7 / 32
二章~闘技場にて~
目的地
しおりを挟む
車に乗り込み、数時間経ってもネズミが龍に対する質問責めは終わる事がなかった。
「ねぇねぇ、龍さん。本当にもう何処にも行かないよね?俺、強くなったからさ。傍で最後までいるからね。」
後部座席のそんな会話を背中に聞きながらハンドルを握った豊を乗せた一堂は、開けた荒野ををひたすら西に向かう。
「分かった分かった、何回言うんだよ…もう何処にも行かねぇよ。それよりも。」
運転席の肩辺りに肘を乗せ、豊に声をかける。
「どうだ?そろそろのはずなんだが。」
「と、言われましても…ご覧の通りです。」
猛獣どころか、動物一匹。木どころか、草の一束すらない、荒れ果てた土地をひたすら進む。
たまに廃屋のようなモノやそり立った岩のような柱が、凄いスピードで後方に流れていく以外は代わり映えのない景色だった。
「もう、そろそろなんだがなぁ…」後部座席にもたれかかり呟く龍。
「そもそも、どんな場所なの?今から行くところって。」
「聞いた話によると、なんだが…見渡す限りの壁、関所みたいな所があって、そこを通るには、とある試練をクリアしなくちゃいけないらしい…」
「とある試練?」
「あぁ、内容は分からないが三人でないと試練をそもそも受けることが出来ないらしい。」
「ふ~ん…なんだか、要領を得ないね。」
「まぁ、情報源は確かだからとりあえず西に向かってるとぶち当たるらしい。」
「ねぇ、それって…誰に」
「どうやら、あれみたいですよ。」
最初は良くある大きい岩の柱かと思いきや、前方がみるみるうちに、茶色い壁が迫るように感じ、そして目の前に高さ10数メートルの岩壁が行く手を阻んだ。
思わず、車から降りる3人。
「思ってた以上だなぁ…」そう呟く龍にネズミが語りかける。
「ねぇ、でも龍さん…これ、どうやって通り抜けるの?っていうか、入り口とかあるの?」
辺りを見回すが、関所どころか割れ目一つ、穴ぼこすらなく、左右どちらを見ても岩で出来た壁のみが永遠と言われるほど続いていた。
「おかしいなぁ…」
三人が途方に暮れていると、『そこを動くな!』何処からともなく声がした。
声がした場所を探すため周囲に目を光らせると、いつの間にか壁と反対方向、三人の周りをに無数の人々が取り囲んでいた。
手には各々、棒や木刀など何かしらの武器を持っており、変な動きをすれば即座に取り押さえられそうな空気が漂っていた。
その中の一人、明らかに指揮官の様な軍服姿の男が三人の前に歩寄る。
「どうやら、迷い人ではなさそうだな。ここを目的地、そしてこの壁の先を目指してきたのかね?」
頷く龍を了知しうると、右手をあげ合図を出す。
「此度の挑戦者は三人!丁重に案内するべし!」と部下たちに声をかけた。
「ねぇねぇ、龍さん。本当にもう何処にも行かないよね?俺、強くなったからさ。傍で最後までいるからね。」
後部座席のそんな会話を背中に聞きながらハンドルを握った豊を乗せた一堂は、開けた荒野ををひたすら西に向かう。
「分かった分かった、何回言うんだよ…もう何処にも行かねぇよ。それよりも。」
運転席の肩辺りに肘を乗せ、豊に声をかける。
「どうだ?そろそろのはずなんだが。」
「と、言われましても…ご覧の通りです。」
猛獣どころか、動物一匹。木どころか、草の一束すらない、荒れ果てた土地をひたすら進む。
たまに廃屋のようなモノやそり立った岩のような柱が、凄いスピードで後方に流れていく以外は代わり映えのない景色だった。
「もう、そろそろなんだがなぁ…」後部座席にもたれかかり呟く龍。
「そもそも、どんな場所なの?今から行くところって。」
「聞いた話によると、なんだが…見渡す限りの壁、関所みたいな所があって、そこを通るには、とある試練をクリアしなくちゃいけないらしい…」
「とある試練?」
「あぁ、内容は分からないが三人でないと試練をそもそも受けることが出来ないらしい。」
「ふ~ん…なんだか、要領を得ないね。」
「まぁ、情報源は確かだからとりあえず西に向かってるとぶち当たるらしい。」
「ねぇ、それって…誰に」
「どうやら、あれみたいですよ。」
最初は良くある大きい岩の柱かと思いきや、前方がみるみるうちに、茶色い壁が迫るように感じ、そして目の前に高さ10数メートルの岩壁が行く手を阻んだ。
思わず、車から降りる3人。
「思ってた以上だなぁ…」そう呟く龍にネズミが語りかける。
「ねぇ、でも龍さん…これ、どうやって通り抜けるの?っていうか、入り口とかあるの?」
辺りを見回すが、関所どころか割れ目一つ、穴ぼこすらなく、左右どちらを見ても岩で出来た壁のみが永遠と言われるほど続いていた。
「おかしいなぁ…」
三人が途方に暮れていると、『そこを動くな!』何処からともなく声がした。
声がした場所を探すため周囲に目を光らせると、いつの間にか壁と反対方向、三人の周りをに無数の人々が取り囲んでいた。
手には各々、棒や木刀など何かしらの武器を持っており、変な動きをすれば即座に取り押さえられそうな空気が漂っていた。
その中の一人、明らかに指揮官の様な軍服姿の男が三人の前に歩寄る。
「どうやら、迷い人ではなさそうだな。ここを目的地、そしてこの壁の先を目指してきたのかね?」
頷く龍を了知しうると、右手をあげ合図を出す。
「此度の挑戦者は三人!丁重に案内するべし!」と部下たちに声をかけた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる