【完結】混血の狼少女は厳格な騎士団長に溺愛される

宵乃凪

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三章

アルベルト・フォン・ヴァルトハイム

 アルベルトが、初めて殆ど魔力を持たぬ者に出会ったのは、彼が八歳の誕生日を過ぎて少し経った頃だった。夜更け近くに、音も無く彼の寝所へと忍び込んできた女は、齢は二十代か三十前後か、唯ならぬ身のこなしと合わせて何やら得体の知れない者に思えた。すぐに剣を取ろうとする少年を前に片膝を付き、深く頭を垂れて、グレア、と名乗った彼女は不敬を手短に詫びながら、『前当主様が呼んでいる』とそのようなことを言った。
 グレアに連れられて、月も星も無い暗夜に、屋敷の広大な敷地を進む。無言のままようやく辿り着いた先は、森の中に隠されるようにして建てられた離れだった。アルベルトが躊躇いなくその一室へと足を踏み入れる。彼が生まれるよりも前に病気の悪化により遠方に療養に出たのだ、と聞かされていた肖像画の中の祖父が、絵よりも少し痩けた顔で寝台に座っていた。
 以降、アルベルトは隙を見てはその離れへと通った。屋敷の者は当然のこととして、ひっきりなしに訪れる他の貴族たちにも見つからぬよう、自室を抜け出すのはいつも真夜中だった。離れには祖父の他に、数人の使用人が住まい、隠れ潜みながら祖父の世話を焼いているようであった。彼らは皆ほとんど魔力を持たず、しかしいつも屋敷で言われているような、愚鈍さや教養の無さなどは少しも感じることはなく、むしろこちらの方が居心地がいいとすらアルベルトは思った。
 一度もはっきりとは聞かなかったが、何故前当主であるはずの祖父が、このような場所に幽閉されるような形となっているのか、十になる前のアルベルトにも理解ができた。ただ時たま訪れ、血筋やその歴史、国の歪みについての話を聞き、グレアたちとも交流を続け、そして彼が十一になる前に、褐色の鋭い眼光を持った老人は不審死を遂げた。
 最後に交わした会話から彼に残された言葉は、『ヴァルトハイムの責を果たせ』というものだった。

 城砦の騎士団長執務室で、アルベルトが気配に顔を上げる。それとほぼ同時に飛び込んできたのは負傷した様子のレオネルだった。胸元を押さえて、時折咳き込みながら状況を報告する男に、アルベルトは頷き、手元の書類の最後の一枚に署名を記す。執務机のすぐそばに立て掛けられた重い剣を持ち、それを身につけながら執務室を後にした。

 件の屋敷は、数時間前とは打って変わって、煌々と明かりが灯されていた。アルベルトは単身で門を潜り、悠然とした足取りで屋敷への道を歩む。玄関へと辿り着くと、そばに立つ使用人であろう男が無言でそれを開いた。
 真っ直ぐに通された応接室は広く、頭上には華美な装飾のついた照明と、白い布が引かれた大きな卓上には豪勢な食事と、複数の燭台が火を灯している。しばらく待つと、部屋の扉が開かれ、身なりの良い初老の男が入ってきた。長い鈍色の髪は一つに束ねられ、同じ色の瞳がアルベルトを一瞥する。全ての使用人を下がらせて、すっかり二人となったことを確認してから、男は応接室の扉を閉め、薄い笑みを浮かべた。
「久しいな、アルベルト。もう時間も遅い、簡単なもので悪いが、一応もてなしのつもりだ。席に着くといい」
 まるで歌うように上機嫌にそう言って、男が自分の椅子を引いて腰を下ろした。アルベルトは無言で対面の席へと座る。
「驚きもしないのか。相変わらず可愛げのない」
 男の揶揄に、アルベルトはじっと真っ直ぐにその目を見返した。
「屋敷の主人はどうした」
 ようやく発された低い声に、蔑みのようなものが含まれていることを感じ取り、男が小さな笑い声を漏らす。目の前のグラスを傾け、一口含んでから大袈裟に肩を竦めた。
「ちょうど数日前に死んだよ。やめろと言うのに魔獣の血を直接摂取して狂い死んだ。お前も昔はよく目にしたろう? 言葉を失い、眼球が血走り、手当たり次第に周りを襲ったかと思えば、己の魔力に内から焼かれて殺された」
「貴方が唆したのだろう。いよいよ家を乗っ取る算段がついたか」
 アルベルトが静かにそう返す。男はグラスを卓に置き、嬉しそうに目を細めた。
「ああ、お前のおかげだ、アルベルト。王国騎士団が、ヴァルトハイムを始めとする原初の家の力を削いでくれたおかげで、今や城内に血を献上できる者は僅かだ。俺のような碌でなしを牢から出し、何処ぞの家を乗っ取らせねばならぬ程に、王家は逼迫しているのさ。ふふっ……あの必死さは、笑えるものがあるな、アルベルト。その身を狂わすことなく力のみを享受できる稀有な遺伝形質、それこそが王家の力の礎だ。高貴な王族様も、薄汚い魔獣の血を失えば、ただの人間というわけだ」
 そう言って男はけらけらと笑った。見た目の年齢にそぐわない幼稚な言動に、アルベルトが少し苛立たしげに眉を寄せる。その様子を見て、笑い終えた男がまた大袈裟に首を横に振った。
「はあ……ヴァルトハイム、古き森の家、くだらない格式ばかりの実につまらない家だったが、この血を受け継がせてもらえたことには、お互い礼を言わねばならないな。魔獣を手懐け、力に干渉することができる者は、時代と共に数を減らし、今や表社会に存在するのは我々の血族のみとなった。王族のみならず、どの貴族も政治争いとやらがお好きで、魔獣の力はいつだって重宝される。お前が余計なことをしなければ、もっと仕事がしやすいんだがな、アルベルト」
「……血筋に驕り、防壁内に魔獣を引き入れ、あまつさえ多くの人間の命を奪っておきながら、その腐り切った性根は牢に入れられた程度では治らんようだな、下郎が」
 アルベルトの低い声に、男は少し目を見開いてから、また声をあげて笑う。
「親愛なる叔父貴を牢に叩き込んでおいて、あげく下郎呼ばわりとは、魔獣使役のやり方を教えてやった恩もすっかり忘れたらしいな。さすが、高潔な騎士団長様は言うことが違う」
 肩を竦めながらそう言って、男が椅子から立ち上がった。腰の辺りで両手を組んで、少し上の方を見ながらゆっくりと歩き、何かを思い出すように続ける。
「ああ、アルベルト。稀代の傑物。金眼に近いその瞳は、膨大な体内魔力の証左だ。本家にも滅多に生まれぬ稀有な力を持ちながら、後継のご嫡男らしく、昔から人心掌握術にも優れていたな。志に酔った若い貴族、鬱憤を抱えた平民、惹きつけるためにお綺麗な理想を掲げたものだ」
 男の足がアルベルトのすぐそばまでやって来る。卓上に片手をつくと、男はアルベルトの目を覗くようにして、先程までよりずっと低い声で囁いた。
「お前の目的は貴族制の瓦解か。己にとって邪魔となり得る者を、些細な理由を論えて投獄し、その間に家の力を削ぎ落とす。どうせ幾人かは既に殺しているのだろう。お前は昔からそうだ、人格者の皮を被った冷酷非道。どれだけ高潔を語ろうが、その染み付いた血の匂いは消えん。……ところで、今も王国騎士団への多大な資金流入がありながら、長年姿を見せない殿はお元気か」
 鋭い視線と共に付け加えられた最後の一言に、アルベルトは微かに眉を上げ、薄い笑みを漏らす。
への引き継ぎがあると都合が悪い。望まれているかどうかは分からぬが、ご存命頂いている。前当主殿にしたことがそのまま返ってきただけだ」
 淡々と返ってきた返答に、男は少し目を見開いてから、どこか嬉しそうにくすくすと笑った。卓上に置いていた手を離し、ぽんと一つアルベルトの肩を叩くと、振り返って窓の方へと歩く。
「なあアルベルト、魔力は力だ。それがあれば、古き家や煩い議会、王家すらも黙らせられる。お前がまさに今、そうしているようにな」
 暗い窓の向こうの城の方角を見ながら男が呟くように言った。その場で振り返り、窓を背にして立つ男の顔をアルベルトは無言で見据える。男はその目を見返しながら、首を横に振った。
「魔獣の血を直接入れた者は、皆例外無く狂人と成り果てた。だが、人間との混血であれば、その副作用を引き起こすことなく力だけを抜き出せる。故に、ずっと探していた。あの混血は奇跡だ。同じ種を含め、これまでに幾つもの魔獣で試行したが、人間との間に子を成す確率は極めて低く、稀に出来た胎児も皆、母親の腹を食い破り死んだ」
 男がため息を吐き、またゆっくりと歩き始める。片手で頭を押さえ、苛立たしげに髪を掴んで尚も話を続けた。
「あの愚か者たちは、何一つとして分かっていない。あの奇跡を、磨き上げもせず幽閉し、つまらぬ政治ごとに使うなどと……わざわざ一匹一匹敵を殺さずとも、あの力を正しく引き出すことが出来れば、それで全て済む話だ。その点、お前はさすがだよアルベルト。まさか騎士に仕立て上げるとは。王族議会を黙らせるにはこれ以上無い力の顕示だ。ふっ……お前の長年大切に育てた騎士団を危険に晒し、その切り札さえここへ押し入る口実に使うとは、お前のそういうところが好きだったよ、アルベルト」
 言い終わると同時に、男の足が部屋の角に置かれた小さなテーブルのもとへと辿り着く。それを覆う白い布をばさりと取ると、その下から現れたボトルを手に取り、中身をグラスへと注いだ。
 アルベルトの目の前に、ことりと音を立ててグラスが置かれる。赤黒い液体に満たされたそれは、よく知る匂いを放っていた。彼の目がグラスから上がり、己の目を真っ直ぐに捉えたことを確認してから、男は満足げに笑って踵を返し、初めに座っていた椅子へと徐に腰を下ろした。
「二十年ものといったところか。十年前にあの屋敷に一度だけ招かれた時とは、まるで比べものにならない。ここまで成熟させたのは、お前だろう、アルベルト」
 自分のグラスに口をつけ、中身を一口嚥下してから男がそう尋ねる。
「私を招いた理由はこれか」
 アルベルトが低く問い返す。男は、ああ、と頷き、また一口液体を口に含んだ。
「随分と上手く手懐けたものだ。交接による魔力への直干渉、血液供給を受けていた当時の当主嫡男らも皆一度は考えたようだったが、こちらの魔力組織を壊されては堪らん上に、そもそもあれと身を繋げるなどとは悍ましいと、誰一人本気で行おうとする者はいなかった。相変わらず、目的の為には手段を選ばぬ男だ、お前は」
「あの娘に触れたか」
 先よりも一段低い声に、男が少し残念そうに首を横に振る。
「一度試そうとしたが、あわや食い殺されるところだ。ひとまず地下でお休み頂いているが、半獣にしては魔力制御が達者なようで、このまま干渉したところで深層には辿り着けそうにない。そこでお前だ、アルベルト」
「私が、その外道に手を貸すと思うか」
「貸さぬと言うのであれば、俺としても心苦しいが、大人しくなって貰うしかない。いつも獣相手にやっていることだ。手足を落とし、いくらか肉を削げば、協力する気にもなるだろうよ。だが、毎回その無駄な治癒に、稀少な魔力を消耗させたくはない」
 男が言い終えた瞬間に、アルベルトとの間にあった机が吹き飛ぶ。どうやら半分に叩き切られたらしいそれは、卓上に並べられていた食器や燭台と共に宙を舞い、大きな音を立てて残骸となって床へと落ちた。
 それと同時に勢いよく開かれた扉から、幾つかの黒い影が駆け込んでくる。四つ足で疾走する魔獣は、青黒い毛並みを持ち、両端が血走った金の双眸は煌々と光を放っていた。空気を劈くような咆哮を上げて、室内に立つ人間に頭上から飛び掛かり、ずるりと身を滑らせて床へと横たわった。深く切り裂かれた腹からは、拍動に合わせて赤黒い血潮が噴き、漏れ出た臓腑と合わせて絨毯を汚す。続けて襲い来る魔獣を同じく一閃のもとに斬り捨てながら、アルベルトは室内の壁際へと下がった男に向かって悠然と歩を進めた。その琥珀の瞳に揺らぐ光を見て、男は薄い嘲笑を浮かべる。
「昨夜の満月でも、相当力を奪い取ったらしい。血を飲むのとは大違いだな」
「貴様のくだらぬ長話に付き合っている間に、既にこの屋敷の包囲を終えた。潜んでいた下手人は全て排除し、協力下にあった屋敷の当主嫡男は捕縛した。先程、全ての任を終えたと、窓の外に合図が上がった」
 アルベルトは歩きながら淡々とそう告げると、手にした剣を振って血潮を落とし、数歩の距離を空けて剣先を男の喉元へと向けた。
「まだ魔獣をけしかけると言うのであれば好きにしろ。貴様に使役できる程度のものであれば、この剣の相手ではない」
 真っ直ぐに向けられたアルベルトの目をじっと見据えて、男は数度小さく頷き、微かな笑い声を漏らす。この絶対的な威圧感は、本家の屋敷を出る前より少しも変わらないと男は思った。
「……ああ。ああ、お前の規格外は理解している。それこそ、幼少から見てきた。誰より恵まれた力を持ちながら、その得体の知れなさ、いつか現当主どころか、俺を含めた半端な貴族など全て飲み込んでしまうだろうと思っていたさ。それを知った上で、俺が策も無しにお前をここに引き入れると思うか」
 少し伏せていた顔を男が上げると同時に、屋敷の下層の方で、何かが爆発するような音がする。微かに眉を寄せるアルベルトの顔を一瞥して、男はどこか嬉しそうに口角を上げた。
「あの半獣の姫に、お休み頂いたのは本当だが、合わせて幾つかとっておきを調合させてもらった。俺は一族の中でも魔力の少ない出来損ないだが、魔獣の扱いに関してだけは一級品だとお前もよく知っているだろう。あの荒れ狂う暴虐は、もはや俺以外には抑えられん。それとも、このまま国を業火に包ませたいか」
 そう言って男が笑い声を漏らした。先程魔獣が押し入り、半分閉じ掛けていた応接室の扉の蝶番が弾け飛ぶ。胸を押さえて蹌踉めき立つ女の向こうで、廊下は炎に包まれ始めていた。荒い呼吸に合わせて上下する肩と、大きく逆立ち始めている青黒い髪を見て、アルベルトは小さなため息を吐く。
「随分と、見くびられたものだ」
 アルベルトが静かにそう発した。深く伏せていたユーフォリアの顔が勢い良く持ち上がり、咆哮を上げて細い身が宙を舞う。微かに目を見開きかけた男は、その表情のまま吹き飛ばされ、室内の壁に背を打ちつけて床へと落ちた。男を蹴り飛ばしたユーフォリアが、喉元目掛けて爪を振り上げ、とどめを刺そうとする。降ってきた爪先を剣身で受けて、軽く弾き返し、アルベルトが剣を振り下ろす風を切る音がした。
「この娘の深い怒りが、香や魔力干渉如きで宥められるとでも」
 背後で呻き声を上げる男へとそう一言だけ告げて、アルベルトは真っ直ぐにこちらを睨むユーフォリアへと視線を戻した。
「ユーフォリア団長補佐、一度だけ聞いてやる。お前自身の意思で、戻るつもりはあるか」
 屈めた上体の、両手の指先が床に付いた瞬間に、ユーフォリアの四肢が再び床を蹴る。振り抜かれた腕を顔を引いて躱し、蹴り出された足を剣で叩き落としてから、アルベルトは剣を構え直してユーフォリアの目を真っ直ぐに見据えた。
「ならば、民を護る者の長として、お前との約束を果たす。王国騎士団の剣の頂をもって、その怒りを注ぎ――今度こそはお前に、安寧の眠りを与えてやる」
 そう言い終わると同時に、アルベルトの剣先がユーフォリアの喉笛を掠めた。
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