265 / 303
レバノン武力介入
しおりを挟む
2981
[ほう、それは頑張っているな。]工場長[欧米のバイヤーからの注文が多いですが、ほとんどが火入れなしです。日本酒が定着していますので、その関係だと思いますよ。うちだけの独占ですので将来的にはとても有望です。][わかりました何か要望はありますか。][もっとかなり売れてくると思いますので、今の2・3倍は大きくした方がいいと思います。][わかりました。すぐに用地を確保しておくように言っておきます。それからヨントリーは私が100パーセントの株主になりましたので、販売を手伝ってもらおうと思っています。この工場はヨントリーが株主ではなく私が株主ですので基本的には同格ですが、ファミリーという感じになります。]工場[それは面白いですね。ヨントリーさんの販売ルートに乗せていただければここの焼酎だけに限らずに、北のタワンゴンパ近くで造っている日本酒と日本酒焼酎それに明日香芽台酒に金賞を取ったウィスキーもありますので、たいへんなことになります。]
2982
一行はブータンに2泊してから帰っていった。
国連の宇宙開発公団を名乗る2人連れがやってきた。例によってバリアーで中に入れない。
足をバタバタさせてうずくまってしまった。何か大声で喚いていたがじゃまなので警備員が強制的に脇にどけてしまった。[私達は国連の関係者だけどもなんで中に入れないのだ。]
警備[そんなこと知りませんよ。建物に聞いてください。]国連[せっかくの遠来の客にその態度はないだろ。][別にこちらから招いた人達ではありませんでしょ。勝手に来てギャースカ喚くのは迷惑なのでどっかに消えな。]小政が出てきた。[どうしたんだ。]警備[国連の宇宙関係ということですが約束無しで来て喚いています。]小政[一階の責任者だが、おたくの名刺を見せてくれないか。][はい。こちらですよ。][用件を聞こうか。][決まっています。王様に会いに来ました。]小政[わかんね~人だな。主語述語をきちっと言いなさいよ。]
2983
[だから、金星とか宇宙のことを聞きに来たのさ。][そんなの興味ないよ。帰んな。][後で大変なことになるぞ。][知るか~、糞ボケがぁ~。]小政[これからああいう輩が多くなってくるので注意してな。][はい。わかりました。]
いよいよレバノン侵攻の日になったので、きゃら市郊外の明日香軍参謀本部の作戦指令室に主要メンバーが集まっている。
竹中[作戦開始15分前になりましたので、手短に段取りを申し上げます。まずすでにサスケ大佐が宗旨替えで全国民が仏教徒になるように、それからレバノン国内の銃火器はすべて無くなるように気を送っています。それと欧米をはじめ世界各国が明日香の行動に対して理解を示し、好印象を持つようにしてあります。分捕り額の3割が明日香分で金銭以外の財産は折半です。政府高官や富豪の財産は没収で人員とともに接収してある警察に送ります。]
2984
竹中[質問はありますでしょうか。ウイグルの基地より鈴木伊伯少将と疋田文五郎大佐が戦車10台装甲車30台と共に2連隊の2千人で進めます。それではまもなくですのでサスケ大佐いつものように画面の近くで用意願います。]竹中[時間ですのでお願いします。]サスケが気を送ると鈴木伊伯少将が1,200人の兵を率いて所定の場所に突撃して捕まえて、疋田大佐は800人を率いて富豪や高官の財産それと人員を確保している。伊伯と文五郎はご存じ新陰流の剣豪なのでいずれも愛用の木刀で、抵抗をしてきたものには容赦のない一撃を加えている。真田[分取り資産はどのくらいを予定していますか。]竹中[国はボロボロですが役人が結構ため込んでいまして、現金資産が3兆円で他の資産が9千億円ほどを予定していますので、現金が3割で9千億円他が半分ですから4千5百億の合計1兆3千5百億円の見込みです。]真田[そのくらいでしたら充分ですね。どうやらスムーズにいっているようですよ。]
2985
1時間半位で完全に制圧できた旨の知らせが現地より作戦本部に連絡が来たので、これにて本部は解散となった。あとはしばらくはそのまま部隊を残して、シリアの司令部管轄になる。いつもの合同庁舎の屋外記者会見場で真田首相と竹中参謀長が会見をしている。
記者[久々の海外派兵ですが、経験からくるものなのか相変わらずに手際がいいですね。]
竹中[作戦は予定通りに遅滞なく終了して、1人の死亡者も出ておりません。味方には大したケガ人はいませんが相手側に2・30人ですが、たぶん警護隊のものだと思いますが激しく抵抗してきましたので、鈴木伊伯少将が新陰流剣術で数十人を一人で瞬く間に叩きのめしてしまいました。]記者[それはすさまじいですね。米国も仏国も不正まみれの政権が変わらないので持て余し気味でしたけど、ちょうどいいタイミングで制圧をしてくれました。海外のいろいろな情報を集めてみても、好印象のようですよ。]
2986
真田[今までに我が国が介入したところはいずれも成功して、経済も発展していますので新政府になるメンバーからも期待をされています。ちなみにベイルート港は汚職にまみれた不正の温床でしたが、新政府の依頼により港湾管理と税の徴収は我が国に全面依頼されたので国で支援をします。]記者[大爆発が起きる前はフランス風の雰囲気で料理もおいしく人気の観光地でしたが、元に戻すのはなかなかに大変です。何か秘策はありますか。]真田[もちろんありますよ。ただ、まだ発表する段階ではありません。]
司会[このへんで会見を終了します。]
副首相と会長がやってきた。副[予定通りにレバノンにした侵攻したな。前の政権は汚職にまみれてどうしようもなく、世界が新政権の誕生を望んでいたから侵攻を非難されるのではなく、よくやってくれたという評価だと思うよ。]
2987
副[それから四越デパートの吉祥天像は凄い人気だな。本人がデザインして観世音菩薩が造ったということなので、他の仏像とは全く違う慈悲にあふれたものなので参拝目当てのお客さんがたいへんに多いということだ。このお客さんをうまく購入客に結び付けて販売額を増やしているようなので、とてもいい展開だな。昔は日本橋四越デパートといったらダントツの売り上げナンバー1だったので、是非にも4位に沈んでいる現況を打破してほしいな。]
会長[正三さんは昔の公園通りの復活で頑張ったな。南部デパートとパルパルが提携をして新装開店セールを仕掛けて、両店舗に若者に人気のブランドをすべて集めてその上に渋谷店オリジナルなものを出したので、客が殺到して道玄坂の108や西急デパートは売り上げが半滅だそうだ。正三さんの昔のロックンロール作戦が成功して、若者に古いものがかえって斬新的に映っているようだぞ。道玄坂の流れが一気に変わったな。]
2988
副[スーパー羊羹堂は昔は売り上げに収益でトップだったのに、ここしばらくは完全のオゾンにやられていたけれど王様が関係してからすっかり変わってきたな、羊羹堂は関東近辺に集中して展開しているけれども不振店も多く数店舗が閉鎖予定だったけど、計画は取りやめになった様だ。デパートの方でも同じで、地方では重要な経済の柱だったので感謝感激のようだぞ。オゾンも首都圏で叩きのめせばお終いだろ。たぶんオゾンもデパート業界2位の高鳥屋もお終いだろうよ。その後は王様が潰すんではなくて、うまく調和を取ってやってくれるとお思うな。]会長[そうですね。スーパーと百貨店の不振店の対策が急務でしたけど、これで懸案事項が薄れましたね。話はかわるけどベイルートの港湾の半分の使用権を得るとともに、港から5キロ圏を強制買い付けと聞いているけどシリアと同じようにマリーナとホテルを造るようだな。]
2989
[そうですね。それが介入をするための条件でしたから。マリーナを造ってシリアと行き来できるようにするとともに、元々パリ風の雰囲気の町だと聞いていますのでパリ感を強烈に味わえる場所にしようと思います。1か月ぐらいで街づくりが終わると思いますので、またクルーザーで行ってみますか。シリアかレバノンにこちらにも美術工芸館を造りますので3人で視察に行かれてもいいですね。]会長[25万点でも集めればエジプトを負かしちゃうんじゃあないかな。あとは遺跡の復興だ。][そうですね。私にしかできないのでやりますよ。またおいしいものでも食べに行きましょう。ちなみに爆発前の有名シェフは全員を押さえていますのでホテルや専門店に廻します。][ほう。それは楽しみだぞ。娘と友達もああいうぜいたくは王様のところでしか味わえないと、とても喜んでいたのでまた頼みますよ。][そうですね。また招待します。]
2990
陶芸店の会議室に王様とスタッフが集まっている。
[いよいよ白雲市近郊の異次元にできているジュラシックワールドを接続しようと思います。尚、今まで13棟のホテルだったのが以前話した15万トンと5万トンの定期航路の関係で、20棟増やして合計33棟のホテルになっています。それと白雲市の港からジュラシックワールドまで瞬間移動で1万5千人を送ることができる施設も完成しています。手元の資料もありますけれども、全体の様子を画面で確認してください。]すず[一番人気のティラノサウルスに一番大きい体高35メートルで体重100トンのアルゼンチノサウルスですか。この2種類に人気が殺到するということで、このペアの見物場所が7か所に分かれてあるんですよね。ニュージーランドに生息していたダチョウの倍のジャイアントモアや20トンのマンモスもいて面白そうですね。シダに覆われた植生もいいですよ。]
[ほう、それは頑張っているな。]工場長[欧米のバイヤーからの注文が多いですが、ほとんどが火入れなしです。日本酒が定着していますので、その関係だと思いますよ。うちだけの独占ですので将来的にはとても有望です。][わかりました何か要望はありますか。][もっとかなり売れてくると思いますので、今の2・3倍は大きくした方がいいと思います。][わかりました。すぐに用地を確保しておくように言っておきます。それからヨントリーは私が100パーセントの株主になりましたので、販売を手伝ってもらおうと思っています。この工場はヨントリーが株主ではなく私が株主ですので基本的には同格ですが、ファミリーという感じになります。]工場[それは面白いですね。ヨントリーさんの販売ルートに乗せていただければここの焼酎だけに限らずに、北のタワンゴンパ近くで造っている日本酒と日本酒焼酎それに明日香芽台酒に金賞を取ったウィスキーもありますので、たいへんなことになります。]
2982
一行はブータンに2泊してから帰っていった。
国連の宇宙開発公団を名乗る2人連れがやってきた。例によってバリアーで中に入れない。
足をバタバタさせてうずくまってしまった。何か大声で喚いていたがじゃまなので警備員が強制的に脇にどけてしまった。[私達は国連の関係者だけどもなんで中に入れないのだ。]
警備[そんなこと知りませんよ。建物に聞いてください。]国連[せっかくの遠来の客にその態度はないだろ。][別にこちらから招いた人達ではありませんでしょ。勝手に来てギャースカ喚くのは迷惑なのでどっかに消えな。]小政が出てきた。[どうしたんだ。]警備[国連の宇宙関係ということですが約束無しで来て喚いています。]小政[一階の責任者だが、おたくの名刺を見せてくれないか。][はい。こちらですよ。][用件を聞こうか。][決まっています。王様に会いに来ました。]小政[わかんね~人だな。主語述語をきちっと言いなさいよ。]
2983
[だから、金星とか宇宙のことを聞きに来たのさ。][そんなの興味ないよ。帰んな。][後で大変なことになるぞ。][知るか~、糞ボケがぁ~。]小政[これからああいう輩が多くなってくるので注意してな。][はい。わかりました。]
いよいよレバノン侵攻の日になったので、きゃら市郊外の明日香軍参謀本部の作戦指令室に主要メンバーが集まっている。
竹中[作戦開始15分前になりましたので、手短に段取りを申し上げます。まずすでにサスケ大佐が宗旨替えで全国民が仏教徒になるように、それからレバノン国内の銃火器はすべて無くなるように気を送っています。それと欧米をはじめ世界各国が明日香の行動に対して理解を示し、好印象を持つようにしてあります。分捕り額の3割が明日香分で金銭以外の財産は折半です。政府高官や富豪の財産は没収で人員とともに接収してある警察に送ります。]
2984
竹中[質問はありますでしょうか。ウイグルの基地より鈴木伊伯少将と疋田文五郎大佐が戦車10台装甲車30台と共に2連隊の2千人で進めます。それではまもなくですのでサスケ大佐いつものように画面の近くで用意願います。]竹中[時間ですのでお願いします。]サスケが気を送ると鈴木伊伯少将が1,200人の兵を率いて所定の場所に突撃して捕まえて、疋田大佐は800人を率いて富豪や高官の財産それと人員を確保している。伊伯と文五郎はご存じ新陰流の剣豪なのでいずれも愛用の木刀で、抵抗をしてきたものには容赦のない一撃を加えている。真田[分取り資産はどのくらいを予定していますか。]竹中[国はボロボロですが役人が結構ため込んでいまして、現金資産が3兆円で他の資産が9千億円ほどを予定していますので、現金が3割で9千億円他が半分ですから4千5百億の合計1兆3千5百億円の見込みです。]真田[そのくらいでしたら充分ですね。どうやらスムーズにいっているようですよ。]
2985
1時間半位で完全に制圧できた旨の知らせが現地より作戦本部に連絡が来たので、これにて本部は解散となった。あとはしばらくはそのまま部隊を残して、シリアの司令部管轄になる。いつもの合同庁舎の屋外記者会見場で真田首相と竹中参謀長が会見をしている。
記者[久々の海外派兵ですが、経験からくるものなのか相変わらずに手際がいいですね。]
竹中[作戦は予定通りに遅滞なく終了して、1人の死亡者も出ておりません。味方には大したケガ人はいませんが相手側に2・30人ですが、たぶん警護隊のものだと思いますが激しく抵抗してきましたので、鈴木伊伯少将が新陰流剣術で数十人を一人で瞬く間に叩きのめしてしまいました。]記者[それはすさまじいですね。米国も仏国も不正まみれの政権が変わらないので持て余し気味でしたけど、ちょうどいいタイミングで制圧をしてくれました。海外のいろいろな情報を集めてみても、好印象のようですよ。]
2986
真田[今までに我が国が介入したところはいずれも成功して、経済も発展していますので新政府になるメンバーからも期待をされています。ちなみにベイルート港は汚職にまみれた不正の温床でしたが、新政府の依頼により港湾管理と税の徴収は我が国に全面依頼されたので国で支援をします。]記者[大爆発が起きる前はフランス風の雰囲気で料理もおいしく人気の観光地でしたが、元に戻すのはなかなかに大変です。何か秘策はありますか。]真田[もちろんありますよ。ただ、まだ発表する段階ではありません。]
司会[このへんで会見を終了します。]
副首相と会長がやってきた。副[予定通りにレバノンにした侵攻したな。前の政権は汚職にまみれてどうしようもなく、世界が新政権の誕生を望んでいたから侵攻を非難されるのではなく、よくやってくれたという評価だと思うよ。]
2987
副[それから四越デパートの吉祥天像は凄い人気だな。本人がデザインして観世音菩薩が造ったということなので、他の仏像とは全く違う慈悲にあふれたものなので参拝目当てのお客さんがたいへんに多いということだ。このお客さんをうまく購入客に結び付けて販売額を増やしているようなので、とてもいい展開だな。昔は日本橋四越デパートといったらダントツの売り上げナンバー1だったので、是非にも4位に沈んでいる現況を打破してほしいな。]
会長[正三さんは昔の公園通りの復活で頑張ったな。南部デパートとパルパルが提携をして新装開店セールを仕掛けて、両店舗に若者に人気のブランドをすべて集めてその上に渋谷店オリジナルなものを出したので、客が殺到して道玄坂の108や西急デパートは売り上げが半滅だそうだ。正三さんの昔のロックンロール作戦が成功して、若者に古いものがかえって斬新的に映っているようだぞ。道玄坂の流れが一気に変わったな。]
2988
副[スーパー羊羹堂は昔は売り上げに収益でトップだったのに、ここしばらくは完全のオゾンにやられていたけれど王様が関係してからすっかり変わってきたな、羊羹堂は関東近辺に集中して展開しているけれども不振店も多く数店舗が閉鎖予定だったけど、計画は取りやめになった様だ。デパートの方でも同じで、地方では重要な経済の柱だったので感謝感激のようだぞ。オゾンも首都圏で叩きのめせばお終いだろ。たぶんオゾンもデパート業界2位の高鳥屋もお終いだろうよ。その後は王様が潰すんではなくて、うまく調和を取ってやってくれるとお思うな。]会長[そうですね。スーパーと百貨店の不振店の対策が急務でしたけど、これで懸案事項が薄れましたね。話はかわるけどベイルートの港湾の半分の使用権を得るとともに、港から5キロ圏を強制買い付けと聞いているけどシリアと同じようにマリーナとホテルを造るようだな。]
2989
[そうですね。それが介入をするための条件でしたから。マリーナを造ってシリアと行き来できるようにするとともに、元々パリ風の雰囲気の町だと聞いていますのでパリ感を強烈に味わえる場所にしようと思います。1か月ぐらいで街づくりが終わると思いますので、またクルーザーで行ってみますか。シリアかレバノンにこちらにも美術工芸館を造りますので3人で視察に行かれてもいいですね。]会長[25万点でも集めればエジプトを負かしちゃうんじゃあないかな。あとは遺跡の復興だ。][そうですね。私にしかできないのでやりますよ。またおいしいものでも食べに行きましょう。ちなみに爆発前の有名シェフは全員を押さえていますのでホテルや専門店に廻します。][ほう。それは楽しみだぞ。娘と友達もああいうぜいたくは王様のところでしか味わえないと、とても喜んでいたのでまた頼みますよ。][そうですね。また招待します。]
2990
陶芸店の会議室に王様とスタッフが集まっている。
[いよいよ白雲市近郊の異次元にできているジュラシックワールドを接続しようと思います。尚、今まで13棟のホテルだったのが以前話した15万トンと5万トンの定期航路の関係で、20棟増やして合計33棟のホテルになっています。それと白雲市の港からジュラシックワールドまで瞬間移動で1万5千人を送ることができる施設も完成しています。手元の資料もありますけれども、全体の様子を画面で確認してください。]すず[一番人気のティラノサウルスに一番大きい体高35メートルで体重100トンのアルゼンチノサウルスですか。この2種類に人気が殺到するということで、このペアの見物場所が7か所に分かれてあるんですよね。ニュージーランドに生息していたダチョウの倍のジャイアントモアや20トンのマンモスもいて面白そうですね。シダに覆われた植生もいいですよ。]
0
あなたにおすすめの小説
鎮魂の絵師 ー長喜と写楽ー
霞花怜
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】
絵師・栄松斎長喜は、蔦屋重三郎が営む耕書堂に居住する絵師だ。ある春の日に、斎藤十郎兵衛と名乗る男が連れてきた「喜乃」という名の少女とで出会う。五歳の娘とは思えぬ美貌を持ちながら、周囲の人間に異常な敵愾心を抱く喜乃に興味を引かれる。耕書堂に居住で丁稚を始めた喜乃に懐かれ、共に過ごすようになる。長喜の真似をして絵を描き始めた喜乃に、自分の師匠である鳥山石燕を紹介する長喜。石燕の暮らす吾柳庵には、二人の妖怪が居住し、石燕の世話をしていた。妖怪とも仲良くなり、石燕の指導の下、絵の才覚を現していく喜乃。「絵師にはしてやれねぇ」という蔦重の真意がわからぬまま、喜乃を見守り続ける。ある日、喜乃にずっとついて回る黒い影に気が付いて、嫌な予感を覚える長喜。どう考えても訳ありな身の上である喜乃を気に掛ける長喜に「深入りするな」と忠言する京伝。様々な人々に囲まれながらも、どこか独りぼっちな喜乃を長喜は放っておけなかった。娘を育てるような気持で喜乃に接する長喜だが、師匠の石燕もまた、孫に接するように喜乃に接する。そんなある日、石燕から「俺の似絵を描いてくれ」と頼まれる。長喜が書いた似絵は、魂を冥府に誘う道標になる。それを知る石燕からの依頼であった。
【カクヨム・小説家になろう・アルファポリスに同作品掲載中】
※各話の最後に小噺を載せているのはアルファポリスさんだけです。(カクヨムは第1章だけ載ってますが需要ないのでやめました)
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる