天啓の雲

古寂湧水 こじゃくゆうすい

文字の大きさ
55 / 303

法隆寺の蘭奢待

しおりを挟む
881
すず[私とサスケさんはダイビングの資格を持っているので、潜りたいですね。]サスケ[まだだいぶ来年のシーズンまでに間がありますので、段々に詰めていくということでよろしいでしょうかね。]長[王様もたぶんそこらへんの地域を気にしていると思いますので、そんなに難しくないと思います。]すず[シーズンに千島に行き、潜ってキャンピングカーに寝泊まりするなんて最高かもしれませんね。]長[そろそろお待ちかねの、夕食にでも行きますか。][私、着替えてきますので先に行っていてください。]長[湖を見ながらの食事はリッチな感じがします。][そうですね。とても7,000円で泊まっているとは思えません。][お待たせしました。今日はシャンパンですか。]長[またまた今日も似合っていますよ。福丸デパートですか。]すず[そうです。オーナー割引と同じ25パーセント引きです。]サスケ[ちゃんと手を回しているんですね。]すず[それよりも豪華ホテルに泊まるのはここでおしまいですか。]
882
サスケ[クライマックスはまだ先ですよ。モスクワで一泊最高で35万円で5つ星の宮殿ホテルを建てたのでそこに泊まります。一泊一人2食付きで15万円の部屋を1万5千円にしてくれて、王様の決済もおりています。なんでもベルサイユ宮殿の1.8倍の豪華さにしてあるということなので、世界でも豪華さだけはトップクラスということになるな。]すず[貧弱な身なりで大丈夫ですか。][お姫様に変身するチャンスを王様がくれたぞ。][なんですかそれ。][露四阿国内の文化人の大物が集まるパーティーがあるので、国王の代わりとして参加しなさいということで、三人ともレンタルで正装できることになっているよ。]すず[それはすごいですね。有名なピアニストにバイオリニストそれにバレー界などの大物が来るということよね。そこに国王の代理というのは気持ちがいいですわ。]長[はっはっはっ、いきなり大物扱いになっちゃいますよ。]
883
サスケ[望月氏の先祖は確か天皇の側近だったと思うよ。だから私は世界で一番古い日本の皇室の貴族の血が流れています。とか言ってもいいんじゃあないの。それで今でも国王の最側近ですと言えば一目も二目も置くと思うな。]すず[そうですね。少し神秘的な感じで、穏やかに上から目線って感じでいいですか。]長[面白いですね。劇団ひまわりでいっちゃいましょう。演技で本物の貴族はこんな感じなんだと見せつければいいわけです。有名人が寄ってくるかもしれませんよ。][やってみますわ。]
陶芸店の応接コーナーに長野業正他2人に上泉伊勢守が来ている。[どうも伊勢守さん久しぶりです。こちらが長野さんですか。伊勢守さんと一緒に戦って負けたことがない名将だと伺っています。こちらの方でも思う存分やってください。][長野業正と申します。こちらは私の子供でタケとハツと申します。]タケ・ハツ[どうぞよろしくお願いします。]
884
[いい面構えをしているな。これは楽しみだ。早速だけど玉蘭市に行ってチベット仏教の宗祖のパドマサンババに会って、向こうの算段を聞いてきてくれるかな。なかなかの曲者なので注意が肝要だけど、2人で対応すれば問題ないと思います。順序としてサンババに会ってから、インド北部ダラムサラのチベット亡命政府の首相と、ダライラマにも会って話を聞いてくることです。チベットに地下組織を持っているとともに、ウィグルとも連携していますので情報が豊富です。]上泉[わかりました。まずサンババと会ってきます。][そのようにしてください。サスケとすずが手伝いますが、娘さんはお年頃ですのでなんでもすずに相談してくださいね。はっはっはっ。]
王宮に島津義弘と豊久コンビがやってきた。豊久[こんにちはしばらくぶりです。狩猟場を利用させていただきましたのでその報告です。]



885
豊久[いや~面白かったです。200kgを超える猪との戦いは迫力がありましたし、犬の闘志も素晴らしかったです。叔父も私も大満足ですよ。][狩猟場の獲物は殺されても3日後には自分が殺されたことを忘れて復活するので、またその場所に同じものがいます。頻繁に利用されても全く問題がないです。]義弘[それはいいことを聞きました。また利用させていただきます。それと私と豊久は王様が生み出した猟犬をとても気に入りましたのが、後付けの許可になりますが3か月の子犬がいましたので2匹いただいてきました。よろしいでしょうか。][それはもちろん結構ですよ。年頃になりましたら雌もどうぞお持ちください。]義弘[ありがとうございます。200kgの猪にはDOGO AIZENTINOの45kgではなくDOGO ASUKANOの50kgの方が適していると思います。5kgの差はとても大きなものですよ。性格もいいし、とても優れた犬種です。豊久とともにこの犬種を広めていくのに協力は惜しみません。]
886
[狩場は現在3ヵ所ですが、あと2ヵ所ぐらいあってもいいと思っています。何処かいいところがありましたら、教えていただきますとありがたいです。それから私が生み出した犬はもう一種類いまして、ウォータードッグがいます。ニューファンドランド犬が有名ですが
寒冷地には適していますが毛の量が多く温暖地には向いていません。そこで同じく寒冷地に適性のあるチェサビーグベイリトリバー犬ですが、動きが俊敏で性格もいいのでもう少し大柄にして、水難救助にも使えるようににして毛質も温暖地にも適性があるようにしました。こちらの犬がいる狩猟場は川と湖もあり、年2回鮭が昇ってきますし湖には美味で有名なビワマス取れるようにしてあります。どうぞ利用してください。][昔は鶴が取れて鮭もとれて、とてもうまかったのを記憶しています。こちらの方も魅力的ですね。今度利用させていただきます。][いつでもどうぞ。]
887
陶芸店の応接コーナーで抹茶を飲みながらの会話である。
遠州[このお香は法隆寺宝物殿の蘭奢待を越えていますが、とてもいい香りです。]すず[これはすごいお香ですよ。][遠州さんには24種類のものを渡してあるけれど、5種類ほどが蘭奢待を越えています。そのうちの1種類ですね。][私は香りにとても興味があるのですが、これを化粧品にいかせませんか。それができると世界トップの香水になり、他のものもランクが上がります。][サンダルウッドって知っているかな。日本では白檀として知られていて高級香に使われているんだけど、これが買い占めにあって価格が大きく上がってしまった。元々芯材しか使われなかったが外側の部分の材料に同じく外側の部分から得られたエキスを混ぜこんで芯材と同じように使われています。したがって伽羅や沈香でも量は少ないが可能だと思うよ。少ない量でも確保できれば超能力で1,000倍でも10,000倍にでもできます。
888
[あとはそのエキスが人体にどのような影響を与えるかも綿密に調べなければならないな。超能力研究所に薬剤部もあるので、そちらで対処させればいい。]すず[明日香の化粧品は日本どころか韓国にも劣っています。この際この世界トップの香水で、ランクアップしたらいかがでしょうか。][そうだな、私の研究室に遠州さんに渡したサンプルがあるので、化粧品会社と研究所のその部署の責任者と担当者を王宮に呼び出して、すずさんが指示をしてください。それからなぜ韓国にも負けているのか、しっかりと原因を確認してください。][はいわかりました。いろいろな化粧品にこの香りが入ってくると、高級感が出ますからね。][ブランド名はすずでいいかな。][志野にしないと奥様に叱られますよ。]子供達7人が王宮同場で稽古を終えていつものまんじゅう屋に向かっている。辰五郎の愛犬力丸もちゃんとお迎えに来ている。最近はヨタヨタ歩きがなくなって、表情も明るくなっている。




889
[親分、最近はいままで乱取りで全く勝ててなかった相手でも、たまに負かすようになってきました。][ボクもだジョー。強くなったジョー。][いままで全く誰にも勝てなくて最弱だったのが、少しランクが上がっただけでしょう。]四人組[いままで朝も学校帰りもボコボコに痛めつけられていたので、少しは実力が上がったようですね。][親分、新しく入ってきたタケとハツっていう人サスケさんとすずさんと練習していたけれど、とてもスジがいいというかものが違いますね。][長野業正っていう上泉伊勢守先生の友人の子供ね。何でも母方が忍者の家系でそこで育てられたというから、基本はできているので1ヵ月ぐらいで師範免許を取れると思うわ。][1ヵ月はずるいジョー。ボクはまだ8級だジョー。][サスケさんやすずさんと同じように忍者の技を加えると強くなるわよ。息子の方は師範でも上位クラスに行けるわね。][今日の焼き芋は紅はるかではなく金時よ。金時のほうがおいしいわね。]
890
[おじさん金時の方が美味しいよ。][みんながそういうね。これから金時だけにするよ~。]
[力丸も金時の方を美味しがっているジョー。]ワンワンワン。
ロシアを視察の3人組、今日はバイカル湖東側の町に来ている。ここはチベット仏教を信仰してほとんど昔の生活様式を持っているということだ。ツングース系の民族なのだがDNAは中国韓国人が2つしか一致しないのに、この人達は30も一致点があるというので日本人の祖先の一部にあげられている。長[本当に日本人とそっくりですね。親しみを感じます。]
サスケ[バイカル湖西側の人達は混血が進んでいるようで、生活様式も変わっているということだけどここは変わっていないということだ。牧畜が主な産業だけどここの犬も有名らしいよ。モンゴル犬の亜流のような感じだけど、チベタンマスチーフの小型版というところかな。お寺で犬種を守って育てているという話もあるな。]
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎮魂の絵師 ー長喜と写楽ー

霞花怜
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】 絵師・栄松斎長喜は、蔦屋重三郎が営む耕書堂に居住する絵師だ。ある春の日に、斎藤十郎兵衛と名乗る男が連れてきた「喜乃」という名の少女とで出会う。五歳の娘とは思えぬ美貌を持ちながら、周囲の人間に異常な敵愾心を抱く喜乃に興味を引かれる。耕書堂に居住で丁稚を始めた喜乃に懐かれ、共に過ごすようになる。長喜の真似をして絵を描き始めた喜乃に、自分の師匠である鳥山石燕を紹介する長喜。石燕の暮らす吾柳庵には、二人の妖怪が居住し、石燕の世話をしていた。妖怪とも仲良くなり、石燕の指導の下、絵の才覚を現していく喜乃。「絵師にはしてやれねぇ」という蔦重の真意がわからぬまま、喜乃を見守り続ける。ある日、喜乃にずっとついて回る黒い影に気が付いて、嫌な予感を覚える長喜。どう考えても訳ありな身の上である喜乃を気に掛ける長喜に「深入りするな」と忠言する京伝。様々な人々に囲まれながらも、どこか独りぼっちな喜乃を長喜は放っておけなかった。娘を育てるような気持で喜乃に接する長喜だが、師匠の石燕もまた、孫に接するように喜乃に接する。そんなある日、石燕から「俺の似絵を描いてくれ」と頼まれる。長喜が書いた似絵は、魂を冥府に誘う道標になる。それを知る石燕からの依頼であった。 【カクヨム・小説家になろう・アルファポリスに同作品掲載中】 ※各話の最後に小噺を載せているのはアルファポリスさんだけです。(カクヨムは第1章だけ載ってますが需要ないのでやめました)

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)

三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。 佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。 幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。 ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。 又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。 海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。 一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。 事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。 果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。 シロの鼻が真実を追い詰める! 別サイトで発表した作品のR15版です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...