44 / 48
第一章 田舎暮らしの神殺し
四十二章 神殺しは迷宮の中で 其の拾参
しおりを挟む
レイルが握る共鳴器は形を変えるとバサラが見たことのない武具へと変化した。先端に細かな機械の様なものがついており、指を動かすのすらままならない、そんな印象をバサラは受けた。
だが、だからといってバサラが加減をする事はなく、涅槃静寂をレイルに向けて振るった。
レイルはそれを簡単に避けると共鳴器・五色の糸の力を使うために指を動かした。五本の指を動かすと機械の先端から糸が出て来て、バサラの攻撃を防いだ。
防いだと同時、左手の指を動かし、振るうとバサラはその攻撃から見えた大きな氣に気づき体を逸らす。それは鞭の様にしなやかでありながら、刃の如き鋭さを見せ、部屋の中の黄金を簡単に切り裂いた。
(あの糸も共鳴器、なのか? 糸による防御は涅槃静寂の一撃も防げるし、攻撃では黄金をも簡単に切り裂く殺傷力。攻守共に隙のない武器だ。でも、あの共鳴器には多分、明確な弱点がある。まぁ、分かっててもそこをつけるかどうか!)
そんなことを考えているとレイルの猛攻は止まらず、バサラは涅槃静寂を使い、糸の斬撃を弾く。
(バサラとか言ったか? コイツ、俺の糸の攻撃を簡単に防いだ。五つある糸での斬撃は不規則であり、細やか故に、ああも簡単に防げないはず。何故だ? 目か、あの目が俺の斬撃を視認させているのか)
互いに相手の動きを見ながら思考する。
バサラとレイルは気付いていないが、彼らの戦い方は似ており、戦いの最中に分析し、相手の弱味を明確に突き詰めるモノ。
一挙手一投足、全てが互いの癖と弱味を曝け出すことでありながら止まることなく、得物を振るい続けた。
レイルは涅槃静寂による斬撃を簡単に避けながらも自身の糸で攻撃を放つもバサラもまた、それを切り裂く。
攻防一体による、応酬の中、その分析を一歩早く終えた者がいた。
レイルは右手の糸を使い、斬撃を放つと次に、彼は距離を詰め、蹴りを放った。
ここまで一度も蹴りなどを使わなかったレイルの行動に一瞬、驚くも涅槃静寂を用いて防ごうとした。
共鳴器・五色の糸の本質、それは強化。
糸を強化し、攻撃防御両方を担わせており、糸のみを強化することに絞ることでその能力を跳ね上げさせていた。
そして、蹴りの直前、左手の糸を纏わせており、その一撃は糸の斬撃同様の効力を発揮する。
涅槃静寂を挟んでいたがバサラ諸共吹き飛ばし、互いの均衡が今ここで崩れた瞬間でもあった。
バサラは砂埃を纏いながら立ち上がるも既に、レイルは動いており、彼の左頬へ拳が振るわれる。
バサラはハスターとの戦闘時、左目を傷つけられており、レイルの一撃を喰らい、完全に使い物にならなかなった。
左目からは血が流れ、一度目を開けるも視界は赤く染まっており、すぐに閉じた。
(やられた、左目が見えない。ぼんやりと、氣を捉えれるかどうか。これ不味いぞ?!)
レイルの分析の結論。
それはバサラの目が持つ特殊な感性であるとし、その強みを潰すために彼から手での攻撃以外のカードをわざとない様に見せかけることで奇襲を仕掛けることした。
その策は完全にハマり、バサラの視界を潰すことを成功すると左側を、中心に動き、徹底的にバサラの身体を傷つける。
迷宮に入ってから連戦に次ぐ連戦。
それでもバサラの傷をつけるものはおらず、邪神ですら彼の破壊を前に、蹂躙してきた。
だが、その彼の命を脅かす存在を前に、吟千代が動いた。肋を三本折られた事あれど、恩人が傷つけられる姿を見ることが出来ず、レイルへと飛び掛かり抜刀する。
「馘無侍流、 蛇比礼」
レイルの糸はその場にいる人間の動きを把握する様に出来ており、吟千代の一振りは防がれた。
「馘無侍、お前、俺に傷つけられたこと、忘れたか?」
その瞬間、彼の意識が吟千代に向いた。
その一瞬を、バサラは逃さない。
吟千代に向いた意識の隙を着き、レイルの体を涅槃静寂の一撃を打つけ、彼は吹き飛ばされた。
殺意を極限まで減らし、いつか空くであると確信した隙を吟千代が生んでくれたことにより、この戦闘で初めてまともに攻撃が当たった瞬間でもあった。
だが、だからといってバサラが加減をする事はなく、涅槃静寂をレイルに向けて振るった。
レイルはそれを簡単に避けると共鳴器・五色の糸の力を使うために指を動かした。五本の指を動かすと機械の先端から糸が出て来て、バサラの攻撃を防いだ。
防いだと同時、左手の指を動かし、振るうとバサラはその攻撃から見えた大きな氣に気づき体を逸らす。それは鞭の様にしなやかでありながら、刃の如き鋭さを見せ、部屋の中の黄金を簡単に切り裂いた。
(あの糸も共鳴器、なのか? 糸による防御は涅槃静寂の一撃も防げるし、攻撃では黄金をも簡単に切り裂く殺傷力。攻守共に隙のない武器だ。でも、あの共鳴器には多分、明確な弱点がある。まぁ、分かっててもそこをつけるかどうか!)
そんなことを考えているとレイルの猛攻は止まらず、バサラは涅槃静寂を使い、糸の斬撃を弾く。
(バサラとか言ったか? コイツ、俺の糸の攻撃を簡単に防いだ。五つある糸での斬撃は不規則であり、細やか故に、ああも簡単に防げないはず。何故だ? 目か、あの目が俺の斬撃を視認させているのか)
互いに相手の動きを見ながら思考する。
バサラとレイルは気付いていないが、彼らの戦い方は似ており、戦いの最中に分析し、相手の弱味を明確に突き詰めるモノ。
一挙手一投足、全てが互いの癖と弱味を曝け出すことでありながら止まることなく、得物を振るい続けた。
レイルは涅槃静寂による斬撃を簡単に避けながらも自身の糸で攻撃を放つもバサラもまた、それを切り裂く。
攻防一体による、応酬の中、その分析を一歩早く終えた者がいた。
レイルは右手の糸を使い、斬撃を放つと次に、彼は距離を詰め、蹴りを放った。
ここまで一度も蹴りなどを使わなかったレイルの行動に一瞬、驚くも涅槃静寂を用いて防ごうとした。
共鳴器・五色の糸の本質、それは強化。
糸を強化し、攻撃防御両方を担わせており、糸のみを強化することに絞ることでその能力を跳ね上げさせていた。
そして、蹴りの直前、左手の糸を纏わせており、その一撃は糸の斬撃同様の効力を発揮する。
涅槃静寂を挟んでいたがバサラ諸共吹き飛ばし、互いの均衡が今ここで崩れた瞬間でもあった。
バサラは砂埃を纏いながら立ち上がるも既に、レイルは動いており、彼の左頬へ拳が振るわれる。
バサラはハスターとの戦闘時、左目を傷つけられており、レイルの一撃を喰らい、完全に使い物にならなかなった。
左目からは血が流れ、一度目を開けるも視界は赤く染まっており、すぐに閉じた。
(やられた、左目が見えない。ぼんやりと、氣を捉えれるかどうか。これ不味いぞ?!)
レイルの分析の結論。
それはバサラの目が持つ特殊な感性であるとし、その強みを潰すために彼から手での攻撃以外のカードをわざとない様に見せかけることで奇襲を仕掛けることした。
その策は完全にハマり、バサラの視界を潰すことを成功すると左側を、中心に動き、徹底的にバサラの身体を傷つける。
迷宮に入ってから連戦に次ぐ連戦。
それでもバサラの傷をつけるものはおらず、邪神ですら彼の破壊を前に、蹂躙してきた。
だが、その彼の命を脅かす存在を前に、吟千代が動いた。肋を三本折られた事あれど、恩人が傷つけられる姿を見ることが出来ず、レイルへと飛び掛かり抜刀する。
「馘無侍流、 蛇比礼」
レイルの糸はその場にいる人間の動きを把握する様に出来ており、吟千代の一振りは防がれた。
「馘無侍、お前、俺に傷つけられたこと、忘れたか?」
その瞬間、彼の意識が吟千代に向いた。
その一瞬を、バサラは逃さない。
吟千代に向いた意識の隙を着き、レイルの体を涅槃静寂の一撃を打つけ、彼は吹き飛ばされた。
殺意を極限まで減らし、いつか空くであると確信した隙を吟千代が生んでくれたことにより、この戦闘で初めてまともに攻撃が当たった瞬間でもあった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
45
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる