37 / 52
『キジンの復活』編
『キジンの復活』編 エピローグ
しおりを挟む
──ヴァシティガの洞窟での一波乱後、王都に戻って数日が経った。
王城内にある庭園をオレはアスカと歩いていた。
小川が流れ、水車が回り、小さな池には鯉が泳いでいる。小高い木には名もわからぬ赤い花。
この故郷を思い起こさせる落ち着いた空間に、今はオレ達以外には誰もいない。
「なぜ、ヨーロッパ風の城の中に日本風庭園……」
と、アスカは何やら困惑しているが、無視無視。
「ねぇ、オージンの方は何か進展があったの?」
「いや、まだ何も」
オレは鯉にエサをあげながら首を振った。
オージンは王都に着いてから、すぐに封印の首飾りを作り直そうと試みているようだが、現代は二千年前よりも技術力が低下しているようで頭を抱えていた。
材料もそろわず、今すぐに機界人を封印し直すことは不可能と判断して、機界人を捕縛している石は王都で厳重に保管されることとなった。
「オージンって鬼人のくせに魔王のこと知らないのよね?」
「ああ。『魔王・ウラ』って奴なんか知らないってさ。
そもそも魔王がキジンって言われても、鬼人なのか機界人なのかわからないんだろ?」
「うーん。だけどオージン、あの時何か引っかかること言ってたような……?」
「あの時? どの時だよ?」
「……気付いてないなら、いいわ」
アスカは苦笑している。何か企んでるような顔でもある。なんか怖い……
「まさか、魔王っていないとか? オレ的にはそれでもいいんだけどなぁ」
「ゲーム的にはどうなのよ……それ。魔人の目的もよくわからないままだし」
「ああ、シューレイド以来、最近見てないな。出てこないならいいだろ、それも」
「いや、それもどうなのよ……」
なぜ、困難を望むのだろうか。アスカの奴。平和が一番だろうに……
「リゼは今、どうしてるの?」
「サアルに頼まれて相変わらずオージンの監視してるよ。悪さしないようにな」
「悪さどころか、二千年ぶりの世界にウキウキしてたじゃない。
そういえばオージンって緑色の着物を着てたわね。あれも何故か和服だったけど嬉しそうに着てたし」
数ある色の中で「緑は癒しの色じゃ! 他の色の服なんてあり得ん!」って、なんかこだわって緑を選んだらしい。ヒーラーとしてのポリシーなのだろうか……?
「ワフク? リゼが選んだから森使国の民族衣装の着物にしたみたいだぜ。色はともかく、王都でも売ってるもんなんだな」
「謎の流通システム。ゲームでよくあることだわ。
でも、武器に笑っちゃったわよ。鬼に警棒ってなんかのジョークかと」
「ケーボー? ああ、『警棒』のことか。
あれ一応、長杖と同じで魔力強化用の武器の分類だから、ちゃんと魔力も増えるんだぜ? 先も尖ってないからそれにしたってさ」
まあ、オージンなら自前の牙でかみ付いたり、角で頭突きしたり、尻尾でビンタした方が強そうだけど。
「それよりも笑えたっていえば、オージンとサアルだろ?」
「ああ! オージンが髪を整えて無精ヒゲも剃ったらサアルより若く見えた問題ね。サアル、号泣してて笑ったわ」
今もオージンは人間に化けている。ボサボサだった髪もさっぱり切りそろえ、ヒゲを全て剃るとあら不思議。若いイケメンになったオージン。
ただし、しゃべるとあの調子だから『しゃべらなければ』が頭に付くイケメンだけど。
「オージンは三十五歳だったんだぜ。二十五歳のサアルがそれより老けて見えるとか、泣くだろ」
「あの二人は年齢設定入れ替えた方がいいわよ」
鬼人は人間より長生きで、成長や老化が遅いことが人間より若く見える原因らしい。人間に化けてるからなおさら若く見えるとのこと。
ちなみに機界人は不老の体らしい。厄介な奴らだぜ、全く……
「で、そのサアルは騎士の仕事で忙しいんだっけ?」
「ああ。サアルだけじゃない、歴史の彼方に忘れ去られてた機界人とか出てきたから、城全体が慌ただしい感じだな」
「シェルティは?」
「今後どうするか決まるまでオレ達は王都に滞在することになっただろう?
その間、王都の魔導大学院に通わせてもらうんだってさ。いろいろ勉強になるらしいぜ」
「みんな、それぞれ大変そうねぇ」
と、つぶやいてからアスカはオレを見てニヤニヤと笑う。
「でも、ガウルは暇そうね。せっかく王様からこうして自由に城を歩き回れる身分をもらえたのに」
「うっ……
これでも一応、王都の人達の厄介事を引き受けて解決してるんだよ! 英雄のやることじゃないけど……」
この前、王様から英雄としての特権と最上級の軍服をもらったのだが、なんだか馬子にも衣装という感じ。
この軍服が鮮やかな赤色なのはアスカが選んだせいである。赤色なんて目立つだろってつっこんだが、アスカいわく『リーダーは赤』らしい。何のこっちゃ。
まあ、村から着てきた麻服よりは英雄らしい見た目になれた気がする。見た目だけで中身は厄介事引受人なんだけども。
「今はこうしてても、いろいろ目まぐるしく回ってるし、いつまでこうしていられるか……」
「でもさ、こうして二人きりでのんびり話すのも久し振りというか、初めてに近いわね」
「アスカのことがよくわからんうちにシェルティと出会ったし、あれよあれよと言う間にここまで来ちゃったしな」
今さらながらオレとアスカはそう言って笑った。
アスカと出会ってオレの人生は一変した。ここに今こうしていることも、ほんの少し前まで全く想像もしていなかったことだ。
まだそんなに多くない思い出を浮かべていると、ふとオレはアスカに聞いてみたいことを思い出した。
「──この世界はアスカからしてみたらゲームなんだろ? ExPだっけ?」
「そうだけど、どうして?」
アスカは困り顔。たぶんゲームだと言われることを嫌っていたオレから、こういう質問をしたせいだろう。
「聞きたかったことを聞きそびれてたんだよ。ゲームだから世界観が選べるんだろ?
だったら、なんでギャグファンタジーなんか選んだんだ? 女なら恋愛とか選びそうなもんだけど」
「女なら恋愛って認識はどうかと思うけど……」
そう言ったあと、なぜか押し黙るアスカ。なんか変なこと聞いたのだろうか。
オレも続けて何を言おうかと迷っているうちに、アスカが再び口を開く。
「今さらちょっと言いにくいんだけど……」
「ん? なんだよ、珍しくしおらしいな」
「珍しく、とか言わないでよ。私、実はゲームは好きなんだけど……」
「好きなんだけど?」
しどろもどろなアスカにオレはオウム返しする。こんなアスカは初めて見るぞ。
そして、散々迷ってから口を開く。
「私、ゲーム……すっごく下手なの!」
「……は……?」
ん? つまりどういうこと?
打ち明けられた秘密にオレの思考が停止する。いやだってそれ──
「それ、知ってたぞ。初めて会った日に木に突撃していった時から知ってた」
「えっ、やっぱりバレてた?」
むしろ隠そうとしてたのかっていう……
「いや、それでどうしてギャグファンタジーを選ぶことに繋がるんだよ?
質問に遠回りで答えようとするのは女の悪いところだぞ」
「それ、男か女か関係あるの……じゃなくて、私、お兄ちゃんが二人いるんだけど、子供の頃は私がゲームが下手なことをグチグチ言われてて嫌だったのよ」
アスカって兄二人の末っ子長女だったのか。って、まだ遠回りしてて理由がよくわからん。
「大学に進学してひとり暮らし始めて、これでのびのびと遊べると思ってこのゲームを買ったんだけど、ゲームの主人公にまでグチグチ言われだしたらどうしようかと思って、主人公が笑って許してくれそうなジャンルを……」
「それでギャグ選んだのかよ!」
「だって、お笑いの人って寛容そうでしょ?」
「誰がお笑いの人だっ!」
「結論、私にトラウマ植え付けたお兄ちゃんのせい」
「人のせいにしてごまかすなっ!」
知りたくなかったこの事実。アスカの兄貴の陰謀でオレは英雄じゃなくて芸人を目指すのか。
もうやだ、こんなの……タスケテ。
ケロリとしてるアスカがまた残酷である。
「でもさ、ギャグファンタジーを選んでよかったわ。ガウルに出会えたんだもの」
「え……」
一瞬、ドキリとした。恋に高鳴る胸というよりは、今後もいいように扱われる恐怖に震える胸……というたとえの方が正確。
「オレ、アスカの言いなりだもんな……」
「違うわよ。ガウル、言ってくれたでしょ。『会えなくなるなら死ぬのと同じ、殺されるのと同じ』だって。
それってさ、『こうして会えるなら生きてるのと同じ、話して笑い合えるなら存在してるのと同じ』ってことよね」
「ん? うーん、そうだと思うけど、何が言いたいんだ?」
「ガウルはゲームの中の人だけど、生きてるのと同じなのかなって。そう思うようになったってことよ。
そう思うと、より一層ガウルとこうしていられることが嬉しく思えたわ。これからも続く旅がどうなるのか、子供の頃みたいにワクワクしてるのよ」
アスカは微笑み、オレを眺めている。
初めて会った時から見せているその微笑みは、今ではさらに優しく輝いているように見えた。
「『ゲームは楽しさを体験させてくれるもの』。それは絶対に譲れない要素だと思うの。
これ以上の楽しい体験はないと思ったのよ。だから、それを教えてくれたガウルに会えてよかったわ」
ここがゲームの世界という自覚はないが、オレの世界からはアスカは遠い存在だ。目の前にいるけど、きっと手を伸ばしても届かない。
だけど、そんなアスカと出会えて今こうしてるのも『キセキの力』のひとつなのだろうか。
何はどうあれ、オレだって今こうしていられることを素直に嬉しいと思う。
あまりにゲームだゲームだと言われるのも嫌だけど、以前ほど嫌な気分にならないのは、アスカという遠い世界の人間の存在を受け入れたからだろう。
戦女神とかいうおぼろげなものではなく、アスカという生きた人間がちゃんとそばにいる──と。
「何よ、なんか笑ってない?」
「いや、最初はオレを作られた物語の住人だとしか思ってなかったのになぁって思ってさ。
オレも出世したもんだぜ。でも、これもツンデレって言うのか?」
「はぁ? 言わないわよ。バーカ」
「バカはひどいだろ、おいっ!」
庭園内を笑いながら逃げ回るアスカを追い回す。
端から見れば独り鬼ごっこだけど、オレは追いかけ続けた。
「あ、クエスト依頼きたわよ」
「うあっ、いきなり止まるな!
というか、その困った人を離れた場所から検索できる能力、便利だよな」
近くで新たな依頼が生まれると依頼者と依頼内容を教えてくれるらしい。
サンブセロンの時も教えてくれてたのだろうか。アスカがその機能に気付いてなかっただけな気もする。
「街の薬屋さんから、薬草が生えてる洞窟にブラック・ラットが大量発生して困ってるって。でも、ブラック・ラットって何?」
「村の近くにホワイト・ラットっていただろ。あれの黒い奴。ちょっと気性が荒いくらいで強さは大差ないよ」
「ああ、あの大っきいハムスターね」
「モンスターな。でもまあ、ラットくらいならオレひとりでも大丈夫だろ。いこうぜ、アスカ!」
「うん、いきましょ!」
オレの誘いにアスカは笑顔でうなずき、そして、オレ達は駆けだした。
***
──その薬草の洞窟にて。
「どっわああぁっ!!」
オレは悲鳴をあげながら全速力で走る。後ろから迫るは黒いもふもふな津波。
「すごいラットの数。これ、勝てるの?」
「勝てないから英雄剣も抜かずに逃げてるんだよ!」
最初は十匹ほどだったラット。なぜか息を合わせたように仲間を呼び寄せて十匹が二十匹に、二十匹が四十匹に。今では何匹になっているのやら……
後ろから津波のごとく押し寄せてきている黒いもふもふの正体は、そのラット達である。
全然出口が見えない暗い洞窟の中、ズルッと足を滑らせたオレはずっこける。
「あ……死ぬかも」
起き上がる前に直感した。あのもふもふにのまれてオレは死ぬのだと。って、そんな死に方やだーっ!
だが、その直後だった。
「──輝煌弾装填! 瞬け!」
聞き覚えのある声が響くと同時に、目潰しの閃光弾が炸裂してラット達は目を回す。
オレも巻き添えをくらって目を焼かれる。
「目がっ、目がぁーっ!」
「何やっとんじゃ。ほれ、回復!──〈ファスト・ヒーリング〉!」
目を押さえてのたうち回ったあと、回復魔法で視界を取り戻すと、そこにいたのはサアルとオージン。そして、なぜか爆笑してるアスカ。
「サアル! 何するんだよ、お前!」
「貴様、助けてやったのにその言い種はなんだ!」
「巻き添えにされて助かってねぇっての! そもそもなんで二人がここに!?」
「偶然リゼと儂があんたらを見かけて、なんか胸騒ぎがしての。みんなを呼んで追いかけてきたんじゃ」
「みんな?」
すると、暗闇から短刀を構えたリゼが飛び出してきた。
「リゼもいるゾ!
