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013 重い足どり
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数日後、みーたんはこうちゃんの家に行くことになった。
こうちゃんは、みーたんが告白されたということしか知らない。
たぶん話は終わらずに夜中になり、泊まりになるだろうと思った。
何度も通ったこうちゃんの家への道。
いつもは楽しく向かっていたのに、こんな気持ちになるだなんて。
自分が悪いのだけど。
鍵はみーたんも持っていたけど、もうこうちゃんは家にいた。
「オレさ、何が悪かったのか考えてたんだよね。」
「うん。こうちゃんは悪くないよ。」
「いや、みーたんが楽しみにしていたイブを4年間も潰してしまって、今年は楽しみにしていただろうに、「仕事でいけない」は無いよな。。。」
こうちゃんは、本当に的確に私を見てくれている。
私は愛されている。
みーたんは、心からそう感じていた。
どう考えても悪いのは自分だけれど、確かにコトの発端はそれに間違いない。
こうちゃんが悪いといえば、そこしかない。
でもそれはサプライズのためだったということ。。。
「うん。確かにイブは楽しみにしてたよ。」
「ごめんな。サプライズ仕込むところじゃなかったよな。」
「ううん。信じることができなかった私がいけないの。」
こうちゃんは、自分のことをこんなにも信じてくれているのに、なんてことをしてしまったんだ私は。。。と自責の念にかられるみーたん。
そしてまだ告白されたことしか認識されていない。
当然、断ったんだろうと思っているに違いない。
だからそのことは聞いてこない。
そう、みーたんを信じて疑わないから。。。
どれだけ時間が経っただろう。
「もうすぐお正月だし、来年は色々と進めようね。」
反応できないみーたん。。。
「今日はもう遅いから寝ようか。」
お風呂を借りてベッドの横に座る私。
こうちゃんも後からお風呂に入って出てきた。
「どうした?そんなところに座って。」
こうちゃんがハグをしてきた。
温かい。身体も心も温かい。
私はこの人が大好きだ。みーたんはそう思った。
大好きな人を裏切ったのだから、一生かけて償わなければならない。
この人の隣にいて負い目を抱えて生きるのは裏切り続けることになる。
私はもうここで幸せを感じることは許されない。彼から幸せをもらう資格がない。
そこまで考えた。
いつかこうちゃんが不機嫌になったときのことを思い出した。
「2番目に好きな人と結婚するのが一番幸せなんだよ。」
そういうことじゃない。
それが一番幸せなら、みーたんはそれすら受けとる資格はないとさえ思った。
でも、でも、もしみーたんがこうちゃんに言ってあげられる言葉があるならば、これしかない。
「幸せになって欲しい。」
心からそう思った。
こうちゃんはハグからキスをしてきた。
胸に手を入れてきたところで、みーたんは抵抗した。
「ごめん。」
「なんだよ、嫌なの?」
「・・・」
言葉が出てこない。
また手が胸にやってきた。
私はまた抵抗した。
「どうした?」
「もう、そういう身体じゃないの。汚れたの。」と言いたくて飲み込んだ。
せめて、せめて、別れ話が終わる前にそんなことをするような女ではないと思っていて欲しい。
彼の中にいた自分はそういう存在でありたい。
都合のいいわがままだ。
そして出てきた言葉はこうだった。
泣きながら絞り出すように。
「私、感謝してるよ。イブに来てくれたこと。そして今までの一つ一つについても、全て感謝しているよ。でもね、だからこそつらいの。私は側にいる人じゃないとダメみたい。」
母の言葉が脳裏をよぎった。
「だから結婚しようって言ってるじゃない。」
「うん。それだって嬉しかったし、感謝してる。でもね、でもね、、、」
こうちゃんのことは大好きだよって伝えたかった。
だけど、それを言ったら、別れられないのもわかっていた。
「もしかして別れようって言おうとしてる?」
言われてしまった。
なんでそんなことまでこうちゃんに言わせてしまうの、自分は最低の女だと思った。
「うん。。。好きな人ができたの。」
「え?あれ断ったとしか思ってないけど。」
「断ってない。」
「受け入れたってこと?」
「付き合うとは言ってない。」
「そいつに会わせてよ。どういうつもりだよ。婚約者だぞ、オレは。学生の頃からずっと左の薬指に指輪をしている君に告白しただと?それってみーたんにどうっていうより、オレにケンカ売ってるよね。ふざけんなって話だよ。」
「話してみる。」
「は?どっち側の人間だよ、みーたんは。ムカついてきた。」
自分がこんなことにしてしまったのだから当然だけど、この日のこうちゃんは、本当に怖かった。
みーたんにではない。職場の彼に対してだ。
こうちゃんは全力でみーたんを護ってくれる。
そういう人だ。
でも、もう、護られる資格すらない。
そう思ったのだった。
こうちゃんは、みーたんが告白されたということしか知らない。
たぶん話は終わらずに夜中になり、泊まりになるだろうと思った。
何度も通ったこうちゃんの家への道。
いつもは楽しく向かっていたのに、こんな気持ちになるだなんて。
自分が悪いのだけど。
鍵はみーたんも持っていたけど、もうこうちゃんは家にいた。
「オレさ、何が悪かったのか考えてたんだよね。」
「うん。こうちゃんは悪くないよ。」
「いや、みーたんが楽しみにしていたイブを4年間も潰してしまって、今年は楽しみにしていただろうに、「仕事でいけない」は無いよな。。。」
こうちゃんは、本当に的確に私を見てくれている。
私は愛されている。
みーたんは、心からそう感じていた。
どう考えても悪いのは自分だけれど、確かにコトの発端はそれに間違いない。
こうちゃんが悪いといえば、そこしかない。
でもそれはサプライズのためだったということ。。。
「うん。確かにイブは楽しみにしてたよ。」
「ごめんな。サプライズ仕込むところじゃなかったよな。」
「ううん。信じることができなかった私がいけないの。」
こうちゃんは、自分のことをこんなにも信じてくれているのに、なんてことをしてしまったんだ私は。。。と自責の念にかられるみーたん。
そしてまだ告白されたことしか認識されていない。
当然、断ったんだろうと思っているに違いない。
だからそのことは聞いてこない。
そう、みーたんを信じて疑わないから。。。
どれだけ時間が経っただろう。
「もうすぐお正月だし、来年は色々と進めようね。」
反応できないみーたん。。。
「今日はもう遅いから寝ようか。」
お風呂を借りてベッドの横に座る私。
こうちゃんも後からお風呂に入って出てきた。
「どうした?そんなところに座って。」
こうちゃんがハグをしてきた。
温かい。身体も心も温かい。
私はこの人が大好きだ。みーたんはそう思った。
大好きな人を裏切ったのだから、一生かけて償わなければならない。
この人の隣にいて負い目を抱えて生きるのは裏切り続けることになる。
私はもうここで幸せを感じることは許されない。彼から幸せをもらう資格がない。
そこまで考えた。
いつかこうちゃんが不機嫌になったときのことを思い出した。
「2番目に好きな人と結婚するのが一番幸せなんだよ。」
そういうことじゃない。
それが一番幸せなら、みーたんはそれすら受けとる資格はないとさえ思った。
でも、でも、もしみーたんがこうちゃんに言ってあげられる言葉があるならば、これしかない。
「幸せになって欲しい。」
心からそう思った。
こうちゃんはハグからキスをしてきた。
胸に手を入れてきたところで、みーたんは抵抗した。
「ごめん。」
「なんだよ、嫌なの?」
「・・・」
言葉が出てこない。
また手が胸にやってきた。
私はまた抵抗した。
「どうした?」
「もう、そういう身体じゃないの。汚れたの。」と言いたくて飲み込んだ。
せめて、せめて、別れ話が終わる前にそんなことをするような女ではないと思っていて欲しい。
彼の中にいた自分はそういう存在でありたい。
都合のいいわがままだ。
そして出てきた言葉はこうだった。
泣きながら絞り出すように。
「私、感謝してるよ。イブに来てくれたこと。そして今までの一つ一つについても、全て感謝しているよ。でもね、だからこそつらいの。私は側にいる人じゃないとダメみたい。」
母の言葉が脳裏をよぎった。
「だから結婚しようって言ってるじゃない。」
「うん。それだって嬉しかったし、感謝してる。でもね、でもね、、、」
こうちゃんのことは大好きだよって伝えたかった。
だけど、それを言ったら、別れられないのもわかっていた。
「もしかして別れようって言おうとしてる?」
言われてしまった。
なんでそんなことまでこうちゃんに言わせてしまうの、自分は最低の女だと思った。
「うん。。。好きな人ができたの。」
「え?あれ断ったとしか思ってないけど。」
「断ってない。」
「受け入れたってこと?」
「付き合うとは言ってない。」
「そいつに会わせてよ。どういうつもりだよ。婚約者だぞ、オレは。学生の頃からずっと左の薬指に指輪をしている君に告白しただと?それってみーたんにどうっていうより、オレにケンカ売ってるよね。ふざけんなって話だよ。」
「話してみる。」
「は?どっち側の人間だよ、みーたんは。ムカついてきた。」
自分がこんなことにしてしまったのだから当然だけど、この日のこうちゃんは、本当に怖かった。
みーたんにではない。職場の彼に対してだ。
こうちゃんは全力でみーたんを護ってくれる。
そういう人だ。
でも、もう、護られる資格すらない。
そう思ったのだった。
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