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クズ神父、騙った神にわからされる
カーデルテッド大陸の南部にある聖ノデヌ教国の首都から離れた町ヌサルで神父のウェルディスは今日も相談や懺悔しに来た女へ手を出していた。
普通であればすぐにバレるものだが、表面上の日頃の行いと亜麻色の髪に聖ノデヌ教国では珍しい菫色の瞳をした甘さを含む優しげな美貌のおかげか町のものは誰一人疑わないのだ。
今日も誰と寝ようか思いながら教会の前を掃き掃除していれば、ヌッと大きな影がウェルディスを覆った。思わず顔を上げれば、男に興味ないウェルディスすら思わず惚けそうになった。
男の顔は気持ち悪さすら感じるほどハンサムな顔で、綺麗に縦半分に別れた白黒の髪をしていた。逆光で陰っていても男の瞳は黒真珠と真珠をはめ込んだかのように角度によって七色の光がちらつく。がっしりとした厚い体躯に見合う長い手足は黒シャツと同色のズボンにブーツで包まれており、痩身なウェルディスと違い、目の前の男をより雄々しく感じさせた。
心を見透かすような鋭い目つきはふつうであれば縮こまってしまうだろう。だが、神父になる前、荒くれものと渡り歩いてきたウェルディスにとって見慣れたものだ。
つり目がちな目尻を下げてふわっと微笑んだ。
「見慣れない方ですね。どちらからいらしたんですか?」
「俺の言葉を勝手に騙ってる馬鹿はお前か」
「騙っているとは、なんのことでしょうか?」
前置きもなく告げられた罵倒の意味がわからず素直に聞きかえせば、男はウェルディスの背後にある教会を一瞥して見下ろしてくる。
「聖ノデヌ教国は創造神ケイオスを崇拝し、清廉潔白であることを尊び、享楽は罪であるのが教義だったな」
「ええ、そうですね。ですが、この町は同時にヌーサ派であります。ケイオスの子ヌーサはこう仰りました。しかし快楽を得ることは必ずしも罪とは限らない、と」
同じ主神を信じるとしてもヌーサ派は快楽に関してゆるいのだ。そしてウェルディスやヌサルの町はヌーサ派を信仰している。
ウェルディスの返答に男は凜々しい眉を寄せ、腕を組むと眉間にしわを刻んだ。
「確かに、俺は父の代わりに人間へそう言った。しかしそれは一部の過激派の馬鹿共に向けていっただけで、お前みたいな享楽者となると話は別だ」
「おや、あなたの言い回しこそヌーサ神の言葉をまるで騙っているのではないのですか?」
男の口調はさながら自分がヌーサ神だと言わんばかりだ。ふふっとからかいと嫌みを込めて笑えば、男はすうっと目を細めた。
「騙るもなにも、俺こそお前たちが信仰するヌーサだからな」
「……少し早いですが、相談室へ行きましょうか」
眉を下げて哀れみの笑みを思わず浮かべてしまう。自称神を名乗るものは多く見てきたが、これほど堂々と言うものはめったにいない。ウェルディスの対応に男はピクッとこめかみに青筋を浮かべた。
「だったら、神らしくお前の節操のない一物を消してやろう」
「冗談はいいですから。ほら、ついてきてください。えーっと、ヌーサさん」
ヌーサの腕を掴んで教会の中へ引き込むと、相談室へと向かう。ヌーサは口を引き結ぶとズカズカと大股で後ろをついてくる。
相談室につくと扉を開けて中へ入るよう促した。ヌーサはおとなしく入るとイスへ腰をかけた。ウェルディスも向かいに座って両手を組んでヌーサに微笑みかけた。
「さて、ヌーサさん。深刻な悩みがあったらどうぞ遠慮せずおっしゃってください」
「さっきも言っただろう。俺の言葉を勝手に騙ってる馬鹿――つまりお前が俺の悩みの種だと」
「またそれですか。あのですね、私がヌーサ神の言葉を騙った証拠はあるんですか?」
ムッとして言い返せば、ヌーサはすうっと目を細めた。
「昨晩、お前は町長の娘が旦那とうまくいってないことを相談しに来たら『たまには別の殿方と寝るのもよいとヌーサ神はおっしゃってますよ』なんてほざいただろ」
「……さて、なんのことでしょう」
「二日前には、三件隣のパン屋の娘が両親不在中、パンを売ったが騙されて金を払ってもらえなかったことを懺悔しにきた」
ヌーサは一呼吸置くとさらに続けた。
「お前はその時こういったな。『大丈夫ですよ、あなたから不幸が取り除ければ、金銭が戻ってくるとヌーサ神もおっしゃってます』ってな。実際その後あんたは娘の家へきちんと金を送ったのは意外だったけどな」
ヌーサの言葉に思わず口元から笑みが消えそうになる。どちらも事実だ。だが、どこから聞いたのか。
教会には盗聴予防の防音魔法のほか、教会から出たら一部忘却する魔法をかけている。そしてこの高度な魔法をすり抜けて情報を得るにはよほど腕のある魔法使いかそれこそ神だけだ。
ヌーサから魔力は一切感じられない。さながら空気のような存在だ。しかし、それでも認めるわけにはいかない。崩れそうになる口元を無理矢理つり上げてなんてことないように微笑む。
「まったく、これはとんだ奇術ですね」
「奇術じゃなくて、祈りをいくつか拾い上げただけだ。まあいい。お前がまだ認めないなら先ほど言ったとおり、その一物をなくしてやる」
ぱちんと男が指を鳴らせば、一瞬体に鋭い痛みが駆け巡った。だが痛みはすぐに引いていく。困惑しつつも、ヌーサの言葉が気になってためらいがちに中心へ手を伸ばせばぎょっとした。
「な、ないっ! 俺の男性器がないっ!」
驚きのあまりに素の口調が飛び出てしまった。ハッとして顔が熱くなるのを感じながら空咳を一つしてごまかす。同時にヌーサを冷ややかに睨んだ。
「私の体になにをしたか知りませんが、早く元に戻してください」
「なんで戻す必要がある。俺の言葉だと騙る節操なしにはちょうどいいだろう」
「ふざけるな! これじゃトイレもできないだろ!」
「確かに男性器はないが、快楽主義なあんたにぴったりなものをつけたから安心しろ」
カッと頭に血が上ったウェルディスは水差しを手に取ると、鼻で馬鹿にしたヌーサへ振り上げた。だが、水差しは振り下ろすよりも早く砂に変わってテーブルや床へ落ちた。
「え……?」
「まったく、柔和な見た目に反してとんだじゃじゃ馬だな」
イスから立ち上がったヌーサはウェルディスに近づくと荒々しく肩に担いだ。嫌な予感がして反射的にもがくが、岩へ固定されたかのようにびくともしない。
「離せ! このっ!!」
「強姦は趣味じゃねえが、まあお前みたいなのにはちょうどいいだろ」
「はぁ?! 俺はお前と違ってきちんと同意の上でセックスしてたんだぞ! 一緒にするな!!」
「同意の上でも人のものに手を出してる時点で似たようなもんだ」
「全然似てない!!」
ギャンギャンと吠えて必死に抵抗するが、ヌーサが相談室をでるとしばらく廊下を歩いてつきあたりにある扉をあっさりと開けた。
「はっ?」
またもやありえない出来事に間抜けな声が出る。確かに鍵をかけたのだ。なのにヌーサはまるで鍵などかかってないかのようにウェルディスの部屋を開けた。
呆けている間に、ヌーサが部屋に入るとウェルディス雑にベッドへ投げられた。体がベッドの上で一度小さく跳ね、ベッドヘッドに頭を打つ。
「いってぇ……」
頭を押さえて痛みで呻くのにも気にせず、ヌーサが覆い被さってきた。目をこれでもかと見開いてのしかかってくるヌーサを押し返そうとするがやはりびくともしない。
「どけ! 男に抱かれる趣味はねえ!」
「今後はそうなるかもしれないぞ」
ヌーサがそういって触れた瞬間、神父服が一瞬で光の粒となって消えた。瞬きするよりも早く素肌になった自分の状況も驚くが、なにより目に入ってきた見覚えのある下半身は棍棒で思いっきり頭を殴られたと錯覚したほどだ。
「ほんとに俺の自慢のいちもつが、ない……」
朝にはしかとあった陰茎がない。代わりにある肉芽や割れ目はまるで最初からそうであったと言わんばかりの自然さだ。
困惑でぐるぐると頭の中がかき混ぜられたような錯覚を覚えている間にヌーサはウェルディスの両足をこれでもかと広げ、身をかがめてくる。下腹部にヌーサの髪が触れたこそばゆさでハッとした時には遅かった。
「ひっ、んぉっ!」
無防備になっていた肉芽をヌーサの舌がねっとりと舐めあげた。それだけで目の前がバチバチと弾け、肉芽がさらにとがっていく。強烈な快感に恐怖を感じてヌーサの髪を乱暴に掴んだ。
「やめ、やめぉ、んん゛ぅう゛!」
顔を離そうとしたはずが再び肉芽を舐めあげられれば、思わず腰をそらして自らヌーサの口へと差し出してしまう。そうすればヌーサは唇で食んだり、唾液まみれになった肉芽を指先で摘まんで優しくしごいたりした。
「すごっ、きもひぃっ! ぁ、あっ、ぃいっ…、もっと」
さっきまで感じてた恐怖は嘘のようになく、気持ちいいという感情だけが頭を埋め尽くしていく。舌を突き出してだらしなく喘ぎながらねだるとヌーサは反対に止めて体を起こした。
急の寸止めにもどかしさでヌーサを見上げれば、ヌーサが意地悪げに微笑んでいた。
「続きをしてほしいならまずは俺への謝罪をしろ」
「勝手に騙って申し訳ありませんでした」
さっきの続きをしてほしさに早急に言えば、ヌーサは深いため息をついた。
「謝意がまったくこもってないな」
「うっ…、じゃ、じゃあフェラするからそれでいいだろ!」
さっきの続きをしてほしさに叫ぶとヌーサが少し考えた末、体を起こした。
「そうだな。俺が射精するまでお前がイくことを我慢できたら続きをしてやる」
「ほ、本当だな? 嘘ついたら許さないからな」
ベッドから下りてヌーサの足の間に身を寄せると、ふんふんと鼻息を荒くしながらベルトを外して前を広げた。すると、ぶるんっと勢いよく高ぶりが飛び出てくる。濃厚な雄の匂いにきゅんと下腹部がうずき、蕾がひくついた。
「ぉ、おっきぃ」
「ほら、フェラするんだろ」
形もさながら太さも長さも立派な高ぶりに見蕩れていれば、ペチペチと頬を叩かれる。ハッとして慌てて高ぶりに顔を寄せると根元にまずキスをして先端に向けてゆっくり舐めあげた。
「はーっ、ぁ、んぅ」
舌や鼻から通じて脳を叩きつける雄臭さにうっとりしながら丁寧に先端をなめしゃぶる。それだけで蕾がとろけ、床へポタポタと滴が垂れ落ちた。その様子をめざとく気づいたヌーサは鼻で笑った。
「おいおい、順応早すぎだろ。これじゃあすぐイくな」
「いか、なぃ…ふっ、ぁ、あっ」
口では否定するもののさっきから甘い痺れが下腹部全体を駆け巡るのだ。
でっぷりとした先端を舌先で舐め、ほんの少し滲んでいる滴をこぼさないよう丁寧に吸い取った。そうすれば、さらに体が火照り、とろぉっと蕾から糸を引きながら次々と滴が垂れた。
「んっ、ふぁ…、ぁ、はー…っ、ぁ」
たっぷり舌を使って先端を舐めしゃぶった後、意を決して口を開いた。歯を当てないように口内へ迎えるとえずきそうになるのを耐えながら喉奥まで咥え込んだ。
「ふぅ、ふーっ、…んぐ」
ぎこちなく頭を動かして口を使って抜き差しすれば、頭上からため息が降ってきた。
「下手くそ」
「んぅ」
抗議を込めて上目遣いで睨めば、ヌーサがつまらなそうに続けた。
「お前も男ならどうすりゃ気持ちいいかわかるだろ。ほら、ちんたらしてないでやれ」
「ぅぐ……」
ペシペシと頭を叩かれ続きを促された。本音を言えば、口に入れただけでもいっぱいなうえ男のものをしゃぶるのはあり得ない事実なのだ。しかし先ほど与えられた刺激を思えば、自然とフェラへの熱も上がっていく。
上顎や舌を使って丹念に奉仕していれば、かすかだが大きくなった気がする。不思議とそれが嬉しくてさらに夢中になって舐めしゃぶり、喉奥で咥え込んでもみた。
「……最初よりはましか」
「んぅ」
馬鹿にされているのに、褒められた気がして嬉しさに蕾がひくついた。それでもヌーサの高ぶりは達する気配がなく、それどころかウェルディスの方が長くしゃぶるほど頭だけでなく体も興奮で火照り、得体の知れないなにかがゆっくりと這い上がってくるのだ。
それが近づいてくるほど蕾から滴がトプトプと溢れ、中がもどかしく感じる。
「んぅう、はー…っ、ぁ、んぐぅ」
あと一押しで強烈な何かがくるのに、その一押しが足りない。限界を感じてそっと自分で肉芽を触ろうとした瞬間、ヌーサの大きな手がウェルディスの頭に添えられるや否やぐっと押し寄せられた。
「んぐぅっ、~~~~ッ」
でっぷりとした先端が喉奥に押し込まれた瞬間、ウェルディスは勢いよく潮を吹いた。ヌーサの茂みに鼻先を埋め、喉奥まで入っている高ぶりは苦しく目に涙が浮かんでくる。けれど、脳を貫く雄臭さと口内を支配する大きな高ぶりの感触はウェルディスの体をいっそう興奮させ、乱暴な扱いに喜ぶばかりだった。
ふーっふーっと息を荒げながら、ぴゅっぴゅっと潮をまだ吹くウェルディスにヌーサは雑に頭を撫でてくる。
「乱暴にされて絶頂するとか、とんだ変態だな。ほら、口を離せ」
「んぅぅ……」
ひどいなじりとは裏腹にたいして優しい手つきの差に下腹部が甘くうずいた。口の中から引き抜いて荒々しく呼吸を繰り返す。ちらっと視線をあげれば、自分の唾液まみれになったヌーサの高ぶりが目に入った。
女の中にいれたことはあっても入れられたことはない。しかし今はそれを経験できるのだ。どこまでも享楽的なウェルディスの好奇心と貪欲はとどまることを知らない。
「も、もう、いいのかよ」
続きをひっそりと希望しつつ、お仕置きはこれで終わりかと遠回し尋ねれば、ヌーサが「そうだな」と呟いた。
「これで終わりにするか」
「は、ぁあ?! 俺を強姦するんじゃないのかよ!!」
「口の中に突っ込んだだろ」
「中に突っ込んでねえじゃん!!」
すっかり準備万端だと自分でもわかるほど濡れそぼっているのがわかる。そんな状況を無視して終わらせようとするヌーサが信じられなかった。だが、ヌーサの高ぶりはすっかり落ち着きを取り戻しつつあり、そのことが余計に腹立たしかった。
勢いよく立ち上がるとウェルディスは体重をかけてヌーサを押し倒そうとしたがヌーサの体はびくともしない。結果的にヌーサの太もものへまたぐことになった。それでもウェルディスはめげずに叫んだ。
「ここまで来たら俺に処女を散らさせろ!」
「てめ、押しつけるな!」
さすがにほぐさずいれられるのは恐ろしいため半分ほど猛っているヌーサの幹へこすりつけるだけにする。そうすれば、蕾にヌーサの高ぶりが食い込み、ねっとりとした滴がヌーサの高ぶりにまとわりつく。
とっさにやった行動だが、意外にもヌーサの高ぶりが硬くなり熱を取り戻し始めた。ウェルディスは唇をつり上げるとヌーサを挑発するように上目遣いでせせら笑った。
「お前も俺の中に入れて気持ちよくなりたいんじゃねえの? ほら、ゆっくりならいれていいんだぜ?」
ゆっくりと腰を前後に動かしてこすりつければ、ヌーサの高ぶりがピクッとまた反応した。苦虫を噛みつぶしたかのような顔をしながら、ヌーサは呻くとゆっくり息を吐いて地響きのような低い声で呟いた。
「そしたら強姦にならねえだろうが、お前馬鹿か」
「うるさい! とにかく俺はきもちよく、んぉ゛っ」
不意に蕾の中に入れられた三本の指に下品な声が飛び出る。それだけでも十分な刺激にもかかわらず、ヌーサの指がぬぢゅぬぢゅととろけきった中をまさぐり、もう片手でツンと主張する肉芽を摘まんできた。
「ま゛、で…、ぃきなりは、や゛だっ! ん、ひっ…、ァ゛、すごっ、ぃく! イく! またイ、きゅっ」
「すでにイってんだろうが。この淫乱。ほら腰上げろ、抜き差ししてやる」
なじりつつも続きをしてくれることに期待で胸が甘くときめいた。震える腕をヌーサの首に回して抱きつくと、雨上がりに香る瑞々しい森の青臭さが鼻孔を通り抜ける。
「はッ、あ゛、すご…ッ、ぉ゛っ、きもひっ、ぃ! もっと、もっと…、らんぼうにっ、し…てっ」
ただ指を抜き差しされながら肉芽も一緒にこすられてるだけだ。我慢比べをしなくてよくなったこともあってか、快感が濁流のごとく押し寄せてくる。ボタボタと滴を垂らしながら壊れたようにプシプシとヌーサの腹に向けて潮も吹くのを気持ちよくて止められない。
だらしくなく舌を突き出して好き勝手に締め付ければ、全身に鋭い刺激が這えずり、脳が多幸感でいっぱいになる。炎天下に放り出されたかのように顔や全身から汗が滲み、火照ってしょうがない。
すっかりとろけきったウェルディスの様子にヌーサは肉芽を指の腹でトントンと叩いた。
「おまえ、ほんと変態だな。神の俺もさすがに引くわ」
「ひいても゛、いいからっ…、ゆびじゃなくって、はやくっ、ちんこ、いれろよぉ」
指の刺激もいいが、すっかりそそり立っているヌーサの高ぶりが気になっていた。はーっ、はーっと呼吸を荒げて期待に胸を躍らせているとヌーサは眉を寄せながら呟いた。
「まあ……、これだけほぐせば痛みはねえか。おら、いれるぞ」
ぬぽっと指を抜かれて腰を捕まれる。そして触れたと理解した瞬間、一気に根元まで腰を下ろさせられた。グズグズになった中をたくましい高ぶりがこすりあげていく。白い喉を晒して声にならない嬌声を上げながら極めていると、ヌーサが好き勝手に突き上げてくる。
「あっ、あ、きたっ、きたぁ――ッ、んぉ゛っ、ぉ! あ、あ゛っ、もっと、つ゛いてぇっ!」
でっぷりした先端が子宮を乱暴に突き上げるたびにぶちゅぶちゅと下品なキスを交わす。その心地よさにさらに深い快感を味わおうとぐりぐりと腰を押しつける。
ヌーサは男らしい眉を寄せると悔しそうに声を押し殺した。そして、仕返しとばかりに荒々しく突いてきた。
「これに懲りたら、俺の名を騙るんじゃねえぞっ、わかったな?」
ぐんっと一段と深く押しつけられると熱が一気に注ぎ込まれた。
産毛が総立ちし、ぞわぞわとした快感の波に沈む最中、ヌーサの顔が近づいてくる。他人事のように見つめていれば、乾いた唇が重なっては一度離れ、もう一度重ねられた。
ウェルディスは不器用な口づけにこそばゆさを覚えつつ、ヌーサの警告をあえて無視した。
時間を見れば、朝五時。掛け布団をめくって自分の下半身を触ると慣れ親しんだ男性器が確かにある。
「夢……?」
夢にしては妙に現実的だ。体は覚えていなくとも、脳がまるで経験したかのように覚えている。なんだかもったいない気持ちを覚えつつ、少し重たい頭をかいた後、教会の前を掃除するために神父服へと着替えた。
町の建物の隙間から白い朝日が差し込み、眩しさに目を細める。まだ日を吸っていない冷たい空気は心地よく、誰もいないことをいいことに大きなあくびを一つして教会の入り口を掃き掃除した。
時間は刻々と過ぎていき、朝の十時を迎える頃には町が目覚め、通りは賑やかだ。今日もやってくる憂いに満ちた女たちをどう手玉にとろうか考えながら空っぽな祈りを捧げていれば、ふと影がかかった。
「お前に反省って二文字はねえのか」
はじめて聞く声だが、なぜか知っている低い声へと振り返れば「あっ」と声が漏れた。
「自称ヌーサ神さん」
「自称じゃねえ。本物のヌーサ神だ。てめえの下半身を変えたの忘れたか」
夢で見たハンサムな男が目の前に現れたことで、夢だと思っていた出来事が事実だというのが理解できた。
苛立ちを隠さずにきっちり訂正してくる卑小っぷりは本当に神なのか疑いたくなる。ウェルディスからすれば、神は万能だ。ならば、人間の小さなやらかしなど目をつぶってくれててもいいとすら思う。
そんな考えを見通していると言わんばかりにヌーサは腕を組むと片眉をつり上げて睨んでくる。
「お前は少し反省しろ、この馬鹿。また泣かせるぞ」
「泣かせたいの間違いでは?」
目を細めて挑発的に微笑めば、ヌーサはべしっと頭を叩いてきた。まさかの暴力にウェルディスは目尻をつり上げた。
「口で言い返せないからって暴力にでるとか子供ですか?!」
「うっせーな。この淫乱腹黒野郎」
「その淫乱とセックスしたのはあなたですよねえ? ……で、本当になんの用できたんです?」
たっぷりと嫌みを込めて尋ねる。ヌーサは顎をわずかにあげてここぞとばかりに見下すと「監視しにきた」と告げた。
「てめえみたいな性悪を野放しにして、俺の評判が下がったら困るからな」
腕を組んで鼻を鳴らすヌーサにウェルディスは数度瞬きした後、わざとらしく頬を赤くして言い返した。
「つまり私と付き合いたいって訳ですか。ですが、私はヌーサ神に操を立てた身ですから……」
「その俺が監視してやるんだ。感謝しろ」
べしべしと雑に頭を叩いてくるヌーサの手を払いながら、ウェルディスはススッと近寄っておもむろにヌーサの厚い胸板に頬を押し当てて見上げた。
「付き合いたいってのは否定しないんですね。なら、私があなたの名を騙らないよう夜の監視もしっかり付き合ってください。あ、ご希望でしたら前みたいに下半身だけ変えてもいいですよ。私も気持ちよかったですし、あなたとならまた経験したいです」
「だーかーらー、少しは反省しろ!」
こめかみに青筋を浮かべるヌーサへ応える代わり、首に腕を回すと背伸びをして唇を押し当てたのだった。
普通であればすぐにバレるものだが、表面上の日頃の行いと亜麻色の髪に聖ノデヌ教国では珍しい菫色の瞳をした甘さを含む優しげな美貌のおかげか町のものは誰一人疑わないのだ。
今日も誰と寝ようか思いながら教会の前を掃き掃除していれば、ヌッと大きな影がウェルディスを覆った。思わず顔を上げれば、男に興味ないウェルディスすら思わず惚けそうになった。
男の顔は気持ち悪さすら感じるほどハンサムな顔で、綺麗に縦半分に別れた白黒の髪をしていた。逆光で陰っていても男の瞳は黒真珠と真珠をはめ込んだかのように角度によって七色の光がちらつく。がっしりとした厚い体躯に見合う長い手足は黒シャツと同色のズボンにブーツで包まれており、痩身なウェルディスと違い、目の前の男をより雄々しく感じさせた。
心を見透かすような鋭い目つきはふつうであれば縮こまってしまうだろう。だが、神父になる前、荒くれものと渡り歩いてきたウェルディスにとって見慣れたものだ。
つり目がちな目尻を下げてふわっと微笑んだ。
「見慣れない方ですね。どちらからいらしたんですか?」
「俺の言葉を勝手に騙ってる馬鹿はお前か」
「騙っているとは、なんのことでしょうか?」
前置きもなく告げられた罵倒の意味がわからず素直に聞きかえせば、男はウェルディスの背後にある教会を一瞥して見下ろしてくる。
「聖ノデヌ教国は創造神ケイオスを崇拝し、清廉潔白であることを尊び、享楽は罪であるのが教義だったな」
「ええ、そうですね。ですが、この町は同時にヌーサ派であります。ケイオスの子ヌーサはこう仰りました。しかし快楽を得ることは必ずしも罪とは限らない、と」
同じ主神を信じるとしてもヌーサ派は快楽に関してゆるいのだ。そしてウェルディスやヌサルの町はヌーサ派を信仰している。
ウェルディスの返答に男は凜々しい眉を寄せ、腕を組むと眉間にしわを刻んだ。
「確かに、俺は父の代わりに人間へそう言った。しかしそれは一部の過激派の馬鹿共に向けていっただけで、お前みたいな享楽者となると話は別だ」
「おや、あなたの言い回しこそヌーサ神の言葉をまるで騙っているのではないのですか?」
男の口調はさながら自分がヌーサ神だと言わんばかりだ。ふふっとからかいと嫌みを込めて笑えば、男はすうっと目を細めた。
「騙るもなにも、俺こそお前たちが信仰するヌーサだからな」
「……少し早いですが、相談室へ行きましょうか」
眉を下げて哀れみの笑みを思わず浮かべてしまう。自称神を名乗るものは多く見てきたが、これほど堂々と言うものはめったにいない。ウェルディスの対応に男はピクッとこめかみに青筋を浮かべた。
「だったら、神らしくお前の節操のない一物を消してやろう」
「冗談はいいですから。ほら、ついてきてください。えーっと、ヌーサさん」
ヌーサの腕を掴んで教会の中へ引き込むと、相談室へと向かう。ヌーサは口を引き結ぶとズカズカと大股で後ろをついてくる。
相談室につくと扉を開けて中へ入るよう促した。ヌーサはおとなしく入るとイスへ腰をかけた。ウェルディスも向かいに座って両手を組んでヌーサに微笑みかけた。
「さて、ヌーサさん。深刻な悩みがあったらどうぞ遠慮せずおっしゃってください」
「さっきも言っただろう。俺の言葉を勝手に騙ってる馬鹿――つまりお前が俺の悩みの種だと」
「またそれですか。あのですね、私がヌーサ神の言葉を騙った証拠はあるんですか?」
ムッとして言い返せば、ヌーサはすうっと目を細めた。
「昨晩、お前は町長の娘が旦那とうまくいってないことを相談しに来たら『たまには別の殿方と寝るのもよいとヌーサ神はおっしゃってますよ』なんてほざいただろ」
「……さて、なんのことでしょう」
「二日前には、三件隣のパン屋の娘が両親不在中、パンを売ったが騙されて金を払ってもらえなかったことを懺悔しにきた」
ヌーサは一呼吸置くとさらに続けた。
「お前はその時こういったな。『大丈夫ですよ、あなたから不幸が取り除ければ、金銭が戻ってくるとヌーサ神もおっしゃってます』ってな。実際その後あんたは娘の家へきちんと金を送ったのは意外だったけどな」
ヌーサの言葉に思わず口元から笑みが消えそうになる。どちらも事実だ。だが、どこから聞いたのか。
教会には盗聴予防の防音魔法のほか、教会から出たら一部忘却する魔法をかけている。そしてこの高度な魔法をすり抜けて情報を得るにはよほど腕のある魔法使いかそれこそ神だけだ。
ヌーサから魔力は一切感じられない。さながら空気のような存在だ。しかし、それでも認めるわけにはいかない。崩れそうになる口元を無理矢理つり上げてなんてことないように微笑む。
「まったく、これはとんだ奇術ですね」
「奇術じゃなくて、祈りをいくつか拾い上げただけだ。まあいい。お前がまだ認めないなら先ほど言ったとおり、その一物をなくしてやる」
ぱちんと男が指を鳴らせば、一瞬体に鋭い痛みが駆け巡った。だが痛みはすぐに引いていく。困惑しつつも、ヌーサの言葉が気になってためらいがちに中心へ手を伸ばせばぎょっとした。
「な、ないっ! 俺の男性器がないっ!」
驚きのあまりに素の口調が飛び出てしまった。ハッとして顔が熱くなるのを感じながら空咳を一つしてごまかす。同時にヌーサを冷ややかに睨んだ。
「私の体になにをしたか知りませんが、早く元に戻してください」
「なんで戻す必要がある。俺の言葉だと騙る節操なしにはちょうどいいだろう」
「ふざけるな! これじゃトイレもできないだろ!」
「確かに男性器はないが、快楽主義なあんたにぴったりなものをつけたから安心しろ」
カッと頭に血が上ったウェルディスは水差しを手に取ると、鼻で馬鹿にしたヌーサへ振り上げた。だが、水差しは振り下ろすよりも早く砂に変わってテーブルや床へ落ちた。
「え……?」
「まったく、柔和な見た目に反してとんだじゃじゃ馬だな」
イスから立ち上がったヌーサはウェルディスに近づくと荒々しく肩に担いだ。嫌な予感がして反射的にもがくが、岩へ固定されたかのようにびくともしない。
「離せ! このっ!!」
「強姦は趣味じゃねえが、まあお前みたいなのにはちょうどいいだろ」
「はぁ?! 俺はお前と違ってきちんと同意の上でセックスしてたんだぞ! 一緒にするな!!」
「同意の上でも人のものに手を出してる時点で似たようなもんだ」
「全然似てない!!」
ギャンギャンと吠えて必死に抵抗するが、ヌーサが相談室をでるとしばらく廊下を歩いてつきあたりにある扉をあっさりと開けた。
「はっ?」
またもやありえない出来事に間抜けな声が出る。確かに鍵をかけたのだ。なのにヌーサはまるで鍵などかかってないかのようにウェルディスの部屋を開けた。
呆けている間に、ヌーサが部屋に入るとウェルディス雑にベッドへ投げられた。体がベッドの上で一度小さく跳ね、ベッドヘッドに頭を打つ。
「いってぇ……」
頭を押さえて痛みで呻くのにも気にせず、ヌーサが覆い被さってきた。目をこれでもかと見開いてのしかかってくるヌーサを押し返そうとするがやはりびくともしない。
「どけ! 男に抱かれる趣味はねえ!」
「今後はそうなるかもしれないぞ」
ヌーサがそういって触れた瞬間、神父服が一瞬で光の粒となって消えた。瞬きするよりも早く素肌になった自分の状況も驚くが、なにより目に入ってきた見覚えのある下半身は棍棒で思いっきり頭を殴られたと錯覚したほどだ。
「ほんとに俺の自慢のいちもつが、ない……」
朝にはしかとあった陰茎がない。代わりにある肉芽や割れ目はまるで最初からそうであったと言わんばかりの自然さだ。
困惑でぐるぐると頭の中がかき混ぜられたような錯覚を覚えている間にヌーサはウェルディスの両足をこれでもかと広げ、身をかがめてくる。下腹部にヌーサの髪が触れたこそばゆさでハッとした時には遅かった。
「ひっ、んぉっ!」
無防備になっていた肉芽をヌーサの舌がねっとりと舐めあげた。それだけで目の前がバチバチと弾け、肉芽がさらにとがっていく。強烈な快感に恐怖を感じてヌーサの髪を乱暴に掴んだ。
「やめ、やめぉ、んん゛ぅう゛!」
顔を離そうとしたはずが再び肉芽を舐めあげられれば、思わず腰をそらして自らヌーサの口へと差し出してしまう。そうすればヌーサは唇で食んだり、唾液まみれになった肉芽を指先で摘まんで優しくしごいたりした。
「すごっ、きもひぃっ! ぁ、あっ、ぃいっ…、もっと」
さっきまで感じてた恐怖は嘘のようになく、気持ちいいという感情だけが頭を埋め尽くしていく。舌を突き出してだらしなく喘ぎながらねだるとヌーサは反対に止めて体を起こした。
急の寸止めにもどかしさでヌーサを見上げれば、ヌーサが意地悪げに微笑んでいた。
「続きをしてほしいならまずは俺への謝罪をしろ」
「勝手に騙って申し訳ありませんでした」
さっきの続きをしてほしさに早急に言えば、ヌーサは深いため息をついた。
「謝意がまったくこもってないな」
「うっ…、じゃ、じゃあフェラするからそれでいいだろ!」
さっきの続きをしてほしさに叫ぶとヌーサが少し考えた末、体を起こした。
「そうだな。俺が射精するまでお前がイくことを我慢できたら続きをしてやる」
「ほ、本当だな? 嘘ついたら許さないからな」
ベッドから下りてヌーサの足の間に身を寄せると、ふんふんと鼻息を荒くしながらベルトを外して前を広げた。すると、ぶるんっと勢いよく高ぶりが飛び出てくる。濃厚な雄の匂いにきゅんと下腹部がうずき、蕾がひくついた。
「ぉ、おっきぃ」
「ほら、フェラするんだろ」
形もさながら太さも長さも立派な高ぶりに見蕩れていれば、ペチペチと頬を叩かれる。ハッとして慌てて高ぶりに顔を寄せると根元にまずキスをして先端に向けてゆっくり舐めあげた。
「はーっ、ぁ、んぅ」
舌や鼻から通じて脳を叩きつける雄臭さにうっとりしながら丁寧に先端をなめしゃぶる。それだけで蕾がとろけ、床へポタポタと滴が垂れ落ちた。その様子をめざとく気づいたヌーサは鼻で笑った。
「おいおい、順応早すぎだろ。これじゃあすぐイくな」
「いか、なぃ…ふっ、ぁ、あっ」
口では否定するもののさっきから甘い痺れが下腹部全体を駆け巡るのだ。
でっぷりとした先端を舌先で舐め、ほんの少し滲んでいる滴をこぼさないよう丁寧に吸い取った。そうすれば、さらに体が火照り、とろぉっと蕾から糸を引きながら次々と滴が垂れた。
「んっ、ふぁ…、ぁ、はー…っ、ぁ」
たっぷり舌を使って先端を舐めしゃぶった後、意を決して口を開いた。歯を当てないように口内へ迎えるとえずきそうになるのを耐えながら喉奥まで咥え込んだ。
「ふぅ、ふーっ、…んぐ」
ぎこちなく頭を動かして口を使って抜き差しすれば、頭上からため息が降ってきた。
「下手くそ」
「んぅ」
抗議を込めて上目遣いで睨めば、ヌーサがつまらなそうに続けた。
「お前も男ならどうすりゃ気持ちいいかわかるだろ。ほら、ちんたらしてないでやれ」
「ぅぐ……」
ペシペシと頭を叩かれ続きを促された。本音を言えば、口に入れただけでもいっぱいなうえ男のものをしゃぶるのはあり得ない事実なのだ。しかし先ほど与えられた刺激を思えば、自然とフェラへの熱も上がっていく。
上顎や舌を使って丹念に奉仕していれば、かすかだが大きくなった気がする。不思議とそれが嬉しくてさらに夢中になって舐めしゃぶり、喉奥で咥え込んでもみた。
「……最初よりはましか」
「んぅ」
馬鹿にされているのに、褒められた気がして嬉しさに蕾がひくついた。それでもヌーサの高ぶりは達する気配がなく、それどころかウェルディスの方が長くしゃぶるほど頭だけでなく体も興奮で火照り、得体の知れないなにかがゆっくりと這い上がってくるのだ。
それが近づいてくるほど蕾から滴がトプトプと溢れ、中がもどかしく感じる。
「んぅう、はー…っ、ぁ、んぐぅ」
あと一押しで強烈な何かがくるのに、その一押しが足りない。限界を感じてそっと自分で肉芽を触ろうとした瞬間、ヌーサの大きな手がウェルディスの頭に添えられるや否やぐっと押し寄せられた。
「んぐぅっ、~~~~ッ」
でっぷりとした先端が喉奥に押し込まれた瞬間、ウェルディスは勢いよく潮を吹いた。ヌーサの茂みに鼻先を埋め、喉奥まで入っている高ぶりは苦しく目に涙が浮かんでくる。けれど、脳を貫く雄臭さと口内を支配する大きな高ぶりの感触はウェルディスの体をいっそう興奮させ、乱暴な扱いに喜ぶばかりだった。
ふーっふーっと息を荒げながら、ぴゅっぴゅっと潮をまだ吹くウェルディスにヌーサは雑に頭を撫でてくる。
「乱暴にされて絶頂するとか、とんだ変態だな。ほら、口を離せ」
「んぅぅ……」
ひどいなじりとは裏腹にたいして優しい手つきの差に下腹部が甘くうずいた。口の中から引き抜いて荒々しく呼吸を繰り返す。ちらっと視線をあげれば、自分の唾液まみれになったヌーサの高ぶりが目に入った。
女の中にいれたことはあっても入れられたことはない。しかし今はそれを経験できるのだ。どこまでも享楽的なウェルディスの好奇心と貪欲はとどまることを知らない。
「も、もう、いいのかよ」
続きをひっそりと希望しつつ、お仕置きはこれで終わりかと遠回し尋ねれば、ヌーサが「そうだな」と呟いた。
「これで終わりにするか」
「は、ぁあ?! 俺を強姦するんじゃないのかよ!!」
「口の中に突っ込んだだろ」
「中に突っ込んでねえじゃん!!」
すっかり準備万端だと自分でもわかるほど濡れそぼっているのがわかる。そんな状況を無視して終わらせようとするヌーサが信じられなかった。だが、ヌーサの高ぶりはすっかり落ち着きを取り戻しつつあり、そのことが余計に腹立たしかった。
勢いよく立ち上がるとウェルディスは体重をかけてヌーサを押し倒そうとしたがヌーサの体はびくともしない。結果的にヌーサの太もものへまたぐことになった。それでもウェルディスはめげずに叫んだ。
「ここまで来たら俺に処女を散らさせろ!」
「てめ、押しつけるな!」
さすがにほぐさずいれられるのは恐ろしいため半分ほど猛っているヌーサの幹へこすりつけるだけにする。そうすれば、蕾にヌーサの高ぶりが食い込み、ねっとりとした滴がヌーサの高ぶりにまとわりつく。
とっさにやった行動だが、意外にもヌーサの高ぶりが硬くなり熱を取り戻し始めた。ウェルディスは唇をつり上げるとヌーサを挑発するように上目遣いでせせら笑った。
「お前も俺の中に入れて気持ちよくなりたいんじゃねえの? ほら、ゆっくりならいれていいんだぜ?」
ゆっくりと腰を前後に動かしてこすりつければ、ヌーサの高ぶりがピクッとまた反応した。苦虫を噛みつぶしたかのような顔をしながら、ヌーサは呻くとゆっくり息を吐いて地響きのような低い声で呟いた。
「そしたら強姦にならねえだろうが、お前馬鹿か」
「うるさい! とにかく俺はきもちよく、んぉ゛っ」
不意に蕾の中に入れられた三本の指に下品な声が飛び出る。それだけでも十分な刺激にもかかわらず、ヌーサの指がぬぢゅぬぢゅととろけきった中をまさぐり、もう片手でツンと主張する肉芽を摘まんできた。
「ま゛、で…、ぃきなりは、や゛だっ! ん、ひっ…、ァ゛、すごっ、ぃく! イく! またイ、きゅっ」
「すでにイってんだろうが。この淫乱。ほら腰上げろ、抜き差ししてやる」
なじりつつも続きをしてくれることに期待で胸が甘くときめいた。震える腕をヌーサの首に回して抱きつくと、雨上がりに香る瑞々しい森の青臭さが鼻孔を通り抜ける。
「はッ、あ゛、すご…ッ、ぉ゛っ、きもひっ、ぃ! もっと、もっと…、らんぼうにっ、し…てっ」
ただ指を抜き差しされながら肉芽も一緒にこすられてるだけだ。我慢比べをしなくてよくなったこともあってか、快感が濁流のごとく押し寄せてくる。ボタボタと滴を垂らしながら壊れたようにプシプシとヌーサの腹に向けて潮も吹くのを気持ちよくて止められない。
だらしくなく舌を突き出して好き勝手に締め付ければ、全身に鋭い刺激が這えずり、脳が多幸感でいっぱいになる。炎天下に放り出されたかのように顔や全身から汗が滲み、火照ってしょうがない。
すっかりとろけきったウェルディスの様子にヌーサは肉芽を指の腹でトントンと叩いた。
「おまえ、ほんと変態だな。神の俺もさすがに引くわ」
「ひいても゛、いいからっ…、ゆびじゃなくって、はやくっ、ちんこ、いれろよぉ」
指の刺激もいいが、すっかりそそり立っているヌーサの高ぶりが気になっていた。はーっ、はーっと呼吸を荒げて期待に胸を躍らせているとヌーサは眉を寄せながら呟いた。
「まあ……、これだけほぐせば痛みはねえか。おら、いれるぞ」
ぬぽっと指を抜かれて腰を捕まれる。そして触れたと理解した瞬間、一気に根元まで腰を下ろさせられた。グズグズになった中をたくましい高ぶりがこすりあげていく。白い喉を晒して声にならない嬌声を上げながら極めていると、ヌーサが好き勝手に突き上げてくる。
「あっ、あ、きたっ、きたぁ――ッ、んぉ゛っ、ぉ! あ、あ゛っ、もっと、つ゛いてぇっ!」
でっぷりした先端が子宮を乱暴に突き上げるたびにぶちゅぶちゅと下品なキスを交わす。その心地よさにさらに深い快感を味わおうとぐりぐりと腰を押しつける。
ヌーサは男らしい眉を寄せると悔しそうに声を押し殺した。そして、仕返しとばかりに荒々しく突いてきた。
「これに懲りたら、俺の名を騙るんじゃねえぞっ、わかったな?」
ぐんっと一段と深く押しつけられると熱が一気に注ぎ込まれた。
産毛が総立ちし、ぞわぞわとした快感の波に沈む最中、ヌーサの顔が近づいてくる。他人事のように見つめていれば、乾いた唇が重なっては一度離れ、もう一度重ねられた。
ウェルディスは不器用な口づけにこそばゆさを覚えつつ、ヌーサの警告をあえて無視した。
時間を見れば、朝五時。掛け布団をめくって自分の下半身を触ると慣れ親しんだ男性器が確かにある。
「夢……?」
夢にしては妙に現実的だ。体は覚えていなくとも、脳がまるで経験したかのように覚えている。なんだかもったいない気持ちを覚えつつ、少し重たい頭をかいた後、教会の前を掃除するために神父服へと着替えた。
町の建物の隙間から白い朝日が差し込み、眩しさに目を細める。まだ日を吸っていない冷たい空気は心地よく、誰もいないことをいいことに大きなあくびを一つして教会の入り口を掃き掃除した。
時間は刻々と過ぎていき、朝の十時を迎える頃には町が目覚め、通りは賑やかだ。今日もやってくる憂いに満ちた女たちをどう手玉にとろうか考えながら空っぽな祈りを捧げていれば、ふと影がかかった。
「お前に反省って二文字はねえのか」
はじめて聞く声だが、なぜか知っている低い声へと振り返れば「あっ」と声が漏れた。
「自称ヌーサ神さん」
「自称じゃねえ。本物のヌーサ神だ。てめえの下半身を変えたの忘れたか」
夢で見たハンサムな男が目の前に現れたことで、夢だと思っていた出来事が事実だというのが理解できた。
苛立ちを隠さずにきっちり訂正してくる卑小っぷりは本当に神なのか疑いたくなる。ウェルディスからすれば、神は万能だ。ならば、人間の小さなやらかしなど目をつぶってくれててもいいとすら思う。
そんな考えを見通していると言わんばかりにヌーサは腕を組むと片眉をつり上げて睨んでくる。
「お前は少し反省しろ、この馬鹿。また泣かせるぞ」
「泣かせたいの間違いでは?」
目を細めて挑発的に微笑めば、ヌーサはべしっと頭を叩いてきた。まさかの暴力にウェルディスは目尻をつり上げた。
「口で言い返せないからって暴力にでるとか子供ですか?!」
「うっせーな。この淫乱腹黒野郎」
「その淫乱とセックスしたのはあなたですよねえ? ……で、本当になんの用できたんです?」
たっぷりと嫌みを込めて尋ねる。ヌーサは顎をわずかにあげてここぞとばかりに見下すと「監視しにきた」と告げた。
「てめえみたいな性悪を野放しにして、俺の評判が下がったら困るからな」
腕を組んで鼻を鳴らすヌーサにウェルディスは数度瞬きした後、わざとらしく頬を赤くして言い返した。
「つまり私と付き合いたいって訳ですか。ですが、私はヌーサ神に操を立てた身ですから……」
「その俺が監視してやるんだ。感謝しろ」
べしべしと雑に頭を叩いてくるヌーサの手を払いながら、ウェルディスはススッと近寄っておもむろにヌーサの厚い胸板に頬を押し当てて見上げた。
「付き合いたいってのは否定しないんですね。なら、私があなたの名を騙らないよう夜の監視もしっかり付き合ってください。あ、ご希望でしたら前みたいに下半身だけ変えてもいいですよ。私も気持ちよかったですし、あなたとならまた経験したいです」
「だーかーらー、少しは反省しろ!」
こめかみに青筋を浮かべるヌーサへ応える代わり、首に腕を回すと背伸びをして唇を押し当てたのだった。
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