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玲子の事件がようやく落ち着いた。洋吉が大学の構内にいた。ヒノキが植えられて、誰が面白い作家かと楽しげな声も聞こえてくる。洋吉は早めに帰り、下宿先に戻った。玲子の事件のせいか、洋吉の頭は血の巡りが悪くなっている。万華鏡商店街を探したが、見つからない。あの三津堂(みづどう)に会えずに洋吉はもんもんとしていた。洋吉は部屋にこもって考えてみたが、結局のところ、わらずじまい。
「洋吉君、いるかい」
神川の声がすると、返事をする前に、勝手に部屋の中に入ってきた。長い髪をふわふわと漂わせ、色男の醸し出すなんとも言えない甘さに洋吉はげんなりした。
「勝手に入らないでくれ」
「また部屋にいたのかい」
「なんだい。悪いことをしているような言い方で」
「悪いさ。どうだい酒でも。ポッピーでもいいよ」
洋吉は黙っていたが、おもむろに立ち上がった。洋吉の目はよどんだままだったが、わずかに光るものがあった。洋吉の内部でようやく化学変化が起こったのだろうか。それは小さな化学変化でしかないと洋吉は気がついている。
店につくと、洋吉は料理を頼む。麦酒ではなく、ポッピーを飲んでいる。神川もポッピーをそのまま飲んでいる。下戸らしい。
「なんで、玲子さんは叔父さんを殺したんだろう。あんなに仲が良かったのに」
「さあ。死人にくちなしって言うからね」
洋吉はつまらないと言った顔をした。神川は言葉をつづけた。
「人の事情よりも単位だよ。君、早く代筆を頼まないと」
「そうだ。そうだった」
「雑誌を作っている輩がいるらしいよ」
「同人誌か」
「君も書いてみたらどうだい。意外と鬱憤が晴らせるよ」
神川はクスクスと笑い出す。神川をにらみつけるように洋吉は見つめたが、馬鹿らしくなり、やめた。洋吉は窓を見た。夕暮れ色の薄紅にかかった空を見ていた。空に黄色を帯びた赤い光が、雲を照らしている。綿の花に美しい赤や黄色を染めているようだ。光の加減で赤は濃く、薄紅の空はさらに朱色に変わる。美しい風景であるが、洋吉はそれを見ると不思議とそわそわしたものになるのだ。
「なんと。空がきれいだね」
都会の人々でも空が見たいのか、外に出る人達がいる。それを見ていると人々の顔は輝いている。スミレ色の空になるまで人々は空を見ていた。洋吉は人の気持ちが感染したように、ようやく美しい夕暮れを楽しんでいた。
その中、ある人物を見つけ出した洋吉は駆けだしていた。洋吉の隣にいた神川は驚いたように「洋吉君」と叫んだ。
「悪いだが、僕は用事を思い出した。ひとりで楽しんできたまえ」
駆け出し、そう言っている自分が洋吉自身楽しくなっていた。こんなに胸が楽になったのは久しぶりだ。洋吉は走り出して、ある人物は振り返った。
何度も名前を呼ぶ。平凡な姿である。平凡な顔である。しかし、この男は平凡ではない力の持ち主であると洋吉は知っている。人ごみをかき分け、すみませんと謝りながら、三津堂と叫ぶ。
「お久しぶりです。洋吉さん」
いきなり三津堂が洋吉に言った。まだ遠くにいると思った洋吉には声を上げるくらい驚いた。洋吉の声は周りに響いたのか、迷惑そうに周りは見ていた。
三津堂に連れられ、商店街にある、とある飲み屋に連れられた。気がつけば、万華鏡商店街ということに気がついた。壁にいろんなポスターに混じって万華鏡商店街のポスターが貼られている。万華鏡商店街にいらっしゃいと女性が笑っているポスターだ。
「で、なにか用で」
ポッピーを飲む三津堂に正面切って、尋ねることははばかれた。
三津堂はおやおやというようにポッピーを傾ける。なにをどうしたいのかわかっているのに、言葉がでない悔しさに洋吉は唇をかみしめた。三津堂は哀れそうな顔で「忘れたらいかがですか」と切り出した。
なにをといえば事件のことだろう。事件のことを忘れれば楽になると周りからさんざん言われた。揚げ句の果てには、教授にまで言われた。そんなに思いつめたように見えるだろうか。いつも行っている演奏会すら心が躍らないということからでもわかるよと言われたのだ。
いつの間にか三津堂は紙になにかしたためている。
『玲子さんが気になるんですか』
ノートにはきれいな字が並んでいた。洋吉は文章の下に書いた。興奮しているのかいつもより雑な字になった。
『玲子さんはなぜ叔父さんを殺した。あんなに仲がよかったのに。殺すほど恨んでいたのか』
「実際に見た訳でもないでしょう。あなたは身内としてきただけだ」
身内として、という言葉に確かにと思う洋吉と違うと思う洋吉がいた。相反する気持ちがS極N極のように反目するようで洋吉はポッピーを乱暴に取った。
「玲子さんはあなたの叔父さんを好きだった。それだけですよ」
「じゃあなぜ」
「叔父さんの心にはあなたの叔母さんがいた。普通の女性ならば悲観的になって己の命を絶つ」
洋吉は事件の真実というわけでないのに、三津堂の意見をじっと聞いていた。
「だが、玲子さんは叔父さんの命を奪った」
玲子の顔を洋吉は浮かべた。あの玲子がそんな大胆なことができるだろうかと何度も思った。何度も思うが、洋吉は事実にぶち当たる。洋吉は鼻をすすった。鼻紙を取り出して、ちーんとかんだ。
周りは酒を楽しんでいる。ポッピーの焼酎割りを飲んでいるようだった。笑い声が部屋に響いて洋吉は下を向いた。
「そうして自分の命を絶った」
「なんで」
「来世に託したのか、それとも男を殺したことに対して後悔したのかもしれませんよ」
三津堂は別段、新聞記事のようにあおるようなことは言わない。淡々としている。
「じゃあ。僕が見たものは幻だったのかな」
「幻じゃありませんよ。現実でもありませんが」
「えっ」
「玲子さんがどうなったか知りたいんでしょう。楽しく地獄に落ちていますよ」
なぜか洋吉はゾッとした。三津堂の言葉に躊躇がないせいか。あの世があると言い切ったせいかもしれない。
喧騒の中で洋吉だけが冷ややかな気持ちになった。歌い出すものがいた。何か童謡だった。思い出せない洋吉に「新しい恋を探しましょう」とあっさりと言った。
これが恋? と洋吉は三津堂に問いかけたかった。
三津堂は穏やかな表情でポッピーを飲んでいる。
「万華鏡商店街を探したが見つからなかった」
非難するように洋吉は言った。
「わかりにくい土地だからね。まあ慣れですよ。何事にも」
「こうして会えたのも偶然かもしれないが」
「狭い世の中ですね」
三津堂は立ち上がった。足取りはしっかりしている。そうして、洋吉がついて来るのを待っていたようだ。洋吉は喧騒の中、店を出ると、白い月が出ていた。白い月は山に囲まれているせいか小さく見える。白い月明かりで山が紺に近い青だ。星を見つめていると三津堂は歩いていく。飲み屋街の明かりはしばらくつづく。小さな店が肩を寄せ合うようにぎゅっぎゅっと狭い土地に押し込まれている。店の扉が開けられ、座っているほろ酔いの赤い顔が並ぶ、みなみな幸せそうに笑っている。おしゃべりが聞こえてくる。
「梅雨が近いですね」
すっかり寒いと三津堂は洋吉の隣にいた。三津堂は洋装の洋吉と違い着流しである。その上には上着を着ている。寒そうには見えなかった。シャツ一枚のズボンだけの洋吉の方が寒そうだ。
「酒屋に行きましょう」
酒屋はこんな時間まで開いていた。万華鏡商店街の酒屋は目つきの悪い店主が、新聞を読みながら勘定をしていた。
「おう。三津堂か。そろそろあれの時期か」
「あれですから」
「友達か」
「違いますよ」
「なんだい。残念だな」
