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第164回『電気ショック ダンクシュート 郵便番号』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第164回『電気ショック ダンクシュート 郵便番号』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間2分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=o6SfeAbLcWs
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
郵便番号XXX-XXXX。
住所はQ丁目Q番地。
表札には野村。
その家の前には全国からえりすぐりの郵便配達員が集っていた。
みな数々の郵便受けに郵便物を届けてきた歴戦の猛者たちだ。
足元を吹く乾いた風は、これから始まる激戦を予感しているようだ。
「ふっ。あいかわらず手ごわい郵便受けだぜ。」
隕石ジョニーが舌をぺろりと出しながら郵政カブからのろりと下りた。
それもそのはずだ。
この家の郵便受けはとても高い位置にあるからだ。
その高さたるや305センチ。
バスケットゴールと同等である。
ジョニーは一通の定形郵便を出した。
いわゆる茶封筒である。
友人からの手紙であろうか。
「まずはあいつからか。」
「ちょっと気に入らねえが、まあいい。」
「お手並み拝見と行こうか。」
他の郵便配達員たちは腕を組んで、ジョニーがどんな配達をするのか見守った。
「郵便でーす。」
ジョニーは郵便受けに向かって小走りした。
オーソドックスなスタイルだ。
だからこそ確実とも言える。
しかし。
ジョニーの伸ばした手は郵便受けに届かなかった。
地面に伏しているジョニーを横に、封筒を拾い上げるものがいた。
流れ星のベックである。
「おいおい、お客様の封筒を地面に落とすものじゃないぜ?」
そう言うとベックは再び郵政カブに乗り込み、その場から去っていった。
と思いきや、20メートルほど行った先で、Uターンをして戻ってきた。
「やはりか。」
「ああ。久しぶりに奴の美技が見られるな。」
ベックはスピードを乗せたまま、郵便受けに向かって行った。
誰もがぶつかると思った瞬間、ベックは飛び上がった。
バイクのスピードを利用しようという戦略である。
しかしベックの手は郵便受けに届かず、壁にたたきつけられた。
彼の乗っていたバイクもそのまま走っていき、向かいの壁に激突して横転した。
空しく空中を舞う封筒を、マイキーがつかみ取った。
スーパーノヴァのマイキーである。
「どうやら俺が行くしかねえようだな。」
マイキーは長身の体を揺らした。
「とうとう奴のお出ましか。」
「奴の得意技ダンクシュートならあるいはあの郵便受けに届くかも。」
周囲の配達員たちはざわつきだした。
「ふっ。あらに今年の俺は一味違うぜ。」
マイキーはポケットから何やら機器を取り出した。
その機器からは二つの電極が伸びていた。
「ま、まさかっ?」
「電気ショックで筋肉を肥大化させようというのかっ。」
マイキーはそれぞれの電極を自分の足に刺し、電源をオンにした。
ビリビリビリという音が住宅街の一角に鳴り響いた。
マイキーのうなり声とともに、両足はビクンビクンとけいれんを起こすたびに一回り、また一回りと大きくなっていった。
マイキーのズボンの繊維は膨らんでいく筋肉に耐えられず、破れ始めていた。
「こ、この筋肉なら……。この筋肉から生み出される跳躍力なら、あの郵便受けに届くかもっ……?」
「し、しかしマイキーがもつのかっ?」
「奴の目を見ろっ。ダンクをかます余裕は十分にある!」
マイキーの目は激痛にさらされながらも、決して光は失っていなかった。
いや、むしろ瞳の奥から放つ意志の光は輝きを増す一方だった。
「うおおおーーーーーっ。」
マイキーのズボンは完全に破れた。
彼の両足は丸太のようになっていた。
それを見て戦慄が走る配達員たちの横を、一人のおばさんが歩いた。
おばさんは野村家の前で立ち止まると、インターホンを鳴らした。
「野村さーん。隣りの新藤でーす。」
「あ、はーい。」
ドアが開いて、野村さんが出てきた。
すると配達員2年目の渡辺がマイキーの持っていた封筒を素早く取り上げた。
「あ、野村さん。ついでに郵便です。」
配達員は無事、野村家に郵便を届けることができた。
ベックのバイクが大破したり、マイキーの足があんなことになっちゃったけど、よかったよかっためでたしめでたし。
~・~・~・~・~
~感想~
とりあえず電気ショックでダンクシュートができるように改造されるという話を考えました。
その後郵便番号はどうしようかと考え、郵便受けに封筒を入れる話にしました。
オチがこれでよかったのかわからなかったので、お茶を濁すような一言で照れ隠しをしています。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第164回『電気ショック ダンクシュート 郵便番号』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間2分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
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~・~・~・~・~
郵便番号XXX-XXXX。
住所はQ丁目Q番地。
表札には野村。
その家の前には全国からえりすぐりの郵便配達員が集っていた。
みな数々の郵便受けに郵便物を届けてきた歴戦の猛者たちだ。
足元を吹く乾いた風は、これから始まる激戦を予感しているようだ。
「ふっ。あいかわらず手ごわい郵便受けだぜ。」
隕石ジョニーが舌をぺろりと出しながら郵政カブからのろりと下りた。
それもそのはずだ。
この家の郵便受けはとても高い位置にあるからだ。
その高さたるや305センチ。
バスケットゴールと同等である。
ジョニーは一通の定形郵便を出した。
いわゆる茶封筒である。
友人からの手紙であろうか。
「まずはあいつからか。」
「ちょっと気に入らねえが、まあいい。」
「お手並み拝見と行こうか。」
他の郵便配達員たちは腕を組んで、ジョニーがどんな配達をするのか見守った。
「郵便でーす。」
ジョニーは郵便受けに向かって小走りした。
オーソドックスなスタイルだ。
だからこそ確実とも言える。
しかし。
ジョニーの伸ばした手は郵便受けに届かなかった。
地面に伏しているジョニーを横に、封筒を拾い上げるものがいた。
流れ星のベックである。
「おいおい、お客様の封筒を地面に落とすものじゃないぜ?」
そう言うとベックは再び郵政カブに乗り込み、その場から去っていった。
と思いきや、20メートルほど行った先で、Uターンをして戻ってきた。
「やはりか。」
「ああ。久しぶりに奴の美技が見られるな。」
ベックはスピードを乗せたまま、郵便受けに向かって行った。
誰もがぶつかると思った瞬間、ベックは飛び上がった。
バイクのスピードを利用しようという戦略である。
しかしベックの手は郵便受けに届かず、壁にたたきつけられた。
彼の乗っていたバイクもそのまま走っていき、向かいの壁に激突して横転した。
空しく空中を舞う封筒を、マイキーがつかみ取った。
スーパーノヴァのマイキーである。
「どうやら俺が行くしかねえようだな。」
マイキーは長身の体を揺らした。
「とうとう奴のお出ましか。」
「奴の得意技ダンクシュートならあるいはあの郵便受けに届くかも。」
周囲の配達員たちはざわつきだした。
「ふっ。あらに今年の俺は一味違うぜ。」
マイキーはポケットから何やら機器を取り出した。
その機器からは二つの電極が伸びていた。
「ま、まさかっ?」
「電気ショックで筋肉を肥大化させようというのかっ。」
マイキーはそれぞれの電極を自分の足に刺し、電源をオンにした。
ビリビリビリという音が住宅街の一角に鳴り響いた。
マイキーのうなり声とともに、両足はビクンビクンとけいれんを起こすたびに一回り、また一回りと大きくなっていった。
マイキーのズボンの繊維は膨らんでいく筋肉に耐えられず、破れ始めていた。
「こ、この筋肉なら……。この筋肉から生み出される跳躍力なら、あの郵便受けに届くかもっ……?」
「し、しかしマイキーがもつのかっ?」
「奴の目を見ろっ。ダンクをかます余裕は十分にある!」
マイキーの目は激痛にさらされながらも、決して光は失っていなかった。
いや、むしろ瞳の奥から放つ意志の光は輝きを増す一方だった。
「うおおおーーーーーっ。」
マイキーのズボンは完全に破れた。
彼の両足は丸太のようになっていた。
それを見て戦慄が走る配達員たちの横を、一人のおばさんが歩いた。
おばさんは野村家の前で立ち止まると、インターホンを鳴らした。
「野村さーん。隣りの新藤でーす。」
「あ、はーい。」
ドアが開いて、野村さんが出てきた。
すると配達員2年目の渡辺がマイキーの持っていた封筒を素早く取り上げた。
「あ、野村さん。ついでに郵便です。」
配達員は無事、野村家に郵便を届けることができた。
ベックのバイクが大破したり、マイキーの足があんなことになっちゃったけど、よかったよかっためでたしめでたし。
~・~・~・~・~
~感想~
とりあえず電気ショックでダンクシュートができるように改造されるという話を考えました。
その後郵便番号はどうしようかと考え、郵便受けに封筒を入れる話にしました。
オチがこれでよかったのかわからなかったので、お茶を濁すような一言で照れ隠しをしています。
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