クロの黒歴史

小笠原慎二

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護送車のようなその車に乗り、闇使は気配を探っていた。
遠く離れても妙子の気配は分かる。だがやはりそれだけでは心配だ。
離れれば離れるほど不安が募る。なんだか嫌な予感がする。

(まさか…。しかし、バスの通りにも…)

魔物の気配は探れない。魔物の気配を探ることができたなら、真っ先に狩りにいけるものを。

「そんなにあのお嬢さんが心配かい?」

目の前に座る男が話しかけてくる。胸のところのネームプレートには「高井戸」とある。

「お主、高井戸には気に掛ける者はおらぬのか」

高井戸が胸のネームプレートをちらりと見て、

「ああ、これか。そうね。お兄さんにも一応気に掛ける人はいるけど。ちょっと離れるだけでそこまで心配するほどでもないかな」
「それはお主らが安全な場所におるからだろう」

高井戸がちょっと目を見開く。

「それは、言えてるかもね」

防衛支部のあたりは当たり前だが他の場所よりも警備が厚い。そこにいるのであれば闇使もこれほどに妙子を心配しなかったかもしれない。

「防衛隊の特権だなんて言われてるけど、僕らは何かあったら最前線で戦わなきゃいけないんだ。それくらいは認めてほしいものだよね」

そんなことは百も承知だが、それでも間に合わず命を落とす市民がいるのだ。そうなれば防衛隊は何をしているという話になるだろう。防衛隊も魔物を探知する技術がまだ未熟で、積極的に狩りに行けていないのが現状だ。つまりすべて後手に回ざるをえない。魔力を持たない市民が反感を覚えてしまうのも無理はないだろう。

「!」

妙子の気配を探っていたが、なんだか動きがおかしくなった。
そのまわりでも複数の気配が乱雑な動きをし始めた。

「おい! 今すぐ引き返せ!」
「は? 何を言ってるの? 忘れ物でもしたの?」
「魔物が出たかもしれぬ! 早う引き返すのだの!」
「魔物? っておい、お前、魔物がどこにいるのか分かるのか?」
「いいから引き返すのだの!」

やりとりを聞いていたのか、運転手がちらちらとバックミラーを見る。

「待て。確証もないのに動けな…」

闇使が高井戸の首を掴み、押し倒す。

「我が輩が引き返せと言っているのだの。大人しく言うことを聞かぬと今ここで縊り殺すぞ」
「あ…が…」
「運転手! 聞いているのだろう! 貴様も死にたくなければ今すぐ引き返せ!」

運転手が慌ててハンドルを切る。
車が今来た道を引き返し始めた。

「かはっ…。これが話に聞いたもの凄い膂力ってやつか…」

闇使の手から逃れた高井戸がせき込む。

「駄目だの…。この速度では間に合わぬ…」
「間に合わぬって、さっきから、そうよ。魔物がどこにいるかわかるのか?」
「自分の足で行った方が早い」
「いや、僕の話聞いて?」

高井戸の声など聞こえぬとばかりに、闇使が後ろの扉を蹴り開けた。

「ちょ、時速80キロくらい出て…」

闇使が飛び降りた。

「冗談…」

難なく着地した闇使が、そのまま地面を蹴って車を追い越す。

「じょうだん…」

高井戸と運転手は小さくなって行く闇使の後姿を見送った。










妙子の気配はまだ動いている。まだ生きてくれているのだ。
もしこれで間に合わないようなことがあったら、怒りを抑えられる自信がない。
すぐに畑が見えてきた。人々の悲鳴や銃器の音が聞こえる。
妙子の気配の元へと一直線に走る。

「妙子!!」

妙子と蘭子と美鈴が固まって逃げる姿見えた。そしてその近くに魔物の姿が…。

「其奴に触れるなあーーーーー!!!」

地面を蹴る。弾丸のように魔物に迫り、渾身の力で拳を叩きつけた。
勢い魔物は吹っ飛び、大木に当たって動きを止める。そして淡い光を発しながら消えていく。

「闇使さん…」

青い顔をした妙子と蘭子と美鈴が闇使を見上げる。

「八重子、大丈夫かの?」

闇使の言葉に、妙子が身を固くした。気づかず闇使は妙子に近寄る。

「あ、闇使君? 君…」

蘭子と美鈴が、妙子を庇うように体を寄せる。

「お主らも無事であったかの…。良かっただの」

闇使の心底ほっとしたという顔を見て、二人も体の強張りを解いた。妙子だけはまだ青い顔をしている。
闇使が周りを見渡すと、まだ倒されていない魔物が3体ほど蠢いていた。1体はもうすぐ防衛隊が倒しそうで、2体も遅まきながら防衛隊が囲み始めていた。

「何が出現率が低いか。きちんと狩らぬから出放題ではないか」

悪態を吐きつつも、とりあえずの安全は確保できたようだと妙子達に向き直る。

「怪我はないかの? とりあえず皆が集まっている場所へ行こう」

と三人を誘導しようとした。

「闇使さん」

妙子が青い顔をしながら、闇使を見上げている。

「あたしは妙子。ヤエコって、誰?」

闇使が目を見開いて固まった。








ヤエコ
八重子
八重子?
遠い昔にその名をよく呼んでいた。
そうだ。昔、自分はその人の側で、その人の隣で、ただ甘えていればいいだけの存在だった…。
建物の隅で縮こまり、置いて行かれた絶望の中、その人は自分を助けてくれて…。
そこにいるだけで、甘えられて、愛されて、陽だまりの中でぬくぬくと過ごしていた。
その人が自分の幸せを願ってくれたように、自分もその人の幸せを願った。
だから、追いかけてきた。
幾度転生しようと、その人が幸せであるように、自分が陰ながら支えようと…。

「ヤ…エコ、いや、タエコ…」

その人の今生の名は、妙子。

「違う、違うのだの…、我が輩は…ただ…」

幸せになる姿を見守るだけの存在だったはずなのに…。
妙子の瞳が不安げに揺れている。違うそんな顔をさせたいのではない。
自分は影の存在だったはずなのに、こうして目の前に出て、しかも…。

「すまぬ…すまぬ妙子…、我が輩は…」

1、2歩後退りした後、闇使は身を翻し、駆け出した。

「闇使さん!!」

妙子の声が追いかけてきたが、振り向く勇気はもうなかった。








違う、違う! 違う!!

闇使、いや、クロは走り続けていた。

違う! 違うのだ! 違う!!

いつの間にかもののけ道に入り込み、姿も元の黒猫の姿に戻って駆けていた。

違うのだ! 我が輩は! 我が輩は!

走りつかれ、その場にへたり込む。

「違うのだの…。我が輩は…。我が輩は…」

うずくまって項垂れる。人のように大声で喚き散らせたらどんなにか楽だろうか。

「我が輩は…、我が輩は…」

呟きながら涙を零す。
大きな過ちを犯してしまった。もう妙子の側には戻れない。
肩を震わせ、静かに泣いていると、道の先からどしどしと荒々しい足音が響いてきた。

「誰ぞこんなところで泣いていると思うたら黒猫か。泣き女かと思うたぞ」

山のようにそびえる影から吠えるような声が降ってくる。

「一つ目入道殿…」
「なんじゃ黒猫。どうやら面白いことが起きておるようじゃな」

一升徳利をドン!と置きながら、一つ目入道が目の前に座った。

「酒の肴に聞かせてみせよ。お主がそんなにしくしく泣く原因となった事柄をな」

言いながらお猪口に酒を注ぎ、それをぐいっと呷った。

「面白い話ではないの…」
「面白いか面白くないかは儂が聞いて判断する。いいから話してみせよ」

今でも土地神として力を持っている一つ目入道にクロが敵うわけもなく、渋々事の起こりから話し始めたのだった。



「ぶわははははは! 妖が記憶をなくしたと?! ぶわははははは」
「そんなに笑わぬとも…」
「それで間違えて枕を交わして落ち込んでいたと?! これが笑わずにいられるか! ぶわははははは!」

まこと可笑しそうに一つ目入道が笑う。
クロもお猪口に入れられた酒を舌先でちょびちょび舐める。そこまで笑われるといたたまれない。

「我が輩は、彼奴の幸せのために陰ながら支える存在であって、表立ってそうなりたかったわけでは…」
「しかし結果としてそうなってしまったのじゃろう」

ぐうの音も出ない。

「何を悩むことがある。想いあっていた者達が結ばれただけの話じゃ。喜ぶことはあれど落ち込むことはなかろう」
「しかし、彼奴は我が輩のことを知らぬ。もし、猫と、妖と契ったと分かったら…」
「それで想いを捨てるようなら、それだけの人間だったということじゃろう。そも正体は知られてはおらぬのであろう?」
「…我が輩自身が人間だと思い込んでおったのだの…」
「想いあった人間同士がくっついだだけの話じゃ。お主もくよくよと女々しいのう」
「女々しい…」
「黒猫よ。お主が無理強いしたわけではなかろう?」
「…どちらかというと、我が輩が脅されたであるの」
「人間の女が望んで体を重ねたのであれば、妖の方が罪悪感を覚えるはおかしいじゃろう」
「…我が輩は、誘惑したかったわけではないのだの」
「それも忘れておったのではないか」
「・・・・・・」
「今までにも妖と人が結ばれたことなど幾度もある。それも上手くいく時もあれば、上手くいかなかった時もある」
「・・・・・・」
「駄目であったならばまたその時考えればよいではないか。そも、お主が今一番したいことはなんじゃ?」
「! 我が輩は…彼奴を…妙子を守りたいのだの…」
「こんなところで腐っていてよいのか? 今の世には儂等よりも遥かに面倒な魔物と呼ばれる有象無象が蔓延っておるではないか」
「! そ、そうだの…妙子…」
「行ってやれ。その者もきっとお主を待っておろう」
「一つ目入道殿…。恩に着るであるの。今度美味い酒でも持ってくるのだの!」

残った酒を一息に飲み干し、クロがもののけ道を走りだした。
その姿を見送り、一つ目入道も残った酒を飲み干した。

「さて、またぞろ面白い酒のあてでも持ってくるのかのう」

一升徳利を肩に担ぎ、一つ目入道もその場から立ち去って行ったのだった。









暗くなった道を家に向ってひた走る。
妙子は無事に家に戻っているようだ。しかし、怪我などをしていなければよいが…。
玄関先についたクロは扉をカシカシと引っ掻いた。

「なうん」

自分が帰ってきた時の合図である。
聞こえているだろうか。まさか忘れられてなどはいないと思うが。
すぐにバタバタと音がして、扉が静かに開けられた。

「クロ?」
「うなうん」
「クロ!!」

妙子がクロを抱きしめた。

「クロ…、クロ…良かった。生きてたんだね…。本当に良かった…」

妙子の腕の中で妙子の匂いに包まれる。ここが自分の居場所なのだと改めて思う。

「なう」

妙子の首筋に頭を擦り付ける。
いつものように甘えられる嬉しさを感じながら、言葉を交わせない寂しさも感じていた。

その夜、妙子はいつになく饒舌だった。
いや、本来はこれくらいお喋りなのかもしれない。闇使の姿でいた時はいつもどこか緊張していた。
妙子の膝で寛ぎ、体を撫でられながら、クロは大人しく妙子の話を聞いていた。

「もう本当に素敵な人でね! みんながみんな闇使さんのこと見てたんだよ!」

仮の姿とはいえ、あまりにも自分を褒めたたえられるのも、なんだかこそばゆい。クロは猫で良かったとも思う。表情を悟られないからだ。はっきり言って小っ恥ずかしくて仕方がない。

「あたしのあんな料理も文句言わずに食べてくれて…」

妙子が申し訳なさそうな顔になる。
何故生まれ変わったのにそのマイナススキルが継承されているのか不思議だ。生まれ変わる時に記憶も経験もすべてリセットされるはずなのだが…。
いやだがしかし、八重子時代よりはましなものにはなっている。多少…。

「なのに、あたし、あんな酷いこと…」

妙子の顔が暗くなる。

「それなのに、優しくしてくれて…。なのに、今日、どっか行っちゃって帰ってこないの。なんか、記憶が戻った感じだったし…。もう会えないのかな? クロにも会ってほしかったな…」

妙子の瞳に涙が溜まる。

「んなう」

クロが身を起こし、妙子の顔をペロリと舐めた。

「ありがと…」

妙子が薄っすらと笑みを浮かべた。
記憶を取り戻してしまったからには、もう妙子の前に闇使として現れることはできない。
少しでもその寂しさを埋めてやることができればと、クロは妙子に体を擦り付けた。







闇使がいなくなってからの妙子は痛々しいものだった。
蘭子や美鈴と笑顔で話している姿も、どこか無理をしているように見えた。
口さがない連中が妙子は捨てられただの陰口を叩く。
クロは何度そいつらを食い殺してやろうかと思っただろう。だが無闇に人に関わるのは危険だ。何かあったら奴らを囮に使ってやろうと心の中で固く誓う。
昼間は影に隠れながら妙子の様子を見守り、周辺を警護する。猫の姿であれば人から見咎められることもない。存分に魔物を狩った。
この辺りの出現率が少ないのは、クロが魔物を退治していたからだったのだ。まったく人間は手がかかる。
夜は妙子の脇で、顔の側で丸まって眠る。どうにか妙子の憂いを晴らしてやりたいとは思うのだが、猫である自分ではできることも限られる。側にいてやれることしかできなかったが、多少は妙子の慰めにはなっているようだった。
そんな代り映えのない日々を過ごしていたある日。

「う…!」

妙子が口元を抑え、トイレに駆け込んだ。酷くえずくような声が聞こえた。
何か悪いものでも食べたのだろうかと心配になる。味が悪いものなら食べ慣れている気もするが…。
少しして、口元を拭いながら妙子が戻ってきた。顔色が悪い。

「なう?」

大丈夫か? と足に擦り寄ったら、ガバリと抱きしめられた。

「クロ…どうしよう…どうしよう…」

声が震えている。

「どうしよう…もしかして…あたし、できちゃったのかも…」

できた? 何が? まさか…。

「あたし…赤ちゃん…できちゃったかも…」

全身の毛が逆立ちそうになった。まさか、あの一回だけで?

「どうしようクロ…」
「なう」

心配することはない。気づかぬうちにそれは処理できる。妙子が望まぬのならば早急に取り除こう。
そう思ったのだが、

「あたし、嬉しい…!」
「あ?」

何か思ったのと違う言葉が出てきた。

「どうしよう! あの人の子供だよ! どうしよう! 嬉しい! あたし、あの人の子供を産めるんだ!」
「うぎゃう!」

妙子が喜び勇んでクロを高く持ち上げる。足場もなく思い切り不安定になるのでやめてほしい。

「きゃー! どうしよう! 嬉しいい!!」

妙子がクロを振り回しながら部屋中で小躍りする。
ちょっと待て本当にいいのか? いなくなった男の子供など本当に産みたいのか?
疑問に思うが問い質せるわけもなく。

「クロ。ほらここに、あの人の子供がいるんだよ」

気が済んだのかクロを床に下ろし、妙子が自分の下腹部を大事そうにさする。

「絶対。絶対に産んであげなくちゃ」

そう言って、今までに見たことがないほどに幸せそうに微笑んだ。
そんな顔を見てしまったら、秘密裏に間引くことなどできそうにはなかった。









「よいのだろうか?」
「よいのではないか?」

なんとか酒を手に入れて、クロは一つ目入道の元を訪ねていた。
もちろん妙子が眠り、周辺の警戒も一通り済ませてからだ。

「別に、今までにも人と妖の間に生まれた子供なぞ数多あまたいよう。何故疑問に思うのかの方が疑問じゃ」

そうなのではあろうけれども。
まさか自分が子を持つことになるとは思わなかった。

「しかし、大丈夫にゃのだろかの…。猫と人ぞ。妖で人に化けていたとはいえ…子などできるのだろうかの」
「できたのじゃろう」

そうであるのだけども!
何故だ…。何故こんなことに…。
自問自答しても答えはでるわけもなく、唯一相談できる相手と一つ目入道を訪ねたが、一つ目入道の答えはあっさりしたものだ。

「互いを想い合い契ったが故できたのじゃろう? 何を憂うことがある」
「しかし、我が輩はもう妙子の前に闇使として立つことはできぬ。赤子を産むにも育てるにもいろいろ大変であろう…」
「女はその辺も覚悟の上じゃろう。お主が心配することではないわ」
「だがしかし、だがしかし…」
「狼狽えるでないわ。みっともない。女子おなごが覚悟しておるのであれば、男はそれを見守る。それしか主にできることはないわ」
「よいのであろうか? 産ませてよいのであろうか?」
「今取り上げてみよ。その女は生きる希望を失うやもしれぬぞ」
「う…」
女子おなごとは腹に子が宿ったその時から母になるという。愛し子を腹の中とはいえ失ってみよ。その先は言わずともわかろう?」

クロがしゅんとなる。腹に子ができたとあれほどに幸せそうに微笑んでいたのだ。亡くしたとなったらその落ち込みは今以上となるだろう。最悪自ら命を絶ちかねない。

「我が輩は、見守ることしかできぬのであるな…」
「男とはそういうものよ」

一つ目入道がぐびりと酒を呷る。

「そうよな。儂がちとかけおうてみてやってもよいぞ?」
「? なんであろうか?」
「今の世では安心して赤子を産み育てるも難しかろう?」
「…そうであるの」

子供に関しては大歓迎の世の中だ。魔素が溢れた後に生まれた子はだいたい魔力量を多く持って生まれてくる。お腹の中にいた頃から魔素に触れているせいではないかと考えられている。
ある意味産めよ増やせよ状態だ。かと言っていろんな所で人手不足ではあるので、それこそ働けなくなるまでは仕事を続けることにはなるだろう。さすがに畑仕事は体に負担が大きすぎるので、仕事の内容が変わるか、別の仕事に回されるのではないかと思う。
しかしどこに行ったとしても魔物の脅威がある。いつ何時なんどき襲われて、母子共々ということがないわけではない。

「しばしの間であるならば、儂の知っている場所を借り受けて、そこで静養させたらどうじゃ?」
「! よいのであろうか?」
「主の子じゃ。儂もひと目見てみたいものよ」
「かたじけないのであるの。して、その場所は?」
「うむ。人はそこを『桃源郷』と呼んでおったか…」
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