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しおりを挟む疑問は残るもののティレクがやってくれるというなら頼むのも悪くない。けれど、肝心のティレクはとにかくぎこちなかった。
気持ちよさよりももどかしさが上回るほど優しく手を上下に動かすのだ。しかし、高ぶりすぎた体には皮肉にもちょうどいいぐらいだった。どれほど熱を出しても体内を暴れる高ぶりはまったく萎える気配がない。
「喉、渇いたな」
諸々の体液を出したせいかすっかり喉が渇いていた。とはいえ、この状況下でティレクに出て行かれるのは困る。かといって、このままいれば脱水症状で倒れかねない。むしろ、意識を失った方がいいかもしれない。けれど、抜いてもらうのを手伝ってもらっている手前さすがに気が引けた。
アリウスの呟きにティレクが顔を上げると、アリウスの先端から溢れた滴で濡れた手を備え付けの布で拭いた。そして、ベッドサイドテーブルにあるガラスコップを手に戻ってくる。
「飲め」
ティレクはガラスコップを差し出してきた。
カラのガラスコップにはいつのまにか並々と水が入っていた。熱を吐き出したおかげか腕を持ち上げることぐらいはできた。水を飲めば、渇いた喉に染み渡る。その間もソファに腰を下ろしたティレクはアリウスの中心をゆるゆると扱いた。
「だいぶ抜いたのだが、ここは相変わらずパンパンだな。ふむ、貴様の体が生存の危機を感じて子孫を残そうと必死なのだろう」
ずっしりと重い二つの玉をティレクが感慨深そうに、そっと持ち上げる。実験結果に示すようなティレクの反応にもやつきながらも、黒いズボンに包まれている太ももへと視線を移す。
以前、頬へ触れたときに吸い付いてきた感触。その感触がする太ももで挟んでもらえたらどれだけ気持ちいいだろう。アリウスはごくりと唾を飲み込むと、真剣な顔でアリウスの中心を扱いているティレクに言った。
「なあ、太もも。貸してくれよ」
「太ももを貸す?」
アリウスの発言にティレクは顔を上げると意味がわからないと言いたげに眉を寄せる。想定内の反応にアリウスは続けた。
「ならこう言えばわかるか。素股、やらせてくれよ」
「き、さまっ。ふざけるなっ!」
顔を真っ赤にして怒鳴るティレクにアリウスは言葉を重ねた。
「お前だって、さすがに手を動かすの疲れてきただろ。素股ならお前は寝転がってれば、あとは俺が勝手にやるから、楽だと思うけど」
「そういう問題ではないっ!」
「いっ! てめぇっ、強く握るな!」
そそり立つアリウスの中心を握りしめたティレクに叫べば、ティレクはアリウスを睨みながらもそっと手から力を抜いた。あやうく大事なところを握りつぶされそうだったことに嫌な汗が背中を流れる。
それでもアリウスはあえて続けた。
「はあ……、ったく。なにが問題なんだよ」
「たわけ! 問題しかないだろっ! この私がここまで譲歩しているのに、まだ望むのかっ!!」
「望んじゃわりいのかよ」
むすっとして言い返せば、ティレクが息を飲んでアリウスを凝視してくる。
硬直しているのをいいことに体を起こすと、ティレクの手を自身から離させ、かわりにソファへと仰向けに横たわらせた。殴られるのも面倒なため落ちていたベルトでティレクの両手首を背中の後ろにまとめる。
ハッとしたティレクが現状に気づき、すかさず足を振り上げてくるが、予想通りの動きもあってティレクの足首を易々と掴んだ。そのままもう片足を脇と腕で挟みこんでしまえば、無防備なティレクのできあがりだ。
「俺のを太ももに挟んでいればいいだけなんだから、じっとしてろよ」
「だけ、ではないっ! やめろっ、脱がすな!!」
必死に身をよじるが皮肉にもティレクを脱がす行為の手伝いにしかならなかった。下着ごとズボンを脱がせば、薄いながらも適度に引き締まった太ももがあらわになる。
興奮のあまり荒れそうな息をなんとか抑えて、そっと内ももに手をすべらせる。ティレクの艶のいい小麦色の肌はしっとりとアリウスの手に吸い付き、見た目に反して思いのほか柔らかい。
癖になりそうなその感触をゆっくりと揉んでいれば、ティレクが小さく声を漏らした。
「触ってないで、さっさとすませろ……っ」
「やめろと言ったり、さっさとすませろと言ったり、めちゃくちゃだな」
とはいえ、実質素股をする許可がもらえたのはいいことだ。太ももを揉むのを止めティレクの足を掴んで持ち上げると、痛いぐらいそそり立つ高ぶりをティレクの太ももに挟む。そうすれば、しっとりとした太ももがアリウスの高ぶりを優しく包み込んだ。
「やべえ、癖になるな」
乾いた唇を舐め、ゆっくりと抜き差しする。そのたびに、顔を真っ赤にして唇を噛みしめるティレクの太ももが小さく震える。
「ぅ、ぐっ…、さっさと、だせっ」
ティレクの太ももを味わうようにねっとりと腰を動かしていると、怒気を込めつつもうわずった声が部屋に響く。ティレクの太ももはアリウスの先走りでぐっしょりと濡れていた。
ふと視線を探れば、ワイシャツで隠れているティレクの中心が小さく盛り上がっているように見えた。気になったアリウスはおもむろにティレクのワイシャツをめくった。
「なにをするっ?!」
「お前もなんだかんだ言って興奮してんじゃねえか」
ティレクの中心は控えめながらもそそり立ち、ワイシャツに小さなシミを作っていた。アリウスの発言にティレクはカッと見開くと、アリウスを睨んだ。
「違う! これはただの生理現象だっ!」
「本当にか?」
ティレクの胸につくほど膝を押しつける。そうすれば、ティレクの腰が浮き上がった。体勢を維持しやすいようにクッションを置いた。
先ほどよりも下の位置に高ぶりを差し込めば、アリウスの先端がティレクの中心をこすりあげた。途端にティレクの体が大きく跳ね、きゅうっとつま先が丸まった。
表情と違ってわかりやすい反応にずしりとまた二つの玉が重くなる。
「なあ、今、感じたよな?」
「感じてなど、いないっ」
「ふーん。じゃあ、俺が飽きるまでこの位置で抜かせてもらうな」
「なっ、待て…っ! ぁ、んっ…、ぅうっ」
一度腰を引いて、ティレクの太ももから高ぶりを引き抜いた。そして、体重をかけてゆっくりと押し込んでいく。
「まて…っ、ひっ、んぅう゛っ」
ティレクの太ももの間から滴をたえず漏らすアリウスの先端が顔を出し、ティレクの中心の裏筋にあふれ出る滴を塗りつけながらゆっくりとこすりつけていく。そのたびに、ティレクの中心はピクピクと震え、先端から糸を引きながら自身の腹に垂らした。
「ふっ…ぐ、んっ、ん」
唇をかみしめて声を押し殺しているものの、アリウスの体の下でティレクの腰が小刻みに揺れ、足先がずっと丸まったまま小さく痙攣している。
無機質のようなティレクが自分とのセックスに興奮している。それどころか、ずっと熱を漏らしている姿に、アリウスの高ぶりは今までになく硬く膨らんだ。
「これ以上ッ、大きくなるなっ」
「太ももに挟んでるだけだから、問題ないだろ。…っ、そろそろだすぞっ」
ぐっと太ももに汗ばんだ茂みを密着させ、ティレクの下腹部にぐうっと先端を押し当てる。
その感触にティレクの唇から短い吐息が漏れ、ヒクンとティレクの下腹部が震える。それを合図にアリウスはぶるりと体を震わした。
「ひっ、ぃ゛――ッ」
ぶぴゅぶぴゅと下品な音をたて、アリウスが叩きつけるようにティレクの下腹部に出す。そのたびにティレクは腰を浮かせてガクガクと体を震わした。
アリウスがだした粘度の高い熱はティレクの中心から漏れる滴が混じり合ってティレクの引き締まった下腹部に水たまりを作った。すぐにそれは脇腹を伝ってソファへとたれていく。
「はは、お前もだだ漏れじゃねえか」
全身を紅潮させてきつく目を閉じているティレクの前髪を脇によけてやる。
しっとり汗ばんでいるティレクの額の汗をちゅっと吸い取り、そのまま赤い舌をちらつかせる唇に誘われるがまま唇を重ねた。
「…っ、んっ、……ぁ、っく」
逃げようとする舌を絡めとり、ティレクの下腹部へぐうっと先端を押しつけながらこすりつける。そのたびにティレクの体がビクビクと小さく跳ね、肌が触れあっているところはどこもかしこも火照って心地がいい。
上顎や歯の羅列をなぞり、たっぷりティレクの口内を味わったアリウスはそっと唇を離す。ぬるりとティレクの太ももの間から落ち着いた中心を引き抜き、ティレクの足をゆっくり下ろしてやる。
大きく息をついた後、顔に張り付いている汗ばんだ前髪をかき上げた。ついでにアリウスの下でふうふう忙しなく呼吸を繰り返すティレクを眺める。
「なにやってんだよ、俺」
薬が抜けて思考が鮮明になったことで、とんでもないことをやらかしたことに気づく。今ならまだあの首輪を付け直すこともできるだろう。しかし、それはティレクとの約束を破ることだ。
約束を破ることにはなれているし、今さら心が痛むことなどない。けれど、わざわざ信用を落とす必要もない。
「おい、起きてるか」
念のため声をかけるが、ティレクは硬く目を閉じ薄い呼吸が届くばかりだ。
ひとまず部屋の換気とティレクを抱えて備え付けの浴室へ行くことにした。
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