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二章
試合前夜②
夜番の隊士たちの隙をついて、詰所を抜け出したユーフォリアが城砦の敷地内を駆ける。真っ直ぐに目的地へと向かおうとして、人目を避けるように言われたことを思い出し、少し考えて屋外から回り込んで塔の裏手へと出た。ごつごつとした岩の壁に指を掛け、少し力を込め掛けたところで、腰に下げた鞘が足に触れる。このままでは邪魔だと一度外し、背中へと背負うように紐を結んで、中身が落ちないことを確認してから、ユーフォリアは力強く地面を蹴った。
僅かに開いた窓から音も無く滑り込んだ彼女に、寝所で幾つかの書物を広げていたアルベルトが微かな笑い声を漏らす。
「いつぞやの暗殺の時のようだな」
「うん。でも絨毯は無い。あれ、ふかふかで気に入ってた」
降り立った先がまたもや硬い床であることに、ユーフォリアは少し残念そうな表情を浮かべた。アルベルトはまた笑い、開いていた分厚い本を閉じる。腰掛けていた寝台から立ち上がり、ユーフォリアのもとへと辿り着くと、頬を指の背でなぞった。
「アルベルト、話って何? 副団長のこと?」
ユーフォリアは小さく首を傾げて、今晩呼び出された理由を尋ねる。ああ、と頷いてから、アルベルトはユーフォリアの手を取った。
「明日の御前試合は、騎士だけでなく、王族や貴族も観覧を予定している。加えて、勝ち上がり、騎士団長補佐となれば、これまでとは状況が変わる。可能な限り手は回すが、事態を揉み消すことは難しく、辞めたとしても騎士団や人間社会から完全に逃れることは難しくなる」
屋敷にいる時よりも低い声で、アルベルトがはっきりと言い聞かせるように告げる。ユーフォリアは頷き、すぐに返答しかけてそれを飲み込んだ。そのまましばらく無言で何かを考えてから、ゆっくりと言葉を返す。
「アルベルト、私ね、屋敷に住んで、それから騎士になって、少しだけ分かった。人間の社会は、難しい。殺せって言ったり、殺すなって言ったり、ちゃんと考えて行動しろって怒られたりする。前の屋敷にいた時は、何も考えなくて、簡単だった。でも私、今の方が、ずっと良いと思う」
少し俯いていた顔を上げて、アルベルトの目を見ながらユーフォリアが最後の一言を告げた。握った手に僅かに力を込めて、アルベルトが静かに問う。
「何故そう思う」
その端的な問いに、ユーフォリアは少し目を瞬かせてから、嬉しそうにそれを細めた。以前にレオネルと行った森の問答の時とは異なり、答えを出すことは簡単だと思った。
「だって、皆いる。グレアとシキと、屋敷の人たちと、レオネルとか騎士団の人たち、皆が私を、ユーフォリア、って呼ぶ。それから、アルベルトがいる」
そう言って、ユーフォリアが握られた手を握り返し、一歩進んでアルベルトの胸に頬を付ける。
「私、明日出るの、辞めない。アルベルトに一番近いところに、他の人間がいるのが嫌だ。私、弱点にならないように、剣も、騎士も、人間ももっと勉強する。アルベルトを殺そうとする敵、私が全部返り討ちにする」
「そうか」
アルベルトは静かな声で答えて、ユーフォリアの後頭部を一つ撫でた。そっと両肩を持って彼女の身を離すと、そこに浮かぶ表情を見て微かな笑みを漏らす。
「それであれば、明日を勝ち抜けるよう最後に稽古でもつけてやれれば良かったが、ここで剣を振れば夜番の隊士が聞きつけるだろうな」
まるで何でも無いことのように言われたそれに、ユーフォリアは数度目を瞬かせた。このどこか揶揄うような響きは、馴染みの隊士たちから何度か耳にしたことがある。何と言ったか考えて、さほどかからず思い出した。
「アルベルトも、冗談、言うね。全然通じないって皆言ってた」
「ふっ、半分程は本気だな。私はお前が勝てば良いと思っている」
笑い混じりに返された返答に、ユーフォリアは微かに眉を顰める。
「アルベルト、それは肩入れ、って言うって、本で読んだ」
「ああ、私情以外の何物でもない。だが、今更だな。お前をここに引き入れた時点で、私は既に、王国騎士団長としての立場よりも、私の個人的な感情を優先してしまっている」
「アルベルト、意外と我儘だってこの間レオネルが――やっぱり何でもない」
ほとんどを言い終えてから、余計なことを言うなと釘を刺されたのだったと思い出して彼女は口を閉じた。アルベルトがまた微かな笑い声を漏らし、ユーフォリアは首を傾げる。先程から、彼が屋敷にいる時のような言動を城内でするなど、非常に珍しいことだと思った。
アルベルトが彼女の手を取ったまま数歩歩き、窓辺に立つ。そこから見下ろした城下の街は、所々に明かりが灯っていた。
「この国についてどう思った」
短く聞かれた問いに、ユーフォリアは窓の外を見ながら答える。
「悪いところもまだ多い。魔獣は出るし、物盗んだり他の人間傷付けるのはいるし、防壁の近くでは人攫いがあるし、罰せられないからって悪いことする貴族も多い、って記録で読んだ。でも、だんだん良くなってるって、街でもよく聞く。そのためにアルベルトは騎士団作ったんでしょ?」
「ああ、身分や魔力の有無に関わらず、あらゆる民が明日の安寧を信じられる、そのために今日を当たり前に生きられる。誰一人として、己の生を不当に侵害されることのない世界、それが私の理想だ」
窓の方からアルベルトを振り返り、ユーフォリアは頷いた。レオネルや他の隊士たちからそのような話は幾度か聞いたことがあり、正直なところはっきりと理解するには至っていないが、その方が良いものであるように思った。ふと、アルベルトに握られたままの手が持ち上げられる。
「お前にとって、厳しい道だと理解している。理想は未だ遠く、敵は多く、諍いや柵には否応無く囚われる。望まぬ状況で手を下さなければならない場面もあれば、民に恨まれることもあり、お前に与えたかった安寧とは程遠い。だが、私はお前に、共に歩んで欲しいと思っている」
「? うん。アルベルトの近くにいたいから、副団長になって手伝う」
軽く首を傾げて、何度も告げたことを再度繰り返したユーフォリアの身体が強く引き寄せられた。彼女を両腕の中に抱いたまま、アルベルトがその耳元へと口を寄せる。
「ユーフォリア。私が、私の我欲によって、他でもないお前に、そばにいて欲しいと思っている。お前を危険な目に遭わせると知りながら、それでも、お前に私の隣で、私と同じものを見ていて欲しい」
まるで懇願するように囁かれた言葉に、ユーフォリアが目を見開く。両脇に落ちていた腕を持ち上げ、身体を包む腕にそっと触れた。
「アルベルトも、私と、ずっと一緒にいたい……?」
「ああ。それを望んでいる」
そう柔らかな声で答えて、アルベルトは長く伸びた青黒い髪に唇を落とした。ユーフォリアは目の前の男の身体に強く両腕を回し、首元に額を擦り付ける。
「分かった。じゃあ明日優勝して、副団長になって、アルベルトの敵は全部捕まえて、アルベルトが守りたい人間は全部守る。アルベルトを助けて、仕事を早く終わらせて、それから月に二回は屋敷に帰る」
「お前は屋敷にいる方が好きか?」
「だって城だと、アルベルトが全然触ってくれない。魔力供給もすぐに終わるし、朝まで一緒にいれない。私、それだけはずっと不満だった」
顔を上げたユーフォリアはそう言って口を尖らせる。その先端に触れるだけの口付けを落とすと、目を瞬かせるユーフォリアの身を解放して、アルベルトは軽く笑った。
「ならば、まずは明日だな。レオネルは強いぞ。お前が勝てば僥倖だが、そのために一切の不正を許すつもりはない」
「分かってる。アルベルトはレオネルよりもずっと強くて堅物だから、賭けが見つかったら大変だって――えっと、何でもない」
ユーフォリアが少しバツが悪そうにそっぽを向く。どうやら緊張しているのか、今晩は口止めを失念することが多い。ちら、と彼の様子を伺うと、先程よりも少しだけ厳格な表情をしており、ユーフォリアは心の中で馴染みの隊士たちに謝った。
「……懲罰書?」
「お前に免じて一度だけ聞かなかったことにしてやる」
「アルベルト、公私混同、だ」
「お前も共に書きたいか?」
少し冷たい視線を送られ、ユーフォリアは慌てて首を横に振る。アルベルトはため息を吐き、これ以上遅くなる前に戻って休むよう告げた。すぐに頷いたユーフォリアが一礼してから振り返り、数歩歩いて扉に手をかける。
「ユーフォリア」
「?」
ユーフォリアが首だけで振り返った。視線が合ってから、アルベルトが微かに目を細める。
「期待している」
「ん、頑張る。アルベルトも、早く寝てね。騎士団長はいつも働き過ぎだから、団長補佐は何とかアルベルトを休ませないといけないって皆言ってた。私が副団長になったら、アルベルトを毎日早く寝かせる」
大きく頷き、思い出したようにそう宣言してから、ユーフォリアは今度こそ執務室を後にした。アルベルトは苦笑して、執務机の灯りを落とし、寝所へ続く扉を開いた。
僅かに開いた窓から音も無く滑り込んだ彼女に、寝所で幾つかの書物を広げていたアルベルトが微かな笑い声を漏らす。
「いつぞやの暗殺の時のようだな」
「うん。でも絨毯は無い。あれ、ふかふかで気に入ってた」
降り立った先がまたもや硬い床であることに、ユーフォリアは少し残念そうな表情を浮かべた。アルベルトはまた笑い、開いていた分厚い本を閉じる。腰掛けていた寝台から立ち上がり、ユーフォリアのもとへと辿り着くと、頬を指の背でなぞった。
「アルベルト、話って何? 副団長のこと?」
ユーフォリアは小さく首を傾げて、今晩呼び出された理由を尋ねる。ああ、と頷いてから、アルベルトはユーフォリアの手を取った。
「明日の御前試合は、騎士だけでなく、王族や貴族も観覧を予定している。加えて、勝ち上がり、騎士団長補佐となれば、これまでとは状況が変わる。可能な限り手は回すが、事態を揉み消すことは難しく、辞めたとしても騎士団や人間社会から完全に逃れることは難しくなる」
屋敷にいる時よりも低い声で、アルベルトがはっきりと言い聞かせるように告げる。ユーフォリアは頷き、すぐに返答しかけてそれを飲み込んだ。そのまましばらく無言で何かを考えてから、ゆっくりと言葉を返す。
「アルベルト、私ね、屋敷に住んで、それから騎士になって、少しだけ分かった。人間の社会は、難しい。殺せって言ったり、殺すなって言ったり、ちゃんと考えて行動しろって怒られたりする。前の屋敷にいた時は、何も考えなくて、簡単だった。でも私、今の方が、ずっと良いと思う」
少し俯いていた顔を上げて、アルベルトの目を見ながらユーフォリアが最後の一言を告げた。握った手に僅かに力を込めて、アルベルトが静かに問う。
「何故そう思う」
その端的な問いに、ユーフォリアは少し目を瞬かせてから、嬉しそうにそれを細めた。以前にレオネルと行った森の問答の時とは異なり、答えを出すことは簡単だと思った。
「だって、皆いる。グレアとシキと、屋敷の人たちと、レオネルとか騎士団の人たち、皆が私を、ユーフォリア、って呼ぶ。それから、アルベルトがいる」
そう言って、ユーフォリアが握られた手を握り返し、一歩進んでアルベルトの胸に頬を付ける。
「私、明日出るの、辞めない。アルベルトに一番近いところに、他の人間がいるのが嫌だ。私、弱点にならないように、剣も、騎士も、人間ももっと勉強する。アルベルトを殺そうとする敵、私が全部返り討ちにする」
「そうか」
アルベルトは静かな声で答えて、ユーフォリアの後頭部を一つ撫でた。そっと両肩を持って彼女の身を離すと、そこに浮かぶ表情を見て微かな笑みを漏らす。
「それであれば、明日を勝ち抜けるよう最後に稽古でもつけてやれれば良かったが、ここで剣を振れば夜番の隊士が聞きつけるだろうな」
まるで何でも無いことのように言われたそれに、ユーフォリアは数度目を瞬かせた。このどこか揶揄うような響きは、馴染みの隊士たちから何度か耳にしたことがある。何と言ったか考えて、さほどかからず思い出した。
「アルベルトも、冗談、言うね。全然通じないって皆言ってた」
「ふっ、半分程は本気だな。私はお前が勝てば良いと思っている」
笑い混じりに返された返答に、ユーフォリアは微かに眉を顰める。
「アルベルト、それは肩入れ、って言うって、本で読んだ」
「ああ、私情以外の何物でもない。だが、今更だな。お前をここに引き入れた時点で、私は既に、王国騎士団長としての立場よりも、私の個人的な感情を優先してしまっている」
「アルベルト、意外と我儘だってこの間レオネルが――やっぱり何でもない」
ほとんどを言い終えてから、余計なことを言うなと釘を刺されたのだったと思い出して彼女は口を閉じた。アルベルトがまた微かな笑い声を漏らし、ユーフォリアは首を傾げる。先程から、彼が屋敷にいる時のような言動を城内でするなど、非常に珍しいことだと思った。
アルベルトが彼女の手を取ったまま数歩歩き、窓辺に立つ。そこから見下ろした城下の街は、所々に明かりが灯っていた。
「この国についてどう思った」
短く聞かれた問いに、ユーフォリアは窓の外を見ながら答える。
「悪いところもまだ多い。魔獣は出るし、物盗んだり他の人間傷付けるのはいるし、防壁の近くでは人攫いがあるし、罰せられないからって悪いことする貴族も多い、って記録で読んだ。でも、だんだん良くなってるって、街でもよく聞く。そのためにアルベルトは騎士団作ったんでしょ?」
「ああ、身分や魔力の有無に関わらず、あらゆる民が明日の安寧を信じられる、そのために今日を当たり前に生きられる。誰一人として、己の生を不当に侵害されることのない世界、それが私の理想だ」
窓の方からアルベルトを振り返り、ユーフォリアは頷いた。レオネルや他の隊士たちからそのような話は幾度か聞いたことがあり、正直なところはっきりと理解するには至っていないが、その方が良いものであるように思った。ふと、アルベルトに握られたままの手が持ち上げられる。
「お前にとって、厳しい道だと理解している。理想は未だ遠く、敵は多く、諍いや柵には否応無く囚われる。望まぬ状況で手を下さなければならない場面もあれば、民に恨まれることもあり、お前に与えたかった安寧とは程遠い。だが、私はお前に、共に歩んで欲しいと思っている」
「? うん。アルベルトの近くにいたいから、副団長になって手伝う」
軽く首を傾げて、何度も告げたことを再度繰り返したユーフォリアの身体が強く引き寄せられた。彼女を両腕の中に抱いたまま、アルベルトがその耳元へと口を寄せる。
「ユーフォリア。私が、私の我欲によって、他でもないお前に、そばにいて欲しいと思っている。お前を危険な目に遭わせると知りながら、それでも、お前に私の隣で、私と同じものを見ていて欲しい」
まるで懇願するように囁かれた言葉に、ユーフォリアが目を見開く。両脇に落ちていた腕を持ち上げ、身体を包む腕にそっと触れた。
「アルベルトも、私と、ずっと一緒にいたい……?」
「ああ。それを望んでいる」
そう柔らかな声で答えて、アルベルトは長く伸びた青黒い髪に唇を落とした。ユーフォリアは目の前の男の身体に強く両腕を回し、首元に額を擦り付ける。
「分かった。じゃあ明日優勝して、副団長になって、アルベルトの敵は全部捕まえて、アルベルトが守りたい人間は全部守る。アルベルトを助けて、仕事を早く終わらせて、それから月に二回は屋敷に帰る」
「お前は屋敷にいる方が好きか?」
「だって城だと、アルベルトが全然触ってくれない。魔力供給もすぐに終わるし、朝まで一緒にいれない。私、それだけはずっと不満だった」
顔を上げたユーフォリアはそう言って口を尖らせる。その先端に触れるだけの口付けを落とすと、目を瞬かせるユーフォリアの身を解放して、アルベルトは軽く笑った。
「ならば、まずは明日だな。レオネルは強いぞ。お前が勝てば僥倖だが、そのために一切の不正を許すつもりはない」
「分かってる。アルベルトはレオネルよりもずっと強くて堅物だから、賭けが見つかったら大変だって――えっと、何でもない」
ユーフォリアが少しバツが悪そうにそっぽを向く。どうやら緊張しているのか、今晩は口止めを失念することが多い。ちら、と彼の様子を伺うと、先程よりも少しだけ厳格な表情をしており、ユーフォリアは心の中で馴染みの隊士たちに謝った。
「……懲罰書?」
「お前に免じて一度だけ聞かなかったことにしてやる」
「アルベルト、公私混同、だ」
「お前も共に書きたいか?」
少し冷たい視線を送られ、ユーフォリアは慌てて首を横に振る。アルベルトはため息を吐き、これ以上遅くなる前に戻って休むよう告げた。すぐに頷いたユーフォリアが一礼してから振り返り、数歩歩いて扉に手をかける。
「ユーフォリア」
「?」
ユーフォリアが首だけで振り返った。視線が合ってから、アルベルトが微かに目を細める。
「期待している」
「ん、頑張る。アルベルトも、早く寝てね。騎士団長はいつも働き過ぎだから、団長補佐は何とかアルベルトを休ませないといけないって皆言ってた。私が副団長になったら、アルベルトを毎日早く寝かせる」
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