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五章~架かる橋にて~
橋上
小柄な体のせいか、木の板の上でピョンピョンと跳びながらリズムを取る蜂谷。
それに対して、左足と左腕を前に出し、左腕は目線の高さに上げ、ファイテングポーズを取る豊。
木の橋は長さが50m、幅が2m程でギリギリ、お互いが触れずに行き来出来る程しかなく、端には申し訳程度に二本のロープが掛かっているだけだった。
その橋の真ん中より少しズレた位置、龍達がいる所側から10m程の所に2人は相対していた。
「良いの?」相変わらずの無表情で蜂谷が尋ねる。
「何がだ?」
だ
か
ら
「そんな生温い構えで良いの?」
そう言うや否や、蜂谷が高く右に跳躍し、ロープで出来た手すりに足を乗せ、更に高く、ほぼ真上から豊に向かい、蹴りを繰り出す。
豊は左に避け、着地した蜂谷に向かって握った左拳を振り下ろす。
が、それより早く蜂谷が水面蹴りを繰り出し、豊の両足を狙う。
すぐさま、両足でジャンプするが、空中にいる豊の右脇腹に蜂谷のボディブローが刺さる。
「もちろん、足しか使わない。とか思ってないよね?」
「あぁ、当然だ。」
必然的に2人の体が入れ代わり、豊の背に龍と卯の視線を感じていた。
「まだまだ、始まったばかりだ。」
「そんなに悠長な事言ってて良いの?」
そう言うと、蜂谷が豊に背を向け、一目散に走り出した。
「ルール聞いてた?あんたらの家にいる子を殺せば終わりなんだけど。」
慌てた豊が蜂谷を追いかけた。
その瞬間!
蜂谷が横回転して、右足の裏で豊の鳩尾を狙う。
「ぐっ!」
そのまま、左足が豊の首を刈り取った。
木の板の上に倒れ込む豊。
「あれだね…バカな上に弱い人間は救いようがないね。」相変わらずの無表情で豊を見下ろす蜂谷。
そして…
倒れた豊の鳩尾辺りに右足の踵を置き、強く押した。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「本当に。勘違いし過ぎなんじゃない?まだ、卯とか、巳の方が強いんだけど。あんたみたいな、弱いくせに、強い言葉を使えば、願いは叶う、と思ってる人間が、一番現実見れてないから、嫌いだよ!」
無表情なのに、声を荒げ、一言言う度に、右足を、地団駄を踏むかのように上下する。
「…かに」
「なに?」
「確かに、俺は弱い。」そう言いながら、弱々しく、蜂谷の足首を掴む。
まるでゴミを見るような目で足首を掴む両の手を見つめる。
「で?そんなに虫の息の状態で、どうしようっていうのさ?」
「言っただろ?覚悟がないと、あの人達の隣で生きていけないんだ!」そう強く叫び、蜂谷の右足を自身の左脇腹に移動させ、豊の左足が蛇のように右足の太ももに絡む。
そのまま、力一杯、右膝を軸に足を外側に向けた。
ボキッ!という音と共に、豊が立ち上がる。
しかし、うめき声一つ上げず、蜂谷が左足で飛び上がり、豊の髪を掴み、そのまま左膝を顔面にめり込ませる。
「たかだか、一度やり返せた位で終わったなんて思わないよね?」
「さすがだな。でも、俺も負けられない。」
片足で飛び跳ねながら、豊と距離を取る蜂谷。
*
「いやぁ、あの男なかなかやるじゃないか?」
まるで観客の様な口振りで橋の上を見つめる獅子神。
「良いのか?」
「何が?」
橋の上から目を離さず、龍が口を開く。
「お互い満身創痍だ。決着がもうすぐ付くが加勢に行かないのか?」
フフフ、と笑いながら龍の方を向く獅子神。
「どうせ、行っても遮るんだろう?それに、蜂谷はまだ本気を出してない。油断しない方が良い。」
*
左足で蹴りだし、一気に豊との距離を詰める蜂谷。
そして、しゃがみこみ、手を木の板に付き、顎に向けて横蹴りを繰り出した。
スウェーで避けた豊の腹部にそのまま左足を踵から下ろす。
「がはっ!」
思わず前屈みになった豊に、更に左足で大きく円を書きながら横から顎を掠める。
(これが、死角からの蹴りか!)
「待ってたぜ!」
大きく体が開いた蜂谷の鳩尾に、豊の打ちおろしの右ストレートが入る。
●
「柔道を基礎にしてるからか、手打ちなんだよ、お前のパンチは。当てる瞬間に腰と肩を回転させて重い一撃を入れて、相手を弱らせてから絞め技をしろよ。こうやって。」
そう言いながら白氷が豊を滅多打ちにしていく。
「とりあえず、色んなパンチ打つから一種類。何か、一つをイメージしてみろ。肩と腰だぞ。それだけで、発勁とまではいかなくても、十分相手の動きを止められる。」
●
「がはっ!」と叫び、仰向けになった蜂谷の服の襟を掴み、そのまま手を交差して首を絞めていく豊。
(ごめんよ、黒炎さん。白金さん。負けちゃったよ…)
薄れゆく意識の中で、蜂谷はかつての仲間に想いを馳せていた。
それに対して、左足と左腕を前に出し、左腕は目線の高さに上げ、ファイテングポーズを取る豊。
木の橋は長さが50m、幅が2m程でギリギリ、お互いが触れずに行き来出来る程しかなく、端には申し訳程度に二本のロープが掛かっているだけだった。
その橋の真ん中より少しズレた位置、龍達がいる所側から10m程の所に2人は相対していた。
「良いの?」相変わらずの無表情で蜂谷が尋ねる。
「何がだ?」
だ
か
ら
「そんな生温い構えで良いの?」
そう言うや否や、蜂谷が高く右に跳躍し、ロープで出来た手すりに足を乗せ、更に高く、ほぼ真上から豊に向かい、蹴りを繰り出す。
豊は左に避け、着地した蜂谷に向かって握った左拳を振り下ろす。
が、それより早く蜂谷が水面蹴りを繰り出し、豊の両足を狙う。
すぐさま、両足でジャンプするが、空中にいる豊の右脇腹に蜂谷のボディブローが刺さる。
「もちろん、足しか使わない。とか思ってないよね?」
「あぁ、当然だ。」
必然的に2人の体が入れ代わり、豊の背に龍と卯の視線を感じていた。
「まだまだ、始まったばかりだ。」
「そんなに悠長な事言ってて良いの?」
そう言うと、蜂谷が豊に背を向け、一目散に走り出した。
「ルール聞いてた?あんたらの家にいる子を殺せば終わりなんだけど。」
慌てた豊が蜂谷を追いかけた。
その瞬間!
蜂谷が横回転して、右足の裏で豊の鳩尾を狙う。
「ぐっ!」
そのまま、左足が豊の首を刈り取った。
木の板の上に倒れ込む豊。
「あれだね…バカな上に弱い人間は救いようがないね。」相変わらずの無表情で豊を見下ろす蜂谷。
そして…
倒れた豊の鳩尾辺りに右足の踵を置き、強く押した。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「本当に。勘違いし過ぎなんじゃない?まだ、卯とか、巳の方が強いんだけど。あんたみたいな、弱いくせに、強い言葉を使えば、願いは叶う、と思ってる人間が、一番現実見れてないから、嫌いだよ!」
無表情なのに、声を荒げ、一言言う度に、右足を、地団駄を踏むかのように上下する。
「…かに」
「なに?」
「確かに、俺は弱い。」そう言いながら、弱々しく、蜂谷の足首を掴む。
まるでゴミを見るような目で足首を掴む両の手を見つめる。
「で?そんなに虫の息の状態で、どうしようっていうのさ?」
「言っただろ?覚悟がないと、あの人達の隣で生きていけないんだ!」そう強く叫び、蜂谷の右足を自身の左脇腹に移動させ、豊の左足が蛇のように右足の太ももに絡む。
そのまま、力一杯、右膝を軸に足を外側に向けた。
ボキッ!という音と共に、豊が立ち上がる。
しかし、うめき声一つ上げず、蜂谷が左足で飛び上がり、豊の髪を掴み、そのまま左膝を顔面にめり込ませる。
「たかだか、一度やり返せた位で終わったなんて思わないよね?」
「さすがだな。でも、俺も負けられない。」
片足で飛び跳ねながら、豊と距離を取る蜂谷。
*
「いやぁ、あの男なかなかやるじゃないか?」
まるで観客の様な口振りで橋の上を見つめる獅子神。
「良いのか?」
「何が?」
橋の上から目を離さず、龍が口を開く。
「お互い満身創痍だ。決着がもうすぐ付くが加勢に行かないのか?」
フフフ、と笑いながら龍の方を向く獅子神。
「どうせ、行っても遮るんだろう?それに、蜂谷はまだ本気を出してない。油断しない方が良い。」
*
左足で蹴りだし、一気に豊との距離を詰める蜂谷。
そして、しゃがみこみ、手を木の板に付き、顎に向けて横蹴りを繰り出した。
スウェーで避けた豊の腹部にそのまま左足を踵から下ろす。
「がはっ!」
思わず前屈みになった豊に、更に左足で大きく円を書きながら横から顎を掠める。
(これが、死角からの蹴りか!)
「待ってたぜ!」
大きく体が開いた蜂谷の鳩尾に、豊の打ちおろしの右ストレートが入る。
●
「柔道を基礎にしてるからか、手打ちなんだよ、お前のパンチは。当てる瞬間に腰と肩を回転させて重い一撃を入れて、相手を弱らせてから絞め技をしろよ。こうやって。」
そう言いながら白氷が豊を滅多打ちにしていく。
「とりあえず、色んなパンチ打つから一種類。何か、一つをイメージしてみろ。肩と腰だぞ。それだけで、発勁とまではいかなくても、十分相手の動きを止められる。」
●
「がはっ!」と叫び、仰向けになった蜂谷の服の襟を掴み、そのまま手を交差して首を絞めていく豊。
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