【完結】魔声の人魚姫は翼の騎士に恋をする

宵乃凪

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四章

ep.16 海神の底、血の記憶

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「姉さん……? 姉さん! 待って!」

 海藻の隙間から見えた金色に向かってメルヴィナが叫ぶ。
 大急ぎで方向転換すると、海底付近を泳ぐ身体に並走するように追いついた。

「メルヴィナちゃん、毎日留守にしてごめんなさい。わたし、今日は『海神の底』の辺りに行って来るわ。危ないからルヴィちゃんは戻っていて」

「やめてよ姉さん、あそこはずっと立ち入りが禁じられてるって、姉さんだって知ってるでしょ! この間、禁書庫にいるのが見つかって牢に入れられたところよ。お父様も今度こそただでは済まさないわ」

「……立ち入りが禁じられたのは、お母様が亡くなった海だから?」

 前を向いて泳ぎながら、セレイアは静かに尋ねた。

 メルヴィナが息を飲む。何かを言おうとしては口を閉じ、やがてついにその場に立ち止まると、両手で目元を隠すように額を抑えた。

「やめて、姉さん。お願いよ。あたしの……あたしのそばを、離れないでよ……」

 泡沫のような呟きに、セレイアは尾ひれを止めて振り返った。ゆっくりとメルヴィナのもとへと戻ってくると、両腕を伸ばして柔らかな身体を抱き締める。

「離れないわ、メルヴィナ。わたしは何を思い出したって、絶対にあなたのことを手放したりはしない。あなたを守ると、そうレティシアとも約束したもの」

 セレイアはそっと、まるで子守唄のように囁いた。
 メルヴィナの肩が大きく跳ね、彼女の喉奥からはひっという微かな音が漏れる。

 震える妹の後頭部を何度かゆっくりと撫でてから、セレイアは耳元へと口を寄せた。

「あなたを誰より愛しているわ、メルヴィナ。本当よ。お父様より、陸の人間より……カイルラスよりも、あなたのことが誰よりも大切。だから安心して。怯えないで」

 ね、と最後に額に口付けを落としてから、セレイアはメルヴィナの身体を解放し、そして暗い海へと泳いで行った。

 残されたメルヴィナは両腕で自分の身体を抱き締める。ぺたりと海底に座り込んで、深く俯き肩を揺らした。

 ◇

 暗い岩陰を縫うようにして、セレイアの尾ひれが揺蕩う。
 この辺りは海流の関係と、加えて海面から遠いこともあってか、他所よりもずっと水が冷たい。

 反響する音と微かな光を頼りにセレイアが進む。深海魚よりもずっと敏感な目が、暗い海底に沈む人影を見つけた。

 複数ある骸の、その全てが人間だった。翼も鱗も持たない身体は、ここに沈んでから百年以上が経つはずだが、骨を露出させることなく当時のままの姿で眠っている。

「……」

 セレイアはそっと手を伸ばしかけ、彼らに触れる前に無言で指先を引いた。

 辺りはしんと静まり返り、魚たちの呼吸の音すら聞こえない。首を回して周囲を見渡す。あるのは人間の骸や、恐らくは家屋や船の残骸ばかりで、翼人族の姿はない。
 目を閉じて、彼らの葬儀を思い出す。空に還れなかった彼らの誇りはどこへと向かうのか、結局一度も聞くことはしなかった。

 冷たい海水を蹴って、より深い海域へと進んでいく。海底の傾斜が次第に急になっていく。
 この先は辺りでも特に深い海溝だ。リュアであっても亀裂には決して立ち入らず、その奥底がどのような世界であるのかは誰も知らない。

「…………あっ」

 ふと、視界の端に微かな光が目に入った。セレイアが反射的に振り向き、今まさに段差を滑り落ちていきそうになっていた柄を素早く掴む。
 硬い手触り。暗闇の中でもぬらつく鈍色。以前にカイルラスへと返した剣よりずっと古いもののはずであるのに、やはり月日の流れを感じさせない。

 セレイアは無言で、拾った剣を胸に抱きしめた。そこに誇りや魂が取り残されているのか、ヴァレアではない自分には感じ取ることは出来なかった。

 ◇

 衛兵たちの哨戒の隙を縫って辿り着いた夜の入り江は、これまでとは随分と違った雰囲気だった。 

 穏やかなはずの静寂は、何か不穏さを感じさせるようであり、よく目にする巻貝の類も今宵は姿がない。
 変わらず陸の者の立ち入りは禁じられているようではあるが、遠く山の方に点々と灯りが見える。人間たちが拠点でも敷いているのだろうかとセレイアは思った。

 ざっと砂を踏む音に、セレイアが振り返る。海より一層薄暗い森の中から、一人の男が姿を現したところだった。

「ノアリス、来てくれてありがとう。あなたに連絡が伝わってよかったわ」

「陸に上がったリュアを経由するとはな。こんな状況でも街を遊び歩いてみるもんだ」

 そう言ってノアリスが大きく肩を竦める。肩越しの視線で背後の山を指し示すと、もう少し隠れたところへ移動するよう提案した。

 山の拠点から死角になる浅瀬で、セレイアはノアリスに向き直る。いつもここに来る時とは随分と異なる装い。幾重にも重ねられた衣に、重厚そうな装飾品は、確かに彼が人間の皇帝であるのだと示していた。

 セレイアの視線に気が付いたのか、ノアリスが苦笑する。

「仰々しい格好だろ? 悪いな、仕事の途中で抜け出してきたんだ」

 口煩い大臣の目を盗むのが大変だった、とノアリスは笑い混じりに続けた。
 いつもと変わらない様子の彼の顔をじっとセレイアが見つめる。

「翼人族は、リュアによって滅ぼされかけたのね」

 唐突な問いに、ノアリスは少しも顔色を変えることなく頷いた。

「ああ。大陸の記録にはそう残っている」

「そのことを、カイルラスは知っているの」

 どうだろうな、とそう答えてノアリスが上を向く。
 今夜は月が無く、雲も厚い。夜の海のように真っ黒な空を眺めながら彼は続けた。

「キミもご存知の通り、あいつらは少しも過去を振り返らない。たとえ知っていたとして、仇を恨むことも、報復することも考えはしないさ。空の民は実に高潔でいらっしゃる」

 ノアリスはそう言って正面を向くと、セレイアの顔を見て再び苦笑いを浮かべる。

「こう言えば、キミは満足するか?」

 普段よりずっと冷たいような声の問いに、セレイアは、いいえ、と首を横に振った。
 尾ひれを撫でて静かに脚へと変えると、陸に上がった白い素足はひたひたとノアリスの方へと歩み寄る。

 男の正面へと辿り着いてから、セレイアがじっとノアリスの赤い瞳を見つめた。宝石のような美しさの奥に、確かに魔力の片鱗を感じ取り、やっぱり、と小さく呟く。

「初めて会った時から違和感はあったの。ノアリス、あなたは祖先にリュアの血を引いているわね。海の子孫は鱗は失っても、魔力の加護や長命は顕現することがあると聞いたわ。百年前の『大災害』の時、あなたはその目でそれを見た?」

「そうだと言ったら?」

 間を置かずにノアリスが答えた。
 セレイアはさらにもう一歩距離を詰める。

「教えて。何があったの」

「自分で調べて思い出したんじゃないのか」

「客観的で断片的な情報だけ。その時、私は何を見て、何をしたのか、それを知りたいの」

「過去のことだろ。何故わざわざ聞きたがる?」

「それが責務だからよ。近くリュアの王となる者として、あの子たちの長姉として、私は自分のやったことをきちんと知る必要がある。鱗の記憶を完全に取り戻せば、私はこの魔力をもって、今度こそ王座につくわ」

 とん、とセレイアの指先がノアリスの胸を突いた。

 ノアリスが小さく息を吐く。ざわりと海風が吹き抜け、目にかかりかけていた黒い前髪をかき上げた。

「セレイア、最後にキミの友人としての問いだ。その力でキミはどうする? 次こそは大陸を沈め、翼人族を滅ぼすか?」

 静かな問いに、セレイアは少し眉を寄せてから首を横に振る。

「……いいえ」

「返答に間があったな。迷ってるって証左だ。もしここでオレが下手を打てば、光栄なことにオレの名は遠く後代まで語り継がれることだろうよ。大陸を滅ぼした稀代の愚王としてな」

 仮に陸地や記録が残ればだが。そう締め括って、ノアリスは小さなため息を吐いた。

 セレイアは何も答えない。

 胸に触れる指先から繋がる細い腕、透けそうなほどに白いそれを強めに握ると、ノアリスは真っ直ぐにセレイアの瞳を見据えた。

「教えてくれ、セレイア。オレは、キミを信じてもいいか?」

 セレイアの肩が揺れる。やがて張り詰めていた息を吐き出した。

「ええ。友を重んじる。一度置かれた信頼は裏切らない。そうカイルラスが教えてくれたもの」

 憑き物の落ちたようなセレイアの微笑みに、ノアリスは、そうか、とセレイアの腕を離す。

 潮風で少しべたついた髪を鬱陶しそうに掻いてから、セレイアの背後の海を見ながら、ノアリスは過去を語り始めた。


 百余年前、セレイアの起こした大嵐は、「海嘯の災禍」として王城の記録庫に残されてある。

 記録にあった大陸側の被害を淡々となぞりながら、ノアリスは少し遠い目で海の果てを見た。

「オレはまだ十にも満たない子供だった。それでもはっきりと覚えている。まっ平らだったはずの水平線、それがまるっきり形を変えていた。『海が怒る』ってのはこういうことなんだと、血筋のせいか、子供ながらに理解した」

 黙って聞くセレイアを振り向かず、ノアリスは話を続ける。幼少の彼は、たまたま出向いていた海を望める小高い丘から、その光景を目にしたのだという。

 その日は朝からいやに風が強い日だった。背筋の凍るような寒さの中、空にも届く大渦が大陸に海水の雨を降らせる。海を離れても減衰することのない大津波が、集落や森を無慈悲に飲み込み、海岸線を変貌させる。
 まさに災害というべき嵐によって、長年人魚族と争っていた人間も、巻き込まれた翼人族も多大な被害を受けた。

「ちょうど、長の葬儀だってんで、ヴァレアが海岸近くの大樹に集まってたんだ。今はその木どころか、生えてた崖も何もかもが海の底だ」

 ノアリスが波打ち際で屈み、手の平で海水を掬う。あの時とは違って穏やかな海は、男を害することなく、ただ透明な液体が指の間から滴り落ちていった。

 波が幾度寄せても一向に相槌のないことに、立ち上がったノアリスがようやく振り返る。セレイアは片手で額を抑え、少し俯いていた。

「大丈夫か?」

「……ええ。問題ないわ。また少し思い出しただけ」

 そう答えてセレイアは軽く頭を振り、長い息を吐き出す。宮殿や海中で断片的に集めた情報が次々と、欠けた破片のようにはまっていく感覚があった。

「ありがとう、ノアリス。でも、まだ私、聞かなければいけないことがあるわ」

 砂浜を歩き、セレイアは波打ち際のノアリスのそばまでやって来る。少しぬるい波が素足の指の間をくすぐった。

 この優しい海が怒り狂っていた光景を確かに思い出せる。しかし、あの身を灼くような怒りの原因だけが未だにはっきりしない。

「どうしてそんなことが起こったのか、知ってるなら教えて。お願い。宮殿の記録ではお母様の、前王妃であるリディアの死がきっかけだったって、でも私、どうしても腑に落ちないの」

 セレイアが問うと、ノアリスは無言で視線を下の方へと逸らせた。普段の飄々とした表情はなりを顰め、薄っすらと苦悩すら浮かんでいるように見える。セレイアはもう一歩詰め寄り、お願い、と再度繰り返した。

 長い沈黙の後で、ようやくノアリスの口から低い声が絞り出される。

「……リディア王妃は、人間に囚われ、陸で殺された。オレは、キミがその亡骸を見てしまったんじゃないかと思ってる」

「そうも思ったわ。でも、お母様は一度陸に上がった方よ。たとえ血族とはいえ、私がそこまであの方に執着していたとは……」

 間髪入れずにそう答え、セレイアは目を閉じた。暗い視界の中でどうにか記憶の糸端を探す。母への心情も取り戻してきた今、それを身内を殺された怒りと断じるには大きな違和感があった。

 それが仮に、レティシアやメルヴィナであれば理解できるが。そこまで思ったところで、不意に、自分を庇って空から舞い降りた翼の光景を思い出した。

 セレイアが瞼を開けて、浜の方を見る。あの時彼に殺されてしまった海獣はとっくに海へと還っただろうが、流れ出す血の生臭い匂いが鼻奥に蘇った気がした。

「ねえ……ノアリス。お母様は、どうやって、亡くなられたの」

 呟くようにセレイアが尋ねる。その瞳は大きく見開かれ、瞬きをすることなく浜辺の一点を見つめている。

 海が六度押し寄せ、ずっと吹いていた風が止む。静寂を見計らったように、ノアリスは重い口を開いた。

「……漁をする民に引き揚げられ……不老不死を信じる者に、血肉を喰われたと聞いている」

「――っ!」

 セレイアは両手で口を押さえ、よろめきながら数歩後ずさる。

 止んでいた風が戻り、金の長髪を揺らす。ノアリスが何かを言っているようだったが、既に耳には入らなかった。大渦に入った時のように視界が急に白くなる。断片的な光景が次々と浮かび上がり、母の濁った隻眼と目が合った時、セレイアは耐え切れずその場に座り込んだ。

「あっ、あああぁ……!」

 細い指の隙間から悲鳴が漏れ出る。
 ひゅっと息を吸う音が鳴ると同時に、ノアリスが素早く駆け寄った。震える両肩を支えて彼女の耳元で声を押し殺して叫ぶ。

「セレイア! 落ち着け、ここで大声を出せば両軍の兵に気付かれる!」

「触らないで……! 見たわ……私、この目で見たの。お母様は喉を裂かれ、身を割られていたわ。美しい瞳も、尾ひれも……どうして、何故あなたたちはそんな真似ができるというの……!」

 両腕で身体を抱きしめ、セレイアが啜り泣く。大きく揺れる背中を抱くように、背後では暗い海が次第に盛り上がり、頬に当たる風が急激に冷え込んでいく。

 いよいよ背丈を越え始めた海面をノアリスは一度だけ見上げると、その場を立ち去ることなく浅い水面に両膝をついた。

「セレイア、頼む。オレはもう二度と、あんな事態を起こさせはしない。その為に……オレは、前皇帝を殺してでもこの座についた」

 はっきりと、そう言い放つ。これまでに耳にした中で最も低く冷たい声だった。

 無言のままセレイアはゆっくりと顔を上げる。頭上を覆う水の壁からは絶え間なく水が滴り落ちる。男の髪も顔もすっかり濡れていた。

 セレイアの両肩を掴んだまま、ノアリスは彼女と目を合わせる。額がつきそうな距離で、潜めた低い声で一句一句噛み締めるように宣言した。

「頼むセレイア。こんなこと言えた義理じゃないのは分かっている。だが、今しかないんだ。大海を統べることのできるキミが、陸や空に興味を示してくれた。オレたちが歩み寄るには、互いを滅ぼさずに歩んでいくためには、オレとキミとカイルラスが三種族を率いる今代しかない。だから、頼む、どうか自分を失わないでくれ」

「カイル、ラス……」

 濡れた瞳で、セレイアが呆然と呟く。
 尚も震える身体に爪を立てると、強く目を瞑って首を振った。
 すぐに、ばしゃんと水音がしたかと思えば、海はすっかり凪いでいた。

「ノアリス、私……」

「いたぞ! その岩陰だ!」

 セレイアの訴えを遮るように野太い声が響き渡った。

 山の方角から風を切って滑空してくる人影に、セレイアは急いで海に飛び込む。
 ぶん、と振られた剣先が水面だけを切った。

「くそっ! おい待て! 彼女は……!」

 尚もセレイアを追う翼騎士たちを止めようと、ノアリスが声を上げる。背後の拠点を振り返ると、灯りはにわかに騒がしく動いており、ノアリスは舌打ちした。

 海中に逃げ込んだセレイアは、深く潜ろうとしてその場で急停止する。視線の先には宮殿の衛兵が海域を見回っていた。

「っ……」

 不意に痛みを感じて腕を見る。飛び込む時に翡翠貝で切ったらしく、上腕から赤い線が流れ出ていた。
 セレイアは眉を寄せる。今このタイミングで、少なくとも父王の真意を確かめるまでは、黒石貝の牢に囚われることは望ましくない。

「衛兵がこの場を去るまで、なんとか……」

 そう呟いて尾ひれで強く水を蹴ると、細い身体は海面近くまで急浮上する。

 水面の薄い膜を隔てて空を見たセレイアが一層強く眉を寄せた。翼人族の騎士たちが頭上を旋回している。
 どうにか両者をやり過ごしてと、そう思った時、不意に一つの影がこちらに目掛けて急降下してきた。

 セレイアは再び潜りかけて、それが見覚えのある姿形であることに気がつき反対に浮き上がる。

「振り切るぞ。捕まれ」

 それだけを告げられたかと思うと、次の瞬間には海面すれすれをまるで滑るように進んでいた。

 頭に当たる強い風に思わず両目を瞑る。背とひれに回された腕の感触から、抱き抱えられているのだとなんとか理解する。セレイアは指示通りカイルラスの服に両手で掴まった。

 暗い視界の向こうでばさりと羽が鳴る。薄目を開けたセレイアが、カイルラスの横顔をようやく捉えた時、二人の身体は天高く舞い上がった。
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