くらえ──〈鎌鼬〉!」
地面に短刀を投げつけると、そこから巻き起こった風が爆発を起こしてラット達を吹き飛ばす。
さらにその向こうに長杖を青く輝かせたシェルティの姿も見えた。
「わたくしもいますよ!
──〈スラッシュ・カーラント〉!」
「って、こんな狭いところでそれ使われても避けらっ──」
水流に「ごばぁっ」とのみ込まれると、オレはラット達を巻き添えにして転がる転がるどこまでも。
「あ、言われてみれば避けられませんよね。ごめんなさい……」
「気付くの遅いよ……シェルティ」
リゼは瞬間移動で回避済み。忍者ってズルい……
「いつもいつも大丈夫? しっかりしなさいよ」
「笑い堪えて手を差し伸べるなっ!」
文句を言いながらも、オレは堪えきれずに肩を震わせているアスカの手を取って立ち上がる。
「遊んでないで、さっさと掃討するぞ!」
「回復支援は任せときんさい!」
「リゼ、ネズミは苦手ダ。でも、頑張るゾ!」
「的が多いと楽しいですね! 魔法当て放題です! ふふふ……」
身構えるみんなに続いて、オレもゆっくりと英雄剣を抜く。
「やっぱりみんながそろってる方が楽しいわね。いきましょ、ガウル!」
「楽しいって、お前なぁ。ま、いっか」
楽しいかどうかは別として、心強いことには違いない。
体の操作はアスカに委ね、オレは高らかに叫ぶ。
「いこうぜ、みんな! 反撃開始だっ!!」
──伝説の英雄になったものの、英雄の現実はダサいしキツいし全くいいことなし。困難なんて、乗り越える前に増えていく始末。
だけれど、オレはひとりじゃない。この世界の仲間達と、この世界の向こう側にいるアスカとともに立ち向かえば、どんな困難だって怖くない……はず。
これは、そんな英雄と戦女神の物語である──
王城内にある庭園をオレはアスカと歩いていた。
小川が流れ、水車が回り、小さな池には鯉が泳いでいる。小高い木には名もわからぬ赤い花。
この故郷を思い起こさせる落ち着いた空間に、今はオレ達以外には誰もいない。
「なぜ、ヨーロッパ風の城の中に日本風庭園……」
と、アスカは何やら困惑しているが、無視無視。
「ねぇ、オージンの方は何か進展があったの?」
「いや、まだ何も」
オレは鯉にエサをあげながら首を振った。
オージンは王都に着いてから、すぐに封印の首飾りを作り直そうと試みているようだが、現代は二千年前よりも技術力が低下しているようで頭を抱えていた。
材料もそろわず、今すぐに機界人を封印し直すことは不可能と判断して、機界人を捕縛している石は王都で厳重に保管されることとなった。
「オージンって鬼人のくせに魔王のこと知らないのよね?」
「ああ。『魔王・ウラ』って奴なんか知らないってさ。
そもそも魔王がキジンって言われても、鬼人なのか機界人なのかわからないんだろ?」
「うーん。だけどオージン、あの時何か引っかかること言ってたような……?」
「あの時? どの時だよ?」
「……気付いてないなら、いいわ」
アスカは苦笑している。何か企んでるような顔でもある。なんか怖い……
「まさか、魔王っていないとか? オレ的にはそれでもいいんだけどなぁ」
「ゲーム的にはどうなのよ……それ。魔人の目的もよくわからないままだし」
「ああ、シューレイド以来、最近見てないな。出てこないならいいだろ、それも」
「いや、それもどうなのよ……」
なぜ、困難を望むのだろうか。アスカの奴。平和が一番だろうに……
「リゼは今、どうしてるの?」
「サアルに頼まれて相変わらずオージンの監視してるよ。悪さしないようにな」
「悪さどころか、二千年ぶりの世界にウキウキしてたじゃない。
そういえばオージンって緑色の着物を着てたわね。あれも何故か和服だったけど嬉しそうに着てたし」
数ある色の中で「緑は癒しの色じゃ! 他の色の服なんてあり得ん!」って、なんかこだわって緑を選んだらしい。ヒーラーとしてのポリシーなのだろうか……?
「ワフク? リゼが選んだから森使国の民族衣装の着物にしたみたいだぜ。色はともかく、王都でも売ってるもんなんだな」
「謎の流通システム。ゲームでよくあることだわ。
でも、武器に笑っちゃったわよ。鬼に警棒ってなんかのジョークかと」
「ケーボー? ああ、『警棒』のことか。
あれ一応、長杖と同じで魔力強化用の武器の分類だから、ちゃんと魔力も増えるんだぜ? 先も尖ってないからそれにしたってさ」
まあ、オージンなら自前の牙でかみ付いたり、角で頭突きしたり、尻尾でビンタした方が強そうだけど。
「それよりも笑えたっていえば、オージンとサアルだろ?」
「ああ! オージンが髪を整えて無精ヒゲも剃ったらサアルより若く見えた問題ね。サアル、号泣してて笑ったわ」
今もオージンは人間に化けている。ボサボサだった髪もさっぱり切りそろえ、ヒゲを全て剃るとあら不思議。若いイケメンになったオージン。
ただし、しゃべるとあの調子だから『しゃべらなければ』が頭に付くイケメンだけど。
「オージンは三十五歳だったんだぜ。二十五歳のサアルがそれより老けて見えるとか、泣くだろ」
「あの二人は年齢設定入れ替えた方がいいわよ」
鬼人は人間より長生きで、成長や老化が遅いことが人間より若く見える原因らしい。人間に化けてるからなおさら若く見えるとのこと。
ちなみに機界人は不老の体らしい。厄介な奴らだぜ、全く……
「で、そのサアルは騎士の仕事で忙しいんだっけ?」
「ああ。サアルだけじゃない、歴史の彼方に忘れ去られてた機界人とか出てきたから、城全体が慌ただしい感じだな」
「シェルティは?」
「今後どうするか決まるまでオレ達は王都に滞在することになっただろう?
その間、王都の魔導大学院に通わせてもらうんだってさ。いろいろ勉強になるらしいぜ」
「みんな、それぞれ大変そうねぇ」
と、つぶやいてからアスカはオレを見てニヤニヤと笑う。
「でも、ガウルは暇そうね。せっかく王様からこうして自由に城を歩き回れる身分をもらえたのに」
「うっ……
これでも一応、王都の人達の厄介事を引き受けて解決してるんだよ! 英雄のやることじゃないけど……」
この前、王様から英雄としての特権と最上級の軍服をもらったのだが、なんだか馬子にも衣装という感じ。
この軍服が鮮やかな赤色なのはアスカが選んだせいである。赤色なんて目立つだろってつっこんだが、アスカいわく『リーダーは赤』らしい。何のこっちゃ。
まあ、村から着てきた麻服よりは英雄らしい見た目になれた気がする。見た目だけで中身は厄介事引受人なんだけども。
「今はこうしてても、いろいろ目まぐるしく回ってるし、いつまでこうしていられるか……」
「でもさ、こうして二人きりでのんびり話すのも久し振りというか、初めてに近いわね」
「アスカのことがよくわからんうちにシェルティと出会ったし、あれよあれよと言う間にここまで来ちゃったしな」
今さらながらオレとアスカはそう言って笑った。
アスカと出会ってオレの人生は一変した。ここに今こうしていることも、ほんの少し前まで全く想像もしていなかったことだ。
まだそんなに多くない思い出を浮かべていると、ふとオレはアスカに聞いてみたいことを思い出した。
「──この世界はアスカからしてみたらゲームなんだろ? ExPだっけ?」
「そうだけど、どうして?」
アスカは困り顔。たぶんゲームだと言われることを嫌っていたオレから、こういう質問をしたせいだろう。
「聞きたかったことを聞きそびれてたんだよ。ゲームだから世界観が選べるんだろ?
だったら、なんでギャグファンタジーなんか選んだんだ? 女なら恋愛とか選びそうなもんだけど」
「女なら恋愛って認識はどうかと思うけど……」
そう言ったあと、なぜか押し黙るアスカ。なんか変なこと聞いたのだろうか。
オレも続けて何を言おうかと迷っているうちに、アスカが再び口を開く。
「今さらちょっと言いにくいんだけど……」
「ん? なんだよ、珍しくしおらしいな」
「珍しく、とか言わないでよ。私、実はゲームは好きなんだけど……」
「好きなんだけど?」
しどろもどろなアスカにオレはオウム返しする。こんなアスカは初めて見るぞ。
そして、散々迷ってから口を開く。
「私、ゲーム……すっごく下手なの!」
「……は……?」
ん? つまりどういうこと?
打ち明けられた秘密にオレの思考が停止する。いやだってそれ──
「それ、知ってたぞ。初めて会った日に木に突撃していった時から知ってた」
「えっ、やっぱりバレてた?」
むしろ隠そうとしてたのかっていう……
「いや、それでどうしてギャグファンタジーを選ぶことに繋がるんだよ?
質問に遠回りで答えようとするのは女の悪いところだぞ」
「それ、男か女か関係あるの……じゃなくて、私、お兄ちゃんが二人いるんだけど、子供の頃は私がゲームが下手なことをグチグチ言われてて嫌だったのよ」
アスカって兄二人の末っ子長女だったのか。って、まだ遠回りしてて理由がよくわからん。
「大学に進学してひとり暮らし始めて、これでのびのびと遊べると思ってこのゲームを買ったんだけど、ゲームの主人公にまでグチグチ言われだしたらどうしようかと思って、主人公が笑って許してくれそうなジャンルを……」
「それでギャグ選んだのかよ!」
「だって、お笑いの人って寛容そうでしょ?」
「誰がお笑いの人だっ!」
「結論、私にトラウマ植え付けたお兄ちゃんのせい」
「人のせいにしてごまかすなっ!」
知りたくなかったこの事実。アスカの兄貴の陰謀でオレは英雄じゃなくて芸人を目指すのか。
もうやだ、こんなの……タスケテ。
ケロリとしてるアスカがまた残酷である。
「でもさ、ギャグファンタジーを選んでよかったわ。ガウルに出会えたんだもの」
「え……」
一瞬、ドキリとした。恋に高鳴る胸というよりは、今後もいいように扱われる恐怖に震える胸……というたとえの方が正確。
「オレ、アスカの言いなりだもんな……」
「違うわよ。ガウル、言ってくれたでしょ。『会えなくなるなら死ぬのと同じ、殺されるのと同じ』だって。
それってさ、『こうして会えるなら生きてるのと同じ、話して笑い合えるなら存在してるのと同じ』ってことよね」
「ん? うーん、そうだと思うけど、何が言いたいんだ?」
「ガウルはゲームの中の人だけど、生きてるのと同じなのかなって。そう思うようになったってことよ。
そう思うと、より一層ガウルとこうしていられることが嬉しく思えたわ。これからも続く旅がどうなるのか、子供の頃みたいにワクワクしてるのよ」
アスカは微笑み、オレを眺めている。
初めて会った時から見せているその微笑みは、今ではさらに優しく輝いているように見えた。
「『ゲームは楽しさを体験させてくれるもの』。それは絶対に譲れない要素だと思うの。
これ以上の楽しい体験はないと思ったのよ。だから、それを教えてくれたガウルに会えてよかったわ」
ここがゲームの世界という自覚はないが、オレの世界からはアスカは遠い存在だ。目の前にいるけど、きっと手を伸ばしても届かない。
だけど、そんなアスカと出会えて今こうしてるのも『キセキの力』のひとつなのだろうか。
何はどうあれ、オレだって今こうしていられることを素直に嬉しいと思う。
あまりにゲームだゲームだと言われるのも嫌だけど、以前ほど嫌な気分にならないのは、アスカという遠い世界の人間の存在を受け入れたからだろう。
戦女神とかいうおぼろげなものではなく、アスカという生きた人間がちゃんとそばにいる──と。
「何よ、なんか笑ってない?」
「いや、最初はオレを作られた物語の住人だとしか思ってなかったのになぁって思ってさ。
オレも出世したもんだぜ。でも、これもツンデレって言うのか?」
「はぁ? 言わないわよ。バーカ」
「バカはひどいだろ、おいっ!」
庭園内を笑いながら逃げ回るアスカを追い回す。
端から見れば独り鬼ごっこだけど、オレは追いかけ続けた。
「あ、クエスト依頼きたわよ」
「うあっ、いきなり止まるな!
というか、その困った人を離れた場所から検索できる能力、便利だよな」
近くで新たな依頼が生まれると依頼者と依頼内容を教えてくれるらしい。
サンブセロンの時も教えてくれてたのだろうか。アスカがその機能に気付いてなかっただけな気もする。
「街の薬屋さんから、薬草が生えてる洞窟にブラック・ラットが大量発生して困ってるって。でも、ブラック・ラットって何?」
「村の近くにホワイト・ラットっていただろ。あれの黒い奴。ちょっと気性が荒いくらいで強さは大差ないよ」
「ああ、あの大っきいハムスターね」
「モンスターな。でもまあ、ラットくらいならオレひとりでも大丈夫だろ。いこうぜ、アスカ!」
「うん、いきましょ!」
オレの誘いにアスカは笑顔でうなずき、そして、オレ達は駆けだした。
***
──その薬草の洞窟にて。
「どっわああぁっ!!」
オレは悲鳴をあげながら全速力で走る。後ろから迫るは黒いもふもふな津波。
「すごいラットの数。これ、勝てるの?」
「勝てないから英雄剣も抜かずに逃げてるんだよ!」
最初は十匹ほどだったラット。なぜか息を合わせたように仲間を呼び寄せて十匹が二十匹に、二十匹が四十匹に。今では何匹になっているのやら……
後ろから津波のごとく押し寄せてきている黒いもふもふの正体は、そのラット達である。
全然出口が見えない暗い洞窟の中、ズルッと足を滑らせたオレはずっこける。
「あ……死ぬかも」
起き上がる前に直感した。あのもふもふにのまれてオレは死ぬのだと。って、そんな死に方やだーっ!
だが、その直後だった。
「──輝煌弾装填! 瞬け!」
聞き覚えのある声が響くと同時に、目潰しの閃光弾が炸裂してラット達は目を回す。
オレも巻き添えをくらって目を焼かれる。
「目がっ、目がぁーっ!」
「何やっとんじゃ。ほれ、回復!──〈ファスト・ヒーリング〉!」
目を押さえてのたうち回ったあと、回復魔法で視界を取り戻すと、そこにいたのはサアルとオージン。そして、なぜか爆笑してるアスカ。
「サアル! 何するんだよ、お前!」
「貴様、助けてやったのにその言い種はなんだ!」
「巻き添えにされて助かってねぇっての! そもそもなんで二人がここに!?」
「偶然リゼと儂があんたらを見かけて、なんか胸騒ぎがしての。みんなを呼んで追いかけてきたんじゃ」
「みんな?」
すると、暗闇から短刀を構えたリゼが飛び出してきた。
「リゼもいるゾ!
くらえ──〈鎌鼬〉!」
地面に短刀を投げつけると、そこから巻き起こった風が爆発を起こしてラット達を吹き飛ばす。
さらにその向こうに長杖を青く輝かせたシェルティの姿も見えた。
「わたくしもいますよ!
──〈スラッシュ・カーラント〉!」
「って、こんな狭いところでそれ使われても避けらっ──」
水流に「ごばぁっ」とのみ込まれると、オレはラット達を巻き添えにして転がる転がるどこまでも。
「あ、言われてみれば避けられませんよね。ごめんなさい……」
「気付くの遅いよ……シェルティ」
リゼは瞬間移動で回避済み。忍者ってズルい……
「いつもいつも大丈夫? しっかりしなさいよ」
「笑い堪えて手を差し伸べるなっ!」
文句を言いながらも、オレは堪えきれずに肩を震わせているアスカの手を取って立ち上がる。
「遊んでないで、さっさと掃討するぞ!」
「回復支援は任せときんさい!」
「リゼ、ネズミは苦手ダ。でも、頑張るゾ!」
「的が多いと楽しいですね! 魔法当て放題です! ふふふ……」
身構えるみんなに続いて、オレもゆっくりと英雄剣を抜く。
「やっぱりみんながそろってる方が楽しいわね。いきましょ、ガウル!」
「楽しいって、お前なぁ。ま、いっか」
楽しいかどうかは別として、心強いことには違いない。
体の操作はアスカに委ね、オレは高らかに叫ぶ。
「いこうぜ、みんな! 反撃開始だっ!!」
──伝説の英雄になったものの、英雄の現実はダサいしキツいし全くいいことなし。困難なんて、乗り越える前に増えていく始末。
だけれど、オレはひとりじゃない。この世界の仲間達と、この世界の向こう側にいるアスカとともに立ち向かえば、どんな困難だって怖くない……はず。
これは、そんな英雄と戦女神の物語である──
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる