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第一章
出会い
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「大丈夫ですか? お嬢さん、しっかりしてください」
(おじょう……さん? 私大学生だよ? もうそんな年でもないんだけどなぁ……)
「……あれ?」
微睡みかけていた意識を一気に浮上させ、私は目を開けた。
起きたての霞んだ視界に、眩しい太陽の光が飛び込んでくる。
「あぁ、よかった。目を覚まされたのですね」
再び聞こえた声の主を探すべく、視線を泳がすと、右側で誰かが覗き込んでいた。
(白い髪……? なんだか変わった頭の形をしているなぁ。頭の上に耳のようなものが……)
「えぇ!? 」
奇声を上げて飛び起きた私に、声の主はびくりと肩を震わせた。
瞬きを一つして、私はゆっくりと顔を上げる。
雪のように真っ白な髪の毛と獣耳。
髪や耳とおそろいの白くて大きな尻尾がぱたりと揺れる。
現代の服装とは違い、袴に襷姿だ。
これはもしや……
「犬? 」
「違います。狐です」
即答されてしまった。
(確かに狐っぽいかも。金色の目の犬なんていないもんね。……って、なに冷静に分析しているのよ、私は!ここ、明らかに私のいた世界じゃない。死んだわけでもないよね? たぶん。異世界とか信じる質ではないんだけど……でも彼のこの形相を見たら、信じるしかないよね。それにしても私、どうやってここまで来たんだろう)
思考が回り始めた途端、自分の状況が把握しきれなくなった。
河川敷を歩いていたところまでは覚えているのに。
「あの、大丈夫ですか? 」
控えめに尋ねてくる青年に、私は頷いた。
「あ、はい。体はなんとも」
「そうですか。それはよかった」
安堵の表情を浮かべつつ、青年は立ち上がった。
「私は葉月と申します。霊狐という妖です。貴方は……人間ですね」
目をついっと細めて、葉月さんは言った。
どこか意味深いその言葉に、私は思わず背筋を伸ばす。
「はい。結奈といいます。私、気がついたらここにいたんです。本当にいつの間にか。原因に心当たりがなくて。どうしたら帰れるのか、ご存じありませんか? 」
私は半ば祈るように聞いた。
しかし、葉月さんは私の言葉に目を伏せた。
「有るには有るのですが、止めておいたほうが良いと思います」
「なぜですか? 」
「それは──」
不意に、何か言いかけていた葉月さんが目を見開いた。
はっとした顔で辺りを見回し、耳をピクリと動かす。
「その話は後にしましょう。ここは危険ですから」
立てますか? と差し出された手をとると、思いのほか強い力で引っ張られた。
(なんか焦っている? )
立ち上がったことで、私の視野は一気に広くなる。
そばに湖があり、周りは草木に囲まれていた。
「歩けますか? それとも負ぶっていったほうが良いですか? 」
再び尋ねられて、私は慌てて首を振った。
「だ、大丈夫です」
尻尾を持つ背中に負ぶられる、というのも非常に興味があるが、流石にこの年でおんぶはないだろう。
「それよりどこへ行くんですか? 」
「私の家です。ここよりかは安全ですよ」
軽く微笑んだ葉月さんは、それでも警戒を解いていない。
ピンと耳を尖らせている。
(何に警戒しているのかは分からないけど、今は従ったほうが良さそうだね)
私達は足早に森へと入っていった。
さっきまでは気にも留めていなかったが、前を歩く葉月さんは籠を担いでいた。
身長差のせいで中身は見えないが、一つだけわかった。
(おんぶするつもりなかったよね! )
揶揄われたのだろうか。
そんなことを考えつつ、歩くこと約5分。
木々に紛れるように小さな家が建っていた。
秘密基地のようなその家は、現世でいえば1DK程の広さを持っていた。
いかにも一人暮らしという感じがする。
戸の前に立った葉月さんは、袖下から一枚の紙を取り出し、取っ手にさっとかざした。
流れるような動きでドアを開け、私の方を見る。
(入っていいのかな? )
「あの、葉月さん? 」
私が首を傾げると葉月さんは「あっ」と小さく声を漏らして苦笑した。
「すみません。お客さんを家に招くのは久しぶりでして」
そう言って入室許可を出してくれた。
「お、お邪魔します」
そろりそろりと家の中に入る。
ドアを閉めてつっかえ棒で固定すると、葉月さんは奥の襖へと歩いていった。
畳の懐かしい香りが鼻孔をくすぐる。
襖を開けると、こぢんまりとした部屋があった。
あまり使われていないようで、えらく殺風景だ。
おそらく客室のようなものだろう。
葉月さんは迷いなく、その部屋の真ん中に位置する畳へと進んだ。
「あの、何をしているんですか? 」
淡々と動く葉月さんを見て、私は一抹の不安を覚えて尋ねた。
今更ながらに、亡き母からの教えを思い出したためである。
『いい? 男の人の家には、そう簡単に行ってはいけないのよ』
(普段の私なら絶対について行かなかったのに……なんでかな。葉月さんといると警戒心がまるで無くなっちゃう)
葉月さんは畳を持ち上げると、困ったように笑った。
「そう不安そうな顔をなさらないでください。あとでちゃんと説明しますから。さぁ、ここに入ってください」
その言葉につられて視線を下げると、そこには人ひとり入れそうなスペースがあった。
一度葉月さんの方を見やると、真剣な顔で頷かれた。
(いや、頷かれても困るんだけど)
ため息が出そうになるのをこらえて、私は恐る恐る空間に足を伸ばした。
「ん? 」
踏み込んだ右の足底にふんわり滑らかな肌触りを感じる。
どうやらクッションが置いてあるらしい。
そのクッションに座り込むと、葉月さんが畳をかぶせてきた。
「結奈さん。色々と聞きたいことはあると思いますが、今しばらく辛抱してください。もうすぐ追っ手が来ます。いいですか? 私が良いと言うまで、絶対に出て来ては行けませんよ。音もなるべく立てないように。これは貴方の命に関わります」
「それってどういう──」
不意に、私の尋ねる声が、ドアの叩かれる音に掻き消された。
遅れて葉月さんが部屋を出ていく音。
「はい、なんでしょう」
「黄泉の者だ。ドアを開けろ」
随分と偉そうな物言いに、聞いているこっちが苛立つ。
一方の葉月さんは、そんな横柄な客の態度を気にすることなく家に迎えた。
「御用件は? 」
「ここいらで人間の娘を見なかったか? 」
ドクン、と心臓が嫌な音を立てた。
(それって私のこと? )
両手をぐっと握りしめて、私は葉月さんの返答を待つ。
「人間の娘ですか。先程まで外に出ていましたが、見かけませんでしたね。また転送地点の過誤ですか? 」
少し呆れたように葉月さんが言う。
相手は痛いところを突かれたようで、「うっ」と呻いた。
「新人の転送術使いだったんだ。主が大層お怒りでね」
(んー、黄泉とか術使いとか、とんでもなくファンタジーな単語が飛び出してきたなぁ。話についていけないんだけど。それに、どうして人間の女の子を探しているんだろう)
首をかしげていると、衣の擦れる音が近づいてきた。
「一応部屋の中は改めさせてもらう。お前のような高天原の奴らは、食べる気もなしに人間を匿う可能性があるからな」
ドスドスと乱暴な足音が近づいてくる。
三重に聞こえるところから、客は二人いるらしい。
「ここは? 」
「客間でございます。今日は人が来る予定もなかったので、座卓の用意はしておりませんが……お茶くらいはお出ししますよ」
丁度私が潜り込んでいる畳の上に、誰かが立ったのがわかる。
「ふん。それは、高天原の物が我々にとって有害なものであることを知っての提言か? 」
真上から聞こえる不機嫌な声に思わず身震いした。
なんだか禍々しいオーラを感じる。
「あ、それはすみません。失念しておりました。どうも私は、そちらのことに疎くて」
「まあいい。おい、帰るぞ」
何もないと判断したのか、二人分の足音が去る。
「何か情報が入ったら、お得意の連絡符で教えろ。もしも黙っていたら……わかっているな? 」
「ええ、はい。肝に銘じておきます」
(おじょう……さん? 私大学生だよ? もうそんな年でもないんだけどなぁ……)
「……あれ?」
微睡みかけていた意識を一気に浮上させ、私は目を開けた。
起きたての霞んだ視界に、眩しい太陽の光が飛び込んでくる。
「あぁ、よかった。目を覚まされたのですね」
再び聞こえた声の主を探すべく、視線を泳がすと、右側で誰かが覗き込んでいた。
(白い髪……? なんだか変わった頭の形をしているなぁ。頭の上に耳のようなものが……)
「えぇ!? 」
奇声を上げて飛び起きた私に、声の主はびくりと肩を震わせた。
瞬きを一つして、私はゆっくりと顔を上げる。
雪のように真っ白な髪の毛と獣耳。
髪や耳とおそろいの白くて大きな尻尾がぱたりと揺れる。
現代の服装とは違い、袴に襷姿だ。
これはもしや……
「犬? 」
「違います。狐です」
即答されてしまった。
(確かに狐っぽいかも。金色の目の犬なんていないもんね。……って、なに冷静に分析しているのよ、私は!ここ、明らかに私のいた世界じゃない。死んだわけでもないよね? たぶん。異世界とか信じる質ではないんだけど……でも彼のこの形相を見たら、信じるしかないよね。それにしても私、どうやってここまで来たんだろう)
思考が回り始めた途端、自分の状況が把握しきれなくなった。
河川敷を歩いていたところまでは覚えているのに。
「あの、大丈夫ですか? 」
控えめに尋ねてくる青年に、私は頷いた。
「あ、はい。体はなんとも」
「そうですか。それはよかった」
安堵の表情を浮かべつつ、青年は立ち上がった。
「私は葉月と申します。霊狐という妖です。貴方は……人間ですね」
目をついっと細めて、葉月さんは言った。
どこか意味深いその言葉に、私は思わず背筋を伸ばす。
「はい。結奈といいます。私、気がついたらここにいたんです。本当にいつの間にか。原因に心当たりがなくて。どうしたら帰れるのか、ご存じありませんか? 」
私は半ば祈るように聞いた。
しかし、葉月さんは私の言葉に目を伏せた。
「有るには有るのですが、止めておいたほうが良いと思います」
「なぜですか? 」
「それは──」
不意に、何か言いかけていた葉月さんが目を見開いた。
はっとした顔で辺りを見回し、耳をピクリと動かす。
「その話は後にしましょう。ここは危険ですから」
立てますか? と差し出された手をとると、思いのほか強い力で引っ張られた。
(なんか焦っている? )
立ち上がったことで、私の視野は一気に広くなる。
そばに湖があり、周りは草木に囲まれていた。
「歩けますか? それとも負ぶっていったほうが良いですか? 」
再び尋ねられて、私は慌てて首を振った。
「だ、大丈夫です」
尻尾を持つ背中に負ぶられる、というのも非常に興味があるが、流石にこの年でおんぶはないだろう。
「それよりどこへ行くんですか? 」
「私の家です。ここよりかは安全ですよ」
軽く微笑んだ葉月さんは、それでも警戒を解いていない。
ピンと耳を尖らせている。
(何に警戒しているのかは分からないけど、今は従ったほうが良さそうだね)
私達は足早に森へと入っていった。
さっきまでは気にも留めていなかったが、前を歩く葉月さんは籠を担いでいた。
身長差のせいで中身は見えないが、一つだけわかった。
(おんぶするつもりなかったよね! )
揶揄われたのだろうか。
そんなことを考えつつ、歩くこと約5分。
木々に紛れるように小さな家が建っていた。
秘密基地のようなその家は、現世でいえば1DK程の広さを持っていた。
いかにも一人暮らしという感じがする。
戸の前に立った葉月さんは、袖下から一枚の紙を取り出し、取っ手にさっとかざした。
流れるような動きでドアを開け、私の方を見る。
(入っていいのかな? )
「あの、葉月さん? 」
私が首を傾げると葉月さんは「あっ」と小さく声を漏らして苦笑した。
「すみません。お客さんを家に招くのは久しぶりでして」
そう言って入室許可を出してくれた。
「お、お邪魔します」
そろりそろりと家の中に入る。
ドアを閉めてつっかえ棒で固定すると、葉月さんは奥の襖へと歩いていった。
畳の懐かしい香りが鼻孔をくすぐる。
襖を開けると、こぢんまりとした部屋があった。
あまり使われていないようで、えらく殺風景だ。
おそらく客室のようなものだろう。
葉月さんは迷いなく、その部屋の真ん中に位置する畳へと進んだ。
「あの、何をしているんですか? 」
淡々と動く葉月さんを見て、私は一抹の不安を覚えて尋ねた。
今更ながらに、亡き母からの教えを思い出したためである。
『いい? 男の人の家には、そう簡単に行ってはいけないのよ』
(普段の私なら絶対について行かなかったのに……なんでかな。葉月さんといると警戒心がまるで無くなっちゃう)
葉月さんは畳を持ち上げると、困ったように笑った。
「そう不安そうな顔をなさらないでください。あとでちゃんと説明しますから。さぁ、ここに入ってください」
その言葉につられて視線を下げると、そこには人ひとり入れそうなスペースがあった。
一度葉月さんの方を見やると、真剣な顔で頷かれた。
(いや、頷かれても困るんだけど)
ため息が出そうになるのをこらえて、私は恐る恐る空間に足を伸ばした。
「ん? 」
踏み込んだ右の足底にふんわり滑らかな肌触りを感じる。
どうやらクッションが置いてあるらしい。
そのクッションに座り込むと、葉月さんが畳をかぶせてきた。
「結奈さん。色々と聞きたいことはあると思いますが、今しばらく辛抱してください。もうすぐ追っ手が来ます。いいですか? 私が良いと言うまで、絶対に出て来ては行けませんよ。音もなるべく立てないように。これは貴方の命に関わります」
「それってどういう──」
不意に、私の尋ねる声が、ドアの叩かれる音に掻き消された。
遅れて葉月さんが部屋を出ていく音。
「はい、なんでしょう」
「黄泉の者だ。ドアを開けろ」
随分と偉そうな物言いに、聞いているこっちが苛立つ。
一方の葉月さんは、そんな横柄な客の態度を気にすることなく家に迎えた。
「御用件は? 」
「ここいらで人間の娘を見なかったか? 」
ドクン、と心臓が嫌な音を立てた。
(それって私のこと? )
両手をぐっと握りしめて、私は葉月さんの返答を待つ。
「人間の娘ですか。先程まで外に出ていましたが、見かけませんでしたね。また転送地点の過誤ですか? 」
少し呆れたように葉月さんが言う。
相手は痛いところを突かれたようで、「うっ」と呻いた。
「新人の転送術使いだったんだ。主が大層お怒りでね」
(んー、黄泉とか術使いとか、とんでもなくファンタジーな単語が飛び出してきたなぁ。話についていけないんだけど。それに、どうして人間の女の子を探しているんだろう)
首をかしげていると、衣の擦れる音が近づいてきた。
「一応部屋の中は改めさせてもらう。お前のような高天原の奴らは、食べる気もなしに人間を匿う可能性があるからな」
ドスドスと乱暴な足音が近づいてくる。
三重に聞こえるところから、客は二人いるらしい。
「ここは? 」
「客間でございます。今日は人が来る予定もなかったので、座卓の用意はしておりませんが……お茶くらいはお出ししますよ」
丁度私が潜り込んでいる畳の上に、誰かが立ったのがわかる。
「ふん。それは、高天原の物が我々にとって有害なものであることを知っての提言か? 」
真上から聞こえる不機嫌な声に思わず身震いした。
なんだか禍々しいオーラを感じる。
「あ、それはすみません。失念しておりました。どうも私は、そちらのことに疎くて」
「まあいい。おい、帰るぞ」
何もないと判断したのか、二人分の足音が去る。
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