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雨が触れて
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雨に濡れるのは楽しかった。
頭の上で弾け飛び、恋人たちがお互いの愛を確かめ合う為に指を這わせるように、俺の体を下っていく。地面にたどり着くころには滴一杯に、体に染みついた辛気臭さを貯め込み、俺を新しい肉体へと塗り替える。地面に着いた瞬間、さっきの俺は水風船の様に弾け飛んだ。
俺は舌をゆっくりと出し、自身の右頬にくっつけると滴を舐めとった。下品に出た舌を口に戻し、下に乗った滴を右へ左と転がしキャンディーの様に味わう。血の味とシリコンの無機質の味が口の中に一杯に広がり、自身の仕事の成果を思い出させる。
俺が奴の脳天にぶち込んだ黒光りしたカーボン製の虫は、ムカデの様に奴の脳を這いずり回り確実にチップを回収した。脳が飛び散った瞬間、惨めに泣いている自分の顔が奴の瞳に写っていた。この仕事をする大概の奴は笑顔でこの仕事を終えるらしい。到底自分にこの仕事が向いているとは考えらえなかった。
しかし、それよりもあの、人も何もかもが逃げることのない地下に延々と居続けるのは辛抱ならなかった。怒号もう喜びも、虫一つすら許さない空間で反響し続ける。奴らは決まって言う、これが新しい人間の暮らし方だと。感情の逃げ場など必要がない。すべてはカオスへと。神様よ!人間はあなたを超えようとしているのでしょうか?そんな馬鹿げた……
トゥルルル トゥルルル トゥルルル
無粋な音は俺に構わずなり続けている。耳から聞こえるのではなく頭の中に鳴り響く以上どう頑張っても思考に没頭することは出来ない。人間はいつから孤独を忘れたのか、孤独があった事を思い出させもしない。24時間、俺らの心は貫通トンネル。誰でも腹の内側まで味わっていくといい。俺は回線を開き空気の読めない来客に対応した。
「Hello. My mother. 仕事は終わりましたか?チップの回収をしたいのですが」
決して雨には邪魔のされることのない透いた声。無神経さは雨のカーテンすら貫いてくる。
彼女もしくは彼は淡々と要求を伝える。無粋な来客に相応しい無機質な連絡だ。最もこの先の相手は本当に無機質のだから。冗談を伝えるべき相手もいないのが寂しさを感じさせる。よくよく考えたら外に出っぱなしで人間と話してない気がする。
「My mother. 冗談はお由を。私は人間より人間らしく作られています。人間とお話がされたいなら娼夫を手配しますが?チップの回収の報酬から天引きしますけど」
「人の思考を勝手に記録するな。あんたと話をしていると胸糞が悪くなってくる。後、俺の事をMy mother. と呼ぶな。母親になった記憶は俺のチップにはない。せめてMy father. と呼べ」
「了解しました。My mother. 通気口でお待ちしておりますので」
無礼な客人は最後まで無礼だった。あいつの話は化学調味料と言ったところだろう。味があるようで、所詮はごまかしに過ぎない。作られた味は決して腐ることはないが同時に生と死の食事を忘れさせる。
俺は、ポケットに入ったチップをチップに変えるために歩き出した。ほら、俺が言うと味がするだろ?
ただ、今や空気が出入りするだけの本来の役目に戻った通気口の目の前に着いた。雨はかつて好奇心の手に掴まれた人の手跡や足跡すら消し去っていく。今やここに記録を残していくのは好奇心ではなく、金の匂いだけだった。
通気口を抜けて、いつもの様に濡れてしまった服を脱ぎ、錆びついてしまったドラム管にぶち込みマッチをぶち込み燃やした。マッチは服に触れた瞬間、一機に燃え上がる。服が燃えやすいのか、マッチがとんでもないのか。恐らく後者だろう。科学の進化は消失の進化だ。
ついでにホルスターに挿したままのムカデを取り出した。鼻に当て匂いを嗅いでみるがどうも臭い。ターゲットの血の匂いと俺の涙の匂いが混じり合ってしまっている。後、シリコンの匂い。俺はムカデを炎の中に投げ入れた。ムカデは炎の中に入れた瞬間勢いよく動きだした。
どうやらスイッチを入れたままだったらしい。ムカデは服とは違い一瞬で灰になるようなことはなかった。炎から逃れようと足を動かし必死に逃れようとする。しかし、炎はそれを許さない。足に絡みつき、ゆっくりと溶けだしていきドラム缶との融合を促す。ここは忘れられた場所。お前は染みついた金の匂いと何が違う?同じだろ?ならここで眠るのが道理じゃないか。炎はムカデに語りかけていく。ムカデ<俺>は違うという。
金ではない。自由の為に道具になったのだ。それでも炎はお構いなしだ。ただ無慈悲に同化を促す。
そして火が完全に俺を包もうとしたとき、接続を解除した。
火遊びもこれくらいでいいだろう。死の追体験なんてあまり楽しむものじゃない。俺たちはおとぎ話の人間ではない。
ムカデも人間らしいじゃないか。死を目の前の死それから逃れようとする。死から逃れた俺たちや通話越しの無礼なやつも今のこいつには適わないだろう。そしてお前の願いは叶わない。俺はムカデが燃えたのを確認すると通気口の出口に向かった。
通気口を出ると目の前には女が立っていた。白色のドレスを着ておりどこか、現実味のない緑色に輝く瞳に、金髪の髪をロールさせていて昔のふざけた漫画のお嬢様の様な髪型をしている。しかし、なぜか肌だけは俺と正反対に血の気があり、さも私は今ここで生まれここに生きていると主張している。だが俺から言わせればこいつこそ生きていないアンドロイドもいないだろう。
過剰な生は死を遠ざける。こいつには死に向かっている足跡という物が一切見当たらない。それは人間としても機械としてもそう感じられた。
「お疲れ様です。My mother. 早速無粋ですが、チップの確認を」
俺は無造作にチップを投げ渡した。腹いせの様に感じるかもしれないが、こいつにはこれくらいの対応で丁度いいのだ。
女は決して落とすこともなく、正確に空中に舞うチップを回収する。しかも、一切態勢を崩すことなく上品に受け取る。正直この芸当を初めて見たときは感心したものだ。こいつを見たときは人間だと思ったからだ。
「大切なものを落とすのも人間らしさだと思うが」
「助言を感謝します。My mother. しかし、私は大切な物を取りこぼす様な愚かな人間ではありませんので。それに、落とした所を魅せない様に務めるのも人間らしさでしょう?My mother?」
俺は少し鼻を鳴らし、呆れた。人間らしさはこいつの言い分だと動物にも当てはまってしまいそうだ。俺が持ち続けている人間らしさは愚かさだけと言い聞かせに来ている。否定が出来ない自分の過去はしっかり影の様に張り付いてきていた。
「元人間の記憶回路と思考回路のどこが大切なんだかな。俺には理解でき無いな。他人の記憶は、そこまで大切なのか?俺は自分のチップだけが全てだ。例え、イカレタキオクでもな」
俺は奴の手の中に握られている小さなシリコン製のチップを見つめた。奴の手に握られているのは、機械化が完了した人間の記憶と思考が詰まったチップだ。正確には元人間。生体部分の機能が停止し、機械化された機能で彷徨よい続ける奴らを俺たちは人間とは呼ばない。
「My mother. 触れてはいけない秘密もあるのです」
「俺が【彷徨える機械人間】になったら、同じように回収するのか?」
「ええ、勿論。あなたも大切なMy mother. ですから」
「そうかい。俺はごめんだね」
「死を決めて、与えるのも私たちの役目ですから。My mother. 」
俺は再び鼻を鳴らした。足元がしっかり地面に張り付いているのを確かめるようにブーツを3回かき鳴らす。音はどこに逃げることもなくひたすら反響を続けた。足元は俺に生を与えるが決して死を与えることはない。骨の中に死の音が染みることはない。なぜなら俺たちに既に骨なんかより、丈夫で頑丈な何かに置き換わっているカラダ。
「そうかい。役目を行うのは機械の務めだからな。精々オンボロになるまで続けるがいいさ」
「私に皮肉を言っても無駄ですよ?自身がよくお分かりのはずです。My mother. こちらが本日の報酬です。娼夫はどうなさいますか? 」
「そんなもんが必要ない事くらい知っている だろ。俺はあんた等アンドロイドの次に穴が開いたままの此処の人間が嫌いなこと」
俺は報酬の金を奴の右ポケットから抜き出すと歩き出した。嫌いな事は一番より二番を選ぶ。人生を賢く生きるコツって奴かもしれない。俺は穴の開いた方角へ歩き出した。
「全く、いつまでたってもMy mother は可愛げがありませんね。少しは可愛げがある事をすればいいのに。折角、女性の体なんですから」
頭の上で弾け飛び、恋人たちがお互いの愛を確かめ合う為に指を這わせるように、俺の体を下っていく。地面にたどり着くころには滴一杯に、体に染みついた辛気臭さを貯め込み、俺を新しい肉体へと塗り替える。地面に着いた瞬間、さっきの俺は水風船の様に弾け飛んだ。
俺は舌をゆっくりと出し、自身の右頬にくっつけると滴を舐めとった。下品に出た舌を口に戻し、下に乗った滴を右へ左と転がしキャンディーの様に味わう。血の味とシリコンの無機質の味が口の中に一杯に広がり、自身の仕事の成果を思い出させる。
俺が奴の脳天にぶち込んだ黒光りしたカーボン製の虫は、ムカデの様に奴の脳を這いずり回り確実にチップを回収した。脳が飛び散った瞬間、惨めに泣いている自分の顔が奴の瞳に写っていた。この仕事をする大概の奴は笑顔でこの仕事を終えるらしい。到底自分にこの仕事が向いているとは考えらえなかった。
しかし、それよりもあの、人も何もかもが逃げることのない地下に延々と居続けるのは辛抱ならなかった。怒号もう喜びも、虫一つすら許さない空間で反響し続ける。奴らは決まって言う、これが新しい人間の暮らし方だと。感情の逃げ場など必要がない。すべてはカオスへと。神様よ!人間はあなたを超えようとしているのでしょうか?そんな馬鹿げた……
トゥルルル トゥルルル トゥルルル
無粋な音は俺に構わずなり続けている。耳から聞こえるのではなく頭の中に鳴り響く以上どう頑張っても思考に没頭することは出来ない。人間はいつから孤独を忘れたのか、孤独があった事を思い出させもしない。24時間、俺らの心は貫通トンネル。誰でも腹の内側まで味わっていくといい。俺は回線を開き空気の読めない来客に対応した。
「Hello. My mother. 仕事は終わりましたか?チップの回収をしたいのですが」
決して雨には邪魔のされることのない透いた声。無神経さは雨のカーテンすら貫いてくる。
彼女もしくは彼は淡々と要求を伝える。無粋な来客に相応しい無機質な連絡だ。最もこの先の相手は本当に無機質のだから。冗談を伝えるべき相手もいないのが寂しさを感じさせる。よくよく考えたら外に出っぱなしで人間と話してない気がする。
「My mother. 冗談はお由を。私は人間より人間らしく作られています。人間とお話がされたいなら娼夫を手配しますが?チップの回収の報酬から天引きしますけど」
「人の思考を勝手に記録するな。あんたと話をしていると胸糞が悪くなってくる。後、俺の事をMy mother. と呼ぶな。母親になった記憶は俺のチップにはない。せめてMy father. と呼べ」
「了解しました。My mother. 通気口でお待ちしておりますので」
無礼な客人は最後まで無礼だった。あいつの話は化学調味料と言ったところだろう。味があるようで、所詮はごまかしに過ぎない。作られた味は決して腐ることはないが同時に生と死の食事を忘れさせる。
俺は、ポケットに入ったチップをチップに変えるために歩き出した。ほら、俺が言うと味がするだろ?
ただ、今や空気が出入りするだけの本来の役目に戻った通気口の目の前に着いた。雨はかつて好奇心の手に掴まれた人の手跡や足跡すら消し去っていく。今やここに記録を残していくのは好奇心ではなく、金の匂いだけだった。
通気口を抜けて、いつもの様に濡れてしまった服を脱ぎ、錆びついてしまったドラム管にぶち込みマッチをぶち込み燃やした。マッチは服に触れた瞬間、一機に燃え上がる。服が燃えやすいのか、マッチがとんでもないのか。恐らく後者だろう。科学の進化は消失の進化だ。
ついでにホルスターに挿したままのムカデを取り出した。鼻に当て匂いを嗅いでみるがどうも臭い。ターゲットの血の匂いと俺の涙の匂いが混じり合ってしまっている。後、シリコンの匂い。俺はムカデを炎の中に投げ入れた。ムカデは炎の中に入れた瞬間勢いよく動きだした。
どうやらスイッチを入れたままだったらしい。ムカデは服とは違い一瞬で灰になるようなことはなかった。炎から逃れようと足を動かし必死に逃れようとする。しかし、炎はそれを許さない。足に絡みつき、ゆっくりと溶けだしていきドラム缶との融合を促す。ここは忘れられた場所。お前は染みついた金の匂いと何が違う?同じだろ?ならここで眠るのが道理じゃないか。炎はムカデに語りかけていく。ムカデ<俺>は違うという。
金ではない。自由の為に道具になったのだ。それでも炎はお構いなしだ。ただ無慈悲に同化を促す。
そして火が完全に俺を包もうとしたとき、接続を解除した。
火遊びもこれくらいでいいだろう。死の追体験なんてあまり楽しむものじゃない。俺たちはおとぎ話の人間ではない。
ムカデも人間らしいじゃないか。死を目の前の死それから逃れようとする。死から逃れた俺たちや通話越しの無礼なやつも今のこいつには適わないだろう。そしてお前の願いは叶わない。俺はムカデが燃えたのを確認すると通気口の出口に向かった。
通気口を出ると目の前には女が立っていた。白色のドレスを着ておりどこか、現実味のない緑色に輝く瞳に、金髪の髪をロールさせていて昔のふざけた漫画のお嬢様の様な髪型をしている。しかし、なぜか肌だけは俺と正反対に血の気があり、さも私は今ここで生まれここに生きていると主張している。だが俺から言わせればこいつこそ生きていないアンドロイドもいないだろう。
過剰な生は死を遠ざける。こいつには死に向かっている足跡という物が一切見当たらない。それは人間としても機械としてもそう感じられた。
「お疲れ様です。My mother. 早速無粋ですが、チップの確認を」
俺は無造作にチップを投げ渡した。腹いせの様に感じるかもしれないが、こいつにはこれくらいの対応で丁度いいのだ。
女は決して落とすこともなく、正確に空中に舞うチップを回収する。しかも、一切態勢を崩すことなく上品に受け取る。正直この芸当を初めて見たときは感心したものだ。こいつを見たときは人間だと思ったからだ。
「大切なものを落とすのも人間らしさだと思うが」
「助言を感謝します。My mother. しかし、私は大切な物を取りこぼす様な愚かな人間ではありませんので。それに、落とした所を魅せない様に務めるのも人間らしさでしょう?My mother?」
俺は少し鼻を鳴らし、呆れた。人間らしさはこいつの言い分だと動物にも当てはまってしまいそうだ。俺が持ち続けている人間らしさは愚かさだけと言い聞かせに来ている。否定が出来ない自分の過去はしっかり影の様に張り付いてきていた。
「元人間の記憶回路と思考回路のどこが大切なんだかな。俺には理解でき無いな。他人の記憶は、そこまで大切なのか?俺は自分のチップだけが全てだ。例え、イカレタキオクでもな」
俺は奴の手の中に握られている小さなシリコン製のチップを見つめた。奴の手に握られているのは、機械化が完了した人間の記憶と思考が詰まったチップだ。正確には元人間。生体部分の機能が停止し、機械化された機能で彷徨よい続ける奴らを俺たちは人間とは呼ばない。
「My mother. 触れてはいけない秘密もあるのです」
「俺が【彷徨える機械人間】になったら、同じように回収するのか?」
「ええ、勿論。あなたも大切なMy mother. ですから」
「そうかい。俺はごめんだね」
「死を決めて、与えるのも私たちの役目ですから。My mother. 」
俺は再び鼻を鳴らした。足元がしっかり地面に張り付いているのを確かめるようにブーツを3回かき鳴らす。音はどこに逃げることもなくひたすら反響を続けた。足元は俺に生を与えるが決して死を与えることはない。骨の中に死の音が染みることはない。なぜなら俺たちに既に骨なんかより、丈夫で頑丈な何かに置き換わっているカラダ。
「そうかい。役目を行うのは機械の務めだからな。精々オンボロになるまで続けるがいいさ」
「私に皮肉を言っても無駄ですよ?自身がよくお分かりのはずです。My mother. こちらが本日の報酬です。娼夫はどうなさいますか? 」
「そんなもんが必要ない事くらい知っている だろ。俺はあんた等アンドロイドの次に穴が開いたままの此処の人間が嫌いなこと」
俺は報酬の金を奴の右ポケットから抜き出すと歩き出した。嫌いな事は一番より二番を選ぶ。人生を賢く生きるコツって奴かもしれない。俺は穴の開いた方角へ歩き出した。
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