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先森ファーム

ハンターになる

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俺は、高校生になるとハンターになってダンジョンに入ろうと思っていた。

「じゃー行ってくるなー」


「はいよー。気をつけるんよー」

と、遠くから声が聞こえたので家を出た。


今日はハンターになるためにJDHGの試験を受けに行く。JDHGはダンジョンができたすぐ近くに支部を立てており、その岡山支部で試験を受ける。


ちなみに試験内容は事前に発表されており、JDHGの規約に関する認識の筆記テストと思考判断テスト、あと、ある程度の戦闘力の確認として、最弱のモンスターと言われているスライムの討伐テストが行われる。スライムはダンジョンで捕獲して連れてきているらしい。それも攻撃力のないスライムだからできるらしい。


JDHGに着いたのは家を出てから1時間半ぐらい経っており、試験手続きを行う。30分前にはついていたので、係の人に教えてもらいながら手続きをして、会場で待っていた。



ダンジョンができた時に神からギフトが与えられたが、それは15歳以上の人であり、当時12歳であった俺はもちろん貰えるわけもなく、去年15歳になった時にやっとギフトがもらえたのだが、貰ったギフトは『ファーマー』であった。正直がっかりした。ちょと期待していたのもあっけど、まさかこんなギフトだとは思っていなかった。


それでもこのギフト、実はすごく有能な能力であった。
このギフトには、様々なスキルが包含されており、まさに俺にあった内容だった。

でも、これはダンジョンを使ってこそ生きるギフトだと思ったので、ダンジョンに入ろうと考えたのだ。


そんなこんなで時間をつぶしていると、いつのまにか会場の席がいっぱいになり、試験の集合時間が来て試験管もきたので前を向いた。


そこから試験が始まり、発表されていたとおりに試験が行われて、スライムの討伐テストも難なくクリアした。スライムは弱く、半透明の体の中に見える核と言うところを剣でつくと、スライムは動かなくなった。ダンジョンの外でモンスターを倒すと体が残るらしい。スライムの体は今のところ使い道がないため捨てられるらしい。剣は借りた。

ちなみに、ダンジョンの外で倒したモンスターの死骸はダンジョンに置いておくと吸収されるらしい。

そして、正午には試験結果が発表され、無事合格していた。



合格者にはハンターカードという免許証みたいなものが渡され、このカードには専用口座が設けられている。

ダンジョンのドロップアイテムの買取などでは、現金ではなく口座振込で対応するらしい。

また、ハンターにはランクが設けられており、合格したばかりのハンターをランク0。ダンジョンの5階層に到達したハンターをランク1。10階層に到達したハンターをランク2として、5階層ずつでランクが上昇していく。これはWDMMと連携して世界基準で決まっているらしい。日本ランクが上がるにつれて、ダンジョン税(ダンジョンでのドロップアイテムの買取の際にかかる税金)がランクが上がるごとに軽減される。



俺は合格した足でダンジョンにむかった。というのも、ここまでくるのに家からだと時間がかかりすぎるので、せっかくここまできたからにはダンジョンに入って帰ろうと思った。

その前にダンジョン道具専門店に入り、比較的安い剣を買った。1万円。高校生には痛い出費だ。

剣は普段JDHG(以下ギルド)に預けておくことができる。

それで、ダンジョンに入るのに入り口に設置された駅の改札口のようなものにカードをかざし、一緒に指紋認証を行う。そしてようやくダンジョンに入れる。


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