【完結!】田舎暮らしの神殺し、二度目の神殺しに挑む〜余生は静かに暮らしたいのに弟子達がさせてくれない件〜

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第四章 人神代理戦争 霹靂

十五話 人神代理戦争 前夜

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 五大王国会議で帰還者リターナーの宣戦布告から凡そ一ヶ月。

 五大王国全て騎士達は準備をしており、いつでも戦争が始まろうとも開戦できる様にしていた。

「まぁ、そんな訳でみんな気になっているだろうから俺の昔話だ」

 五大王国の王全員と各国の騎士団長、四護聖、バサラが揃っている中、ジークフリートは自身の赤い髪をくるくると指でいじり終えると堂々とした態度で口を開く。

廃棄孔アクタール、それは30年前に俺が作り出した。いや、俺と帰還者リターナーアルベール・ペンドラゴン、そして、侯爵デュークロンベルグ・ウォースタイン、この三人で作り出した」

 その言葉を聞いた瞬間、バサラと王達以外全員がジークフリートの首元に己が得物を突き付けるもそんな状況ですら彼女は気にせず喋り出した。

「落ち着けよ、作ったってだけで最初はこの世界で戦争をするためじゃねえんだわ。最初は治安維持のための自警団みたいなもんだった。揺れ動く時代の中、人を助けて救う、それが目的だった。最初の5年は楽しかったさ。人知れず魔物を殺し、見たこともない迷宮ダンジョンに挑み、バカやって過ごした。だが、20年前にある出来事をきっかけに俺達は袂を分かった。帰還者リターナー、アイツはこっち来るまで小国の王でな、強国により蹂躙された。だから、アイツは力による平和を謳った。公爵デューク、アイツも同じだった。廃棄孔アクタールと言う絶対的な強者の下にこの世界の悪として君臨することで平和を保つことを主張したんだ。俺は反対した。だから、帰還者リターナーに決闘を申し込んで、三日三晩続いた戦いで俺はギリギリのところで勝利して、廃棄孔アクタールから去った。そっから、5年間、迷宮ダンジョンの探索をして、その成果をミレニアムに持って行った。それが認められ、俺はこの国で剣聖という地位を得たって訳よ。まぁ、だから、俺は敵じゃない。むしろ、アイツらを全力で戦うためにここにいる。信じるか信じないかはお前らに任せるが、帰還者リターナーには俺が相手する。アイツを殺し切らなきゃこっちの勝率が下がるからな。んじゃ、まぁ、何か質問あるか?」

 ジークフリートが全て話し終えるとすぐに彼女に問いかけたのは意外にもバサラであった。

「じゃあ、僕から良いかい?」

「おう、なんだ?」

「ジークフリートはいつからこの世界に転移したんだい?」

「・・・・嘘ついてもバレるよな~。そうだな、俺が来たのは30年前、多分だが、お前が神を殺した日だよ、カツラギ・バサラ」

 バサラは自分で神を殺したなど一言も言っていなかった。だが、この場全ての騎士と国の者にそのことを言われ、バサラはドキリとした。

「何を言っているんだい?」

「嘘はつかなくて良いぜ、お前が神を殺して人の時代を齎した。アグニ・アポカリプス本人も自分が殺したなんて言ってなかった。むしろ、アイツは後悔してたんだ。自分が殺していないのにその事実を偽り、王となり国を建てたことにな。そろそろハッキリさせようぜ、バサラ。スカンダお前にも許可貰ってるしな」

 ジークフリートはスカンダの方を向くと彼は何も言わず、手で続けて良しとだけ示した。

「バサラ、俺は別にお前に今から王になれとか、歴史を修正しようとかは思わない。それによって下がる士気のがデカいからな。だが、お前が神殺しを成した者なのかどうかなんてここにいる人間ほとんどが信じると言うぜ。この前見せたんだろう? 弟子達との戦いで、時代最強と呼ばれた四護聖とルーヴェンの戦鬼を相手した。それがバサラの本当の姿なら、俺はお前に公爵デュークと戦って欲しいと思ってる」

 ジークフリートはバサラの目をしっかりと見ており、彼は全力で今の状況を理解しようとした。だが、この公の場で、神殺しを肯定すれば、もしかしたら、スカンダの立場が危ういと考えると無言になってしまった。

 少しして、バサラは覚悟を決めたのか、ジークフリートの問いに答えた。

「神殺し、それを成したかは答えない、かな。だけど、公爵デューク、いや、ロンベルク・ウォースタインが僕の師であることは事実だ。あの人と戦うのは僕がやる。それが弟子としての役割だと思う」

「お前は神殺しの英雄としてではなく、ロンベルクの弟子としてアイツと戦うって言いたいんだな。すまねえな、試すようなことして。スカンダ! これで良いか! お前本当に自分の首締めることするよな!」

 再び呼ばれたスカンダは沈黙を破った。

「ああ、ありがとうな、ジーク。バサラ、俺はここで親父の嘘の謝罪がしたかった。それが俺のやることだと思ってたんだがな。だが、それをお前は望まないんだろう。この件はもう俺から何かを言うことはない。バサラ、この国が嫌じゃなければ、居てもらいたい。どうかな?」

「そんなことないよ! 僕は多分、ずっとこの国に居るし、君がジータ、ミカ、グラン、シンクの良き友人で、良き王であることを知ってるから。それはそうとこう言うのは僕一人の時にして欲しかったかなー。周りの目が怖い」

 バサラのニコリと笑いながら答えた。
 それを見た、スカンダは一息吐く。

 これで話は終えたと思ったその時、ジータが手を上げた。

「どうした? ジータ」

「良い感じで終わろうとしていますけど、まだまだ、ジークフリートに質問は終わってないのでこれからですよ。全部聞き出さないと」

 ジークフリートは既に終わろうと帰る準備をしていたが一瞬にして彼女に視線が集まる。

「やっべ」

 ジークフリートは捕まるとそこから全ての情報を絞り出すために一晩使った話はまた、別の話。
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