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叔父は、にこやかに洋吉を見つめた。少しだけ寂しげでもある。叔父を縁取る輪郭が薄くなっていた。どちらかと言えば体が透けている。ようやく洋吉は叔父が幽霊だと気がついた。叔父のお茶や羊羹は一向に減っていないのに、なぜか、叔父は美味しそうな顔をしている。一瞬だが、洋吉は叔父が蘇ったと洋吉は思ったのだが違っていた。二人の間、海で隔てる陸のようにあちら側とこちら側で交わるものではないのだ。なにかのいたずらにより、こうして相対するのだ。こうしている間にも叔父はすっと立ち上がった。
「もう玲子さんには会わないでくれ」
「おじさん」
つい昔の口調に戻る洋吉を叔父は少なからず、困ったものをみるような目で見た。
「とある小説を思い出すよ。毒の木に育てられた娘に恋する青年」
「えっ」
「まあ気にしないでくれ」
「おまえを止められるのは、おまえだけのようだ」
ゆっくりと消えていく。まるで水彩画を水で溶かしてしまったような感覚に似ていると洋吉は思った。三津堂は叔父が残した羊羹を食べていた。茶を飲もう。洋吉は思った。
「泣いているんですか」
「当たり前だ。亡くなった人に会えたんだから」
「まあ。優しいんですね。で、どうするんですか。玲子さんは」
洋吉は迷っていた。叔父がいうように玲子が取り憑かれているならば、近寄らない方が賢明だ。自分の体だってやせ細っているらしい。洋吉は困ったように、三津堂を見た。
「決めるのは、洋吉さんだよ」
「いや、わかっている」
「玲子さんは」
ごめんくださいと玲子の声が聞こえてきた。玲子の声に二人は顔を見合わせていた。三津堂は立ち上がり、はいと返事をする。その顔には穏やかなではないものがあった。
「忘れ物です」
「ありがとうございます」
「いろんな本があるのね。そういえば洋吉さんは」
「洋吉さんは奥です」
「あら、お邪魔でしたか」
「いえいえ。じゃあ中に入りますか」
「えっ」
洋吉は背筋を伸ばした。洋吉は玲子が現れるのを待ったが、なかなか来ないことにじれた。玲子を見ようと襖から覗こうとした。襖の隙間から、あるものが見えていた。不思議なもの。黒い影が玲子の後ろにぴったりといた。玲子の体を縛るように抱きしめているが、玲子は気がついていない。洋吉はゾッとした。あれに気がつかない玲子はどういう神経をしているのだろうか。もしかしたらあの影に叔父は殺されたのか。じろっと黒い影から一つの目玉が生まれた。
『玲子は俺が守る』
そう影が言った。洋吉は冷や汗をかいている自分に気がついた。影がいやらしく、玲子の体を触る。うふふと笑い声をあげているが、玲子はまったく気がついていない。三津堂はまるで玲子だけを相手するだけだった。
「私は奥には行けないわ」
「まあ。そんなことを言わずに」
「洋吉さんに手紙を渡しに」
「手紙」
「叔父さんの奥様からの手紙。私は親族ではないから、手紙は読めないので。それじゃあ」
ごきげんようと言って玲子が朝霧から出て行った。
「手紙、読みますか?」
「ああ」
わかっていたのかと三津堂に問いかけたくなった。三津堂の平凡な顔に陰りがあったように洋吉には見えた。洋吉は「あれ、見えたか」と三津堂に問いかけていた。三津堂は「ああ。あれね」と答えるだけだった。
「あれが叔父さんを殺したのか」
「違いますよ。手紙を読んだらどうです」
ぎこちなく感じる洋吉に三津堂はペーパーナイフを渡す。銀色のそれはすうっと気持ちよく、封筒を開ける。
「えっ」
「どうしたんですか」
「叔母さん。いや叔父さんの別れた奥さんが、来るそうです。手紙は前から決めていたみたいだけど。電報いや電話か。あっ、でも電話がない」
「まあ混乱しますね。まず叔父さんの家に行きましょう。それで事情を話しましょう」
なるほどと言って洋吉は慌てて外を飛び出そうとすると、三津堂は「まあ、近くチンチン電車があるので行きましょう」とありがたいことを言い出す。三津堂は店の戸締まりをしてから、歩き出す。早く早くと言い出しかねない洋吉に合わせるように三津堂の足は速い。三津堂を先頭に商店街を出て、広場に出る。都心の駅のような場所に出て洋吉は戸惑いを隠せなかった。
「お金、持っていますか」
「仕方がないな」
懐を確認して洋吉は三津堂を笑う。チンチン電車が現れた。チンチンという軽やかな音に合わせてゆっくりこちらに来る。洋吉と三津堂は待っている人間に合わせるように乗り合わせた。広告、新聞社のものや麦酒などおしろいが鮮やかな色彩で躍る。会話をしながら笑う人間に、洋吉は今更ながら疲れを感じていた。席には座らず、立っているとチンチンと小さな男の子が言っていた。母親が子どもに静かにするようにいう。キツイ言い方だった。
「それにしてもなんで、叔母さんは来るんだ」
「さあね。わからないもんですよ。夫婦なんて」
「もう夫婦ではないのに」
そんなことを言いながら洋吉は気がついた。空が近い、空が近いなんてことはない。が、洋吉は窓を見た。広告に気取られていたから気がつかなかったが、チンチン電車が空を走っている。洋吉は自分が疲れすぎたことに気がついた。洋吉は周りを見た。乗客はいつもと変わりない。ならば自分もおとなしくしなければ、奇異な目で見られるのは確かだ。
「三津堂。空を飛んでいるようだが」
「疲れているんですね」
そう言われてしまえば反論はできないでいた。三津堂の顔がこっそりと舌を出しているなど洋吉には見えなかった。洋吉は叔父の家がある町に降りる。降りる頃には地面に電車はついている。洋吉はほっとした。
まだ空は明るい。洋吉は駆けだしていた。なぜか胸騒ぎがしたからだ。強欲な叔母さんがなにを目的に来るのか、わからないがとにかく不吉な予感がした。
叔父の家に行けば、叔母さんと鉢合わせした。叔母さんは美しかった。結っていた髪は艶やかに健康そうだ。顔色もいい。そうして流行りの服を身に包んだ姿は、輝いている。
「洋吉さん」
不思議そうに叔母は三津堂を見る。
「そちらは」
「洋吉さんの友人、三津堂と申します。私はいないものと思ってくださると幸い」
「そう」
変な人というのが叔母の感想だろう。洋吉はとりあえず、叔父の家の中に入った。叔父の遺骨はまだ残っている。叔母は叔父が死んだことを知っていたのか、さも当然のように線香を上げた。
「あの人は自殺ですか」
「心臓が弱っていたそうです」
「病気らしい病気をしない人が、こんな形で亡くなるなんて」
叔母に苦悩というべき表情をしているか考えたが、叔母の表情には一切、なにもも浮かんでいない。もしかしたらもう過去の人なのか。ならばなぜこんなところに。そう洋吉は考えていた。
「あの人、変わらないわね。こんな小さな家に暮らしながらずっと手紙を送っていたのね」
口では言わないが、バカな人と言いたいのだろう。バカな人なのかもしれない。洋吉の叔母は結婚しなかったが、浮名を流していた。誰と付き合ったなんて新聞屋に書かれるくらいだ。御曹司だったり、小作人だったり。それでも叔父は手紙を送っていたのだろうか。
「今、思えばあの頃が楽しかった」
バカなのは叔母なのかもしれない。洋吉は考えていた。叔母が今更後悔しても、こぼれた水は戻ってこない。こぼしたのは叔母で、叔父が許したことをいいことに後悔できるのだ。こうして誰かに懺悔して自分が害のない人間だと思えるのだ。ずうずうしいことだ。叔父の金を奪い取って、自分は自由恋愛に明け暮れて、しかも、後悔できるなんて。
「私は叔母さんを許していません」
「えっ」
「一文無しの叔父がどうやってこの家を見つけたのかわかりませんか。人から嘲りを受ける叔父を見ましたか。あなたは好きなことができて楽しいでしょうが。エゴイズムの極みですよ。自分さえ良ければいい人間です。ええ、これは批判です。私があなたを情けなく思います。同じように血が通った人間ならばわかるでしょう。あなたはきっとわからないでしょうに」
「洋吉さん。この人を楽にしちゃだめだ」
叔母は顔がかっとしたものになった。
「私がどんなに」
「わかっていますよ。奥さまだって苦しんでしょう。でも叱られたいからってこの人を利用したらだめだ。吉之助(きちのすけ)さんは一人で死んだ。それだけです」
「あなたも私が悪女だって言いたいんでしょ。私だってあんな大金を目にしなければ、あんな気持ちになりませんよ。私は自由ではなかった。子供が産まれなかったから役立たずと言った義母様から守ってくれなかったあの人なんか。あの人だって私を責めたかったのよ。どうして子供ができまいと言われた私を」
「知りませんよ。そんなこと」
「えっ」
「今更、いい人になりたがっているんですか。あなたは悪人ですよ。夫の金を弁護士で奪って。弁護士を捨てて。それで悪人じゃないなんて言えるんですか。あなたは、なにを隠そう悪女ですよ。お里が知れていますよ」
えっ、涙を流した叔母はきょとんと見ている。
「洋吉さんみたいにお人好しではないんでね。私は。あなたのことを悪人だと思っている。叔母さんに変装したってだめですよ。あんたは人じゃない」
叔母は怒り狂った顔で三津堂を飛びかかるのを洋吉は抑えつけた。叔母は唸りながら、この野郎と叫んでいた。
ふざけるな、ふざけるな、殺してやると叫ぶ叔母に三津堂は平然としている。冷ややかな目で見つめていた。
「もう玲子さんには会わないでくれ」
「おじさん」
つい昔の口調に戻る洋吉を叔父は少なからず、困ったものをみるような目で見た。
「とある小説を思い出すよ。毒の木に育てられた娘に恋する青年」
「えっ」
「まあ気にしないでくれ」
「おまえを止められるのは、おまえだけのようだ」
ゆっくりと消えていく。まるで水彩画を水で溶かしてしまったような感覚に似ていると洋吉は思った。三津堂は叔父が残した羊羹を食べていた。茶を飲もう。洋吉は思った。
「泣いているんですか」
「当たり前だ。亡くなった人に会えたんだから」
「まあ。優しいんですね。で、どうするんですか。玲子さんは」
洋吉は迷っていた。叔父がいうように玲子が取り憑かれているならば、近寄らない方が賢明だ。自分の体だってやせ細っているらしい。洋吉は困ったように、三津堂を見た。
「決めるのは、洋吉さんだよ」
「いや、わかっている」
「玲子さんは」
ごめんくださいと玲子の声が聞こえてきた。玲子の声に二人は顔を見合わせていた。三津堂は立ち上がり、はいと返事をする。その顔には穏やかなではないものがあった。
「忘れ物です」
「ありがとうございます」
「いろんな本があるのね。そういえば洋吉さんは」
「洋吉さんは奥です」
「あら、お邪魔でしたか」
「いえいえ。じゃあ中に入りますか」
「えっ」
洋吉は背筋を伸ばした。洋吉は玲子が現れるのを待ったが、なかなか来ないことにじれた。玲子を見ようと襖から覗こうとした。襖の隙間から、あるものが見えていた。不思議なもの。黒い影が玲子の後ろにぴったりといた。玲子の体を縛るように抱きしめているが、玲子は気がついていない。洋吉はゾッとした。あれに気がつかない玲子はどういう神経をしているのだろうか。もしかしたらあの影に叔父は殺されたのか。じろっと黒い影から一つの目玉が生まれた。
『玲子は俺が守る』
そう影が言った。洋吉は冷や汗をかいている自分に気がついた。影がいやらしく、玲子の体を触る。うふふと笑い声をあげているが、玲子はまったく気がついていない。三津堂はまるで玲子だけを相手するだけだった。
「私は奥には行けないわ」
「まあ。そんなことを言わずに」
「洋吉さんに手紙を渡しに」
「手紙」
「叔父さんの奥様からの手紙。私は親族ではないから、手紙は読めないので。それじゃあ」
ごきげんようと言って玲子が朝霧から出て行った。
「手紙、読みますか?」
「ああ」
わかっていたのかと三津堂に問いかけたくなった。三津堂の平凡な顔に陰りがあったように洋吉には見えた。洋吉は「あれ、見えたか」と三津堂に問いかけていた。三津堂は「ああ。あれね」と答えるだけだった。
「あれが叔父さんを殺したのか」
「違いますよ。手紙を読んだらどうです」
ぎこちなく感じる洋吉に三津堂はペーパーナイフを渡す。銀色のそれはすうっと気持ちよく、封筒を開ける。
「えっ」
「どうしたんですか」
「叔母さん。いや叔父さんの別れた奥さんが、来るそうです。手紙は前から決めていたみたいだけど。電報いや電話か。あっ、でも電話がない」
「まあ混乱しますね。まず叔父さんの家に行きましょう。それで事情を話しましょう」
なるほどと言って洋吉は慌てて外を飛び出そうとすると、三津堂は「まあ、近くチンチン電車があるので行きましょう」とありがたいことを言い出す。三津堂は店の戸締まりをしてから、歩き出す。早く早くと言い出しかねない洋吉に合わせるように三津堂の足は速い。三津堂を先頭に商店街を出て、広場に出る。都心の駅のような場所に出て洋吉は戸惑いを隠せなかった。
「お金、持っていますか」
「仕方がないな」
懐を確認して洋吉は三津堂を笑う。チンチン電車が現れた。チンチンという軽やかな音に合わせてゆっくりこちらに来る。洋吉と三津堂は待っている人間に合わせるように乗り合わせた。広告、新聞社のものや麦酒などおしろいが鮮やかな色彩で躍る。会話をしながら笑う人間に、洋吉は今更ながら疲れを感じていた。席には座らず、立っているとチンチンと小さな男の子が言っていた。母親が子どもに静かにするようにいう。キツイ言い方だった。
「それにしてもなんで、叔母さんは来るんだ」
「さあね。わからないもんですよ。夫婦なんて」
「もう夫婦ではないのに」
そんなことを言いながら洋吉は気がついた。空が近い、空が近いなんてことはない。が、洋吉は窓を見た。広告に気取られていたから気がつかなかったが、チンチン電車が空を走っている。洋吉は自分が疲れすぎたことに気がついた。洋吉は周りを見た。乗客はいつもと変わりない。ならば自分もおとなしくしなければ、奇異な目で見られるのは確かだ。
「三津堂。空を飛んでいるようだが」
「疲れているんですね」
そう言われてしまえば反論はできないでいた。三津堂の顔がこっそりと舌を出しているなど洋吉には見えなかった。洋吉は叔父の家がある町に降りる。降りる頃には地面に電車はついている。洋吉はほっとした。
まだ空は明るい。洋吉は駆けだしていた。なぜか胸騒ぎがしたからだ。強欲な叔母さんがなにを目的に来るのか、わからないがとにかく不吉な予感がした。
叔父の家に行けば、叔母さんと鉢合わせした。叔母さんは美しかった。結っていた髪は艶やかに健康そうだ。顔色もいい。そうして流行りの服を身に包んだ姿は、輝いている。
「洋吉さん」
不思議そうに叔母は三津堂を見る。
「そちらは」
「洋吉さんの友人、三津堂と申します。私はいないものと思ってくださると幸い」
「そう」
変な人というのが叔母の感想だろう。洋吉はとりあえず、叔父の家の中に入った。叔父の遺骨はまだ残っている。叔母は叔父が死んだことを知っていたのか、さも当然のように線香を上げた。
「あの人は自殺ですか」
「心臓が弱っていたそうです」
「病気らしい病気をしない人が、こんな形で亡くなるなんて」
叔母に苦悩というべき表情をしているか考えたが、叔母の表情には一切、なにもも浮かんでいない。もしかしたらもう過去の人なのか。ならばなぜこんなところに。そう洋吉は考えていた。
「あの人、変わらないわね。こんな小さな家に暮らしながらずっと手紙を送っていたのね」
口では言わないが、バカな人と言いたいのだろう。バカな人なのかもしれない。洋吉の叔母は結婚しなかったが、浮名を流していた。誰と付き合ったなんて新聞屋に書かれるくらいだ。御曹司だったり、小作人だったり。それでも叔父は手紙を送っていたのだろうか。
「今、思えばあの頃が楽しかった」
バカなのは叔母なのかもしれない。洋吉は考えていた。叔母が今更後悔しても、こぼれた水は戻ってこない。こぼしたのは叔母で、叔父が許したことをいいことに後悔できるのだ。こうして誰かに懺悔して自分が害のない人間だと思えるのだ。ずうずうしいことだ。叔父の金を奪い取って、自分は自由恋愛に明け暮れて、しかも、後悔できるなんて。
「私は叔母さんを許していません」
「えっ」
「一文無しの叔父がどうやってこの家を見つけたのかわかりませんか。人から嘲りを受ける叔父を見ましたか。あなたは好きなことができて楽しいでしょうが。エゴイズムの極みですよ。自分さえ良ければいい人間です。ええ、これは批判です。私があなたを情けなく思います。同じように血が通った人間ならばわかるでしょう。あなたはきっとわからないでしょうに」
「洋吉さん。この人を楽にしちゃだめだ」
叔母は顔がかっとしたものになった。
「私がどんなに」
「わかっていますよ。奥さまだって苦しんでしょう。でも叱られたいからってこの人を利用したらだめだ。吉之助(きちのすけ)さんは一人で死んだ。それだけです」
「あなたも私が悪女だって言いたいんでしょ。私だってあんな大金を目にしなければ、あんな気持ちになりませんよ。私は自由ではなかった。子供が産まれなかったから役立たずと言った義母様から守ってくれなかったあの人なんか。あの人だって私を責めたかったのよ。どうして子供ができまいと言われた私を」
「知りませんよ。そんなこと」
「えっ」
「今更、いい人になりたがっているんですか。あなたは悪人ですよ。夫の金を弁護士で奪って。弁護士を捨てて。それで悪人じゃないなんて言えるんですか。あなたは、なにを隠そう悪女ですよ。お里が知れていますよ」
えっ、涙を流した叔母はきょとんと見ている。
「洋吉さんみたいにお人好しではないんでね。私は。あなたのことを悪人だと思っている。叔母さんに変装したってだめですよ。あんたは人じゃない」
叔母は怒り狂った顔で三津堂を飛びかかるのを洋吉は抑えつけた。叔母は唸りながら、この野郎と叫んでいた。
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