6 / 82
第1章 世界の半分をやろう
第6話 夜這い!?「ヤっちまっても良いよなあ!?」
しおりを挟む入院している医療センターでのメディカルチェックが始まった。
男性の大多数がいなくなってしまった世界、そうなるとお医者さんや看護師さんなどもほとんどが女性という事になる。
入院したこの医療センターのお医者さんも看護師さんも全て女性だった。検査とかは基本的にはレントゲンなど機材が部屋に固定されているものに関してはその場所で、それ以外は全てこの部屋で行われた。室外に出る事で危険を増やさないようにしたいらしい。
お医者さん達が入室してくる際には刑事さんも同席した。一人は室内で僕の護衛に付き、もう一人はスライドドアの外で目を光らせる。
最初に室内警備に付いたのは赤髪ショートカットの館本美晴さんだ。
お医者さんが僕の診察をする、聴診器を胸に当てたりするよくあるやつだ。そうしている間にも館本さんは油断なくこちらの様子を窺っている。
館本さんの視線が時折鋭くなる。その強さはなんて言うか、『見られてる』って感じだ。
おそらくものすごく勤務熱心なんだろう、まさに一瞬も見逃さない…わすかでも不審な動きをしたらすぐに取り押さえるといった気配が感じられた。
「館本さん、ありがとうございました」
僕は診察の為にはだけた胸元のシャツを直しながらお医者さん達が退室するのに続いて出て行こうとする刑事さんに警護のお礼を言う。
「い、いやっ。こ、こちらこそ!」
そう言って館本さんは足早に出て行った。もしかすると照れ屋さんなのかも知れない、僕はそんな風に思った。
□ (以下、二人の女性刑事目線)
その頃、修《しゅう》の病室の外では…。
「ヤ、ヤベエよ…。マジ、ヤベエよ!」
つい先ほどまで修の病室で医師の治療に同席し警護していた女性刑事、館本美晴は思わず呟いていた。
「ちょっと美晴さん。アナタおかしいですわよ。いくら佐久間さんが…、『天然モノ』の男性が護衛対象だからってそんなに興奮するなんて」
あまりにも冷静さを欠き興奮している相棒、館本美晴に半ば呆れながら言っているのは長い黒髪を持つ武田尚子である。
「マジでヤベエんだって!さっき医者があの男の子の胸元に聴診器当ててるのガチでガン見しちまったぜ。そ、そしたらよう…」
「な、なんですの?もったいぶって…」
怪訝そうな顔をして尚子が質問をする。尚子は気にならない素振りを見せているが、どうやら『天然』の男である修の話となると気になるようだ。
「ほ、細身なクセして…む、胸板とか腹筋とか…結構しっかり筋肉してんだよ?ふ、服着てたら分からねえんだけどな。でも、ガチムチって訳じゃねえんだ。ほ、細マッチョってやつか…、オレの好みでよ…。目が離せなくなっちまって…。医者が部屋を出てからもさ…はだけた服を…す、すぐに直さないでよ…」
「は、はだけた服をすぐには直さない…。そ、それって…」
「さ、誘ってやがるよな?コレ、誘ってるよな?オ、オレと言う女の前でお、男がふ、服をはだけさせたまま同じ部屋にいるなんてよ。ヒ、ヒヒッ!これヤッちまっても良いよなあ。警護してくれてありがとうございますとかわざわざ礼を言ってくるぐらいだしよ…。ここは病室だ。ちょ、丁度ベッドもある事だし好都合だよな!?」
「お、お待ちなさい!あ、相手は十五歳ですのよ!そ、そんな子に手を出したら。へ、下手したら懲役二十年コースですわよ!」
「い、良いんだよ、そんな事!そ、それにもし妊娠して男が生まれたら…、その時には無罪放免の上に勝ち組人生のスタートだぜ!」
「い、いけませんわ!コホンッ!!まったく、夕方の回診時は私が室内警護を致します。そんな都合の良い話…、アナタの勘違いって分からせてさしあげますわ」
しかし、その日の夕方の回診後…。すっかり骨抜きにされた様子で室内警護から退室する武田尚子の姿があった。シャツを着替える際に見てしまった修の意外と鍛えられていた広背筋に一目惚れをしてしまう。
しかも上半身裸の状態のまま、修はなぜかすぐにはシャツを着ようとしない。視線こそ合わせてはいないが無防備な背中をさらし、何故か妙に細やかで#艶_なま__#めかしい動きをして尚子の視線を誘う。やがて修は尚子にたっぷりとその裸の背中を見せ付けた後、サービスタイムはおしまいとばかりにシャツを着たと武田尚子は美晴に強く主張する。
尚子は修が惜しげもなく背中をさらすその光景を言葉を発するのも忘れ凝視し続けた。十五歳というまだ未成熟な肉体、しかし尚子はその年頃が当たりも当たり。どストライクであった。
男性が姿を消す前の世界を人によっては旧世界と言う者もいるが、その頃までに発行されていた女性誌…。当時の人気俳優などが不自然にはだけさせた着衣の隙間からの胸チラショットやセミヌードなどを特集した物があった。男性が極端に減った今となっては新たにそういう物が発行される可能性は皆無に等しい。
だからそういった雑誌やDVDなどはプレミアが付き高値で取引されるが、やはり生身でそれを目前でやられては…。女性の劣情をくすぐる訴求力が断然違う。
雑誌に載っていた当時二十代後半の俳優の肉体は確かに完成されている。しかし、修の肉体もまた未成熟さを残すもののつくべき筋肉がついている。未成熟さは見る者によっては、新鮮さや無垢さにも感じられるものだ。ミドルティーンぐらいの年齢がストライクな尚子には修の肉体はまぶし過ぎた。
実際のところ、修はただ単に新しいシャツに着替えようとしていただけなのだが、うっかり着替え用のシャツを見落としてしまい『あれ?どこに置いたっけ?』と数秒探していたのが真実である。
しかし、尚子はそれを修が『誘っている』と誤解してしまったのだ。さらに悪い事に尚子は男の背中フェチでもあった。自分好みの年頃、自分好みの体のパーツ…、その条件を満たす『天然』の男…、夢中になるのに五秒とかからなかった。
そのせいで武田尚子もまた修を保護対象としてだけでなく性的対象としても意識してしまったのである。
その夜、修は警護についている現役刑事に夜這いされるという前代未聞の不祥事に巻き込まれる可能性があったが、その貞操は無事であった。
館本美晴に武田尚子、二人の女性刑事が一晩中言い争いをしていたのだ。修が気を引きたいと思っているのは自分に対してだと主張して譲らず、互いに牽制を…。もとい、修の眠る部屋になんとか侵入しようとする互いの足の引っ張り合いを部屋の外で一晩中していたのである。
その事が修の貞操を守る事になろうとは…、ひいては現役警察官が性犯罪に手を染めるのを防ぐ事になろうとは…なんとも皮肉な話であった。
29
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比1:50の世界に転生したけど、前世の感覚で普通に接してたら幼馴染も姉妹もお嬢様もみんな沼にハマっていった件 ~ダンジョンにも潜ります〜
ベリーブルー
ファンタジー
男女比1:50――この世界で男は、守られ、大切にされ、穏やかに生きることを求められる存在。
だけど蓮は違った。
前世の記憶を持つ彼には、「男だから」という枷がない。女の子にも男の子にも同じように笑いかけ、距離を詰め、気負いなく手を差し伸べる。本人にとってはただの"普通"。でもこの世界では、その普通が劇薬だった。
幼馴染は気づけば目で追っていた。姉は守りたい感情の正体に戸惑い始めた。名家のお嬢様は、初めて「対等」に扱われたことが忘れられなくなった。
そして蓮はと言えば――。
「ダンジョン潜りてえなあ!」
誰も見たことのない深淵にロマンを見出し、周囲の心配をよそに、未知の世界へ飛び込もうとしている。
自覚なき最強のタラシが、命懸けの冒険と恋の沼を同時に生み出す、現代ダンジョンファンタジー。
カクヨムさんの方で先行公開しております。
男女比5対1の女尊男卑の世界で子供の頃、少女を助けたら「お嫁さんになりたい!」と言って来た。まさか、それが王女様だったなんて……。
楽園
恋愛
「将来、あなたのお嫁さんになりたい」
10年前、俺は魔法の力で一人の少女を救った。
……そして現在。ここは男女比5:1の女尊男卑の世界。
男は女に「選ばれる」ためだけの存在する。
俺、アルトは、前世の記憶と女でさえ持っていない無限の魔力を隠し、父と静かに暮らす「モブ」になるはずだった。
「待っていましたわ、アルト」
学園で再会したあの時の少女は、驚くべきことにリリアーナ王女だった。
どうやら彼女、あの日の「約束」を本気で果たしに来たらしい。
(俺の平穏なモブ生活が……!)
最強を隠したい男と、その秘密ごと彼を手に入れたい王女の、すれ違い学園ファンタジー!
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる