現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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こんな時に…

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あれからかなり経つがナルビアから追ってくる感じは全く無かった。

「来ない、ですね」

「そうだね、それならそれで良いんだけど。それよりコレ返しておかないと…」

セレスさんは大事そうに持っている私のストールを渡すためセレスティを私の方へと誘導する。
馬上で受け取ろうと手を伸ばすがなかなか上手くいかない…。

『無理するな、今じゃなくて良いだろ』

クロウリーは私を気遣い着いてからでも良いと促すが、寒さもあり私は今、欲しかった。
もう一度手を伸ばすが、バランスを崩し左足が鐙から外れ今にも落馬しそうになった。

「危ない!」

セレスさんは私の左手を掴み引き上げようと試みたが、セレスさんもバランスを崩し一緒に地面に落ちた。

咄嗟に私の下に潜り込み地面に落ちた時、私の体はセレスさんの体の上にあった。

「ぐっ!」

「大丈夫ですか?」

「平気平気、それよりあやかさんこそ怪我はない?」

「私は大丈夫ですが、セレスさんこそどこか痛めてませんか?ごめんなさい…私がちゃんと受け取れなかったから…」

「優しいね、あやかさんは。リリィなんかよりずっと…。もっと君を知りたい…」

ドキッとした。
こんなにも想ってくれるのは素直に嬉しかった。
でも…婚約破棄をしてからまだ1日しか経ってなく直ぐに気持ちを切り替えれるセレスさんが不思議でならなかった。

「セレスさん…気持ちは嬉しいですが、私はまだあなたをよく知らない。それに、あなたは昨日あんな事があったのにすぐに…。
私にはそんな事出来ない。目的が違うなら優しい言葉はかけないで欲しいです…」

「リリィの事は終わったんだ!
僕は君をこれからもっともっと知りたい、そして…君と結婚したい」

こんな場面でプロポーズしてきた…。
でも、嬉しい気持ちなんて全く湧かなかった。

私はセレスさんの体の上から降りローツェに戻ろうと言うが、セレスさんは戻る事を拒否してくる。
まだ2人でいたいと懇願し、私の前に立ち上がった。

「セレスさん、私、もう帰りたい。結婚なんて今は考えれません。前も言いましたけど、ほとんど知らないのに一緒になるなんて…私には無理…」

伝わって欲しいと願い、私は今の思いをぶつけた。

「……分かった」

小さく呟くとセレスさんは馬に乗り、私が乗るのを待っていた。

「…帰ろう、ローツェに」

重い空気が漂う中、私達はローツェに向け再び歩み出した。

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