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ガカプを後にした二人は本来の目的地であるレディルカに向かった。
レディルカへつくと、ガカプ同様門番がいた。オガルスに近く大きな町ということもあって、門の前には隊商と一般で分けられていた。それでもどちらも持ち物検査が厳重なのか遅々として進まない。
「すごい列だな。王族の特権とやらは使わないのか」
「待ってりゃ入れるんだから使わねえよ。むしろ、騒がれて面倒になるだけだ」
世間でのアリウスの評価は戦争を仕掛けては必ず勝利を掴む血に飢えた戦争好きな王子の印象が強いのだ。おかげで帝都から遠い町では根も葉もない噂が広がっている。そんな中アリウスが王族の特権を用いれば、あたりは騒然となるのも容易に想像できるだろう。
静かに事を済ませたいアリウスにとってそれは想像しただけでも気が滅入ってくる。
「そもそもレディルカは海を通じて交易してるから商人が集まるんだ。ティベルクの王都も海に面してるんだろ」
「ああ。けれど、西は東のような小国の集合体ではない。一部の港町とオアシス以外に都市は存在しないからな」
アリウスは片眉をあげながら眉間にしわを寄せた。
「じゃあ、その一部の港町とオアシス以外は王都周辺にしか人は住んでないってことなのか?」
「そうだ。ティベルクとオガルスでは大陸の規模こそほぼ同じだが、ティベルクは巨大な砂漠が大陸の中心を支配している。そうなれば、必然的に人が住める場所は限られる」
「じゃあ本当のティベルク肥沃な大地じゃねえってことか」
幼い頃に読んだ本では西は肥沃な大地と書かれていた。しかし、ティレクの言い分とあまりにも食い違っている。誤った知識だったかと考え直そうとした手前ティレクが否定した。
「いいや、肥沃な大地だとも。だからこそ、住む場所は王都周辺と一部の港町とオアシス以外ないのだ。それこそ、町を出ればそこの門よりも大きな生物が砂漠に野山だけでなく海や空を闊歩している」
すいっとティレクの視線が町を区切っている壁へと視線を向ける。アリウスにとって、目の前の壁よりも巨大な生物はそれこそ物語の中だけの存在だ。
「よくそんな環境下で暮らしてるな」
「暮らせるとも。彼らは貴様よりも知性があるからな。テリトリーにさえ踏み入らなければ襲ってこない。中には友好的な生物もいる」
「隙あらば、貶してくるのやめろよ」
「事実を述べてるまでだ」
ティレクの言い分にアリウスは口をへの字にして押し黙った。そんな会話を繰り広げている間にかなり列は進んだのかアリウスたちの番に回っていた。
門番はアリウスを見るや否や姿勢を正して機械のような敬礼をした。アリウスも軽く手を振って、ようやくレディルカの中へと入った。
馬小屋を借りて馬を預けると、さっそく大通りへと出た。
大通りに面している建物の正面はパステルカラーをしており、どれも華やかだ。昼食時もあって大通りに並ぶ店は道沿いに丸いテーブルとイスがいくつも並べてあるが、どの席もすでに埋まっている。チキンスープの優しい匂いや塩こしょうがきいた香ばしい肉の匂いが鼻孔を通り抜けていく。
賑わう町並みを眺めたティレクはゆっくり瞬きした。
「ここは昨日行った町より賑わっているな」
「レディルカはオガルスの一部になってからもう五年経つからな。さっきも言ったけど、元々この区域は交易が盛んだから復興もほかより早いんだよ」
「しかし、海に面している都市のわりには魚料理をみかけないな」
漂う肉の香りに対して不満そうに呟いたティレクへ肩をすくめた。
「乾燥したものやオイル漬けならあると思うぜ」
「取れたての魚は」
「生魚は保存が面倒だから本格的な冬が来るまで我慢だな」
オガルスの冬は死活問題だ。しかし、その極寒のおかげで本来ならすぐ傷む鮮魚を保管できるという利点もある。だが、精霊術で時を止めて好きなときに食べられるティレクからすると理解しがたいようだった。
「貴様の部屋にあった冷蔵庫とやらを活用すればいいではないか」
「あいにく帝都でしか普及してない。まあ、もうちょっとしたら安定化できるようになるみたいだし、五年後ぐらいには全土で普及してるだろ」
「五年か。長いようで短い微妙な期間だな」
小さなため息とともにティレクはぽつりと漏らす。その横顔をしばし見つめた後、アリウスはガシガシと頭を掻いた。
「とりあえず、腹減ったし食事にしようぜ」
賑わう大通りから外れるものの、どの路地もやはり人で溢れていた。入り組んだ灰色の路地を抜けると港の方へとでれば、大通りに比べると打って変わって人はまばらで、潮のにおいと魚の生臭さが鼻をかすめた。
アリウスたちは海に面した人気が少ないこぢんまりとした店で食事することにした。店内は薄暗いものの、窓からのぞく晴れ渡った青空の下でちらつく雪は目を見張るものがある。だが、ティレクの視線は目の前のメニュー表に釘付けだった。
「魚料理がある……」
「そりゃ、ここは海上都市の側面もあるからな」
視線をティレクに戻せば、ティレクはメニュー表を一ページずつ丁寧にめくって確認しているようだった。吟味の末に決まったのか、見ていたメニュー表をアリウスへと差し出した。
「私は決まったから貴様も早く決めるがいい」
「じゃあ、これでいい」
アリウスは塩漬けの豚肉を指さした。すると、ティレクは形のいい眉をよせて首をかしげた。
「城でも食べてるものではないか。そんなに気に入っているのか?」
「別に好きじゃねえよ。いつも食ってるから頼んだだけだ」
「好きでないのなら、せっかく外出してるのだ。自分では作らないものを頼んでみたらどうなのだ」
「食事なんて毒が入ってなくて栄養がとれりゃ、いつも食ってるのと同じものでもいいだろ」
アリウスにとって食事はただの栄養補給の一環だ。それこそ可能であれば錠剤ですませてもいいぐらいだった。だが、ティレクはアリウスの返答に小さく首を振った。
「実に嘆かわしいな。そんなのだから貴様は貧相な味しか作れないのだ」
「貧相な味しか作れなくて悪かったな」
そう言い切ったアリウスはこれ以上この話題を続ける気がないこともあり、店員を呼んだ。
店員は二人のメニューを聞き終えると厨房へと引っ込んだ。しだいに店内はバターの香りと肉を焼いている音が満ちていく。やがて、大きなトレーを手に店員がやってきた。
「お待たせしました。こちらが白身魚のグリルと塩漬けの豚、それとワインとパンになります」
ティレクとアリウスの前にそれぞれ料理を並べると、アリウスは料金を手渡した。店員は一礼して料金を受け取ると、店員を呼んだ別の客の方へと向かった。
ティレクはナイフとフォークを手に取ると、半身の白身魚を一口大に切ると口に運んだ。
「やはり魚はいいな」
「肉と違って食べ応えがねえのに、よくまあ魚なんて食う気がわくよな」
塩漬けの豚肉をさっさと平らげたアリウスはワインを飲み干してほかほかの丸パンをちぎって頬張る。ティレクは添え物の粉ふきいもと魚を食べ終えると、残っているワインを手に取って飲み干した。
「魚料理は私にとって馴染み深いものなのだ。それこそ、貴様が食べている塩漬けの豚肉のようにな」
そういってティレクは満足げに一息ついた。
アリウスは「ふーん」と小さく呟くと、壁に掛けられている時計に目を向けた。針はちょうど昼を少し過ぎた頃だ。
「食事も終わったし、少し町を回るぞ」
立ち上がったアリウスはそういうなり、店を出た。
改めて散策すれば、旧市街はどこもかしこも表に比べれば活気がなく、路地は暗い。アリウスが路地を歩いていれば「アリウス様!」と引き留める女の声が聞こえた。足を止めて声をした方へ顔を上げれば、出窓から女が身を乗り出していた。
「ん? お前は……」
「今、そちらに行きますから少しお待ちくださいっ」
女はそういうなり体を引っ込めた。続いて慌ただしくドアが開き、女が家から飛び出てくる。アリウスに駆け寄ると、息を弾ませつつも言葉を続けた。
「去年は本当にありがとうございました。おかげで旧市街の皆も今年の冬を無事越せそうです」
「なんのことやら。俺はここの区長とちょっと話をしただけだ」
「ですが、アリウス様の口添えがなければ……」
なお言葉を重ねてくる女にアリウスは軽く肩をすくめた。
「ま、お前がそう思うならそれでいい。じゃ、俺はもう行く」
「お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。次はお茶と菓子を用意しますので、ぜひまた来てください」
女はふわりと微笑んだ。
路地を抜けて、新市街の方へとでれば、先ほどの女と同じように何人かに声をかけられた。思ったより足止めを食らい、レディルカを出る頃には純白だった雪原が夕日の色を吸って柔らかな黄金色へと染まっていた。
「ずいぶんと礼を述べられていたな」
「ほんとにな。俺も正直驚いてる」
王命で以前アリウスが訪れた際、オガルスから配給されている復興支援金を平等に配布しているという報告書があったにもかかわらず、新市街のものは戦争前よりも派手な生活をしていた。反対に旧市街の多くの人間はあいかわらずボロをまとい明日の食事もままならない状況だった。そのため配給されている復興支援金をどういう風に配分しているのか尋ねただけだ。それを区長が勝手に脅しと捉えた結果好転しただけにすぎない。
少しの沈黙の末、ティレクが尋ねてきた。
「もう夕方だが、ナスリに行くのか」
「そうだな……。せっかくだし一泊するか」
ティレクの言葉にそう答えると、ナスリへと馬を走らせたのだった。
レディルカへつくと、ガカプ同様門番がいた。オガルスに近く大きな町ということもあって、門の前には隊商と一般で分けられていた。それでもどちらも持ち物検査が厳重なのか遅々として進まない。
「すごい列だな。王族の特権とやらは使わないのか」
「待ってりゃ入れるんだから使わねえよ。むしろ、騒がれて面倒になるだけだ」
世間でのアリウスの評価は戦争を仕掛けては必ず勝利を掴む血に飢えた戦争好きな王子の印象が強いのだ。おかげで帝都から遠い町では根も葉もない噂が広がっている。そんな中アリウスが王族の特権を用いれば、あたりは騒然となるのも容易に想像できるだろう。
静かに事を済ませたいアリウスにとってそれは想像しただけでも気が滅入ってくる。
「そもそもレディルカは海を通じて交易してるから商人が集まるんだ。ティベルクの王都も海に面してるんだろ」
「ああ。けれど、西は東のような小国の集合体ではない。一部の港町とオアシス以外に都市は存在しないからな」
アリウスは片眉をあげながら眉間にしわを寄せた。
「じゃあ、その一部の港町とオアシス以外は王都周辺にしか人は住んでないってことなのか?」
「そうだ。ティベルクとオガルスでは大陸の規模こそほぼ同じだが、ティベルクは巨大な砂漠が大陸の中心を支配している。そうなれば、必然的に人が住める場所は限られる」
「じゃあ本当のティベルク肥沃な大地じゃねえってことか」
幼い頃に読んだ本では西は肥沃な大地と書かれていた。しかし、ティレクの言い分とあまりにも食い違っている。誤った知識だったかと考え直そうとした手前ティレクが否定した。
「いいや、肥沃な大地だとも。だからこそ、住む場所は王都周辺と一部の港町とオアシス以外ないのだ。それこそ、町を出ればそこの門よりも大きな生物が砂漠に野山だけでなく海や空を闊歩している」
すいっとティレクの視線が町を区切っている壁へと視線を向ける。アリウスにとって、目の前の壁よりも巨大な生物はそれこそ物語の中だけの存在だ。
「よくそんな環境下で暮らしてるな」
「暮らせるとも。彼らは貴様よりも知性があるからな。テリトリーにさえ踏み入らなければ襲ってこない。中には友好的な生物もいる」
「隙あらば、貶してくるのやめろよ」
「事実を述べてるまでだ」
ティレクの言い分にアリウスは口をへの字にして押し黙った。そんな会話を繰り広げている間にかなり列は進んだのかアリウスたちの番に回っていた。
門番はアリウスを見るや否や姿勢を正して機械のような敬礼をした。アリウスも軽く手を振って、ようやくレディルカの中へと入った。
馬小屋を借りて馬を預けると、さっそく大通りへと出た。
大通りに面している建物の正面はパステルカラーをしており、どれも華やかだ。昼食時もあって大通りに並ぶ店は道沿いに丸いテーブルとイスがいくつも並べてあるが、どの席もすでに埋まっている。チキンスープの優しい匂いや塩こしょうがきいた香ばしい肉の匂いが鼻孔を通り抜けていく。
賑わう町並みを眺めたティレクはゆっくり瞬きした。
「ここは昨日行った町より賑わっているな」
「レディルカはオガルスの一部になってからもう五年経つからな。さっきも言ったけど、元々この区域は交易が盛んだから復興もほかより早いんだよ」
「しかし、海に面している都市のわりには魚料理をみかけないな」
漂う肉の香りに対して不満そうに呟いたティレクへ肩をすくめた。
「乾燥したものやオイル漬けならあると思うぜ」
「取れたての魚は」
「生魚は保存が面倒だから本格的な冬が来るまで我慢だな」
オガルスの冬は死活問題だ。しかし、その極寒のおかげで本来ならすぐ傷む鮮魚を保管できるという利点もある。だが、精霊術で時を止めて好きなときに食べられるティレクからすると理解しがたいようだった。
「貴様の部屋にあった冷蔵庫とやらを活用すればいいではないか」
「あいにく帝都でしか普及してない。まあ、もうちょっとしたら安定化できるようになるみたいだし、五年後ぐらいには全土で普及してるだろ」
「五年か。長いようで短い微妙な期間だな」
小さなため息とともにティレクはぽつりと漏らす。その横顔をしばし見つめた後、アリウスはガシガシと頭を掻いた。
「とりあえず、腹減ったし食事にしようぜ」
賑わう大通りから外れるものの、どの路地もやはり人で溢れていた。入り組んだ灰色の路地を抜けると港の方へとでれば、大通りに比べると打って変わって人はまばらで、潮のにおいと魚の生臭さが鼻をかすめた。
アリウスたちは海に面した人気が少ないこぢんまりとした店で食事することにした。店内は薄暗いものの、窓からのぞく晴れ渡った青空の下でちらつく雪は目を見張るものがある。だが、ティレクの視線は目の前のメニュー表に釘付けだった。
「魚料理がある……」
「そりゃ、ここは海上都市の側面もあるからな」
視線をティレクに戻せば、ティレクはメニュー表を一ページずつ丁寧にめくって確認しているようだった。吟味の末に決まったのか、見ていたメニュー表をアリウスへと差し出した。
「私は決まったから貴様も早く決めるがいい」
「じゃあ、これでいい」
アリウスは塩漬けの豚肉を指さした。すると、ティレクは形のいい眉をよせて首をかしげた。
「城でも食べてるものではないか。そんなに気に入っているのか?」
「別に好きじゃねえよ。いつも食ってるから頼んだだけだ」
「好きでないのなら、せっかく外出してるのだ。自分では作らないものを頼んでみたらどうなのだ」
「食事なんて毒が入ってなくて栄養がとれりゃ、いつも食ってるのと同じものでもいいだろ」
アリウスにとって食事はただの栄養補給の一環だ。それこそ可能であれば錠剤ですませてもいいぐらいだった。だが、ティレクはアリウスの返答に小さく首を振った。
「実に嘆かわしいな。そんなのだから貴様は貧相な味しか作れないのだ」
「貧相な味しか作れなくて悪かったな」
そう言い切ったアリウスはこれ以上この話題を続ける気がないこともあり、店員を呼んだ。
店員は二人のメニューを聞き終えると厨房へと引っ込んだ。しだいに店内はバターの香りと肉を焼いている音が満ちていく。やがて、大きなトレーを手に店員がやってきた。
「お待たせしました。こちらが白身魚のグリルと塩漬けの豚、それとワインとパンになります」
ティレクとアリウスの前にそれぞれ料理を並べると、アリウスは料金を手渡した。店員は一礼して料金を受け取ると、店員を呼んだ別の客の方へと向かった。
ティレクはナイフとフォークを手に取ると、半身の白身魚を一口大に切ると口に運んだ。
「やはり魚はいいな」
「肉と違って食べ応えがねえのに、よくまあ魚なんて食う気がわくよな」
塩漬けの豚肉をさっさと平らげたアリウスはワインを飲み干してほかほかの丸パンをちぎって頬張る。ティレクは添え物の粉ふきいもと魚を食べ終えると、残っているワインを手に取って飲み干した。
「魚料理は私にとって馴染み深いものなのだ。それこそ、貴様が食べている塩漬けの豚肉のようにな」
そういってティレクは満足げに一息ついた。
アリウスは「ふーん」と小さく呟くと、壁に掛けられている時計に目を向けた。針はちょうど昼を少し過ぎた頃だ。
「食事も終わったし、少し町を回るぞ」
立ち上がったアリウスはそういうなり、店を出た。
改めて散策すれば、旧市街はどこもかしこも表に比べれば活気がなく、路地は暗い。アリウスが路地を歩いていれば「アリウス様!」と引き留める女の声が聞こえた。足を止めて声をした方へ顔を上げれば、出窓から女が身を乗り出していた。
「ん? お前は……」
「今、そちらに行きますから少しお待ちくださいっ」
女はそういうなり体を引っ込めた。続いて慌ただしくドアが開き、女が家から飛び出てくる。アリウスに駆け寄ると、息を弾ませつつも言葉を続けた。
「去年は本当にありがとうございました。おかげで旧市街の皆も今年の冬を無事越せそうです」
「なんのことやら。俺はここの区長とちょっと話をしただけだ」
「ですが、アリウス様の口添えがなければ……」
なお言葉を重ねてくる女にアリウスは軽く肩をすくめた。
「ま、お前がそう思うならそれでいい。じゃ、俺はもう行く」
「お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。次はお茶と菓子を用意しますので、ぜひまた来てください」
女はふわりと微笑んだ。
路地を抜けて、新市街の方へとでれば、先ほどの女と同じように何人かに声をかけられた。思ったより足止めを食らい、レディルカを出る頃には純白だった雪原が夕日の色を吸って柔らかな黄金色へと染まっていた。
「ずいぶんと礼を述べられていたな」
「ほんとにな。俺も正直驚いてる」
王命で以前アリウスが訪れた際、オガルスから配給されている復興支援金を平等に配布しているという報告書があったにもかかわらず、新市街のものは戦争前よりも派手な生活をしていた。反対に旧市街の多くの人間はあいかわらずボロをまとい明日の食事もままならない状況だった。そのため配給されている復興支援金をどういう風に配分しているのか尋ねただけだ。それを区長が勝手に脅しと捉えた結果好転しただけにすぎない。
少しの沈黙の末、ティレクが尋ねてきた。
「もう夕方だが、ナスリに行くのか」
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