41 / 42
第二部
第40話 百年経とうと、千年経とうと。
しおりを挟む
「……あーあ、消されちゃった」
屋上の建物のふちに腰掛ける彼女の小さな呟きは、誰にも聞かれない。
「……もう、いいじゃない」
覚醒に向けて動き出した彼は、もう止まることはない。
彼をずっと探していた。
それこそ、何度も、彼の子孫が生まれる、命果てる時を、何度も、何度も見てきた。
だから『彼』がいれば、『貴方』だって、いるはずなのだから。
貴方だって、あの子に、会いたいはずなのに。
「どうして、来ないの」
この町に、この国に、貴方の気配はあるのに。
すぐ近くに、いるはずなのに。
「なんで来ないのよ」
わたしが生まれ変われないことなんて、とうに知っているでしょう?
わたしが、貴方以外に求めていないことなんて、とうに知っているでしょう?
それなのに。
「…………何百年、何千年待てば、会いに来るのよ」
黒い靄を手でいじりながら、彼女は呟く。
会いになんて、行ってやらないんだから。
「絶対に」
そう呟いた彼女は、するり、と姿を消した。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……ちっ」
忌々しい。
そんな表情で舌打ちをする自分を、肩に乗せていた初月が不安そうに見上げる。
「また舌打ちをしてるよ。鵺様」
「おや、これは失礼」
「……探しているヒトは、大事なヒトなんじゃないの?」
「……仲麻呂にとっては、ですね」
「でも、あの真備ともあの国で会ってるんでしょう?」
「……そう、ですね」
「ずっと一緒にいたんじゃないの?」
「いえ、ほんの一瞬でしたね」
「そうなの?」
「ええ」
「でも、あの真備の記憶に残ってる」
「……そうですねぇ」
ふわ、ふわ、と初月の尻尾が揺れる。
「……嫌いなの? 鵺様は、あの人のこと」
「……嫌いなどと生温い感情では、ないですね」
先ず何よりも奴と自分は相性が悪い。本当に良くない。
自分は雷で、奴は水だ。
とうの昔、奴が仲麻呂と出会った日に星が動いたと、真備は言っていた。
けれど、それは、奴が来たから星が動き、真備と仲麻呂の距離は遠く、離れてしまったと言えるではないか。
真備の放つ光に惹かれ、仲麻呂に乞われ、彼についてきたけれど。
今の自分がいるのも、あの日の出会いがなければ、とは理解をしてはいるけれど。
奴が来なければ、
どろりとしたナニカが、胸の内に垂れ、侵していく。
けれど
ぴこ、と真白の耳が動く。
この子からも、自分からも滲みでる幼き主の気配。
どこまでも澄んでいて、柔らかいのに、中に含むモノは、途方もなく強く眩い。
その気配が、この重苦しさを祓うのも、塗り替えるのもまた、彼の紡いだ縁だと、物語っている。
いるけれど。
「……でも、誰かを大事って、誰かを大好きって思うことは、大切なこと、なんでしょう?」
少しだけ首を傾げながら、初月は話す。
「真備のお母さんが、小さい頃に真備に言ってたもん。ココ、あったかくなるんだ、って。お母さんが、真備のお父さんを大事に想うときも、お母さんが真備を想うときも同じだ、って」
ココ、と言った初月の尻尾が、人の心臓のあたりに触れる。
「ボク、真備が大好きだから、ココ、あったかくなるよ。でね、真備が大事に思ってる吉備真備のことも、あの真備が大事に思ってる人たちのことも、考えるとあったかくなるの。鵺様も、白澤様も、おんなじでしょう?」
ほんの少し、眉根を下げて言う初月に、何故だか自身の主を思い出して、少し笑いを溢しながら小さな背に触れる。
「友の大事なひとは、自分の大事なひと、とやらですねぇ」
はぁ、と大きなため息を吐き出す自分を、初月が不思議そうに見つめる。
「初月のいう、『あの』真備が言った言葉、ですよ」
そう告げた自分に、「ふふ、やっぱり、真備と真備は似てるね」と、初月は嬉しそうに尻尾を揺らす。
「…………はぁ」
「どうしたの? 鵺様。お腹すいたの?」
「違いますよ。ただ……」
「ただ?」
「……気が、抜けてしまったなぁ、と」
「?」
ぴこ、ぴこ、と動く初月の耳が、頬を掠める。
本来ならば温かさなど不要なはずなのに、いまは初月の温もりが心地よい。
初月を通して、伝わる幼子の気が、するすると胸の内も、身体中にも広がっていく。
「初月は、坊っちゃんとおんなじ匂いがしますねぇ」
「おんなじ?」
ええ、と頷けば、えへへ、と初月が嬉しそうに笑う。
その様子に、ふと、「……本当に、あの方が生み出したとは思えませんね」とぼそり、と呟いた言葉に、初月の動きが止まる。
「初月? どうしました?」
「あのね、あの……」
「初月?」
ほんの数秒前まで、機嫌が良さそうに揺れていた尻尾も、耳も、ぺたり、と下がってしまっている。
「……あのね、大天狗様ね……気配が、ないの」
「……気配がないとは?」
「しないの、少し前から、どこにも」
そう言った初月の耳は、完全に下がり、大きな目には涙も浮かんでいる。
「契約をしていても、生みの親があの方ですから、気配はあったのですよね?」
「うん……」
「繋がりは? なにも感じ取れないですか?」
「あるにはあるの。でも……」
「でも?」
「すごく、弱い」
弱い。
初月の零した言葉に、小さく息をのむ。
あの方が、ヤラれるわけがない。その場合は、我々も気がつくはず。
となると。
「何かがあって、外との繋がりを断っている。あるいは」
断たざるを得なくなっている。
そのどちらかであろう。
その結論は、初月も同じだったのであろう。
「でもね、でも、きっと、すぐ出てくると思うんだよ!」
「……それは、何故です?」
「だって、大天狗様、真備のことずっとずぅっと心配してたもん! だから、だから」
大丈夫だもん。
ポロポロと泣き出した初月を、抱え直し、扇を一振りする。
「初月ぃー……」
「ういづき……」
「阿、吽」
「……あなたたち、一体」
トン、と降り立った瞬間、滉伽と阿吽の姿を認識すると同時に、阿吽の2匹が駆け寄ってくる。
「大天狗様いないってほん」
「こら」
走りながら問いかけた阿の首元を、滉が容赦なく掴み、阿が「んぎゃっ」、と声をあげる。
「もう約束を忘れたのですか? あなたは」
「んぐぅ……」
「駄目だよ、阿。さっき駄目って白澤と話したでしょ」
「うう……ごめん……」
「謝るのはわたしたちではありませんよ、阿」
優しい口調と声色で阿を諭す滉を見ながら、「言葉と行動がバラバラじゃないですか」と思わず呟けば、滉がギロリとこちらを見やる。
その直後、初月がチラ、と視線を動かしたあと、じわぁ、と瞳にまた涙が溜まりはじめ滉は視線を緩める。
「初月」
「……白澤様……」
「きっと大丈夫ですよ。あの方は、そんな弱くありません」
「うん……」
うん、と泣きながら言った初月の身体を、青白い光が包む。
「……真備だ……」
「坊《ぼ》っちゃんですね」
「……ええ。初月」
「……なぁに?」
「主は、そろそろお昼ごはんの時間でしょう。ですから」
この時間なら大丈夫ですよ。
そう言いながら滉が初月の頭を撫でた直後、初月の姿が消えた。
屋上の建物のふちに腰掛ける彼女の小さな呟きは、誰にも聞かれない。
「……もう、いいじゃない」
覚醒に向けて動き出した彼は、もう止まることはない。
彼をずっと探していた。
それこそ、何度も、彼の子孫が生まれる、命果てる時を、何度も、何度も見てきた。
だから『彼』がいれば、『貴方』だって、いるはずなのだから。
貴方だって、あの子に、会いたいはずなのに。
「どうして、来ないの」
この町に、この国に、貴方の気配はあるのに。
すぐ近くに、いるはずなのに。
「なんで来ないのよ」
わたしが生まれ変われないことなんて、とうに知っているでしょう?
わたしが、貴方以外に求めていないことなんて、とうに知っているでしょう?
それなのに。
「…………何百年、何千年待てば、会いに来るのよ」
黒い靄を手でいじりながら、彼女は呟く。
会いになんて、行ってやらないんだから。
「絶対に」
そう呟いた彼女は、するり、と姿を消した。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……ちっ」
忌々しい。
そんな表情で舌打ちをする自分を、肩に乗せていた初月が不安そうに見上げる。
「また舌打ちをしてるよ。鵺様」
「おや、これは失礼」
「……探しているヒトは、大事なヒトなんじゃないの?」
「……仲麻呂にとっては、ですね」
「でも、あの真備ともあの国で会ってるんでしょう?」
「……そう、ですね」
「ずっと一緒にいたんじゃないの?」
「いえ、ほんの一瞬でしたね」
「そうなの?」
「ええ」
「でも、あの真備の記憶に残ってる」
「……そうですねぇ」
ふわ、ふわ、と初月の尻尾が揺れる。
「……嫌いなの? 鵺様は、あの人のこと」
「……嫌いなどと生温い感情では、ないですね」
先ず何よりも奴と自分は相性が悪い。本当に良くない。
自分は雷で、奴は水だ。
とうの昔、奴が仲麻呂と出会った日に星が動いたと、真備は言っていた。
けれど、それは、奴が来たから星が動き、真備と仲麻呂の距離は遠く、離れてしまったと言えるではないか。
真備の放つ光に惹かれ、仲麻呂に乞われ、彼についてきたけれど。
今の自分がいるのも、あの日の出会いがなければ、とは理解をしてはいるけれど。
奴が来なければ、
どろりとしたナニカが、胸の内に垂れ、侵していく。
けれど
ぴこ、と真白の耳が動く。
この子からも、自分からも滲みでる幼き主の気配。
どこまでも澄んでいて、柔らかいのに、中に含むモノは、途方もなく強く眩い。
その気配が、この重苦しさを祓うのも、塗り替えるのもまた、彼の紡いだ縁だと、物語っている。
いるけれど。
「……でも、誰かを大事って、誰かを大好きって思うことは、大切なこと、なんでしょう?」
少しだけ首を傾げながら、初月は話す。
「真備のお母さんが、小さい頃に真備に言ってたもん。ココ、あったかくなるんだ、って。お母さんが、真備のお父さんを大事に想うときも、お母さんが真備を想うときも同じだ、って」
ココ、と言った初月の尻尾が、人の心臓のあたりに触れる。
「ボク、真備が大好きだから、ココ、あったかくなるよ。でね、真備が大事に思ってる吉備真備のことも、あの真備が大事に思ってる人たちのことも、考えるとあったかくなるの。鵺様も、白澤様も、おんなじでしょう?」
ほんの少し、眉根を下げて言う初月に、何故だか自身の主を思い出して、少し笑いを溢しながら小さな背に触れる。
「友の大事なひとは、自分の大事なひと、とやらですねぇ」
はぁ、と大きなため息を吐き出す自分を、初月が不思議そうに見つめる。
「初月のいう、『あの』真備が言った言葉、ですよ」
そう告げた自分に、「ふふ、やっぱり、真備と真備は似てるね」と、初月は嬉しそうに尻尾を揺らす。
「…………はぁ」
「どうしたの? 鵺様。お腹すいたの?」
「違いますよ。ただ……」
「ただ?」
「……気が、抜けてしまったなぁ、と」
「?」
ぴこ、ぴこ、と動く初月の耳が、頬を掠める。
本来ならば温かさなど不要なはずなのに、いまは初月の温もりが心地よい。
初月を通して、伝わる幼子の気が、するすると胸の内も、身体中にも広がっていく。
「初月は、坊っちゃんとおんなじ匂いがしますねぇ」
「おんなじ?」
ええ、と頷けば、えへへ、と初月が嬉しそうに笑う。
その様子に、ふと、「……本当に、あの方が生み出したとは思えませんね」とぼそり、と呟いた言葉に、初月の動きが止まる。
「初月? どうしました?」
「あのね、あの……」
「初月?」
ほんの数秒前まで、機嫌が良さそうに揺れていた尻尾も、耳も、ぺたり、と下がってしまっている。
「……あのね、大天狗様ね……気配が、ないの」
「……気配がないとは?」
「しないの、少し前から、どこにも」
そう言った初月の耳は、完全に下がり、大きな目には涙も浮かんでいる。
「契約をしていても、生みの親があの方ですから、気配はあったのですよね?」
「うん……」
「繋がりは? なにも感じ取れないですか?」
「あるにはあるの。でも……」
「でも?」
「すごく、弱い」
弱い。
初月の零した言葉に、小さく息をのむ。
あの方が、ヤラれるわけがない。その場合は、我々も気がつくはず。
となると。
「何かがあって、外との繋がりを断っている。あるいは」
断たざるを得なくなっている。
そのどちらかであろう。
その結論は、初月も同じだったのであろう。
「でもね、でも、きっと、すぐ出てくると思うんだよ!」
「……それは、何故です?」
「だって、大天狗様、真備のことずっとずぅっと心配してたもん! だから、だから」
大丈夫だもん。
ポロポロと泣き出した初月を、抱え直し、扇を一振りする。
「初月ぃー……」
「ういづき……」
「阿、吽」
「……あなたたち、一体」
トン、と降り立った瞬間、滉伽と阿吽の姿を認識すると同時に、阿吽の2匹が駆け寄ってくる。
「大天狗様いないってほん」
「こら」
走りながら問いかけた阿の首元を、滉が容赦なく掴み、阿が「んぎゃっ」、と声をあげる。
「もう約束を忘れたのですか? あなたは」
「んぐぅ……」
「駄目だよ、阿。さっき駄目って白澤と話したでしょ」
「うう……ごめん……」
「謝るのはわたしたちではありませんよ、阿」
優しい口調と声色で阿を諭す滉を見ながら、「言葉と行動がバラバラじゃないですか」と思わず呟けば、滉がギロリとこちらを見やる。
その直後、初月がチラ、と視線を動かしたあと、じわぁ、と瞳にまた涙が溜まりはじめ滉は視線を緩める。
「初月」
「……白澤様……」
「きっと大丈夫ですよ。あの方は、そんな弱くありません」
「うん……」
うん、と泣きながら言った初月の身体を、青白い光が包む。
「……真備だ……」
「坊《ぼ》っちゃんですね」
「……ええ。初月」
「……なぁに?」
「主は、そろそろお昼ごはんの時間でしょう。ですから」
この時間なら大丈夫ですよ。
そう言いながら滉が初月の頭を撫でた直後、初月の姿が消えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月華後宮伝
織部ソマリ
キャラ文芸
★10/30よりコミカライズが始まりました!どうぞよろしくお願いします!
◆神託により後宮に入ることになった『跳ねっ返りの薬草姫』と呼ばれている凛花。冷徹で女嫌いとの噂がある皇帝・紫曄の妃となるのは気が進まないが、ある目的のために月華宮へ行くと心に決めていた。凛花の秘めた目的とは、皇帝の寵を得ることではなく『虎に変化してしまう』という特殊すぎる体質の秘密を解き明かすこと! だが後宮入り早々、凛花は紫曄に秘密を知られてしまう。しかし同じく秘密を抱えている紫曄は、凛花に「抱き枕になれ」と予想外なことを言い出して――?
◆第14回恋愛小説大賞【中華後宮ラブ賞】受賞。ありがとうございます!
◆旧題:月華宮の虎猫の妃は眠れぬ皇帝の膝の上 ~不本意ながらモフモフ抱き枕を拝命いたします~
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる