天啓の雲

古寂湧水 こじゃくゆうすい

文字の大きさ
26 / 303

☆大迫力!!大猪230kgを噛みつき猟で仕留める

しおりを挟む
541
その後に政府に発見したと届ければいいわけだ。][やっぱり最初にいいものを400点いただいているので、900点を公平に山分けにするか。あんまり欲をかくとろくなことないからな。]すず、[そのくらいがいいと思います。]ワンワンワン。

[サスケさん、ジャカルタの文化省に連絡を付けて、陶器を積んだ沈没船を見つけたので島に引き上げてその場で山分けにしたいので、関係スタッフを準備させるように言ってください。向こうが分けてこちらが選ぶ、そして分けたら私どもはすぐに退散すると言ってください。分けるのはスピーディーに1時間で完了してください。完了しない場合はこちらで勝手にやると伝えてください。

龍口にある王室マリーナーのクルーザーで行きます。分け前の450個は超能力で瞬間移動、こんな作戦でどうですか。その前にもちろん400個の優良品を明日香の倉庫に移しておくのがポイントですので、よろしくお願いいたします。]
542
サスケ、[わかりました。すぐにやってみます。]すず、[すくなくても、100億円以上のプロジェクトですね。]ワンワンワン。まず400個を先に引き上げて、明日香国の倉庫に入れたので見に行くことにした。

[時空をさかのぼって沈む前に抜いたので、ほとんど無傷だな。みごとな色絵と染付だ。]サスケ、[これ、とんでもない値段がしますよ。]すず、[みんな美術館行きのものですね。][それと分配が終わったら向こうも記録しておくだろうから、沈船の位置を知らせておかないとな。予想で900個で山分けで450個ずつだけど取り分が数百億円の価値があるかもしれないと言ったら、当然に飛びついてくるから約束を守らなかったら、この話はなかったことにすると、厳しく言っておくのも忘れないように頼みます。]

[クルーザーではなく、直接カリマタ島に言った方が簡単ですよ。][砂浜にその場で900点並べて、すぐに分けてバイバイだからそれでいいか。じゃあ、後は交渉を頼む。]
543
[はい、わかりました。]サスケ、[明後日の現地8:00時差が2時間ですから、日本時間10:00ということになります。分配方法も了承です。][やっぱり数百億円っていうのは効いただろ。]

[そりゃあ絶大ですよ。][ちゃんと分ける時間は1時間と言ったかな。][間違いありません。]
[それでは明後日の10:00の10分前にラフな格好で集合。持ち物は特になしってとこかな。]
[そうですね。飛んでから並べて、処理が1時間で終わりです。4の5のはありませんよ。][サスケさんにすずさん行きますけどよろしいですか。たぶんないと思いますが、理不尽なことをやるとも限りません。その場合は合気武道で関節を外して全部をいただきましょうか。なに、後のことは後のことです。]

[お金がかかっているので、わかりませんもんね。][その場合は私がきちっと対応しますんで、心配ありませんよ。]2匹の犬も一緒である。カリマタ島の砂浜に着いた。マスコミに警察も来ている。向こうの関係者は7人である。
544
[それではここに900個並べますが、約束通りに450個ずつ1時間で分けてください。その後にどちらをいただくか私が決めます。よろしいですか。]一同がうなずいた。すぐに砂浜に900個が梱包が取れた状態で並べられた。貝が付いていたり多少の傷物はあるがほとんどは良好な状態である。

浜に居並ぶ関係者一同はあっけにとられて口を開けたままポカンとしている。[さあ、早く分けてください。1時間で終わらないときは約束通りに、私どもで勝手にやります。]担当達は忙しく選別して動き回っている。王様達はゆっくりと腰を下ろして、ポットに入れてきたコーヒーをそれぞれが飲んでいる。

犬2匹は注意深く選別を見守っているが、一般客が並べられたものに近寄りすぎると、猛然と近づいて吠えたて警告している。サスケ、[この写真を撮ってインドネシアと日本のマスコミに流します。知れ渡ったほうがいいと思いますんで。][そうだね。骨董で売りやすくなるな。]
545
サスケ、[明日、ジャカルタで新聞を買ってきます。たぶん記事で出てると思いますので。]
インドネシア人にしてはキビキビ働いて時間を守って2つに分け終えた。

[じゃあ私どもはこちらを選ぶがいいかな。][はい結構ですが、次の予定はございますか。][関心が高ければすぐに着手するので、新聞に大きく取り上げるように言ってください。じゃあこれで失礼するよ。沈船の位置はあのものから貰ってください。]あっというまに450個は明日香の倉庫行きになった。[それでは帰るとしよう。]

昼前に明日香陶芸ビルに帰ってきた。すず、[インドネシアで辛い料理でも食べたかったのに、すぐ帰ってきてしまいましたね。][今度近くの白雲市にでも泊まっていくかな。あそこだったらインドネシア料理はあるよ。][泊まらなくても、食事だけでいいんじゃあないんですか。]サスケ、[インドネシア大使館から連絡があり突然だけど、お手すきだったら昼食でも一緒にどうだということですがどうしますか。]
546
すず[私行きたいです。][それでは3人ですぐに行きますと、連絡をしてくれるかな。]実はちょうどサスケが電話に出て、次のことを早く決めたいんだったら昼食でもセットしたほうがいいよとアドバイスをしたのだ。年頃の女の娘に飯のことで恨まれたら、全てがうまくいかないので速攻で対処しなければいけないのである。

すずの大好きな辛いパダン料理が用意して会った。1人15皿ずつでランブータンもセットされている。[私、このような料理が食べたかったんです。]大使、[この度は沈没船から、多数の陶磁器を引き上げていただきましてありがとうございます。こちらでできることでしたら、なんでも手伝いますのでどうぞお申し付けください。]

[手伝っていただくことは思い当たりませんが、今回のように手際よくやっていただければ結構ですよ。次はなるべく早く着手します。]大使[どうぞたくさんお食べになって、たりなければ言ってください。]
547
一行は充分に満足して、帰っていった。すず、[美味しかったです。私、幸せですよ。][また頑張ってくださいね。]竹中参謀長と真田首相がやってきた。

竹中、[工業団地の1期募集が終わり2期に入りました。エアトレインはきゃら市から工業団地まで開通しました。南方方面の外国はタイまで話が済んでいます。それとやはりC国とK国からも依頼がありましたが、多忙中ということで保留にしてあります。それと意外なところからも打ち合わせの要請がありました。ロシアからですが、どのようにしますか。]

王様、[いよいよロシアからですか、ユジノサハリンスクにウラジオストクなどの要所に、サハロフスク・ジョージア・キエフ・モスクワ・ペテルスブルグ・ヘルシンキにどこかありますかね。とりあえず本数を少なくして造っておいてもいいと思いますが。]竹中、[駅にホテルと大きな町には領事館も造ってしまえばいいです。]真田、[いざというときのポイントになりますので重要です。]
548
[そうですね。それとロシア方面総司令官の西郷さんと、ロシア自治区首相予定の勝さんに知らせておいた方がいいですね。]真田、[わかりました。][いよいよ大一番の下準備ですかね。]竹中、[やっと本来の参謀長の仕事ができそうです。]

門前町の参道をいつもの子供3人組と犬2匹が巡回をしている。3人の胸には準警察のおおきなワッペンが貼ってある。きゃら駅にエアトレインが接続されて急に観光客が多くなり、タバコのポイ捨てや迷子に落とし物それに散らかしが多くなったので、いつも見回っている子供たちを格上げして、監視の強化を商店街が要請したのを王宮警察が認めたのである。

王様の好意で1日1回の飲み食い無料と小遣いがまとめてタエに渡されている。ター坊とよっちゃんの両親には額面を伝えてあるが本人たちには知らされていないのである。[親分、なんかごちゃごちゃして汚くなってきましたね。]
549
[買い食いをしてゴミを散らかしたり、タバコのポイ捨てね。汚した人を見つけてちゃんと注意するのよ。]ママ友2人がそれぞれ子供を連れて露店で買ったイカのポッポ焼きを食べさせている。タエ達は遠目で見ていたが2人ともイカが入っていた袋と挿していた串をそのまま捨てたので、そばに行って注意をした。

[おばさん達2人、子供がゴミを捨てたのを見てたのに何で注意をしないの拾って下さ。][あなたたちも子供じゃあない、何を偉そうに言っているのちょっと生意気よ。][この胸のワッペンを見てください。私たちは王宮警察の依頼で準警察扱いで巡回をしています。]ウメとダイが激しく吠えたてたので周りのやじ馬が増えてきたのでバツが悪くなり、ゴミを拾い捨てに行った。

[ちゃんと捨てなければいけないジョー。][親分これでいいんですかね。]商店主たちがこれを見て拍手を送っている。[気持ちいいジョー。]
550
[あんたたちこれから福丸デパートに行くけれど、運転手に身分証明書を見せて敬礼をするのよ、そうするとただになるの。][親分、なんかかっこいいですね。]犬達も王宮警察の首輪をしているので無料である。

受付に来たことを届けてから店内をゆっくりと巡回していくことにした。王様は福丸デパートのオーナーであるが迷子の案件が多いことを聞きつけ、子供たちに依頼したのである。子供たちが2匹の頭をなでているが、犬達も子供が好きなので嬉しがって尾を振っている。

店内放送が流れている。[5歳の子供が迷子になっています。][親分、8階に行ってみましょう。]急いで行ってみると母親がオロオロして青ざめた顔をしていた。フロア責任者も困っている様子だったがタエ一行を見て近寄ってきた。[いいところに来てくれました。この人の5歳の男の子がいなくなって、上下階を調べたのですが見つかりません。何とかお願いできますか。]
551
[それは大変でしたね。でも心配いりませんよ、すぐに探しますから。ダイちゃんどこにいるの。]ダイは首をひねって少し考えていたが、臭いではなく気で探しているのである。しばらくして前足を頭の上に載せだした。

[親分、ダイちゃんわからなくて、ごめんなさいをしているんですか。][ダイちゃんもわからないジョー。][違うわよ。頭に手をやっているということは一番上・・・屋上にいるの。]ワンワンワン。すぐに母親とフロア長を伴って、屋上に上がっていった。屋上はコンサート大ホールに小ホールそれに3分の1がペット売り場になっている。そこで遊んでいた。

母親、[どうもありがとうございました。おかげさまでで助かりました。][この犬は優秀ですね。社員食堂ですが好きなものを食べていってください。]と食券を渡された。[ありがとうございます。利用させていただきます。][ボクカレーがいいジョー。][ここはカツカレーがおいしいの。][ボクもそれにするジョー。]
552
明日香陶芸店の応接コーナーで王様に真田首相が業務報告をしている。[龍口のコンベンション付きカジノリゾートは好調です。マカオやシンガポールの客がこちらに流れています。][トラブルは出てないのかな。]

[イカサマは数件ありましたが、超能力で簡単に見破れるシステムになっていますので問題なく対応しています。それと仕事柄マフィアと思われる者も何組か来ていますが、特殊部隊専門班が問題なく処理しています。][ツケの取り立てはどうだ。][これも処理班が何とかやっています。][これが一番たいへんなんだろ。][そうですね。くせ者ばかりですから。]

[タワーマンションが間もなく竣工して販売開始になりますが、4,000戸が即完の勢いです。というのはエアトレインの龍口駅から徒歩15分で田畑駅まで1分の好立地で、定期乗車の場合は出入国税が免除になっていますので、経費は高崎からの新幹線と同レベルですけど、通勤時間が大幅短縮になるのが魅力のようです。]
553
[55階建て4,000戸を即完というのはすごいぞ。これは抽選になるのかな。][はい、70戸を非分譲にしてあとは抽選ですね。この70戸というのはいろいろなところからコネを使ってきますのでそれ用です。]

[はっはっはっ。よく考えている。全部で5棟だったかな。][はい、その通りです。][お客様が熱くなっている時にはこちらは逆に冷静な対応でお願いします。][はい、承知しました。]龍州の事業は順調のようである。

サスケ、[ゴン太とユリにもたまには息抜きをさせたほうがいいと思いますが。][また狩猟かな。][そうですね、それが一番だと思います。][ゴンちゃんにユリこっちに来なさい。]ワンワンワン。[猪でも獲りに行くかな。]ワンワンワン。素早く元気な返事が返ってきた。[今はこの季節だから北でいいのかな。][はい、北の王室狩猟場でよろしいかと思います。][それでは王宮の方で番犬の2匹とこの2匹にタエのところの2匹の6匹でいいのかな。]
554
[200kgですとギリギリですが、この犬たちは優秀ですし手に余ったら合気武道で簡単に仕留められますので。]狩猟は志野を除く王様にサスケにすず、それに子供3人組と犬6匹で行くことになった。

ユリとダイにウメそれに子供3人は今回が初陣であるが、日本では禁止されている噛留め猟である。すなわち猟銃を使わずに、狩猟犬による噛留めにより仕留めるようになっている。最後の留めだけ人手による。一般的には首筋の頸動脈をナイフで刺し切って留める。

一行は狩猟場についた。前に王宮にいたニューファンドランド犬とチェサピークベイレトリバーのMix2匹が出迎えてやってきた。王宮内の滝や川があるところで水回りの番をさせていたのだが、広い湖や川のあるこちらの方が適当と判断し移したのである。体形はニューファンドランド犬で毛並みはベイレトリバーなので暑さに対する改良がなされている。
555
狩猟に出る6匹の犬には厚いナイロン地と皮革で作った、胸と肩を守るプロテクターを装着した。これがないと猪の牙で突き上げられたときに、大けがをしてしまうのである。6匹の前で王様が訓示をたれている。

[いいかリーダーはゴン太だ。ゴン太の指示に従うように。それと大けがをしても超能力ですぐに元に戻すことができるから思い切って行っていいぞ。]犬の目がだんだん吊り上がってきて、鋭くなっている。やる気満々である。
[ダイちゃんにウメ、いい~、頭を使って思い切り行くのよ相手はとてもパワフルで強いので、まともだとすぐにやられちゃうからね。わかった?]ワンワンワン。

[親分、犬達の顔がみんな怖くなっていますね。][怖いジョー。]この王室の狩猟場は1,000万坪の広大な敷地に、湖と川が流れ渡り鳥の飛来地になっており鶴や白鳥に雁、鴨が狩猟の対象になっている。また、ここは紅鮭の春先と白鮭の秋の2回の遡上があるので釣りの対象にもなっているのである。
556
トラックの荷台に6匹が積まれている。普通はケースに入れて運ばれるのだが、この犬達には全く必要ない。サスケが運転して獲物を探しているがなかなか巡り合わない。

川の両サイド5km程は平地で植栽も少なく見通しはよい。双眼鏡を覗いていたすずが、どうやら見つけたようである。でも100㎏と予定より小さいのでパスすることにした。あくまで対象は200㎏の巨大猪である。

ゴン太が鋭く一鳴きした。慌ててすずがゴンタの目先を確認すると巨大な猪が悠然と餌をあさっている。サスケ、[ちょっとデカ過ぎるな。ゴンちゃんどうするやるか?]ワンワンワン。どうやら取り掛かるようである。目標の50m手前で車を止めたが、猪は全く気にせずに餌を相変わらずに食べている。王様、[いいか私の周囲10mにバリアーを張って、猪の横や後ろからの攻撃を防ぐようにしてあります。ここから出てしまうと危険なので注意をするように。]
557
トラックから降りた犬達はサスケとともに前に出ていった。王様達は25m手前で停止している。目標20mで犬が放たれた。ゴン太の指示で3方から攻撃するようである。みるみる距離が詰まっていく、それぞれが5mに切迫した時、猪は前足で地面をけり吠えながら威嚇を始めた。

その時ゴン太が猪の前面3mまで近づいて吠え出して注意を引いている。猪は興奮してブヒブヒ鳴いている。他の2方面からダイと番犬のオスがすきを窺って首筋の急所を狙っている。まずダイが勢いよく飛びかかっていってそのあと番犬のオスも同じように突っこんでいったが、いずれもキバですくい上げられ3mほど飛ばされて地面に叩きつけられてしまった。かなり上に舞い上がってしまったのでダメージがあるのか、2匹ともピクリともしない。

番犬のメスとウメが気合を入れてミサイルのように飛んでそれぞれが首筋に噛みつくことができたが、まだ全然効いてないようだ。
558
そのうちにウメは振りほどかされて同じく牙ですくい上げられて、2m飛ばされてのびてしまったのか動いていない。[親分、やばいですよ~。][やられてるジョー。]

王様、[大丈夫、目が死んでいないまだやる気だ。]番犬のメスが粘って離さないのでゴン太にユリが回り込んで、反対の首筋に噛みつくことに2匹とも成功した。3匹が噛みついたまま粘っている。もう15分ほどが経って猪も犬も疲れが出てきたようである。と、その時に飛ばされていた番犬のオスが回復し、番犬のメスが噛みついているそばに同じように噛みついた。

サスケ、[よし、4匹が粘っている。あとはダイとウメだ。]ダイとウメはヨタヨタしているが起き上がったが、ヨレヨレになっていても闘志はまだあるようだ。ダイは正面から近づいていき、職人町のドーベルマンと格闘した時のようにピンポイントのタイミングで鼻をかじり、なんと噛み取ってしまった。血がパーッと噴き出てあたり一面に広がった。
559
しかしこれだけでは終わらなかった。ウメは暴れて危険な猪の顔面の下にもぐり込み、なんと最大の急所の喉笛に噛みついてしまったのである。断末魔が近づいて勝負ありである。[サスケさん、そろそろお願いしますよ。][わかりました。]合気武道であっという間に首をねじり折ってしまった。即死である。

サスケと王様が犬達をわけに行った。勝利の雄たけびを、ウォーン・ウォーン・ウォーンと全身返り血を浴びて真っ赤になりながら繰り返している。[よし!よくやったな。肉がたっぷり食えるぞ。]ワンワンワンワン。犬達の、嬉しい気持ちが強く伝わってきた。

[親分、ダイとウメはよくやりましたね。][みんな頑張ったわ、チームワークの勝利ね。][よくやったジョー。]王宮から調理人が来ているので猪を瞬間移動で送った。230kgは持ち上がらないのである。しかし、ダイの両親である番犬も息子の成長がうれしいのか、ダイを2匹でしきりになめている。
560
[さて引き上げだ、いくぞ。]犬達は素早く飛び乗った。解体場に行くと手際よくすでに解体されていた。犬が噛んだ傷跡のある部位はここの狩猟場にいる犬達の餌とした。傷跡のある所は味が変わってしまっているので、人間は普通食さない。食べる分とここにやる分のほかは王室の冷蔵庫行きである。

[親分、今日は牡丹鍋ですか。][新鮮なモツがあるから鍋はモツで身はステーキかな。みそ味のモツは抜群にうまいわ。][モツがいいジョー。]

門前町の奥にある定食屋のおヨシの店である。志野は王様が狩猟場で早朝に獲ってきた、大きなオスメスの鮭を持ってきて店主に渡した。[今日のですけどもどうぞ。][これは結構なものをいつもすいません。][ビールと適当に見繕ってくれるかな。][承知しました。]看板ネコはあいかわらずに椅子の上で寝っ転がっているが辰五郎の力丸と一緒にいる。力丸はダイとウメのコンビの前にゴン太と組んで一緒に見回りをしていたのである。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎮魂の絵師 ー長喜と写楽ー

霞花怜
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】 絵師・栄松斎長喜は、蔦屋重三郎が営む耕書堂に居住する絵師だ。ある春の日に、斎藤十郎兵衛と名乗る男が連れてきた「喜乃」という名の少女とで出会う。五歳の娘とは思えぬ美貌を持ちながら、周囲の人間に異常な敵愾心を抱く喜乃に興味を引かれる。耕書堂に居住で丁稚を始めた喜乃に懐かれ、共に過ごすようになる。長喜の真似をして絵を描き始めた喜乃に、自分の師匠である鳥山石燕を紹介する長喜。石燕の暮らす吾柳庵には、二人の妖怪が居住し、石燕の世話をしていた。妖怪とも仲良くなり、石燕の指導の下、絵の才覚を現していく喜乃。「絵師にはしてやれねぇ」という蔦重の真意がわからぬまま、喜乃を見守り続ける。ある日、喜乃にずっとついて回る黒い影に気が付いて、嫌な予感を覚える長喜。どう考えても訳ありな身の上である喜乃を気に掛ける長喜に「深入りするな」と忠言する京伝。様々な人々に囲まれながらも、どこか独りぼっちな喜乃を長喜は放っておけなかった。娘を育てるような気持で喜乃に接する長喜だが、師匠の石燕もまた、孫に接するように喜乃に接する。そんなある日、石燕から「俺の似絵を描いてくれ」と頼まれる。長喜が書いた似絵は、魂を冥府に誘う道標になる。それを知る石燕からの依頼であった。 【カクヨム・小説家になろう・アルファポリスに同作品掲載中】 ※各話の最後に小噺を載せているのはアルファポリスさんだけです。(カクヨムは第1章だけ載ってますが需要ないのでやめました)

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)

三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。 佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。 幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。 ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。 又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。 海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。 一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。 事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。 果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。 シロの鼻が真実を追い詰める! 別サイトで発表した作品のR15版です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...