39 / 42
第二部
第38話 言われなくても分かってる。
しおりを挟む
力が溢れる感覚が、久しい。
ほぼ満タン近くまで満ちたのが記憶に新しいというのに、そこから更に溢れるほどとは。
魂のあたりをくすぐられるような感覚は、覚えがある。
主の心の内に変化があったのであろう、と不本意ながらに相棒の馨結を見やれば、こやつもまた、愉しげに笑っている。
ああ、そうだ。
わたしたちは、これを待っていたのだ。
どうか、このきっかけが、この幼き主であれ、と、願い続けた日々は、無駄では無かったのだと、喜びを一人、噛み締めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「うわー……本当に真っ白」
するすると滑っているみたいに間を通る髪色は、テレビとかで見たことのある雪原みたいに本当に真っ白で、ぽつりと呟けば、「主」と滉伽に呼ばれる。
「あ、ごめん。触りすぎた」
ぱっ、と手を離した傍から、指先が拘束され、「え、どしたの」と思わず問いかければ、きゅと俺の手を掴む手に力が籠もる。
「ありがとうございます。主」
そう言って、滉伽がふふ、と嬉しそうに笑う。
「うん?」
何が?
首を傾げて、次の言葉を待てば、ぱたぱたっ、と頬に何かが触れる。
「初月?」
抱えていた初月の耳だと気付いて、視線を動かせば、顔をあげた初月が「真備」と俺の名前を呼ぶ。
「初月?」
ぼんやりとした表情のままの初月に、もう一度名前を呼べば、初月の額がキラと光を放つ。
初月のおでこってになんかつけてたっけ?
そんなことを思った直後、ぞわっ、と背中に寒気が走る。
バッ、と振り返った先に、黒く大きな靄が立ち昇る。
「なん」
なんだ、アレ。
そう呟きかけた直後。
「ちょうどいい」
いつもより少し低めの滉伽の声が、耳に届いた。
「真備ー!」
「やっと見えたでやんす!」
「……賀茂」
「ちょっとアレを調べてきます。くれぐれも無茶はしませんよう。分かりましたか?!」と、何度もひとに念を押したあと、黒い靄が立ち昇ったあたりへと向かった滉伽と、初月を連れて家に帰るという馨結と別れた直後、周りの音が聞こえると同時に屋上にきていたらしい太地と一つ目、桂岐に名前を呼ばれた。
「飲みもの買いに行ったのに全然戻ってこないし、次の授業始まんのになぁーってって思ってたら、なんか急に鵺と白澤と、あとなんか別の奴の気配するしー。で心配してたんだからなぁ?」
「それはごめん」
「そうですよ坊っちゃん!! すっごい、すっごい心配したでやんすよ……!!! オイラそんなに力強くないから、鵺様と白澤様がいるのは分かっても、お二人みたいに状況把握もできなくてっ」
「オロオロしてたから、とりあえず分かる範囲で状況伝えてたけど、それでもずっとオロオロしてたぞ」
ケラケラと笑いながら言う太地に、ごめん、と一つ目に謝れば、「ご無事ならそれで良いんでやんす」と一つ目が安心したように笑いながら答える。
「あ、ちなみに、次の授業、なんか急に自習になったぞ」
「へ? そうなの?」
「うん。何か急に。んで4限の体育は体育館使えないから校庭だとよ」
「……へぇ……あ、桂岐。あ……」
「……行ってしまわれたでやんす……」
太地や一つ目と違い、屋上の入口に立ったままだった桂岐が、じっ、とこっちを見ていた、と思ったら、くるりと背を翻して屋内へと消えていく。
「……やっぱりよく分からないかたでやんす……」
小刻みに身体を震わせながら、一つ目が呟く。
「真っ先に異変に気づいたのも桂岐なのにな」
ぽす、ぽす、と一つ目の頭を軽く撫でながら太地が言った言葉に、「そなの?」と驚きを隠せずにいれば、「そうだよ」と太地が頷く。
「まぁ……なんていうか……素直じゃないからなぁ、桂岐」
ケラケラと笑いながら言う太地に、「素直じゃないっていうか……」とかえせば、「素直じゃないだけだよ」と太地が同じことをもう一度言う。
「いわゆるツンデレってやつでしょ」
「いや、多分それは違う気がする」
「そう?」
かぶせ気味に否定した俺に、太地が不思議そうな顔をしながら問いかける。
「じゃあ真備はなんだと思うん?」
そう問いかけた太地に、考えた事に、肺の空気が重たくなった気がする。
「それ、は……」
俺じゃなくて、真備さんを
「探す相手は、ここにいんのにね」
トン、と俺の胸を人差し指でつつきながら、太地は困ったように笑う。
「ま、時が解決するってやつッショ」
「そんなもんか……?」
首を傾げる俺に、太地は「そんなもんでしょ」とまた笑った。
◇◇◇◇◇◇
「で? 桂岐はいつまで拗ねてるん?」
「……拗ねてなどいない」
「ふうん? でもさ、オレと真備が話してるといーーっつも見てるじゃん」
「……それは……お前たちにいつまで経っても成長の兆しが見えないからだ」
「へぇ? 桂岐には見えてないの?」
「…………」
「あんなに眩しいのに」
言葉の通り、封印を解いた日から、真備の持つ力が、青白い眩しい光のようになって常に滲み出ている。
まぁ、時間が経った今は、ようやくダダ漏れでは無くなったけど、時々、妙なタイミングで、力が溢れてしまっている。
本人の意志など関係なく、真備から溢れる力は、ひとくち食べてみたのなら、さぞかし甘美で至極なものなのだろう。
けれど、自分も、桂岐も、一つ目も、今や真備の、真備たちの中に組み込まれたひとつの欠片となった。
その影響なのだろう。
オレは真備の血肉を食べたいとも力を奪いたいとも、さっぱり思わないし、思えないし。多分、桂岐も同じなんだと思う。
ま、あくまでも多分、オレの予想でしかすぎないから、いざ生死がかかったらどうなるか分かんないけど。
「お前……それが分かっているなら、何故なにもしない」
「何もってなに?」
「あんなもの、狙ってくれと言いふらしながら歩いているようなものだろうが」
「まぁねー。でもさ、オレたちに出る幕なんて無くない?」
「……」
「それこそ、オレたちが出たら、桂岐のいう成長ってやつの邪魔になるだけだと思うけど」
「…………」
チッ、と返事の代わりの舌打ちに、素直じゃないなぁと呟けば、桂岐が押し黙る。
「桂岐はさ」
しばらくの沈黙のあと、声をかければ、無言だけが返ってくる。
「誰を探してるん? 」
「あいつに決まっている」
「そう? オレにはそうは見えないけど」
「……何が言いたい」
ギロ、と金に色を変えた瞳が、自分を捕らえる。
「んや。言いたいことなんて、言われなくても分かってるだろうから、言わない」
「…………おまえ」
「人に云われてどうこうするヤツじゃないでしょ。桂岐だって」
「……それはどういう」
ほんの少し、驚きを混ぜた金色に、「桂岐だけじゃないってこと」と答えれば、彼は不服そうな表現を浮かべる。
「わー怖い。そろそろ逃ーげよっと」
明るく白々しく言えば、桂岐がまた舌打ちだけ返す。
その様子に、ふっ、と笑いを零しながらそっと口を開く。
「どっちの真備《まきび》も、真備なだけだよ」
小さな、小さな声で呟いたオレの声を、桂岐が聞き漏らすわけもなく。
「……お前に言われなくても」
わかっている。
そう呟いた桂岐の声は、オレの風にのって、空に消えた。
ほぼ満タン近くまで満ちたのが記憶に新しいというのに、そこから更に溢れるほどとは。
魂のあたりをくすぐられるような感覚は、覚えがある。
主の心の内に変化があったのであろう、と不本意ながらに相棒の馨結を見やれば、こやつもまた、愉しげに笑っている。
ああ、そうだ。
わたしたちは、これを待っていたのだ。
どうか、このきっかけが、この幼き主であれ、と、願い続けた日々は、無駄では無かったのだと、喜びを一人、噛み締めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「うわー……本当に真っ白」
するすると滑っているみたいに間を通る髪色は、テレビとかで見たことのある雪原みたいに本当に真っ白で、ぽつりと呟けば、「主」と滉伽に呼ばれる。
「あ、ごめん。触りすぎた」
ぱっ、と手を離した傍から、指先が拘束され、「え、どしたの」と思わず問いかければ、きゅと俺の手を掴む手に力が籠もる。
「ありがとうございます。主」
そう言って、滉伽がふふ、と嬉しそうに笑う。
「うん?」
何が?
首を傾げて、次の言葉を待てば、ぱたぱたっ、と頬に何かが触れる。
「初月?」
抱えていた初月の耳だと気付いて、視線を動かせば、顔をあげた初月が「真備」と俺の名前を呼ぶ。
「初月?」
ぼんやりとした表情のままの初月に、もう一度名前を呼べば、初月の額がキラと光を放つ。
初月のおでこってになんかつけてたっけ?
そんなことを思った直後、ぞわっ、と背中に寒気が走る。
バッ、と振り返った先に、黒く大きな靄が立ち昇る。
「なん」
なんだ、アレ。
そう呟きかけた直後。
「ちょうどいい」
いつもより少し低めの滉伽の声が、耳に届いた。
「真備ー!」
「やっと見えたでやんす!」
「……賀茂」
「ちょっとアレを調べてきます。くれぐれも無茶はしませんよう。分かりましたか?!」と、何度もひとに念を押したあと、黒い靄が立ち昇ったあたりへと向かった滉伽と、初月を連れて家に帰るという馨結と別れた直後、周りの音が聞こえると同時に屋上にきていたらしい太地と一つ目、桂岐に名前を呼ばれた。
「飲みもの買いに行ったのに全然戻ってこないし、次の授業始まんのになぁーってって思ってたら、なんか急に鵺と白澤と、あとなんか別の奴の気配するしー。で心配してたんだからなぁ?」
「それはごめん」
「そうですよ坊っちゃん!! すっごい、すっごい心配したでやんすよ……!!! オイラそんなに力強くないから、鵺様と白澤様がいるのは分かっても、お二人みたいに状況把握もできなくてっ」
「オロオロしてたから、とりあえず分かる範囲で状況伝えてたけど、それでもずっとオロオロしてたぞ」
ケラケラと笑いながら言う太地に、ごめん、と一つ目に謝れば、「ご無事ならそれで良いんでやんす」と一つ目が安心したように笑いながら答える。
「あ、ちなみに、次の授業、なんか急に自習になったぞ」
「へ? そうなの?」
「うん。何か急に。んで4限の体育は体育館使えないから校庭だとよ」
「……へぇ……あ、桂岐。あ……」
「……行ってしまわれたでやんす……」
太地や一つ目と違い、屋上の入口に立ったままだった桂岐が、じっ、とこっちを見ていた、と思ったら、くるりと背を翻して屋内へと消えていく。
「……やっぱりよく分からないかたでやんす……」
小刻みに身体を震わせながら、一つ目が呟く。
「真っ先に異変に気づいたのも桂岐なのにな」
ぽす、ぽす、と一つ目の頭を軽く撫でながら太地が言った言葉に、「そなの?」と驚きを隠せずにいれば、「そうだよ」と太地が頷く。
「まぁ……なんていうか……素直じゃないからなぁ、桂岐」
ケラケラと笑いながら言う太地に、「素直じゃないっていうか……」とかえせば、「素直じゃないだけだよ」と太地が同じことをもう一度言う。
「いわゆるツンデレってやつでしょ」
「いや、多分それは違う気がする」
「そう?」
かぶせ気味に否定した俺に、太地が不思議そうな顔をしながら問いかける。
「じゃあ真備はなんだと思うん?」
そう問いかけた太地に、考えた事に、肺の空気が重たくなった気がする。
「それ、は……」
俺じゃなくて、真備さんを
「探す相手は、ここにいんのにね」
トン、と俺の胸を人差し指でつつきながら、太地は困ったように笑う。
「ま、時が解決するってやつッショ」
「そんなもんか……?」
首を傾げる俺に、太地は「そんなもんでしょ」とまた笑った。
◇◇◇◇◇◇
「で? 桂岐はいつまで拗ねてるん?」
「……拗ねてなどいない」
「ふうん? でもさ、オレと真備が話してるといーーっつも見てるじゃん」
「……それは……お前たちにいつまで経っても成長の兆しが見えないからだ」
「へぇ? 桂岐には見えてないの?」
「…………」
「あんなに眩しいのに」
言葉の通り、封印を解いた日から、真備の持つ力が、青白い眩しい光のようになって常に滲み出ている。
まぁ、時間が経った今は、ようやくダダ漏れでは無くなったけど、時々、妙なタイミングで、力が溢れてしまっている。
本人の意志など関係なく、真備から溢れる力は、ひとくち食べてみたのなら、さぞかし甘美で至極なものなのだろう。
けれど、自分も、桂岐も、一つ目も、今や真備の、真備たちの中に組み込まれたひとつの欠片となった。
その影響なのだろう。
オレは真備の血肉を食べたいとも力を奪いたいとも、さっぱり思わないし、思えないし。多分、桂岐も同じなんだと思う。
ま、あくまでも多分、オレの予想でしかすぎないから、いざ生死がかかったらどうなるか分かんないけど。
「お前……それが分かっているなら、何故なにもしない」
「何もってなに?」
「あんなもの、狙ってくれと言いふらしながら歩いているようなものだろうが」
「まぁねー。でもさ、オレたちに出る幕なんて無くない?」
「……」
「それこそ、オレたちが出たら、桂岐のいう成長ってやつの邪魔になるだけだと思うけど」
「…………」
チッ、と返事の代わりの舌打ちに、素直じゃないなぁと呟けば、桂岐が押し黙る。
「桂岐はさ」
しばらくの沈黙のあと、声をかければ、無言だけが返ってくる。
「誰を探してるん? 」
「あいつに決まっている」
「そう? オレにはそうは見えないけど」
「……何が言いたい」
ギロ、と金に色を変えた瞳が、自分を捕らえる。
「んや。言いたいことなんて、言われなくても分かってるだろうから、言わない」
「…………おまえ」
「人に云われてどうこうするヤツじゃないでしょ。桂岐だって」
「……それはどういう」
ほんの少し、驚きを混ぜた金色に、「桂岐だけじゃないってこと」と答えれば、彼は不服そうな表現を浮かべる。
「わー怖い。そろそろ逃ーげよっと」
明るく白々しく言えば、桂岐がまた舌打ちだけ返す。
その様子に、ふっ、と笑いを零しながらそっと口を開く。
「どっちの真備《まきび》も、真備なだけだよ」
小さな、小さな声で呟いたオレの声を、桂岐が聞き漏らすわけもなく。
「……お前に言われなくても」
わかっている。
そう呟いた桂岐の声は、オレの風にのって、空に消えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
烏の王と宵の花嫁
水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。
唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。
その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。
ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。
死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。
※初出2024年7月
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる