天啓の雲

古寂湧水 こじゃくゆうすい

文字の大きさ
165 / 303

平賀源内もノーベル賞確定で報奨金と志野に黄瀬戸の抹茶茶碗を受け取りに来る

しおりを挟む
1981
副[文化省から連絡があってぜひ調査をさせてくれるように根回しの要望が来ているな。なんでも館長に頼んだら断られたということだぞ。][はっはっはっ。これはいちゃもんを付けるのが大好きな隣国がありますんでその対策です。副首相の依頼でしたら是非もありませんが、私に直接連絡をしてくるように願えますか。][そうだよな。ここに展示されているものは強奪されたものだとぬかしやがるかもしれんからな。それから2食付き4万円の25パーセント引きで泊まったのだけど、グレードはかなり高いな。ホテルのロビーに直径8mの皮付き杉原木4本が2階まで吹き抜けの重厚な雰囲気を作っている。ロビー一面の彫刻も見事だ。食事もふぐにタラバにズワイそれに近海物がずらりだ。伊豆諸島は焼酎がうまいのだけど、王様の酒造所で造っている酒は独特の味がしてこれも合格点だな。]
1982
会長[一番驚いたのが港のところにある鰻屋だけど、天然物のうな丼で1,800円だったぞ。東京だったら、天然物で普通に1万円だ。お土産用の白焼きやかば焼きはほとんどの客が10人前以上を買っていくな。こんな店見たことがないぞ。]
[はっはっはっ。その値段でも赤字になっていませんが、全体の利益を考えてやっていますので目玉の店という位置づけです。]
会長[なるほど、この島のもの全部が王様のものだからそういうこともありえるな。それにしてもゴンちゃん達は王様に大きなプレゼントをしたな30兆円以上だぞ。][そうですね。大きな助けになっていますが、ゴンちゃん達も自分達でけっこう楽しんでいる感じがしています。こちらが琉球地区7千点の依頼に自分たちの企画で、他の地区を含めた8千点を追加しましたからね。]会長[ミュージアムの売り上げは良さそうなので、大きな収益源だ。]
1983
副[文科省の担当から連絡が行くと思うのでよろしくな。このへんで失礼するよ。]
[どうもありがとうございました。]サスケ[拉致被害者救出を5千万円で済ましてしまおうなんて全部一挙に解決したのに、ずいぶん虫が良すぎますね。]すず[そうですよ。自分たちは何にもできずにあたふたしているだけだったのに。そういえば拉致被害者からは何にも連絡がありません。こんなものですかね。][もともと金や名誉でやったことではないので、別にこんなもんで上等ですよ。被害者はまだ気持ちがおさまっていないんじゃあないんかな。これはこれでそっとしておきましょう。]
長[来週の日曜日、10日後になりますがいかがでしょうか。1日だけの祭りになります。][それでいいと思うが、サスケにすずさんそれでいいかな。]2人[それで結構です。]サスケ[世界各地に送るリストはできましたか。]
1984
長[できています。アルゼンチンやペルーの南米からガテマラやエルサルバドルそれにアルチャナルにチベットやロシアなどかなり広範囲にピックアップをいたしました。寿司と料理と菰被りは結婚式の時のものを引っ張り出して、異次元にストックをしてありますのでいくらでも出せますよ。一か所々に送るのではなく、このリストにすでに場所と種類に数量が入っていますので一気に送れ、数秒で送ってしまいすよ。]
すず[さすがに長兵衛さん、凄い段取りです。できるんでしたら今すぐに送ってしまったらどうですか、一筆書いた王様の挨拶状も必要ですね。][わかりました。すぐに書きますので一緒に送ってくれるかな。]サスケ[承知しました。夜のところも昼のところもあるので、ベストの時間帯に届くようにセッティングをします。]サスケ[王様の挨拶状を添えて、全ての発送を完了しました。]





1985
[ご苦労様でした。驚くとともに喜ぶと思うので、とても意義のあることですよ。]
すず[海外にいる人達はみんなお寿司が食べたいですから、感謝をされますね。]
島津総司令官からすぐに連絡が入ってきた。
島[凄いものが届いて感謝をしています。3か国だけでなくいろいろな方面に言っているようですね。ありがたいことです。まずはお礼まで。]
続いてチベッ〇の連隊長からである。
連[チベッ〇で美味い寿司が食べられるとは思いませんでした。感謝をしています。]
すず[やってとても良かったですし、嬉しさが半端じゃないみたいです。でもノーベル賞のことも知らせておくべきだったかもしれませんね。まあ、そのうちにどっちみちわかることでしょうけどね。]
1986
子供たち3人組は王宮同場で練習を終えた後に各自家に戻って夕食を済ませてから、籠舎といわれる部落の集会所に集まってきた。ここで祭りに備えての太鼓や踊りの稽古をするのである。職人町の4人は部落が違うのでこちらには来ていない。ター坊は太鼓や踊りがとてもうまく、ここでは指導者的な立場になっている。
ター坊[よっちゃんの踊りは悪くないんだけど、もっと自分に合った個性的な振り付けにした方がいいよ。]よっちゃん[ボクもター坊みたく、ぴっとこの踊りがうまくなりたいジョー。]タエ[ター坊はお祭りの才能だけはあるわね。他は冴えないけど。さ~って、明日は山車を磨くわよ~。]
昨日、寿司を送ったところから感謝と共に、ノーベル賞の祝賀を述べてくるところが多くなった。特に南米のコミュニティでは自国愛が強く熱狂的である。
1987
ここアルゼンチンの斎藤館では王様の添え状があったのだが、詳細を竹中半兵衛の祖先が参謀長の竹中半兵衛に確認したところ、ノーベル賞を2つ取ったお祝いだろうという事なので南米のコミュニティ全体に広がり大騒ぎになったのである。
斎藤館では特大菰被り2樽と料理と寿司500人前の大盤振る舞いなので、周辺の家々にも充分に行き渡った。こんな感じでブラジルにペルーそれにチリにまで行ったものだから、それぞれ総本部の斎藤館に確認がきたわけである。それで事情が分かったのでより騒ぎが大きくなったのである。
家老安藤伊賀守[王様も派手なことをやりますね。日本の本当の味が楽しめてうれしいですけど。]斎藤[中米でも要所々に行き渡っているようだな。なんでも王様に仕えている竹中半兵衛の息子の長兵衛が仕切っているらしいぞ。岐阜に来た男だな。]
1988
安藤[そうです。最側近で活躍しているようですよ。]
平賀源内がノーベル物理学賞受賞したので記念品と報奨金を受け取りに来た。
[どうもおめでとうよくやりました。これは報奨金5千万円の小切手と志野と黄瀬戸です。]小切手は見ずに志野と黄瀬戸を確認して、にやりと笑みをこぼした。
源[いい作品です。謹んで頂戴いたします。では失礼いたします。]
サスケ[源内さんはやっぱりお金のことは関係ないみたいですね。]すず[ほんとに変わった方ですね。頭は抜群ですけど。]サスケ[源内さんおかげで大型船のシェアは70パーセントです。小型や中型のプラスチック船には資源ごみの関係で一切の水燃料エンジン搭載を認めていません。日本の漁船もスチール船が多くなってきましたし、中型の客船も水燃料エンジンになってきましたよ。]




1989
[明日香重工の売上は巨大だよな。グループ全体だといままでこの業界で世界NO1だったGMEの2倍でシーメンスの3倍の売り上げだから、ぶっちぎりの世界NO1だわな。まあ、造船も航空機も抜けているので当たり前か。最近は発電所のオーダーもボツボツとだが入っているしな。]
サスケ[自動車も好調です。明日香自動車が世界販売者数で4位で四菱自動車が9位にランクされています。バイク部門は日本の一角を切り崩して3位です。タラタラやっていると豚箱にぶち込まれると思っているんじゃあないんですか。どこも気合が入っています。][はっはっはっ。派手にやったからな。拷問部屋で懲戒免職を喰らったらたまらないと思っているんだと思うよ。]すず[でも利幅が大きくて王様へのリターンが大きいのはネット治療と。現地生産ものですね。]
1990
ネット治療は医者と施設があれば利益率は大変なものですし、現地生産も超能力使用料が入ってきます。米国やユーロのパソコンや携帯電話はたいへんなことになっています。][はっはっはっ。その通りだな。それから毎年コンスタントに10兆円以上の利益を上げている石田さんとこの株式相場チームも大したものだぞ。鬼才の大久保長安がいるからな。後は何と言ってもガテマラ運河かな毎日330億円の通行料が入ってくる。幅10㎞で600kmの大工事をただ同然のちょいなちょいなでやってしまったから、利益率は抜群だ。はっはっはっ。]
会長と娘さんがやってきた。[いらっしゃいませ。どうぞおかけになってください。面白い話がありそうですね。]会長[先日に文科省の役人が調べた八丈小島の展示品だけど、物凄い物ばっかりでびっくりしていたぞ。]
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鎮魂の絵師 ー長喜と写楽ー

霞花怜
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】 絵師・栄松斎長喜は、蔦屋重三郎が営む耕書堂に居住する絵師だ。ある春の日に、斎藤十郎兵衛と名乗る男が連れてきた「喜乃」という名の少女とで出会う。五歳の娘とは思えぬ美貌を持ちながら、周囲の人間に異常な敵愾心を抱く喜乃に興味を引かれる。耕書堂に居住で丁稚を始めた喜乃に懐かれ、共に過ごすようになる。長喜の真似をして絵を描き始めた喜乃に、自分の師匠である鳥山石燕を紹介する長喜。石燕の暮らす吾柳庵には、二人の妖怪が居住し、石燕の世話をしていた。妖怪とも仲良くなり、石燕の指導の下、絵の才覚を現していく喜乃。「絵師にはしてやれねぇ」という蔦重の真意がわからぬまま、喜乃を見守り続ける。ある日、喜乃にずっとついて回る黒い影に気が付いて、嫌な予感を覚える長喜。どう考えても訳ありな身の上である喜乃を気に掛ける長喜に「深入りするな」と忠言する京伝。様々な人々に囲まれながらも、どこか独りぼっちな喜乃を長喜は放っておけなかった。娘を育てるような気持で喜乃に接する長喜だが、師匠の石燕もまた、孫に接するように喜乃に接する。そんなある日、石燕から「俺の似絵を描いてくれ」と頼まれる。長喜が書いた似絵は、魂を冥府に誘う道標になる。それを知る石燕からの依頼であった。 【カクヨム・小説家になろう・アルファポリスに同作品掲載中】 ※各話の最後に小噺を載せているのはアルファポリスさんだけです。(カクヨムは第1章だけ載ってますが需要ないのでやめました)

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)

三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。 佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。 幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。 ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。 又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。 海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。 一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。 事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。 果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。 シロの鼻が真実を追い詰める! 別サイトで発表した作品のR15版です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...