右拳を振り下ろしてくる。
(あぁ、駄目だ…ここで死ぬのか…)
諦めて目を反らそうと顔を背けた瞬間、臍辺りに衝撃が走り、後方へ吹っ飛ばされた。
「なにやってんだ、ネズミ!それでも俺らの仲間か!最後まで諦めるんじゃねぇ!」
髪が立つほどの短髪で金髪の男が長い棒を振り回し、ネズミを弾き飛ばし、直ぐに拳を下ろした相手を薙ぎ払い、ネズミに向かって怒鳴り散らす。
「申さん…」
舌打ちしながら右耳にある金色のイヤーカフを2、3度撫でてもう一度声を荒げる。
「言わねえと分からねぇのか、ほら走るぞ!」
そう言うと、ネズミの手を引っ張り、肩に抱え、走り出した。
「なんなの、あいつら…」
「知らねぇ。ほら、舌噛むぞ!黙っとけ。」
「他の皆は?」
「丑と亥は最前線で食い止めてた。後はわかんねぇ…」
「龍さんは?龍さんならあいつらなんか…」
申は黙り、走る音だけがずっと聞こえていた。
数分走った所で、ネズミはこの街がほぼほぼ壊滅的な状態である事を知った。
通ってきた建物はもれなく燃え広がり、少し離れた所で仲間達が戦い、守るべき住人は逃げ惑い、幾人かの顔見知りは地面に臥していた。
「嫌だよ、もう一人になりたくないよ…」
「うるせぇ、泣き言なんか聞かねぇぞ!お前も俺達の戦力の一人なら…」
ふいにバランスを崩し、地面に叩き付けられる。
「クソがっ!走れ、ネズミ!振り返るな!」
放り出されて、痛みに耐えながら声の方を見ると膝から下が切り離された申が蹲っていた。
傍らに先程とは違う服を着た人間がネズミとは違う形の刀を両手に持ち、無感動に申を見下ろす。
ガシャン、ガシャンと動く度に音が鳴るのを聞きながら無意識に体当たりする。
機動力がないせいか動きが遅く、まともに体当たりを食らい転がる相手。
「申さん、一緒に逃げよう!今度は俺が負ぶるから…だから、だから。」
「いつまでも、甘いこと言ってんじゃねぇ!お前一人でも残りゃあ、いくらでも俺達の街はやり直せるんだ。早く逃げろ!」
「やだ…嫌だよ。もう独りになりたくないよ…」
申の傍らにしゃがみこむネズミ。
「ネズミ、何人かは生き残るはずだ。お前はもう独りじゃねぇ。龍みたいになるんだろ?」左手で頭を優しく撫でながら、右手でイヤーカフを外す申。
いつの間にか、またカシャンカシャンと音がなり、こちらに向かってくる気配。
「ほら、走れ!」
涙を拭わずに無言のまま、明後日の方向へ走り出したネズミ。
「良い子だ、やりぁ出来るじゃねぇか。」
その言葉だけを耳に残しながら、ネズミは左手の中のイヤーカフを強く握った。
数日後、街に戻ったネズミが見たのは…
*
地面に仰向けに寝転がりながら微動だにしないネズミ。
あの時、申の傍らに居た自分のように、龍がネズミの顔を覗き込む。
「よっ、久しぶり。目は覚めたか?」
「龍さん、俺…俺。」
「泣き虫は変わんねぇな。」と初めて逢った時のように微笑む龍。
差し出された手を掴みながらゆっくりと立ち上がる。
「だいぶ背も伸びたな、もう俺より高いんじゃねぇか?」
「龍さんはあんまり変わってないね。」
「そりゃ、3年じゃなぁ…」
「てっきり、また偽物じゃないかと思ったんだ…ごめんなさい。」
「良いんだよ、留守にして悪かった。それにしても」
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