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第3話 皇国の王女様に独占されました。

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「大丈夫かい?怪我はないのかな…」

俺はそう言った瞬間、少女の足に引っ掻き傷があることに気付いた。
俺が助けに来る前にできた傷だと思われるその傷は中々深く、3本の線が彼女の太腿を縦断していた。早めに消毒し、手当てをしなければ最悪の場合…死にいたる。

「ちょっと染みちゃうけど…ごめんね?」

俺は言うとポケットから消毒液を取り出し、布に掛ける。
そして近くの天然水で洗い流すと、布で丁寧に拭き…新品の布で軽く三角巾を作って、軽い処置を施した。
彼女は立ち上がり俺の方を見た。どうやら立てるらしい。




「ありがとうございます…お礼がしたいので今からついてきてくれませんか?」

そう彼女の言われ俺は、その少女についていくことにした。

どうやらこんな山奥に1人できていたみたいだ…こんな場所は危ないと地元民の人なら知っているはずなのに。というか、山奥まで女の子1人で生かせるなんて_殺させていると同じようなものだ。



「私の名前はハナです…先ほどは危ないところを助けていただき、ありがとうございます。」

そう少女は言うと貴族流の挨拶をした。
貴族流…そもそもこの子は貴族の子供なのか。
うん、この子を一回見たような気がする。
この子一回見たことがあるような、ないような…


「レセルクさんですよね?一回お会いしたことがあります…確か、あの貴族の宴会の時…」

「あぁ…!あの時!」

俺はハナのおかげで思い出すことができた。
一回会ったことがある気がしたのはあった事があったからだ。それがわかった瞬間引っかかっていた物がなくなる。


















そうそれは半年前のある日…


【勇者】が正式に勇者だと認められ、その魔王討伐を開始すると意味合いを込めたパーティーの時だ…



「レセルクさんですよね…初めまして、ハナ=オルリュースと申します。」

俺はそう少女に声を掛けられた、少女といってもこの子はレフェス皇国の王女様だ。失礼があってはいけない…ちゃんと話そう。


「麗しき皇女様…こんにちは、よくぞこんなパーティーに着てくださいましたね。あなたと会えて光栄です。」

俺は紳士流の挨拶をしながら、そう少女に言う。といっても意外な相手が話しかけてきたな…予想外だ。


「皇女様なんて…どうせなら、一緒に踊ってくださいませんか?」

そう少女は手を差し伸べしながら、俺にダンスを誘ってきた。ここはちゃんと踊らなければ…



「えぇ…もちろんですよ。一応自分みたいな物でも教養はありますゆえ…」

そう俺たちは話すと息ぴったりのダンスを舞い始めた。
といっても俺は皇女様と踊ったことなんて一切ないのに、よく一緒に踊っている…_______そのような感じのダンスをした。



「ありがとうございました…一応私も淑女でして、今年で17になります。」

そう彼女は意外な事実を俺に突きつけてきた…こんな可愛らしい見た目なのに、17歳。
まぁそうだと知っていたけれど中々受け止めきれない。何より、年齢もそうだが身長がそう____













「そんなこともありましたね…それともう一つ忘れている事がございましたよ。私のものにするといったじゃありませんか。」

そう彼女は言い放つと俺に向かってこう宣言した。

「レセルクさん、あなたは今日から私のものです。離しませんからね!独占させていただきます。」

と皇女様は俺に向かって宣言をした。
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