現実は非モテでも、転生先ではモテモテで求婚されまくりで迷惑です

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マリーさん

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中から返事がないためもう一度ノックされた。

「はいっ!どうぞ!」

ゆっくりと扉が開きメイドが配膳を持ちながら入ってきた。
良かった…もう安心だ、と思い扉に向かい駆けていた足を止めた。

「クロウ様から指示されたお食事をお持ちしました。
…あっ。申し訳ありません。アラン様もいらっしゃったとは。
す、すぐにもう一膳持って参ります!」

近くのテーブルに配膳したお盆を置き、すぐに取りに行こうとしている。

「大丈夫です!この人はすぐに出て行きますので!」

メイドはアランさんの方を見ると少し残念そうな顔を見せていた。
それを見てやっぱりもう一膳あった方が…と解釈したようだ。

「いえ、すぐに持って参ります!お待ち下さい!」

「いいの、本当に要らないから!出ていかないで!?」

首を傾げ、私が何故こんな必死に頼むのかさっぱりな様子だった。

「ごめんね。ちょっと言い争ってしまい不安定なんだ。僕は大丈夫だから下がっていいよ」

口から出まかせを言い、早くこの場からメイドを追い出そうとしてくるアランさんを私は激しく非難した。

「言い争ってなんかいない!この人は私を!
お願い…いかないで…お願い…」

泣きながら頼む私にメイドは困惑してしまっていた。
でも、こんなに出て行く事を止める事は尋常じゃない事は伝わっていた。

「アラン様…何かされたのでしょうか?
こんなに震えているのは少しおかしいです…」

「言い争い、だよ。変な詮索はやめてくれないか?
とにかく早く君は仕事に戻りなさい」

「…出来ません」

メイドは私に近づき側にいてくれた。
そっと背中に手を置き、大丈夫だと慰めてくれる。
その優しさに心が折れ、私はさらに泣く。

「アラン様、今は部屋を出ませんか?
このままではちゃんと話し合えないと思いますので…」

アランさんはメイドに寄りかかる私を見て、フンッと不満そうな様子だった。
そして、仕方ない…と部屋を出て行った。

扉が閉まり深く、はぁ…と息を吐く私をメイドは優しく抱きしめて言う。

「怖かったですよね…もう大丈夫です。
何かあったら話してください。私、マリーと言います」

「マリーさん…」

「じゃあ、私は仕事に戻らないと…ゆっくり食べて休んでくださいね」

私から離れ、部屋を後にしようとする。

「あの!私、あやかと言います。また話したいです…」

マリーさんは『もちろん』と言いニッコリと笑った。
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