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第70回『始業式 薄ら笑い コロッケパン』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第70回『始業式 薄ら笑い コロッケパン』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=CWRJuDOd398
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ。
目覚ましのアラームが鳴るのはもう何度目だろう。
この小うるさいおせっかいさんを無視して、昨夜も夜更かししちゃった自分をいたわるように午前中をお布団の中で過ごせるのが夏休みの醍醐味だ。
私は枕を抱きしめたまま当てずっぽうで手を伸ばし、何回かの捜索の末、右手はようやくスマホをつかんだ。
タップしようと寝ぼけ眼で開いたスマホのホーム画面には、9月1日と表示されていた。
そっかー、昨日までは毎朝8月という表示を見てたんだけど、今日は9月かーと、最初は半分寝ていた頭でのんきなことを考えた。
だがこの9という数字がちくちくと私の頭を刺激した。
ん? 9? 9月?
今日から学校じゃん!
私は2学期が今日から始まることを忘れていた。
あわてて時間を見ると、8時20分。
私は布団から飛び起きた。
パジャマをそこら中に脱ぎ捨てると、ハンガーにかかっていた制服をひっつかんだ。
しわなんて気にせずに制服に身を包むと、ありったけの物をカバンにつめこんで1階に飛び降りた。
「お母さんっ、なんで起こしてくれなかったのっ?」
そのまま洗面所に駆け込み顔を洗ったが、お母さんは何か言っていたようだがその声は水道から勢いよく出る水の音で私には聞こえなかった。
もちろんお母さんがなんと言ったのかなんてだいたい想像はつくが。
ちらっと見えた居間の様子から察するに、弟はすでに学校へ行ったみたいだ。
きっと今日が始業式だということを忘れて眠り続けている姉に薄ら笑いを浮かべて私の部屋の前を通り過ぎたのだろう。
「それじゃあ、行ってきまー……。」
タオルを顔に当てながら玄関に向かっていると、テーブルの上には私の朝食が用意されていた。
「ふぁ~、ははふははふ~(ひゃ~、遅刻遅刻~)。」
私はコロッケパンを口にくわえながら走っていた。
と、そこへ曲がり角を曲がったとたんにどーん!
私は衝撃を受けて尻もちをついてしまった。
「あたたたた……。」
私がおでこをさすっていると、私と向かい合った男の子もいててと言いながら鼻をおさえていた。
私は出会い頭にこの人とぶつかってしまったのだ。
違う学校の制服だったが、私と同じ中学生らしかった。
「ごめんなさい、私、前を見てなくて……。」
「あ、あの……。」
男の子は鼻をおさえたまま顔が赤くなっていた。
そんなに強くぶつかったのかなと思ったが、男の子の目線は下に向いていた。
ん? 下?
転んだことで気が動転していたので気付かなかったが、私はあわててスカートをおさえた。
「み、見たな~~。」
「み、見てない見てない! ……ちょっとしか。」
男の子は立ち上がると、そのまま走り去った。
当然のように遅刻した私は先生から怒られた。
しかし私の頭の中は今朝の男の子のことでいっぱいだった。
「ちょっとしかって、結局見たんじゃない!」
むっとしている私を友達は先生に怒られたからだと思って、私のルーズさをはやしたててきた。
ホームルームを告げるチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
だが、入ってきたのは先生だけではなかった。
先生の後ろにはもう一人いた。
生徒だが、この学校の制服を着ていなかった。
「えー、今日はみなさんに転校生を紹介します。」
私は転校生の男の子を見て反射的に立ち上がった。
「あーーーー!」
「あーーーー!」
僕は新人賞に応募する漫画をクラスの友達に見せた。
「どうかな? 最後は二人とも付き合うことになるんだけど。」
「いいんじゃないか?」
友達は即答で太鼓判を押してくれ、その理由を語ってくれた。
「恋は障害が大きければ大きいほど盛り上がる。食パンじゃなくてコロッケパンをくわえながら走る女の子はなかなか好きになれないよ。」
~・~・~・~・~
~感想~
コロッケパンというお題が出てくるのは2回目ですが、とにかくコロッケパンである理由を作るのが大変でした。
もう一つのお題の薄ら笑いは別の使い方をする予定だったのですが、途中で姉のルーズさとの対比として弟を出すことを思いついたので、そこで使いました。
振りでしかないベタに対してこんなに字数を使ってしまっていいのかなと疑問を持っています。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第70回『始業式 薄ら笑い コロッケパン』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
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ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ。
目覚ましのアラームが鳴るのはもう何度目だろう。
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私は枕を抱きしめたまま当てずっぽうで手を伸ばし、何回かの捜索の末、右手はようやくスマホをつかんだ。
タップしようと寝ぼけ眼で開いたスマホのホーム画面には、9月1日と表示されていた。
そっかー、昨日までは毎朝8月という表示を見てたんだけど、今日は9月かーと、最初は半分寝ていた頭でのんきなことを考えた。
だがこの9という数字がちくちくと私の頭を刺激した。
ん? 9? 9月?
今日から学校じゃん!
私は2学期が今日から始まることを忘れていた。
あわてて時間を見ると、8時20分。
私は布団から飛び起きた。
パジャマをそこら中に脱ぎ捨てると、ハンガーにかかっていた制服をひっつかんだ。
しわなんて気にせずに制服に身を包むと、ありったけの物をカバンにつめこんで1階に飛び降りた。
「お母さんっ、なんで起こしてくれなかったのっ?」
そのまま洗面所に駆け込み顔を洗ったが、お母さんは何か言っていたようだがその声は水道から勢いよく出る水の音で私には聞こえなかった。
もちろんお母さんがなんと言ったのかなんてだいたい想像はつくが。
ちらっと見えた居間の様子から察するに、弟はすでに学校へ行ったみたいだ。
きっと今日が始業式だということを忘れて眠り続けている姉に薄ら笑いを浮かべて私の部屋の前を通り過ぎたのだろう。
「それじゃあ、行ってきまー……。」
タオルを顔に当てながら玄関に向かっていると、テーブルの上には私の朝食が用意されていた。
「ふぁ~、ははふははふ~(ひゃ~、遅刻遅刻~)。」
私はコロッケパンを口にくわえながら走っていた。
と、そこへ曲がり角を曲がったとたんにどーん!
私は衝撃を受けて尻もちをついてしまった。
「あたたたた……。」
私がおでこをさすっていると、私と向かい合った男の子もいててと言いながら鼻をおさえていた。
私は出会い頭にこの人とぶつかってしまったのだ。
違う学校の制服だったが、私と同じ中学生らしかった。
「ごめんなさい、私、前を見てなくて……。」
「あ、あの……。」
男の子は鼻をおさえたまま顔が赤くなっていた。
そんなに強くぶつかったのかなと思ったが、男の子の目線は下に向いていた。
ん? 下?
転んだことで気が動転していたので気付かなかったが、私はあわててスカートをおさえた。
「み、見たな~~。」
「み、見てない見てない! ……ちょっとしか。」
男の子は立ち上がると、そのまま走り去った。
当然のように遅刻した私は先生から怒られた。
しかし私の頭の中は今朝の男の子のことでいっぱいだった。
「ちょっとしかって、結局見たんじゃない!」
むっとしている私を友達は先生に怒られたからだと思って、私のルーズさをはやしたててきた。
ホームルームを告げるチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
だが、入ってきたのは先生だけではなかった。
先生の後ろにはもう一人いた。
生徒だが、この学校の制服を着ていなかった。
「えー、今日はみなさんに転校生を紹介します。」
私は転校生の男の子を見て反射的に立ち上がった。
「あーーーー!」
「あーーーー!」
僕は新人賞に応募する漫画をクラスの友達に見せた。
「どうかな? 最後は二人とも付き合うことになるんだけど。」
「いいんじゃないか?」
友達は即答で太鼓判を押してくれ、その理由を語ってくれた。
「恋は障害が大きければ大きいほど盛り上がる。食パンじゃなくてコロッケパンをくわえながら走る女の子はなかなか好きになれないよ。」
~・~・~・~・~
~感想~
コロッケパンというお題が出てくるのは2回目ですが、とにかくコロッケパンである理由を作るのが大変でした。
もう一つのお題の薄ら笑いは別の使い方をする予定だったのですが、途中で姉のルーズさとの対比として弟を出すことを思いついたので、そこで使いました。
振りでしかないベタに対してこんなに字数を使ってしまっていいのかなと疑問を持っています。
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