現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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リリィさん

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街中は雨が降り始めているからなのか人影はほとんど無かった。
初めてくる違う街だから本当は色々見て回りたいが、セレスさんの後をついて行く事が今は優先だ。
だけど…

「あの、セレスさん。あれは…?」

私は街の中央にある大きな鐘を指差した。

「あぁ、あれは2人で鳴らすと幸せになる、って言われているよ」

「へぇ~、ロマンチックですね」

セレスさんは私の方をチラリと見てくる。
しかし、私はその視線を見ようとせず、鐘の方を見ていた。

雨はポツリポツリと先程よりも降り始めてきた。

「降ってきちゃいましたね、屋敷はどっちですか?」

「…あぁ、うん。こっちだよ」

歩きながらセレスさんは鐘の方を何度も気にしていた。
なんとなく分かったけど私はあえて無視をした。
その後は終始無言のまま屋敷に向かい、一際大きな建物が出てきた。

すると、建物の中から小さな女性が出てきた…。

「セレス!」

「…リリィ」

どうやらこの小さな女性がセレスさんの好きな人みたいだ。

長いブロンドの髪がお腹付近まであり、全体的にウェーブが掛かっており、目元はクリッとしていて雰囲気は守ってあげたい感じを醸し出している。

なるほど…男性が好きそうなタイプだなぁってすぐに分かった。

「どうしたの?急に。手紙に書いた日はまだ先だよ。
あっ!もしかして私に会いたいからいてもたっても居られず!?
そうだよね!嬉しい!さぁ、早く入って」

「あの、リリィ…実は…」

セレスさんはチラッと横に目を向け、リリィさんにも分かる様な仕草をする。

「誰?あなた?」

「リリィ…僕のメイドのあやかさん。訳あって…」

「メイド…?なんで?今までそんなの居なかったよね?今日はなんで?」

「ほら、猫が好きだって言ってたよね?だから連れてきて貰うために今日は…」

「ふ~ん…」

不満で仕方ないって顔で私を見てくる。
だから咄嗟に話を合わせるためにアッシュを見せた。

「白猫…。私、白猫はあんまりなんだけど…」

「えっ…だって、前、白猫が1番だって…」

「まぁ、いいわ。中に入って、セレス。メイドさんはダメだけど」

「なんで??こんな雨が降り出しそうな時に…。中に入れてあげてよ。風邪ひいてしまう!」

必死なセレスさんにリリィさんは私をもう一度見てきた。
しかも今度は馬から降りるようにいってくる。

『わがままと言うか、厄介な人に目つけられたわね』

ここで変な風にことを荒げても仕方ないので私はクロウリーから降り、リリィさんと対峙した。
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