シン・三毛猫現象 〜自然出産される男が3万人に1人の割合になった世界に帰還した僕はとんでもなくモテモテになったようです〜

ミコガミヒデカズ

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第1章 世界の半分をやろう

第6話 夜這い!?「ヤっちまっても良いよなあ!?」

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 入院している医療センターでのメディカルチェックが始まった。

 男性の大多数がいなくなってしまった世界、そうなるとお医者さんや看護師さんなどもほとんどが女性という事になる。

 入院したこの医療センターのお医者さんも看護師さんも全て女性だった。検査とかは基本的にはレントゲンなど機材が部屋に固定されているものに関してはその場所で、それ以外は全てこの部屋で行われた。室外に出る事で危険を増やさないようにしたいらしい。

 お医者さん達が入室してくる際には刑事さんも同席した。一人は室内で僕の護衛に付き、もう一人はスライドドアの外で目を光らせる。

 最初に室内警備に付いたのは赤髪ショートカットの館本美晴さんだ。

 お医者さんが僕の診察をする、聴診器を胸に当てたりするよくあるやつだ。そうしている間にも館本さんは油断なくこちらの様子を窺っている。

 館本さんの視線が時折鋭くなる。その強さはなんて言うか、『見られてる』って感じだ。

 おそらくものすごく勤務熱心なんだろう、まさに一瞬も見逃さない…わすかでも不審な動きをしたらすぐに取り押さえるといった気配が感じられた。

「館本さん、ありがとうございました」

 僕は診察の為にはだけた胸元のシャツを直しながらお医者さん達が退室するのに続いて出て行こうとする刑事さんに警護のお礼を言う。

「い、いやっ。こ、こちらこそ!」

 そう言って館本さんは足早に出て行った。もしかすると照れ屋さんなのかも知れない、僕はそんな風に思った。

□ (以下、二人の女性刑事目線)

 その頃、修《しゅう》の病室の外では…。

「ヤ、ヤベエよ…。マジ、ヤベエよ!」

 つい先ほどまで修の病室で医師の治療に同席し警護していた女性刑事、館本美晴は思わず呟いていた。

「ちょっと美晴さん。アナタおかしいですわよ。いくら佐久間さんが…、『天然モノ』の男性が護衛対象だからってそんなに興奮するなんて」

 あまりにも冷静さを欠き興奮している相棒、館本美晴に半ば呆れながら言っているのは長い黒髪を持つ武田尚子である。

「マジでヤベエんだって!さっき医者があの男の子の胸元に聴診器当ててるのガチでガン見しちまったぜ。そ、そしたらよう…」

「な、なんですの?もったいぶって…」

 怪訝そうな顔をして尚子が質問をする。尚子は気にならない素振りを見せているが、どうやら『天然』の男である修の話となると気になるようだ。

「ほ、細身なクセして…む、胸板とか腹筋とか…結構しっかり筋肉してんだよ?ふ、服着てたら分からねえんだけどな。でも、ガチムチって訳じゃねえんだ。ほ、細マッチョってやつか…、オレの好みでよ…。目が離せなくなっちまって…。医者が部屋を出てからもさ…はだけた服を…す、すぐに直さないでよ…」

「は、はだけた服をすぐには直さない…。そ、それって…」

「さ、誘ってやがるよな?コレ、誘ってるよな?オ、オレと言う女の前でお、男がふ、服をはだけさせたまま同じ部屋にいるなんてよ。ヒ、ヒヒッ!これヤッちまっても良いよなあ。警護してくれてありがとうございますとかわざわざ礼を言ってくるぐらいだしよ…。ここは病室だ。ちょ、丁度ベッドもある事だし好都合だよな!?」

「お、お待ちなさい!あ、相手は十五歳ですのよ!そ、そんな子に手を出したら。へ、下手したら懲役二十年コースですわよ!」

「い、良いんだよ、そんな事!そ、それにもし妊娠して男が生まれたら…、その時には無罪放免の上に勝ち組人生のスタートだぜ!」

「い、いけませんわ!コホンッ!!まったく、夕方の回診時は私が室内警護を致します。そんな都合の良い話…、アナタの勘違いって分からせてさしあげますわ」

 しかし、その日の夕方の回診後…。すっかり骨抜きにされた様子で室内警護から退室する武田尚子の姿があった。シャツを着替える際に見てしまった修の意外と鍛えられていた広背筋に一目惚れをしてしまう。

 しかも上半身裸の状態のまま、修はなぜかすぐにはシャツを着ようとしない。視線こそ合わせてはいないが無防備な背中をさらし、何故か妙に細やかで#艶_なま__#めかしい動きをして尚子の視線を誘う。やがて修は尚子にたっぷりとその裸の背中を見せ付けた後、サービスタイムはおしまいとばかりにシャツを着たと武田尚子は美晴に強く主張する。

 尚子は修が惜しげもなく背中をさらすその光景を言葉を発するのも忘れ凝視し続けた。十五歳というまだ未成熟な肉体、しかし尚子はその年頃が当たりも当たり。どストライクであった。

 男性が姿を消す前の世界を人によっては旧世界と言う者もいるが、その頃までに発行されていた女性誌…。当時の人気俳優などが不自然にはだけさせた着衣の隙間からの胸チラショットやセミヌードなどを特集した物があった。男性が極端に減った今となっては新たにそういう物が発行される可能性は皆無に等しい。

 だからそういった雑誌やDVDなどはプレミアが付き高値で取引されるが、やはり生身でそれを目前でやられては…。女性の劣情をくすぐる訴求力が断然違う。

 雑誌に載っていた当時二十代後半の俳優の肉体は確かに完成されている。しかし、修の肉体もまた未成熟さを残すもののつくべき筋肉がついている。未成熟さは見る者によっては、新鮮さや無垢さにも感じられるものだ。ミドルティーンぐらいの年齢がストライクな尚子には修の肉体はまぶし過ぎた。

 実際のところ、修はただ単に新しいシャツに着替えようとしていただけなのだが、うっかり着替え用のシャツを見落としてしまい『あれ?どこに置いたっけ?』と数秒探していたのが真実である。

 しかし、尚子はそれを修が『誘っている』と誤解してしまったのだ。さらに悪い事に尚子は男の背中フェチでもあった。自分好みの年頃、自分好みの体のパーツ…、その条件を満たす『天然』の男…、夢中になるのに五秒とかからなかった。

 そのせいで武田尚子もまた修を保護対象としてだけでなく性的対象としても意識してしまったのである。

 その夜、修は警護についている現役刑事に夜這いされるという前代未聞の不祥事に巻き込まれる可能性があったが、その貞操は無事であった。

 館本美晴に武田尚子、二人の女性刑事が一晩中言い争いをしていたのだ。修が気を引きたいと思っているのは自分に対してだと主張して譲らず、互いに牽制を…。もとい、修の眠る部屋になんとか侵入しようとする互いの足の引っ張り合いを部屋の外で一晩中していたのである。

 その事が修の貞操を守る事になろうとは…、ひいては現役警察官が性犯罪に手を染めるのを防ぐ事になろうとは…なんとも皮肉な話であった。



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