上 下
171 / 174

第171回『姉 文化祭 タンパク質』

しおりを挟む
YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第171回『姉 文化祭 タンパク質』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約37分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=myUGOHSapNk

↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/

~・~・~・~・~

俺は帰宅するなり、靴も脱ぎ捨て一直線にの部屋へと向かった。
「姉ちゃん、いるかっ?」
返事があったのでドアを開けると、はポテトチップスを食べながらスマホをしていた。
は血相を変えた俺の様子にきょとんとしていた。
「姉ちゃん、今日俺の高校のに来ただろっ?」
「行ったよ。行くって言ったじゃん。」
そうだ。
は確かに俺に確認を取ったし、俺も了解した。
しかし俺は、は一人で来るものだと思っていた。
「い、一緒にいた男は誰だよっ。」
俺は口をとがらせながら聞いた。
するとの顔は見る見るうちににやけていった。
「何? あんた、私にカレシができたと思って怒ってるの~? ブラコンー。」
「違うし! 誰だって聞いてるんだよ!」
「おー怖い怖い。あんたカルシウム足りてないんじゃない?」
俺は頭と顔が熱くなっていくのを感じた。
「大学の男友達だって。って懐かしいよねって話してたら、連れて行ってくれっと頼まれてさ。」
は楽しそうに話していたが、それはのことを思い出していたからなのか、はたまた俺を見て楽しんでいるのかわからなかった。
あるいはその男友達のことを思い出していたからなのかもしれない。
「それでちょっと一緒に回っただけだよ。フランクフルトとか焼き鳥とかイカ焼き食べて。カレシだったらあんたより先に家に帰ってないって。」
言われてみればそうだ。
恋人同士であれば、そのままデートを続けていたはずだ。
摂り過ぎだろ。太るぞ。」
「へいへい。」

俺は捨て台詞を残して、の部屋を去った。
居間に向かう俺は、笑顔が込み上げてきているのが自分でもわかった。
姉と会話をし、の部屋の空気を吸ったからだ。
俺はまだ当分は成分依存症から抜けられそうにない。

~・~・~・~・~

~感想~
昨日文化祭の話を書いたので、お題を見て驚きました。
とりあえず文化祭をやる学生よりも、見に来た人が中心になる話にしようという方向性で考えました。
そういうわけで文化祭に来るのは姉であり、文化祭をやった学生はブラコンということにして二人の関係性を作りました。
しおりを挟む

処理中です...