色彩色盲

カミーユ R-35

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真実の裏の顔

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??「分かれば良いんです。
お食事の処お邪魔してしまい、申し訳ありません。
この後も、ごゆるりとおくつろぎ下さいませ。
では、わたくしはこれにて失礼致します」

そう言ってその人は何事も無かったように、俺達の前から去っていった。
仕事が終わったからか、まるで俺達など視界に入ってない態度に肩透かした。
(何だよあの人、勝手気ままな奴だな…)
過ぎ去る後ろ姿を睨む様に見ていた俺に、祐二が「大丈夫か?」って聞いてきた。

転入生「ああ、大丈夫。大丈夫……。」
(な訳無い。速攻カツラのことバレて、そのカツラも無くなって。そのうえ、友人二人にもバレていて。
これお姉ちゃんに、何て言い訳しよ……)
俺はまだ見ぬ未来を想像して一人、背筋が寒くなった。

りー君「あはは。ウケる~ww」

転入生「笑いごとじゃないって!」
又も空気が読めないりー君は、さっきの出来事を掘り返してくる。

りー君「別に面白かったからいいんだけど。
キラ、お前。何でカツラなんて被ってたんだよw?」

笑いが抑えられないのか、りー君は必死に口元を抑えながら隠してるが、肩が震えているせいでバレバレだ。

転入生「笑いたきゃ笑えよ。
俺はお姉ちゃんに言われて仕方なく被ってたんだよ!」

りー君「ぎゃハハハハハハ‼‼ ヒィーーー‼‼腹イテぇ゙!」

(え…。そこまで笑う?)
大口を開いて机をバンバン叩くりー君に、段々苛立ちが込み上げてきた。(クソ、コイツ!)
胸ぐらでも掴んでやろうと、立ち上がりかけた時だった。

祐二「凛‼ いい加減に笑うのを止めろ!キラに失礼だ」

声を荒げた祐二に、俺達二人は驚き口を噤んだ。

祐二「キラにだって色々事情があってアレを被ってたんだよ。それをいちいち蒸し返して笑うなっ!」

本気で怒ってくれているのに、どこか暖か味のある言葉にりー君も反省したのか「ごめん……キラ。笑い過ぎたかも…」と謝ってきた。
知り合って間もない俺の為に、こんな風に言ってくれるなんて…。やっぱり祐二は、優しかった。

転入生「祐二ありがとう。りー君も分かってくれれば良いから!」
(この場に祐二が居てくれて良かった…)
安堵の笑顔浮かべ、俺は二人に向き直る。
ちょうどその時、タイミングよく注文したメニューが運ばれて会話は一時中断。
運ばれてきた美味しそうな定食を見て、俺はテンションか上がった。

転入生「ありがとうございますっ」
運んで来たとウェイターをチラッと見た時、一瞬思考が止まる。
(田中さんじゃあねぇか⁉)
そこには、俺のカツラを被った田中さんがいた。
気になってチラチラ視線を送るが、俺を視界入れない様子から察するに、カツラは返す気は無いらしい。
(まぁ もう、良いけど)

気まずさに言葉を探しいたら、「カツラ、ありがとうございました」って嬉しそうな声が突如聞こえてきた。
驚いたが、直ぐにその声が田中さんだと気づき、俺はチラッと田中さんを盗み見たが、もう既に用を済ませた田中さんは会釈をすると直ぐにどっかに行ってしまった。(あげたつもり、なかったんだけどなぁ…)

その後も何ら変わりなく、食事を終え会計を済ませた俺達は、教室に戻り午後の授業に備えた。






















【りー君視点】

俺は最初っから、アイツが気に食わなかった。
転入して早々、俺の祐二に取り入るなんてヤラシイ奴だ。祐二は優しい奴だから、転入生のアイツを気に掛けて話掛けたに過ぎないのに。アイツはそんなこともつゆ知らず、ヘラヘラと祐二に媚売りやがって。
(気に食わねぇ…)
お昼を済ませた俺達は、教室に戻る。
俺は途中で祐二に「便所」と言い一人トイレに向かった。
(ハァ……マジであり得ねえ。祐二に怒られちゃった…)
思い出して一人でへこむ。
度々祐二を怒らせることは有ったが、あんなに怒られることは無かった。
これアレも全て、あの転入生のせいだッ。

凛「マジで消えろよ……」
嫉妬と羨望感が頭をかき乱す。
無意識で、いつの間にか拳を固く握り締めていた事に気づき。凛は深いため息を吐いた。
(駄目だ…。こんな顔、祐二には見せられない)
少し心を落ち着かせるため、凛は遠回りを統べく人気の無いトイレに予定変更した。
教室に戻った時、いつもの何ともない祐二にバレない様に笑う。
凛「大丈夫…、大丈夫」
(俺なら耐えられる)
祐二は、優しいから気づいても気づかないフリをして察してくれる。だから────…。
「よお!りー君。」
今日は運が悪い日の様だ。
教室に戻ろうとトイレから出た時、この男と出くわしてしまった。
少し日焼けをした、如何にも遊び人の外見をした奴。
会えば、会話を交わす程度。特別親しくはない。表向きは───……。


「最近あんま、カマってくれねーじゃん。彼氏でも出来た?」
凛「別に……」
「攣れない処が可愛いね♡」
凛「煩い。用がないなら俺、行くから」
無視して行こうとした俺の手首をガシッと、捕まえてきた行動に無意識に眉を顰めた。
凛「何」
「今からどうかな~って、思って」
凛「は?もうすぐ授業始まるから、やだ」

「そう言わずに」
強引に腕を引っ張られ、俺はトイレの個室に押し込まれた。(強引過ぎ。我慢出来ない猿かよ…)と内心毒を吐く。
分かっていた。コイツが俺に話しかける理由なんて、一つしか無いことを。
「どうせ最後はドロドロに気持ちよくなって、訳分かんなくなる癖に♡」
ゆっくりと顔が近づいてくる不快感に、俺は顔を背ける。
無理矢理トイレの便座に座らせられた俺を、上から下までじっくりと舐めます様に食い見るさまは滑稽だった。(そんなに溜まってんのかよ)
凛「気持ちよくなかったら、殺す…」
放っから、覚悟は出来ていた。コイツと会う時は、何時もそうだった様に。
(そもそもコイツとヤるのは初めてじゃないし…)
「あたり前だろ?じっくりゆっくりお前を、快楽に落としてやるよ」

























俯いていた顔の俺を、覗き込んできた男が、ゴクリと喉を慣らした。
俺の口の端には、男のモノあろう白い垂れていた。
(コイツ、毎回口の中で出しやがって)

凛「まずッ……」
(奥に突っ込み過ぎなんだよ)
軽くむせたせいで、俺は少し涙目になった。すると、それが奴の劣情を煽ったらしい。俺を立ち上がらせると、奴に尻を突き出す格好させられた。(この格好、地味に恥づいんだが)
俺の思考を無視して、奴は荒い手つきで俺のベルトを外し、ズボンとパンツを一気に脱がす。

凛「焦り過ぎ…。我慢も出来ねえ猿かよッ」
俺は、心底馬鹿にした口調で言うが。
「なんとでも言えよ。こちとら最近ご無沙汰で溜まってんの」と、楽しそうに返された。
(知るかよ)
遊び人のコイツは、俺以外にもきっと遊び相手がいる筈だ。そんな奴が最近ご無沙汰って…。冗談キツイは。
さっきから俺の背後でぐちゃぐちゃと粘膜を掻き混ぜる様な音が聞こえるは、きっと俺の穴をローションで慣らしてせいだ。
この男は、いつもご丁寧に慣らしてくれる。
(律儀な奴)

凛「そんなんッ……、もう良いからッ!」
早く終わらせたい俺とは裏腹にソイツは、「良いの、良いの。俺が勝手にヤッてるだけだから」と念入りに俺の穴を刺激する。
凛「うっッ……あッ、ん……」
二本の指が俺の中をしつこく刺激する。
(女じゃねぇーんだから、さっさと突っ込めよッ)
力が上手く入らず、下半身がおちる。
「気持ちいの?」
男の質問に返事を返す気はない。

凛「いいからッ!早くッ!」
代わりに上擦った声で急かすと、男はやっと自身のベルトを外しだした。
手慣れた手つきで自身のナニを取り出すと、俺の腰を抱え上げ、ナニを押し当てた。
「久々だから、手加減出来ないかも…」
熱っぽい声に、無意識に俺の興奮を逆立てた。
(こんな状態で、ヤられたら)と思うと────…。
強引に押し入れられたナニが、俺の中で弄ばれる。
視界が揺れ、少しの刺激で快楽が跳ね上がる。
凛「あ……ッん」
俺の中で何かが壊れる音がした。
(もう戻れない……。)
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