44 / 79
44 落花生が目潰ししてきます
しおりを挟む
「〈開け豆〉、〈開け豆〉、〈開け豆〉」
「アズキ。だから、豆を出し過ぎです」
クライヴの苦言を尻目に、あずきの手のひらにコロコロと豆が転がる。
「あ、出た落花生。二個出たわ。この空豆はあげるね」
空豆をクライヴに渡すと、早速あずきは落花生に考えを巡らせる。
落花生をひとつテーブルに置くと、もうひとつを手のひらに乗せた。
「えーと。落花生はピーナッツ、でいいのかな。あとは、ポッキンして光る……要は連絡手段よね。よし。――〈落花生の連絡〉」
あずきの言葉に反応して光った落花生は、次の瞬間ピンク色の落花生に姿を変えていた。
「ピンクになったわ。しかも二つに増えた」
クライヴは二つで一組と言っていたから、これでいいのだろう。
それにしても、可愛いけれど毒々しいピンク色である。
「……これ、成功?」
確認するには、片方を折ってみるのが手っ取り早い。
上手くいっているなら、もう片方が光るはずだ。
片方の落花生テーブルに置くと、あずきはもうひとつの落花生に力を込めて折る。
その瞬間――テーブルの上の落花生が眩い光を放ち始めた。
光るというから、てっきり電球が点く感じなのかと思っていたが、これは至近距離で花火が大爆発でもしているような明るさだ。
眩しすぎて、瞼を閉じた上で更に手で目を覆っているのに、まったく光が軽減されない。
クライヴは暫く光ると言っていたが、これが続けば間違いなく目がおかしくなってしまう。
「――うわ?」
「ちょっと、やだ。目が痛い! やめて、やめて」
どうにか手探りでクッションを手にし、テーブルの上に乗せる。
光の量が抑えられたことでようやく目を開くことができたが、強い光のせいで視界がぼやけている。
「だ、大丈夫ですか。アズキ」
クライヴも目を擦っているところを見ると、そこそこのダメージを負ったようだ。
「うん。ちょっとぼやけて見えるけど、平気。……これって、こういうものなの?」
連絡のたびにこの光り方では、常時サングラスをかけていないと視力を失いかねない。
「いえ、まったく違います。ほのかに光って、終わりです」
あずきはテーブルの方を見てみるが、クッションは下からの光に照らされて、工事現場にあるバルーン型の照明のような状態だ。
間違ってもほのかなんてレベルではないし、一向に光が衰えない。
「消えそうにないんだけど」
「豆の聖女の豆魔法だから、でしょうね」
やはり、そういうことなのだろうか。
テーブルから落ちていた落花生を拾うと、手のひらに乗せる。
「〈落花生の連絡〉」
手のひらの落花生が光って消えると、ピンク色の落花生が二つ転がった。
「これ、どうなの? 使い道がありそうで、ないわよね。……クライヴ、いる?」
扱いに困って聞いてみると、クライヴが苦笑しながらピンクの落花生をつまんだ。
「では、片方を貰います」
「あれ? 二つで一組なんでしょう?」
ということは、ひとつだけ持っていても使いようがない。
観賞用としてピンクの落花生が欲しいのだろうか。
「もうひとつは、アズキが持っていて……何かあれば、俺を呼んでください」
「いや、でも目潰ししちゃうし」
王子の不意を突いて目潰しだなんて、ちょっとした犯罪ではないだろうか。
「豆ケースに入れておいてくれますか?」
「あ。もしかして、こういう豆を入れるための携帯ケースなの?」
「それもありますね」
普通の落花生はほのかに光って連絡に使えるのだから、豆を持ち歩く機会もあるわけか。
豆ケースの正しい使い道に納得がいって、思わず深くうなずく。
「そっか。じゃあ、せっかくだし、入れてみる」
あずきは置いておいた豆ケースを手に取ると、蓋を外してピンク色の落花生を中に入れた。
「アズキ様、お待たせしました。扉が開きっぱなしですが――殿下?」
室内に姿を現すなり素っ頓狂な声を上げたポリーは、すぐに咳払いをして平静を取り戻したようだ。
「失礼いたしました。思ったよりも積極的で、動揺しました。……あら? でしたら何故、連絡豆でお呼びに?」
首を傾げたポリーは、すぐさま何かに気付いたらしく口元に手を当てた。
「……まさか、ついにアズキ様に不埒な真似を?」
「違いますよ。扉も開けておいたでしょう? アズキに豆の説明をしていたんです」
「扉?」
そう言えばポリーも扉が開いていると言っていたが、何のことだろう。
「……ああ、アズキ様はご存知ないのですね。男女が密室にいたとなれば、あらぬ誤解を受けます。なので、扉を開けているのは、そういったことを防ぐためです」
「はあ、なるほど」
女性の身を守るためでもあり、男性側も不本意な噂を流されないように、ということか。
「美少年な王子様は、大変ねえ」
クライヴのお相手を狙う女性が密室に連れ込めば、ないことないこと言って外堀を埋められるかもしれないのか。
貴族令嬢というのは優雅なものかと思っていたが、意外と肉食系のようだ。
「何故、殿下の方なのですか。アズキ様のことです」
「え? だって、別に誤解されるようなことは何もないし。噂を立てる利点もないじゃない」
「……信用されていると、喜んだ方がいいのでしょうか」
クライヴが少し悲し気に目を細めているが、どうしたのだろう。
「この場合は不甲斐ないとも言えるかと。……それで、豆の説明というのは何でしょう?」
「連絡豆の使い方を、アズキに教えていなかったでしょう。ポリーを呼ぶために、廊下に向けて大声で叫んでいましたよ」
「まあ。それは申し訳ありませんでした」
ポリーは慌てて頭を下げるが、豆王国の人間にとっては常識なのだろうから仕方がない。
「大丈夫。クライヴが教えてくれたから、次からはちゃんと呼べるわ。気にしないで」
「それでは、ポリーも来たので俺は行きますね」
「あ、うん。ありがとう。休んでいるところを、邪魔してごめんね」
扉に向かって歩き出していたクライヴは、振り返るとミントグリーンの瞳をゆっくりと細めて微笑んだ。
「いいえ。いつでも呼んでください」
そのまま部屋を出るクライヴを見送ると、ポリーがにこにこと楽しそうな笑顔を浮かべていることに気が付く。
「アズキ様。これでおわかりですね? アズキ様の声に心配して様子を見に来て、あの笑顔。やはり、アズキ様が特別なんですよ」
「そうかなあ。突然絶叫が聞こえたから、びっくりしただけだと思うけど」
「……絶叫、なさったのですか」
「だって、呼べって書いてあったから……」
ポリーと顔を見合わせて笑うと、そもそもの要件を思い出した。
「そうだ。お風呂に入りたかったのよ」
「かしこまりました。ご用意いたします。……それで、あのクッションは何なのですか?」
ポリーの視線の先にあるクッションは、落花生の光に照らされて自ら発光しているように見える。
どうみても、怪しい物体だ。
「豆魔法で落花生を出したんだけど、折ったら滅茶苦茶光ったの。クッションを取ると目潰しされるから、あのままにして」
「……本当に、豆の聖女は愉快ですね。では、お待ちください」
愉快とは何だと言いたいが、光る豆とクッションの件があるので否定もできない。
「ありがとう、お願いね」
ポリーが退室すると、部屋に残ったのはあずきと発光するクッションだけだ。
ふと豆ケースを取り出して中を見ると、鮮やかなピンク色の落花生がひとつ、転がっている。
何となく落花生を撫でると、そのまま豆ケースの蓋を閉めた。
「アズキ。だから、豆を出し過ぎです」
クライヴの苦言を尻目に、あずきの手のひらにコロコロと豆が転がる。
「あ、出た落花生。二個出たわ。この空豆はあげるね」
空豆をクライヴに渡すと、早速あずきは落花生に考えを巡らせる。
落花生をひとつテーブルに置くと、もうひとつを手のひらに乗せた。
「えーと。落花生はピーナッツ、でいいのかな。あとは、ポッキンして光る……要は連絡手段よね。よし。――〈落花生の連絡〉」
あずきの言葉に反応して光った落花生は、次の瞬間ピンク色の落花生に姿を変えていた。
「ピンクになったわ。しかも二つに増えた」
クライヴは二つで一組と言っていたから、これでいいのだろう。
それにしても、可愛いけれど毒々しいピンク色である。
「……これ、成功?」
確認するには、片方を折ってみるのが手っ取り早い。
上手くいっているなら、もう片方が光るはずだ。
片方の落花生テーブルに置くと、あずきはもうひとつの落花生に力を込めて折る。
その瞬間――テーブルの上の落花生が眩い光を放ち始めた。
光るというから、てっきり電球が点く感じなのかと思っていたが、これは至近距離で花火が大爆発でもしているような明るさだ。
眩しすぎて、瞼を閉じた上で更に手で目を覆っているのに、まったく光が軽減されない。
クライヴは暫く光ると言っていたが、これが続けば間違いなく目がおかしくなってしまう。
「――うわ?」
「ちょっと、やだ。目が痛い! やめて、やめて」
どうにか手探りでクッションを手にし、テーブルの上に乗せる。
光の量が抑えられたことでようやく目を開くことができたが、強い光のせいで視界がぼやけている。
「だ、大丈夫ですか。アズキ」
クライヴも目を擦っているところを見ると、そこそこのダメージを負ったようだ。
「うん。ちょっとぼやけて見えるけど、平気。……これって、こういうものなの?」
連絡のたびにこの光り方では、常時サングラスをかけていないと視力を失いかねない。
「いえ、まったく違います。ほのかに光って、終わりです」
あずきはテーブルの方を見てみるが、クッションは下からの光に照らされて、工事現場にあるバルーン型の照明のような状態だ。
間違ってもほのかなんてレベルではないし、一向に光が衰えない。
「消えそうにないんだけど」
「豆の聖女の豆魔法だから、でしょうね」
やはり、そういうことなのだろうか。
テーブルから落ちていた落花生を拾うと、手のひらに乗せる。
「〈落花生の連絡〉」
手のひらの落花生が光って消えると、ピンク色の落花生が二つ転がった。
「これ、どうなの? 使い道がありそうで、ないわよね。……クライヴ、いる?」
扱いに困って聞いてみると、クライヴが苦笑しながらピンクの落花生をつまんだ。
「では、片方を貰います」
「あれ? 二つで一組なんでしょう?」
ということは、ひとつだけ持っていても使いようがない。
観賞用としてピンクの落花生が欲しいのだろうか。
「もうひとつは、アズキが持っていて……何かあれば、俺を呼んでください」
「いや、でも目潰ししちゃうし」
王子の不意を突いて目潰しだなんて、ちょっとした犯罪ではないだろうか。
「豆ケースに入れておいてくれますか?」
「あ。もしかして、こういう豆を入れるための携帯ケースなの?」
「それもありますね」
普通の落花生はほのかに光って連絡に使えるのだから、豆を持ち歩く機会もあるわけか。
豆ケースの正しい使い道に納得がいって、思わず深くうなずく。
「そっか。じゃあ、せっかくだし、入れてみる」
あずきは置いておいた豆ケースを手に取ると、蓋を外してピンク色の落花生を中に入れた。
「アズキ様、お待たせしました。扉が開きっぱなしですが――殿下?」
室内に姿を現すなり素っ頓狂な声を上げたポリーは、すぐに咳払いをして平静を取り戻したようだ。
「失礼いたしました。思ったよりも積極的で、動揺しました。……あら? でしたら何故、連絡豆でお呼びに?」
首を傾げたポリーは、すぐさま何かに気付いたらしく口元に手を当てた。
「……まさか、ついにアズキ様に不埒な真似を?」
「違いますよ。扉も開けておいたでしょう? アズキに豆の説明をしていたんです」
「扉?」
そう言えばポリーも扉が開いていると言っていたが、何のことだろう。
「……ああ、アズキ様はご存知ないのですね。男女が密室にいたとなれば、あらぬ誤解を受けます。なので、扉を開けているのは、そういったことを防ぐためです」
「はあ、なるほど」
女性の身を守るためでもあり、男性側も不本意な噂を流されないように、ということか。
「美少年な王子様は、大変ねえ」
クライヴのお相手を狙う女性が密室に連れ込めば、ないことないこと言って外堀を埋められるかもしれないのか。
貴族令嬢というのは優雅なものかと思っていたが、意外と肉食系のようだ。
「何故、殿下の方なのですか。アズキ様のことです」
「え? だって、別に誤解されるようなことは何もないし。噂を立てる利点もないじゃない」
「……信用されていると、喜んだ方がいいのでしょうか」
クライヴが少し悲し気に目を細めているが、どうしたのだろう。
「この場合は不甲斐ないとも言えるかと。……それで、豆の説明というのは何でしょう?」
「連絡豆の使い方を、アズキに教えていなかったでしょう。ポリーを呼ぶために、廊下に向けて大声で叫んでいましたよ」
「まあ。それは申し訳ありませんでした」
ポリーは慌てて頭を下げるが、豆王国の人間にとっては常識なのだろうから仕方がない。
「大丈夫。クライヴが教えてくれたから、次からはちゃんと呼べるわ。気にしないで」
「それでは、ポリーも来たので俺は行きますね」
「あ、うん。ありがとう。休んでいるところを、邪魔してごめんね」
扉に向かって歩き出していたクライヴは、振り返るとミントグリーンの瞳をゆっくりと細めて微笑んだ。
「いいえ。いつでも呼んでください」
そのまま部屋を出るクライヴを見送ると、ポリーがにこにこと楽しそうな笑顔を浮かべていることに気が付く。
「アズキ様。これでおわかりですね? アズキ様の声に心配して様子を見に来て、あの笑顔。やはり、アズキ様が特別なんですよ」
「そうかなあ。突然絶叫が聞こえたから、びっくりしただけだと思うけど」
「……絶叫、なさったのですか」
「だって、呼べって書いてあったから……」
ポリーと顔を見合わせて笑うと、そもそもの要件を思い出した。
「そうだ。お風呂に入りたかったのよ」
「かしこまりました。ご用意いたします。……それで、あのクッションは何なのですか?」
ポリーの視線の先にあるクッションは、落花生の光に照らされて自ら発光しているように見える。
どうみても、怪しい物体だ。
「豆魔法で落花生を出したんだけど、折ったら滅茶苦茶光ったの。クッションを取ると目潰しされるから、あのままにして」
「……本当に、豆の聖女は愉快ですね。では、お待ちください」
愉快とは何だと言いたいが、光る豆とクッションの件があるので否定もできない。
「ありがとう、お願いね」
ポリーが退室すると、部屋に残ったのはあずきと発光するクッションだけだ。
ふと豆ケースを取り出して中を見ると、鮮やかなピンク色の落花生がひとつ、転がっている。
何となく落花生を撫でると、そのまま豆ケースの蓋を閉めた。
10
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
猫なので、もう働きません。
具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。
やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!?
しかもここは女性が極端に少ない世界。
イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。
「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。
これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。
※表紙はAI画像です
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる