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第25回『睡眠不足 ポートレート 部屋』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第25回『睡眠不足 ポートレート 部屋』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間8分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=cX3fq6052FU
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
「グゴ、グガガ……。私を、私をこの部屋から出さないほうがいい……。外に出してしまえば世界はとりかえしのつかないことになるぞ……。」
「ど、どうなるっていうんだよ。」
「それは私にもわからない。だが汝にできるのは、私のことなど放っておくことだけだ。それが世界を災厄から救う唯一の手段だ……。」
「それでもっ、それでも俺はっ……。」
「私は一人永遠の時間の中で生きる。」
「頼むっ。」
「立ち去れぇい!」
「くっ!」
「そうだ。そのまま後ろを振り返らずに行くのだ……。汝のことは忘れないよ……。」
「僕は何もできない自分に歯ぎしりをしながら逃げるようにその部屋から走り出した……ってなにやらせるの。少し外に出るくらいいいじゃん。」
僕は寺島の茶番にしばらく付き合ってあげたあと、冷静な突っ込みを入れた。
寺島は僕の彼女だ。
今僕たちは高校2年生だから付き合ってそろそろ半年が経つことになる。
で、クッションを抱えてカーペットに座り込んでいるのが寺島。
今日は寺島の家でおうちデートということになっている。
だから僕たちはさっきまで寺島の部屋でゲームをしていた。
元々\僕も寺島もゲーム好きで、付き合うきっかけになったのもゲームの話で盛り上がって一緒に遊んでいるうちにお互いの存在を意識し始めたというやつだ。
だから僕も寺島と一緒にゲームをするのは楽しかった。
そのゲームはカメラマンとなって島中にいるいろんなモンスターたちを写真に収めるという内容だった。
島の中を探索し、動きの速いモンスターを的確にファインダーに収めたり、なかなか遭遇できないレアなモンスターを撮ると高得点がもらえるというシステムだ。
寺島はいかに高得点を狙うかというよりも自分のお気に入りのかわいいモンスターを探すことに必死だったので、勝負は僕の勝ちで大いに盛り上がった。
ではなぜ僕と寺島が冒頭のやり取りをするようになったか。
きっかけは単純だ。
モンスターを写真に撮るゲームをやっている最中にふと
窓の外を見ると、実にいい天気だった。
写真のことは分からないが、グラビア写真によく出てきそうな、撮影日和と言えそうなうららかな日差しだった。
そこで僕はふと思い出した。
寺島とは馬鹿をやってる写真ばかりでちゃんとした写真は1枚も持っていないな、と。
だから僕は寺島に外で写真を撮らせてとお願いした。
「ちょっ、このゲームやってるときに写真を撮りたくなるって、高野、私のこと完全にモンスター扱いしてんじゃん。」
自分の発言が気に入ったのか、そこから寺島はモンスターのふりを始めて冒頭に至る。
どうやら秘密の部屋に封印された世界を破壊するレベルの危険なモンスターという設定らしい。
僕たちは公園に来た。
あのゲームは小学生にも人気なので、公園に子どもたちの姿が全く見えないのは彼らも家で夢中になってモンスターを追いかけまわしているからだろうか。
「っあー、ずっとゲームやってたから空気が気持ちいいねー。」
寺島は伸びをした。
「とりあえずそこらへんに立ってよ。」
僕はスマホをいじり出すと、まだシャッターを切ってないのに寺島は手で顔を隠した。
「ちょっと、本当に撮るの? 私は散歩のつもりで来たのにっ。」
「そう言ったじゃん。次に俺の写真も撮っていいから。」
「いらないよっ。私今日寝不足でクマがひどいから本当無理っ。」
「かわいいから大丈夫だって。ひどかったらまた今度撮り直せすし。」
「ひどくないっ。」
ならいいじゃん、と思いながら僕はカメラ機能の普段あまり使わない詳細設定の項目をタップし続けた。
「あ、これにしよう。ポートレートモードってのがある。」
「なにそれ?」
「人物を撮る専用の。なんか背景がボケて人物がきれいに見えるらしいよ。」
スマホを寺島に向ってかざしてみたが、背景のボケは撮影後に処理されるのか、普段の撮影モードとの違いはわからなかった。
「ふーん? ボケてるのは私の写真を撮りたい高野でしょ。」
寺島がこっちに目線を向けたので僕は反射的にシャッターを切った。
「ボケてるんじゃなくて、寺島にのぼせてるんだよ。」
寺島がたじろぎ、ほほを赤くしている写真が撮れた。
~・~・~・~・~
~感想~
キーボードの調子が悪いので、途中で有線のキーボードに切り替えたら快適になりました。
お題は部屋と言ってもいろいろな部屋があるので難しかったです。
そのなかでももう一つのお題である睡眠不足と少しでも連動させてやるために、インドア・ゲーム好きの女の子ということにしました。
ポートレートも普段はそう使わない言葉だと思うので、身近なスマホを介させました。
高校生のカップルが写真を撮るというインパクトの弱い話なので、出だしはファンタジーのクライマックスっぽくしました。
でもそのおかげで、偶然にもモンスターと写真をつなげることが出来るなと書いてて気付きました。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第25回『睡眠不足 ポートレート 部屋』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間8分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=cX3fq6052FU
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
「グゴ、グガガ……。私を、私をこの部屋から出さないほうがいい……。外に出してしまえば世界はとりかえしのつかないことになるぞ……。」
「ど、どうなるっていうんだよ。」
「それは私にもわからない。だが汝にできるのは、私のことなど放っておくことだけだ。それが世界を災厄から救う唯一の手段だ……。」
「それでもっ、それでも俺はっ……。」
「私は一人永遠の時間の中で生きる。」
「頼むっ。」
「立ち去れぇい!」
「くっ!」
「そうだ。そのまま後ろを振り返らずに行くのだ……。汝のことは忘れないよ……。」
「僕は何もできない自分に歯ぎしりをしながら逃げるようにその部屋から走り出した……ってなにやらせるの。少し外に出るくらいいいじゃん。」
僕は寺島の茶番にしばらく付き合ってあげたあと、冷静な突っ込みを入れた。
寺島は僕の彼女だ。
今僕たちは高校2年生だから付き合ってそろそろ半年が経つことになる。
で、クッションを抱えてカーペットに座り込んでいるのが寺島。
今日は寺島の家でおうちデートということになっている。
だから僕たちはさっきまで寺島の部屋でゲームをしていた。
元々\僕も寺島もゲーム好きで、付き合うきっかけになったのもゲームの話で盛り上がって一緒に遊んでいるうちにお互いの存在を意識し始めたというやつだ。
だから僕も寺島と一緒にゲームをするのは楽しかった。
そのゲームはカメラマンとなって島中にいるいろんなモンスターたちを写真に収めるという内容だった。
島の中を探索し、動きの速いモンスターを的確にファインダーに収めたり、なかなか遭遇できないレアなモンスターを撮ると高得点がもらえるというシステムだ。
寺島はいかに高得点を狙うかというよりも自分のお気に入りのかわいいモンスターを探すことに必死だったので、勝負は僕の勝ちで大いに盛り上がった。
ではなぜ僕と寺島が冒頭のやり取りをするようになったか。
きっかけは単純だ。
モンスターを写真に撮るゲームをやっている最中にふと
窓の外を見ると、実にいい天気だった。
写真のことは分からないが、グラビア写真によく出てきそうな、撮影日和と言えそうなうららかな日差しだった。
そこで僕はふと思い出した。
寺島とは馬鹿をやってる写真ばかりでちゃんとした写真は1枚も持っていないな、と。
だから僕は寺島に外で写真を撮らせてとお願いした。
「ちょっ、このゲームやってるときに写真を撮りたくなるって、高野、私のこと完全にモンスター扱いしてんじゃん。」
自分の発言が気に入ったのか、そこから寺島はモンスターのふりを始めて冒頭に至る。
どうやら秘密の部屋に封印された世界を破壊するレベルの危険なモンスターという設定らしい。
僕たちは公園に来た。
あのゲームは小学生にも人気なので、公園に子どもたちの姿が全く見えないのは彼らも家で夢中になってモンスターを追いかけまわしているからだろうか。
「っあー、ずっとゲームやってたから空気が気持ちいいねー。」
寺島は伸びをした。
「とりあえずそこらへんに立ってよ。」
僕はスマホをいじり出すと、まだシャッターを切ってないのに寺島は手で顔を隠した。
「ちょっと、本当に撮るの? 私は散歩のつもりで来たのにっ。」
「そう言ったじゃん。次に俺の写真も撮っていいから。」
「いらないよっ。私今日寝不足でクマがひどいから本当無理っ。」
「かわいいから大丈夫だって。ひどかったらまた今度撮り直せすし。」
「ひどくないっ。」
ならいいじゃん、と思いながら僕はカメラ機能の普段あまり使わない詳細設定の項目をタップし続けた。
「あ、これにしよう。ポートレートモードってのがある。」
「なにそれ?」
「人物を撮る専用の。なんか背景がボケて人物がきれいに見えるらしいよ。」
スマホを寺島に向ってかざしてみたが、背景のボケは撮影後に処理されるのか、普段の撮影モードとの違いはわからなかった。
「ふーん? ボケてるのは私の写真を撮りたい高野でしょ。」
寺島がこっちに目線を向けたので僕は反射的にシャッターを切った。
「ボケてるんじゃなくて、寺島にのぼせてるんだよ。」
寺島がたじろぎ、ほほを赤くしている写真が撮れた。
~・~・~・~・~
~感想~
キーボードの調子が悪いので、途中で有線のキーボードに切り替えたら快適になりました。
お題は部屋と言ってもいろいろな部屋があるので難しかったです。
そのなかでももう一つのお題である睡眠不足と少しでも連動させてやるために、インドア・ゲーム好きの女の子ということにしました。
ポートレートも普段はそう使わない言葉だと思うので、身近なスマホを介させました。
高校生のカップルが写真を撮るというインパクトの弱い話なので、出だしはファンタジーのクライマックスっぽくしました。
でもそのおかげで、偶然にもモンスターと写真をつなげることが出来るなと書いてて気付きました。
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