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ダマスカスの老舗レストランの食事内容

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予定の11:00の10分前に王様一行が全員揃っていて、3分前に王様とスタッフが所定の車に乗り込んだ。瞬間にシリアの首都ダマスカスの老舗レストランの駐車場に到着して、すぐに出演者の衣装メイクが始まった。会長と娘にその友人3人がメイク用のマイクロバスから出てきた。続いてすずに子供たちそれにに犬4匹もビシット犬服を着こなしている。
ここの老舗レストランは5代続いているダマスカスの老舗で、少しだけ高級で一般大衆のお客さんでも充分に行ける金額に設定されていて、味も良くておまけに店主の人柄もよく街の自慢の店になっているようである。爆撃で半壊になってしまって再建が危ぶまれたけれども、王様の全国一斉の復興でこの店も元に戻ったので感謝の気持ちが強く店主家族と従業員が王様一行を心待ちにしていたのである。店の前で店主が出迎えて中に案内をした。
店内はいかにも老舗という感じで落ち着いた調度品が並んでいる。
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酒はシリアのアラックが有名でブドウから造られ51度であるがアニスというセリ科の1年草のハーブで独特のスパイシーな味付けにしている。アルチャナル酒造がここにも入り込んでいてビールと明日香芽台酒と火入れなしのウィスキーが置いてあるということだ。ビールとアラックに子供たちにジュースを頼んだ。犬達には骨付きの羊肉である。
すぐに特産の水切り塩ヨーグルトのラブネにパセリとトマトのサラダレモン汁掛け、それにひよこ豆のコロッケのファラフェルが出てきた。
チヨ[ラブネはフレッシュなヤギ乳で作られていますので、牛乳とは違いますけれど濃厚なチーズのような感じです。オリーブオイルを加えることにより味に深みが出ます。ファラフェルはひよこ豆をすり潰したものにこれは半分ぐらいそら豆を加えていますね。クミンとコリアンダーもすり込んでありますので、中東風でとても面白いと思います。とてもおいしいです。]



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昴[ジャガイモのコロッケとはまた違った感じですけれど、味に深みがあってとてもおいしいと思います。塩ヨーグルトはここのお店独特のこだわりがあるようで、材料の良さも伝わってきますよ。]子供たちの的確な評価に店主とその父親の75歳ぐらいの祖父は驚きと共に、料理の良さを伝えられてニコニコしている。
続いてサンブーサクと言われるシリア餃子が出てきた。焼くか揚げるかするそうだが今回は焼いて出てきたが具は挽肉と白チーズである。味はついているのでそのまま食べられるが、すずと子供2人はそれぞれが特別の調味料セットを持参しているので、小皿を貰って日本の餃子のタレのようにセットしている。すず[日本式の食べ方で充分に行けますよ。どうぞ必要でしたらお使いください。]娘[随分と用意がいいですね。日本式で食べた方が合います。]すず[チベット餃子モモの時にいつもこれですので、こちらでも必要かなと思いまして。]
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[シリアのアラックはアニスが入って独特のものになっているけれど、これはこれでおいしいな。]サスケ[そうですね。土地の酒は地元産の食材の料理に合っていますよ。]
いつもの回転焼きのドネルケバブであるが今回はクジラでやはり薄くスライスして自信の調味液に一晩漬けておいたものである。チキンの串焼きであるケバブと共に並べられた。それと共に伊勢海老主体のムール貝や他の貝が入った地中海スープも出てきた。志野[このスープはおいしいですよ。エビそのものの出汁と味付けがちょうどいいですね。]チヨ[マグレブの味付けのように控えめですが調味料の配合は秘伝の味ですね。たぶん他では真似ができないと思いますよ。]店主は大きくうなずいて、なかなかやるな~という顔をしている。テレビクルーもチヨの講釈と店主の表情を見逃さないようだ。続いて茄子とゴマのペーストでオリーブオイルを回し掛けしてあるババヌーシュにホブスと言われる薄焼きパンが出た。
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後はミントティーとフルーツの盛り合わせで終了である。支払いはテレビ局がやるが用意のチップ3万円ほどをすずが店主に渡した。祖父と店主に従業員一同がが最敬礼で見送った。
店外の多くの見物客がうまくいったようでほっとしているようである。
王様一行と会長たちは夕刻の出演時間まで空いているが、とり合えずクルーザーでお茶でも飲むことにした。
マリーナーに行くと13人の担当者がきちっと整列した。
王様一行と会長たちは全員が普段着に着替えて寛いでいる。子供たちは犬と共にプールである。娘[王様一家が普通にみんなと食事をされているところが撮れただけで、テレビ局は成功ですね。世界に他でありませんから。たぶんすずさんがチップを渡しているところも撮っていましたのでナレーションでも入れて放送するんでしょうね。]
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