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『キジンの復活』編
第4話 ⑥
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──王都ドミル・サントロウに着くや否や、オレ達は王城に案内された。
城の周辺には、サアルの鎧と似た鋼の鎧を着た兵士が見回りを続けている。でも、慌ただしく走っている兵士の姿も見て取れた。
「何かあったのでしょうか?」
「確かに。いつも穏やかな城内が、このように慌ただしい様子は俺も初めて見るな」
眉をひそめるシェルティとサアル。そして、耳をすましていたリゼも深刻そうに眉間にシワを寄せる。
「……モンスターがどうのこうノ、『ヴァシティガ』が何とか、って話してるみたいダ」
「リゼ、耳がいいんだったな。遠くの話し声でも聞こえるのは便利だな」
「ですが、ヴァシティガって何でしょう?」
シェルティが首をかしげると、わからないオレとリゼも首をかしげた。
ただ、サアルだけは何か心当たりがあったのか、アゴヒゲをさすりながら答える。
「『ヴァシティガの洞窟』のことだろう。王都から北東に少し行った場所にある洞窟で、奥には遺跡らしき建造物があったはずだが、取り立てて何か騒ぎになるような場所でもなかったはず……」
洞窟とモンスターで大騒ぎ。嫌な予感しかしないこの状況にオレはさらなる嫌な予感を覚える。
「何か事件よ! すぐ行きましょ、ガウル!」
「すぐ行くって、意味もわからずやる気を出すなよ! 絶対危ない状況だろ。洞窟でモンスターって!」
やっぱり首を突っ込もうとするアスカ。せめて事態を把握してくれ……
「戦女神様も何か感じ取られてらっしゃるのか。
わかりました、このサアル。急ぎ陛下のもとへ行き、事態を確認して参ります!」
「お前までやる気出すなっ! こいつのはただの遊び心とお節介なんだから、何も感じてねぇよ!」
「また貴様は戦女神様にそのような態度を……。どちらにせよ、陛下に謁見せねばならないだろう? 俺が先に行って話をしてくる。
陛下に拝謁を賜るのに、いきなり押しかけていいと思ったのか? 田舎者!」
「悪かったな! 田舎者で!」
マジで嫌な奴だな、こいつ……。言ってることは間違ってないけど、言い方がムカつく。
「兵士に貴賓室に案内するように伝えておく。そこで待っていてくれ」
「ええ!? わたくし達も貴賓扱いになるんですかっ!」
「当然だ。経緯はどうあれ、伝説の英雄とそのお仲間をここに突っ立たせておくわけにはいかんだろう。では、失敬」
そう言い残してサアルは行ってしまった。田舎者扱いしといて貴賓も何もないだろうに……
「──何、怒ってるのよ。顔にイライラしてますって書いてるわよ」
「怒ってねぇよ。あいつ、ここで仲間から外れてくれるんだろうな?」
「え? 唯一の回復魔法使いなのに外すの?」
「王様に頼んで別の誰かを紹介してもらえばいいだろ。
あんな嫉妬心の塊、一緒にいてもムカムカギスギスするだけだろ?」
今後も魔族と戦うんだから、仲間とは常に仲良く和気あいあいでいられればいいって思ってるわけじゃないけど、だからってギスギスと軋轢を生むのは問題だ。特にあいつは第一印象から再会以降も印象悪すぎ。
「そんな子供みたいに毛嫌いしなくても。不器用なだけだと思うんだけどな、あの人」
「なんだよ、アスカはあいつの味方か? あいつのこと、まだ何もわかってないくせに」
「味方したいわけじゃないけど、さっき馬車の中でガウルも皆も寝ちゃったあと、あの人、独り言つぶやいたのよね。私に聞こえてるの忘れてさ」
「独り言? なんて?」
「──英雄になれなくても、英雄に仕えることができればそれだけでよかったのに。どうして素直になれんのだ、俺は……だったかな?」
「……あいつ、んなこと言ってたのかよ」
本当に英雄に心酔してんだな、あいつ。バカ真面目で不器用っていうのはオレも気付いてたけど……
魔族を倒して世界の平和を守りたい気持ちはオレにもあるけど、英雄に対する思いはサアルの方が格段に強いのだろう。
アスカの人柄を知っている分、オレは英雄に対して冷めてる部分もあるだろうし。
「もしかして私達の跡をつけてたのだって、仲間になりたいって声をかけるタイミングを見失ってただけなのかもよ?」
「どんだけ面倒くさい奴なんだよ、それ……」
「極度のツンデレね、あれ」
ツンデレ。前に聞いたことがある嫌な響きの謎単語。
「そういやツンデレの意味、聞いてなかったけど……?」
「表向きはツンツン冷たく接するのに、実は心の中ではデレデレしたい、あるいはふと思わずデレデレしちゃうって感じな人かしら」
「うあ、マジで面倒くさいわっ!」
どうすりゃいいんだ、対処に困るぞ。しかも相手は年上の大男。
「確かに男キャラでそれはどうなのって思うけど、突き放すのは可哀想よ。仲間にするとなんか面白そうだし」
「本音漏れてるぞ、お前……」
なんか面白そうなことになりそうだから仲間にしちゃう流れかよ。
こっちはシェルティとリゼだけでも手一杯だっての……
「英雄に憧れる騎士か……。オレはどうすりゃいいんだよ……」
オレが肩を落としていると、そこに兵士が現れてオレ達を城の中へ迎え入れてくれた。
***
──通された広い部屋。オレ達三人しかいないのに、二十人は囲んで座れそうな長いテーブルが中心にあり、真っ赤な絨毯が目に刺さるほど鮮やかだ。
多分、ここが貴賓室という部屋なのだろうか、よくわからんがとても落ち着いていられる空間ではない。
「こういう時、オレは田舎者って痛感するよな」
「何よ、まだサアルに言われたこと気にしてるの?」
「違う。こういう時、英雄ならどうしてればいいんだって悩んでるだけだよ」
「ガウルはガウルのままで、ガウルらしく普通通りにしとけば大丈夫よ」
「オレらしくって、またそんな無責任なこと……」
オレは頭を抱えるが、アスカはニコニコしながらオレを眺め続けた。マジでこいつには敵わないな……
アスカはいつもいつでも自分を貫いていそうで、なんかすごいと思うが、誉めてるみたいで癪だから黙っておこう。
すると、シェルティが苦笑しながらふとしゃべりだす。
「ガウルさん、なんだか行く先々でトラブル続きですね」
「全くだな。疫病神にでも取り憑かれてんのかな」
「誰が疫病神ですって?」
「にらむなよ、アスカのこと言ったんじゃないから!」
今にも祟ってきそうなアスカをなだめていると、リゼは満面に笑みを浮かべて言う。
「さすがガウル。そういう運命なんダナ! 英雄の星ダ!」
「ははは……輝くのに疲れた星だけどな」
そうこう話しているうちに部屋の扉が開いてサアルが入ってきた。
「待たせたな。陛下がお待ちだ、案内しよう」
「意外に早かったな。もっと時間がかかるのかと思ってた」
王様ともなれば公務も多そうだと勝手に考えてたけど、案外自由がきくのだろうか。
「伝説の英雄が訪れたのだ。すぐ会わないで済ませるような陛下ではない」
「なるほど。計らってくれたんだな」
「騒ぎの真相はつかめたのですか?」
「……それについては陛下が直接説明したいらしい」
シェルティの問いにサアルは微妙に顔をしかめて言葉を濁した。
「とりあえず来てくれ、こっちだ」
サアルに連れられて廊下を進むと、すれ違う兵士は次々と敬礼をしていた。そういえばサアルも一応、エリート騎士の王国聖騎士団だったな。皆からの信頼は篤いようだ。
そして、ひときわ大きな扉のその向こうに見えた赤い絨毯が続いた先には、金の椅子に腰掛けた白髪と白ヒゲの爺さんが──って、あの人が国王だよな。
口に出して爺さんなんて言ったらどうなることやら。
「金の刺繍の白ローブに、金の装飾品がジャラジャラ。いかにも王様ですって感じのお爺さんね」
「……ここにもいた。国王を爺さん呼ばわりする奴……」
「ほら、いくわよ。ガウル」
ホントに姿が見えないってうらやましい。と思いつつ、アスカのあとに続いて歩きだす。
城の周辺には、サアルの鎧と似た鋼の鎧を着た兵士が見回りを続けている。でも、慌ただしく走っている兵士の姿も見て取れた。
「何かあったのでしょうか?」
「確かに。いつも穏やかな城内が、このように慌ただしい様子は俺も初めて見るな」
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「ですが、ヴァシティガって何でしょう?」
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ただ、サアルだけは何か心当たりがあったのか、アゴヒゲをさすりながら答える。
「『ヴァシティガの洞窟』のことだろう。王都から北東に少し行った場所にある洞窟で、奥には遺跡らしき建造物があったはずだが、取り立てて何か騒ぎになるような場所でもなかったはず……」
洞窟とモンスターで大騒ぎ。嫌な予感しかしないこの状況にオレはさらなる嫌な予感を覚える。
「何か事件よ! すぐ行きましょ、ガウル!」
「すぐ行くって、意味もわからずやる気を出すなよ! 絶対危ない状況だろ。洞窟でモンスターって!」
やっぱり首を突っ込もうとするアスカ。せめて事態を把握してくれ……
「戦女神様も何か感じ取られてらっしゃるのか。
わかりました、このサアル。急ぎ陛下のもとへ行き、事態を確認して参ります!」
「お前までやる気出すなっ! こいつのはただの遊び心とお節介なんだから、何も感じてねぇよ!」
「また貴様は戦女神様にそのような態度を……。どちらにせよ、陛下に謁見せねばならないだろう? 俺が先に行って話をしてくる。
陛下に拝謁を賜るのに、いきなり押しかけていいと思ったのか? 田舎者!」
「悪かったな! 田舎者で!」
マジで嫌な奴だな、こいつ……。言ってることは間違ってないけど、言い方がムカつく。
「兵士に貴賓室に案内するように伝えておく。そこで待っていてくれ」
「ええ!? わたくし達も貴賓扱いになるんですかっ!」
「当然だ。経緯はどうあれ、伝説の英雄とそのお仲間をここに突っ立たせておくわけにはいかんだろう。では、失敬」
そう言い残してサアルは行ってしまった。田舎者扱いしといて貴賓も何もないだろうに……
「──何、怒ってるのよ。顔にイライラしてますって書いてるわよ」
「怒ってねぇよ。あいつ、ここで仲間から外れてくれるんだろうな?」
「え? 唯一の回復魔法使いなのに外すの?」
「王様に頼んで別の誰かを紹介してもらえばいいだろ。
あんな嫉妬心の塊、一緒にいてもムカムカギスギスするだけだろ?」
今後も魔族と戦うんだから、仲間とは常に仲良く和気あいあいでいられればいいって思ってるわけじゃないけど、だからってギスギスと軋轢を生むのは問題だ。特にあいつは第一印象から再会以降も印象悪すぎ。
「そんな子供みたいに毛嫌いしなくても。不器用なだけだと思うんだけどな、あの人」
「なんだよ、アスカはあいつの味方か? あいつのこと、まだ何もわかってないくせに」
「味方したいわけじゃないけど、さっき馬車の中でガウルも皆も寝ちゃったあと、あの人、独り言つぶやいたのよね。私に聞こえてるの忘れてさ」
「独り言? なんて?」
「──英雄になれなくても、英雄に仕えることができればそれだけでよかったのに。どうして素直になれんのだ、俺は……だったかな?」
「……あいつ、んなこと言ってたのかよ」
本当に英雄に心酔してんだな、あいつ。バカ真面目で不器用っていうのはオレも気付いてたけど……
魔族を倒して世界の平和を守りたい気持ちはオレにもあるけど、英雄に対する思いはサアルの方が格段に強いのだろう。
アスカの人柄を知っている分、オレは英雄に対して冷めてる部分もあるだろうし。
「もしかして私達の跡をつけてたのだって、仲間になりたいって声をかけるタイミングを見失ってただけなのかもよ?」
「どんだけ面倒くさい奴なんだよ、それ……」
「極度のツンデレね、あれ」
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「そういやツンデレの意味、聞いてなかったけど……?」
「表向きはツンツン冷たく接するのに、実は心の中ではデレデレしたい、あるいはふと思わずデレデレしちゃうって感じな人かしら」
「うあ、マジで面倒くさいわっ!」
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「確かに男キャラでそれはどうなのって思うけど、突き放すのは可哀想よ。仲間にするとなんか面白そうだし」
「本音漏れてるぞ、お前……」
なんか面白そうなことになりそうだから仲間にしちゃう流れかよ。
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オレが肩を落としていると、そこに兵士が現れてオレ達を城の中へ迎え入れてくれた。
***
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多分、ここが貴賓室という部屋なのだろうか、よくわからんがとても落ち着いていられる空間ではない。
「こういう時、オレは田舎者って痛感するよな」
「何よ、まだサアルに言われたこと気にしてるの?」
「違う。こういう時、英雄ならどうしてればいいんだって悩んでるだけだよ」
「ガウルはガウルのままで、ガウルらしく普通通りにしとけば大丈夫よ」
「オレらしくって、またそんな無責任なこと……」
オレは頭を抱えるが、アスカはニコニコしながらオレを眺め続けた。マジでこいつには敵わないな……
アスカはいつもいつでも自分を貫いていそうで、なんかすごいと思うが、誉めてるみたいで癪だから黙っておこう。
すると、シェルティが苦笑しながらふとしゃべりだす。
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「誰が疫病神ですって?」
「にらむなよ、アスカのこと言ったんじゃないから!」
今にも祟ってきそうなアスカをなだめていると、リゼは満面に笑みを浮かべて言う。
「さすがガウル。そういう運命なんダナ! 英雄の星ダ!」
「ははは……輝くのに疲れた星だけどな」
そうこう話しているうちに部屋の扉が開いてサアルが入ってきた。
「待たせたな。陛下がお待ちだ、案内しよう」
「意外に早かったな。もっと時間がかかるのかと思ってた」
王様ともなれば公務も多そうだと勝手に考えてたけど、案外自由がきくのだろうか。
「伝説の英雄が訪れたのだ。すぐ会わないで済ませるような陛下ではない」
「なるほど。計らってくれたんだな」
「騒ぎの真相はつかめたのですか?」
「……それについては陛下が直接説明したいらしい」
シェルティの問いにサアルは微妙に顔をしかめて言葉を濁した。
「とりあえず来てくれ、こっちだ」
サアルに連れられて廊下を進むと、すれ違う兵士は次々と敬礼をしていた。そういえばサアルも一応、エリート騎士の王国聖騎士団だったな。皆からの信頼は篤いようだ。
そして、ひときわ大きな扉のその向こうに見えた赤い絨毯が続いた先には、金の椅子に腰掛けた白髪と白ヒゲの爺さんが──って、あの人が国王だよな。
口に出して爺さんなんて言ったらどうなることやら。
「金の刺繍の白ローブに、金の装飾品がジャラジャラ。いかにも王様ですって感じのお爺さんね」
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