【完結】混血の狼少女は厳格な騎士団長に溺愛される

宵乃凪

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一章

騎士団長宅の夜

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 王国領土の中央には、王族が住まい騎士団の詰める大きな城砦がある。それらを取り囲む城壁の外側に、貴族の邸宅が立ち並び、騎士団長であるアルベルトの屋敷はその外れに位置していた。
 屋敷の二階にある彼の寝所は、夜更けを過ぎてすっかり灯りが落とされている。しかし、窓から差し込む明るい満月の光が、寝台に横たわる彼女の身体の曲線を柔らかく照らしていた。上質なドレスはすっかり剥がされ、素肌の上をなぞる手の感触がくすぐったくて、思わず身を捩るたびに長く伸びた艶やかな青黒い髪からは微かな整髪剤の香りがする。薬剤を変えたか、と聞く彼に、今回のものはかなり気に入っている、と女が笑った。
 アルベルトの指先が、首筋から脇腹を降って、大腿の付け根へと触れた。そっと持ち上げて現れた白い内腿に幾度か口付けて、肌の熱さに嘆息する。触れても問題ないか聞いてから、両足の間を軽くなぞると、他よりも一層熱くなったそこは、滲む汗と、それとは異なる液体とで濡れ切っていた。
「辛いか」
 同じく玉のような汗の滲む頬に手を添えて、アルベルトが彼女と視線を合わせる。女の金色の双眸は、少し苦しげに細められた。
「あ、つい……」
 それだけを告げて、女がアルベルトの唇を深く塞ぐ。流れ込む少しの唾液と、そこから感じられる乱れた魔力の奔流に、彼は一瞬で酩酊しかけた意識を何とか維持した。一度離した唇で、彼女の目尻に浮かんだ熱い雫を吸い取る。今度は彼から唇を合わせると、口内を舌先で探りつつ、同時に下肢の泉へと指を差し入れた。鼻から苦しげな声を漏らす彼女に、時折隙間を開けて呼吸を促しながら、アルベルトは可能な限り手早く準備を整える。弾力のあるそこを解し、痛みは無いだろうと判断してから、再度唇を合わせたまま自身を取り出した。
「んっ――」
 きつい入り口を割り開き、ゆっくりと深く身体を繋げる。粘膜同士が強く触れ合い、先程とは比べ物にならない程に、彼女の中に滾る魔力の気配が露わになった。先月よりもずっと熱をもった力の奔流に、アルベルトは一つ短く息を吐き、意識を集中させる。寝台に沈む彼女の上体を持ち上げるようにして抱き締めると、彼の首の後ろへと細い腕が回された。
「アル、ベルト……あ、つい……」
「ああ、出来るだけ力を抜いていろ」
 そう囁いてから深く口付け、己の深層を暴き始めた男の大きく硬い身体を抱き締めて、彼女は微かに触れた銀の髪に指を絡めた。
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