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猫菩薩落慶法要で和尚が寺猫に猫飯にスペシャルバージョンを振舞う。猫大満足

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猫寺の落慶開眼大法要の開始時間は10:00からであるが、関係者は1時間前からスタンバイしている。手伝いの子供達3人も関係者の腕章をして忙しくしている。

開始時間の10分前になったので寺猫25匹も、2人の老師の隣に整列している。王様一行は家族と共に一段後ろにいる。時間になったのでおもむろに観世音菩薩の真言の唱和が始まった。このまま40分続ける予定だ。猫達もミャーミャーと元気よくやっている。

唱和が終わってから王様一行がいつもの最上位の観世音教の装束をつけて祭壇の前に進み出て一礼をしてから上部まで登り、再度一礼して王様と犬2匹が前に進み出た。

8回全員で観世音菩薩の真言(マントラ)オム マニ ぺ メ フ ムを唱和した後に”ムッ”っと短いが鋭い気声を発した。すると15メートルの巨大な青銅製の猫観世音像が現れた。周囲から大きなどよめきが起きた。再度一礼して元の位置に戻ってから祭壇を降りて向き直って一礼をして元の席に戻り、約15分の唱和が続けられた。

事務長の、”以上で落成開眼式は終了です”の挨拶ですべてが完了である。

王様一行は2人の老師に挨拶をしてから帰って行った。

ネコ寺の和尚さんは最初から予定していたのか猫達は和尚さんが用意していた猫飯のスペシャルバージョンの、カツブシ・煮干し・生鰺の刻み肉にマタタビ入りのふるまいを受けて、大満足のようでほっと一息入れているようである。ボスネコの茶トラからこの日のメニューの詳細を教えられて楽しみに待っていたのである。

王宮から2種類の月餅が届いている。人数分渡しても5人分が残ったので和尚さんのところに持っていった。タエは猫800匹の大法要の話をしないといけないのだ。

[和尚様お疲れさまでした。2種類ずつ5人分の月餅が王宮より届きましたので、どうぞ召し上がってください。][それはどうもありがとう。ありがたくいただくよ。]

[それから王様がおっしゃるにはたぶん観世音菩薩が化身をしている犬のゴンちゃんの気で感じたと思うのですが、ボスネコのトラちゃんが2週間後ぐらいにここのお寺から歩いてこられる距離の飼い猫や野良猫が、銅像の前に800匹ぐらいが大集合して子供の健康や成長を祈願するとともに、自分達の健康や交通事故それに充分な食料を得ることを祈願するそうです。]

和尚[私は老野良猫や幼いものまで含めて、1,600匹ぐらいは来ると思うぞ。また猫飯スペシャルバージョンの大盤振る舞いだ。はっはっはっ。]
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