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青い髪の少女編
風と水
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「おかしいですわね。手応えがありませんわ」
少女が首を傾げる。
本当なら今頃あの中にいる者達は水の渦に巻き込まれて半死半生の目にあっているはずなのであるが、そのような気配がまったくない。
最初の水の矢を防いだのは風を扱うのに長けた者がいるからだと思っていた。もしかしたらその者が今頃中でヒイコラ言いながら結界を張っているのかもしれないと思い込む。
「私の水から逃れられるはずがありませんわ」
少女は自信満々で言い切った。
すると、水が渦巻くその中から、人影が飛び出して来た!
「うそ!」
その黄色い髪の男は少し大袈裟に持っていた木の棒を振りかぶると、少女に向かって振り下ろした。
少女が持っていた杖でサーガの少し大袈裟に振り下ろした棒を防いだ。
(まあこれくらいわな)
そのまま空中で前転するかのように身を捻りながら、少女の後ろに着地。そして軽く木の棒で少女を横薙ぎに払おうとする。
カン!
止めた。
(これくらいは反応できるのか)
多少の戦闘訓練はされているようだった。
「あの中からどうやって…!」
少女が驚きの声を出す。サーガは特に答える義理もない。距離を取る風を装って、逆に少女に迫る。これも防いだ。
そして集まる水。水は矢の形を取りサーガに迫る。
「うおっと」
思わず距離を取る。
術の切れ間に距離を詰め、再び少女に迫る。少女はまた水を集めるが、サーガの方が早い。
何度か切り結ぶと、サーガが死角を利用して少女の視界から消えた。
「! どこへ…!」
少女はキョロキョロと辺りを見回すが、その姿は何処にもない。
ところがサーガは少女の背後に座って、少女を上から下まで眺め回していた。変態か。
(う~ん、どっからどう見てもガキだなぁ)
姿が幼いように見えるだけなのかとも思ったが、近くで見るとしっかり子供にしか見えない。
ぺらり、と少女のスカートを捲り上げた。中にきちんと履いていたので、下着は見えない。別に子供のものなど見たくもないが、なんとなく残念に思うのは何故だろう。
変態だったなこやつ。
いきなりスカートを捲り上げられた少女は思わずスカートを抑える。しかし捲り上げているのは後ろである。あまり意味が無い。
「やっぱガキだなぁ」
そんな失礼な呟きが聞こえてくる。
「な、な、な、何をしてるんですのーーーー!!!」
戦闘中にいきなりスカートを捲り上げられた少女が、顔を赤くしながら後ろへ回し蹴り。
しかしそんなことはお見通しとでも言わんばかりに、サーガは距離を取っていた。
「面白そうな相手かと思ったんだが、思ったよりなんだし、ガキじゃなぁ」
「あ、貴方…、覚悟はよろしくて…?」
少女の額に青筋が浮き出ている。余程お怒りのようだ。
「まあまあ、君には今2つの選択肢がある」
「はい?」
「大人しく落ち着いて話し合いをするか、このまま戦い続けて素っ裸になるかだ!」
「とりあえず貴方は容赦しませんわ!!」
少女が杖を眼前に構え、集中し始める。
(お、なんか面白そうなことやるのかな?)
そんな脳天気に考えるサーガ。
「溺れながら後悔なさい」
一瞬にして集まった水が、サーガを包み込んだ。
サーガとの戦闘が始まると、水の渦は消えた。少女がサーガに集中して、術が途切れたのだろう。
離れた所でその様子を伺っていたが、サーガはどうやら余裕の様子。しかも少女のスカートを捲り上げて覗き込んでいるではないか。
「あの変態…。あんな少女にまで…」
メリンダが拳を振るわせている。キーナとテルディアスもかなり引いていた。戦闘中になにやっとんじゃあのお馬鹿。
ダンは念の為結界を維持しながら戦闘を見ていた。
そして、
「大人しく落ち着いて話し合いをするか、このまま戦い続けて素っ裸になるかだ!」
「とりあえず貴方は容赦しませんわ!!」
そんな会話が聞こえて来て、全員ずっこけた。
「何言っとんじゃあの馬鹿…」
メリンダが起き上がりつつ突っ込む。
何故戦い続けて素っ裸になるのか…。
そんなことを考えていると、サーガが水の球に包まれてしまう。
「うわ、すご」
キーナが驚きの声を上げる。水場が近くにあるわけでもないのに、あれだけの水を顕現できるのも大層なものだ。
水系の魔法を使うには、やはり水場が近くにあると扱いやすいのである。
テルディアスも術に感心しながら見ていたが、メリンダは青ざめた。
「あれって、あのままじゃ、サーガ、息出来ないんじゃ…」
「まあそうだろうな」
メリンダの呟きに、テルディアスが答えた。普通ならば呼吸が出来なくなってパニックに陥るはずだ。
「た、助けないと…」
「おい、待て」
ふらりと足を踏み出そうとしたメリンダの肩を掴んで止める。
「なにすんのよ! 早くサーガを助けないと…」
「おい、落ち着け。あの馬鹿が困っているように見えるか?」
「え?」
テルディアスに言われて、メリンダはサーガをよく見た。
普通ならば息を止めてどうやって出ようかと藻掻き始める所なのであろうが、サーガは平然とした顔で水の球を中から見回していた。
口の形が「すげえなぁ」と動いたのが見えた。
メリンダは一瞬にして頭が冷えた。よく考えればサーガは風だ。心配する方がアホらしい。
メリンダが落ち着いたようなので、テルディアスも肩から手を放す。下手にメリンダが突っ込めばメリンダの方が危ないのは目に見えている。
少女の動きからして、多少の戦闘訓練を受けているのは分かった。そこに戦闘素人のメリンダが突っ込めば、結果はさもありなん。しかも少女は水、メリンダは火。相性が悪すぎる。
「な、なんで平気な顔をしてますの?!」
サーガのことを知らない少女が反対にパニックになっている。水の球に閉じ込められれば、普通の人ならば呼吸が出来ずにパニックになる。そして水の球の中で藻掻き苦しんで気を失う。
しかしサーガは平気の平左。水の球の中から外を見て楽しんだり、泳ぐ真似をしてみたりしている。
「そ、そんなはずありませんわ! 人は生きていれば必ず呼吸をしているものですもの…」
待っていれば絶対に呼吸が出来ずに気を失うはず。少女は術に集中し、サーガが気絶するのを待つ。
しかしその後もサーガは苦しそうな素振りなど全く見せず、水の球の中で棒を振って素振りをしてみたり、これ見よがしに欠伸をしたり…。
「な、なんで水の中で欠伸ができるんですの…!」
少女が涙目になっている。ちょっと可哀相だ。
「そろそろ飽きた」
サーガの口がそんな風に動いた。直後。
バン!
「きゃああ!!」
盛大に何かが割れるような音。そして飛び散る水飛沫。少女がその衝撃で尻餅をつく。
術に集中していた少女は頭から水を浴びた。結界を張っていたキーナ達はもちろん無事。ダン、ナイス。
「凄かったけど、あれだけなん?」
全く濡れてもいないサーガが、少女の前に立った。
「な、何故…、なんで水の中で溺れもせずに…」
涙目なのか、水に濡れたせいなのか、少女が瞳を潤ませてサーガを見上げる。
「まあ俺、風だから?」
閉じ込められる寸前まで周りに風を集めていたのだ。それらの風と共に閉じ込められて、溺れろという方が難しい。
そんなこと知りもしない少女が、何者なのかという顔でサーガを見る。
只の変態です。
「これで終わりなんか? もうないのか?」
サーガがしゃがみ込んで少女の顔を覗き込む。少女の顔に恐怖の色が浮かぶ。どうやらサーガを得体の知れない者認定したらしい。
「も、もういいですわ…。生きている人間にこれをやるのは良心が痛みますが…」
少女がサーガを睨みつけ、立ち上がって距離を取る。
「お、まだなんかあるんか?」
サーガが嬉しそうに立ち上がった。
少女が杖を構え、サーガを睨み付けながら何か集中していた。そして、
「水よ! 我が声に従いなさい!」
「む?」
サーガの顔から笑みが消えた。
2人が動かなくなり、外野がハテナマークを浮かべながら何をやっているのかと観察していた。
「う…、く…」
「ぬ…、ぐ…」
サーガと少女がなにやら必死な顔をしているので、何かをしている事は分かる。しかし何をしているのやら。
一瞬、サーガの殺気が膨れあがった。
「ひ!」
それをまともに食らった少女が喉の奥で悲鳴を上げた。その瞬間サーガが動いた。
気付けば少女は気絶して崩れ落ち、サーガがその体を支えていた。
「サーガ!」
メリンダがサーガに駆け寄る。
「お? 何その顔。姐さん俺のこと心配してたの?」
メリンダの顔を見るなり、ニヤニヤとサーガがからかうように言った。
「そ、そんなわけないでしょう!」
メリンダがぷいと顔を背ける。顔、赤くなってます。
キーナ達も近寄って来た。ダンも結界を解いてやって来た。
「サーガ、最後の何やってたの?」
キーナが問いかける。
「ん? ああ…。ん~、なんつーか。なんだろ? こう、体を勝手に弄くられて操られる感じがしたんだよな」
サーガもよく分かっていないようだ。
「すんげー気持ち悪かったからつい。ちょっと強めに当てちゃったかも」
気絶している少女を見下ろす。当て身を食らわせたようだが、つい力が入ってしまったという。念の為ダンが診察することになった。
「で? あんた、まさかこんな小さな女の子に何かするつもりだったの?」
先程の素っ裸発言をメリンダは忘れていなかった。
「い、いや、そうじゃなくて、そうとも言うか…」
サーガの目が泳ぎまくる。
「あんた…そんな趣味あったの…?」
「違う! 俺は大きなおっPいが好きなの! ぺったんこは趣味じゃない!」
「そういう問題じゃないわ!」
メリンダの拳、発射5秒前。
「素っ裸って、結局剥く気だったんでしょう!」
「ち、違う! いや、違わないけど…! いやそうじゃなくて! その、やはり女の子と戦う時はそういう楽しみがないと…」
「はあ?」
「いやだからさぁ、女の子と戦う時は、こう隙をついてあちこち破けさせてさ、チラリさせるのが楽しいというか…」
「変・態!!!」
メリンダの拳が発射された。
少女が首を傾げる。
本当なら今頃あの中にいる者達は水の渦に巻き込まれて半死半生の目にあっているはずなのであるが、そのような気配がまったくない。
最初の水の矢を防いだのは風を扱うのに長けた者がいるからだと思っていた。もしかしたらその者が今頃中でヒイコラ言いながら結界を張っているのかもしれないと思い込む。
「私の水から逃れられるはずがありませんわ」
少女は自信満々で言い切った。
すると、水が渦巻くその中から、人影が飛び出して来た!
「うそ!」
その黄色い髪の男は少し大袈裟に持っていた木の棒を振りかぶると、少女に向かって振り下ろした。
少女が持っていた杖でサーガの少し大袈裟に振り下ろした棒を防いだ。
(まあこれくらいわな)
そのまま空中で前転するかのように身を捻りながら、少女の後ろに着地。そして軽く木の棒で少女を横薙ぎに払おうとする。
カン!
止めた。
(これくらいは反応できるのか)
多少の戦闘訓練はされているようだった。
「あの中からどうやって…!」
少女が驚きの声を出す。サーガは特に答える義理もない。距離を取る風を装って、逆に少女に迫る。これも防いだ。
そして集まる水。水は矢の形を取りサーガに迫る。
「うおっと」
思わず距離を取る。
術の切れ間に距離を詰め、再び少女に迫る。少女はまた水を集めるが、サーガの方が早い。
何度か切り結ぶと、サーガが死角を利用して少女の視界から消えた。
「! どこへ…!」
少女はキョロキョロと辺りを見回すが、その姿は何処にもない。
ところがサーガは少女の背後に座って、少女を上から下まで眺め回していた。変態か。
(う~ん、どっからどう見てもガキだなぁ)
姿が幼いように見えるだけなのかとも思ったが、近くで見るとしっかり子供にしか見えない。
ぺらり、と少女のスカートを捲り上げた。中にきちんと履いていたので、下着は見えない。別に子供のものなど見たくもないが、なんとなく残念に思うのは何故だろう。
変態だったなこやつ。
いきなりスカートを捲り上げられた少女は思わずスカートを抑える。しかし捲り上げているのは後ろである。あまり意味が無い。
「やっぱガキだなぁ」
そんな失礼な呟きが聞こえてくる。
「な、な、な、何をしてるんですのーーーー!!!」
戦闘中にいきなりスカートを捲り上げられた少女が、顔を赤くしながら後ろへ回し蹴り。
しかしそんなことはお見通しとでも言わんばかりに、サーガは距離を取っていた。
「面白そうな相手かと思ったんだが、思ったよりなんだし、ガキじゃなぁ」
「あ、貴方…、覚悟はよろしくて…?」
少女の額に青筋が浮き出ている。余程お怒りのようだ。
「まあまあ、君には今2つの選択肢がある」
「はい?」
「大人しく落ち着いて話し合いをするか、このまま戦い続けて素っ裸になるかだ!」
「とりあえず貴方は容赦しませんわ!!」
少女が杖を眼前に構え、集中し始める。
(お、なんか面白そうなことやるのかな?)
そんな脳天気に考えるサーガ。
「溺れながら後悔なさい」
一瞬にして集まった水が、サーガを包み込んだ。
サーガとの戦闘が始まると、水の渦は消えた。少女がサーガに集中して、術が途切れたのだろう。
離れた所でその様子を伺っていたが、サーガはどうやら余裕の様子。しかも少女のスカートを捲り上げて覗き込んでいるではないか。
「あの変態…。あんな少女にまで…」
メリンダが拳を振るわせている。キーナとテルディアスもかなり引いていた。戦闘中になにやっとんじゃあのお馬鹿。
ダンは念の為結界を維持しながら戦闘を見ていた。
そして、
「大人しく落ち着いて話し合いをするか、このまま戦い続けて素っ裸になるかだ!」
「とりあえず貴方は容赦しませんわ!!」
そんな会話が聞こえて来て、全員ずっこけた。
「何言っとんじゃあの馬鹿…」
メリンダが起き上がりつつ突っ込む。
何故戦い続けて素っ裸になるのか…。
そんなことを考えていると、サーガが水の球に包まれてしまう。
「うわ、すご」
キーナが驚きの声を上げる。水場が近くにあるわけでもないのに、あれだけの水を顕現できるのも大層なものだ。
水系の魔法を使うには、やはり水場が近くにあると扱いやすいのである。
テルディアスも術に感心しながら見ていたが、メリンダは青ざめた。
「あれって、あのままじゃ、サーガ、息出来ないんじゃ…」
「まあそうだろうな」
メリンダの呟きに、テルディアスが答えた。普通ならば呼吸が出来なくなってパニックに陥るはずだ。
「た、助けないと…」
「おい、待て」
ふらりと足を踏み出そうとしたメリンダの肩を掴んで止める。
「なにすんのよ! 早くサーガを助けないと…」
「おい、落ち着け。あの馬鹿が困っているように見えるか?」
「え?」
テルディアスに言われて、メリンダはサーガをよく見た。
普通ならば息を止めてどうやって出ようかと藻掻き始める所なのであろうが、サーガは平然とした顔で水の球を中から見回していた。
口の形が「すげえなぁ」と動いたのが見えた。
メリンダは一瞬にして頭が冷えた。よく考えればサーガは風だ。心配する方がアホらしい。
メリンダが落ち着いたようなので、テルディアスも肩から手を放す。下手にメリンダが突っ込めばメリンダの方が危ないのは目に見えている。
少女の動きからして、多少の戦闘訓練を受けているのは分かった。そこに戦闘素人のメリンダが突っ込めば、結果はさもありなん。しかも少女は水、メリンダは火。相性が悪すぎる。
「な、なんで平気な顔をしてますの?!」
サーガのことを知らない少女が反対にパニックになっている。水の球に閉じ込められれば、普通の人ならば呼吸が出来ずにパニックになる。そして水の球の中で藻掻き苦しんで気を失う。
しかしサーガは平気の平左。水の球の中から外を見て楽しんだり、泳ぐ真似をしてみたりしている。
「そ、そんなはずありませんわ! 人は生きていれば必ず呼吸をしているものですもの…」
待っていれば絶対に呼吸が出来ずに気を失うはず。少女は術に集中し、サーガが気絶するのを待つ。
しかしその後もサーガは苦しそうな素振りなど全く見せず、水の球の中で棒を振って素振りをしてみたり、これ見よがしに欠伸をしたり…。
「な、なんで水の中で欠伸ができるんですの…!」
少女が涙目になっている。ちょっと可哀相だ。
「そろそろ飽きた」
サーガの口がそんな風に動いた。直後。
バン!
「きゃああ!!」
盛大に何かが割れるような音。そして飛び散る水飛沫。少女がその衝撃で尻餅をつく。
術に集中していた少女は頭から水を浴びた。結界を張っていたキーナ達はもちろん無事。ダン、ナイス。
「凄かったけど、あれだけなん?」
全く濡れてもいないサーガが、少女の前に立った。
「な、何故…、なんで水の中で溺れもせずに…」
涙目なのか、水に濡れたせいなのか、少女が瞳を潤ませてサーガを見上げる。
「まあ俺、風だから?」
閉じ込められる寸前まで周りに風を集めていたのだ。それらの風と共に閉じ込められて、溺れろという方が難しい。
そんなこと知りもしない少女が、何者なのかという顔でサーガを見る。
只の変態です。
「これで終わりなんか? もうないのか?」
サーガがしゃがみ込んで少女の顔を覗き込む。少女の顔に恐怖の色が浮かぶ。どうやらサーガを得体の知れない者認定したらしい。
「も、もういいですわ…。生きている人間にこれをやるのは良心が痛みますが…」
少女がサーガを睨みつけ、立ち上がって距離を取る。
「お、まだなんかあるんか?」
サーガが嬉しそうに立ち上がった。
少女が杖を構え、サーガを睨み付けながら何か集中していた。そして、
「水よ! 我が声に従いなさい!」
「む?」
サーガの顔から笑みが消えた。
2人が動かなくなり、外野がハテナマークを浮かべながら何をやっているのかと観察していた。
「う…、く…」
「ぬ…、ぐ…」
サーガと少女がなにやら必死な顔をしているので、何かをしている事は分かる。しかし何をしているのやら。
一瞬、サーガの殺気が膨れあがった。
「ひ!」
それをまともに食らった少女が喉の奥で悲鳴を上げた。その瞬間サーガが動いた。
気付けば少女は気絶して崩れ落ち、サーガがその体を支えていた。
「サーガ!」
メリンダがサーガに駆け寄る。
「お? 何その顔。姐さん俺のこと心配してたの?」
メリンダの顔を見るなり、ニヤニヤとサーガがからかうように言った。
「そ、そんなわけないでしょう!」
メリンダがぷいと顔を背ける。顔、赤くなってます。
キーナ達も近寄って来た。ダンも結界を解いてやって来た。
「サーガ、最後の何やってたの?」
キーナが問いかける。
「ん? ああ…。ん~、なんつーか。なんだろ? こう、体を勝手に弄くられて操られる感じがしたんだよな」
サーガもよく分かっていないようだ。
「すんげー気持ち悪かったからつい。ちょっと強めに当てちゃったかも」
気絶している少女を見下ろす。当て身を食らわせたようだが、つい力が入ってしまったという。念の為ダンが診察することになった。
「で? あんた、まさかこんな小さな女の子に何かするつもりだったの?」
先程の素っ裸発言をメリンダは忘れていなかった。
「い、いや、そうじゃなくて、そうとも言うか…」
サーガの目が泳ぎまくる。
「あんた…そんな趣味あったの…?」
「違う! 俺は大きなおっPいが好きなの! ぺったんこは趣味じゃない!」
「そういう問題じゃないわ!」
メリンダの拳、発射5秒前。
「素っ裸って、結局剥く気だったんでしょう!」
「ち、違う! いや、違わないけど…! いやそうじゃなくて! その、やはり女の子と戦う時はそういう楽しみがないと…」
「はあ?」
「いやだからさぁ、女の子と戦う時は、こう隙をついてあちこち破けさせてさ、チラリさせるのが楽しいというか…」
「変・態!!!」
メリンダの拳が発射された。
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