「これ、いただきますよ」
三津堂は酒瓶をひょいっと持ち上げて、配給を渡す。気のきいた主人は小さな瓶を渡してくれた。三津堂は自宅、古本屋朝霧に戻ると杯を取り出す。よし飲むかと思う前に「移動しましょう」と風呂敷に酒瓶と杯をまとめる。どこに行くのかわからない。月明かりが三津堂の行く先を照らす。商店街から抜けて、住宅が並ぶ。昔ながらの家が並ぶ。歩きながら三津堂は月を見ていた。
白い月である。白粉の匂いが香りそうな白さだ。紺色の空にぽつんとある。白と紺色、星は見えない。雲で月がかげることはない。洋吉は玲子を思い出した。もやもやしたものが胸をしめつけた。
「三津堂は、地獄があるって思うのか」
「さあ。私は死んだことがないんで知りません」
「じゃあ、どういう考えなんだ」
「あったらいいなと思いますよ。特に日本の地獄は」
「なんでさ。誰だって悪いことはしただろう」
「ふふ。言い逃れをして、悪態をつくのが人間ですもんね。私もそんな端くれ、わかっていますよ。ただ、もし自分が加害者になったら、どうします」
「謝るさ」
「謝って許されることではなかったら」
「償いを」
「償い。金を払うことじゃない。だから地獄が必要になるんだ」
はあと洋吉はつぶやいた。なぜか洋吉には、三津堂が誰かに断罪をしてほしいのではないかと考えた。三津堂自身、罪人なのだろうか。しかし、三津堂の顔を見ているとそんな風には見えない。
険しい顔も苦々しく言っているわけではない。ならばなにが三津堂にそれを言わせるのか、付き合いが浅い洋吉にはわからなかった。
「湖に行きます。小さい、本当に小さい山を登ります。離れてはいけませんよ」
子供にいうように三津堂が言った。
「洋吉君、いるかい」
神川の声がすると、返事をする前に、勝手に部屋の中に入ってきた。長い髪をふわふわと漂わせ、色男の醸し出すなんとも言えない甘さに洋吉はげんなりした。
「勝手に入らないでくれ」
「また部屋にいたのかい」
「なんだい。悪いことをしているような言い方で」
「悪いさ。どうだい酒でも。ポッピーでもいいよ」
洋吉は黙っていたが、おもむろに立ち上がった。洋吉の目はよどんだままだったが、わずかに光るものがあった。洋吉の内部でようやく化学変化が起こったのだろうか。それは小さな化学変化でしかないと洋吉は気がついている。
店につくと、洋吉は料理を頼む。麦酒ではなく、ポッピーを飲んでいる。神川もポッピーをそのまま飲んでいる。下戸らしい。
「なんで、玲子さんは叔父さんを殺したんだろう。あんなに仲が良かったのに」
「さあ。死人にくちなしって言うからね」
洋吉はつまらないと言った顔をした。神川は言葉をつづけた。
「人の事情よりも単位だよ。君、早く代筆を頼まないと」
「そうだ。そうだった」
「雑誌を作っている輩がいるらしいよ」
「同人誌か」
「君も書いてみたらどうだい。意外と鬱憤が晴らせるよ」
神川はクスクスと笑い出す。神川をにらみつけるように洋吉は見つめたが、馬鹿らしくなり、やめた。洋吉は窓を見た。夕暮れ色の薄紅にかかった空を見ていた。空に黄色を帯びた赤い光が、雲を照らしている。綿の花に美しい赤や黄色を染めているようだ。光の加減で赤は濃く、薄紅の空はさらに朱色に変わる。美しい風景であるが、洋吉はそれを見ると不思議とそわそわしたものになるのだ。
「なんと。空がきれいだね」
都会の人々でも空が見たいのか、外に出る人達がいる。それを見ていると人々の顔は輝いている。スミレ色の空になるまで人々は空を見ていた。洋吉は人の気持ちが感染したように、ようやく美しい夕暮れを楽しんでいた。
その中、ある人物を見つけ出した洋吉は駆けだしていた。洋吉の隣にいた神川は驚いたように「洋吉君」と叫んだ。
「悪いだが、僕は用事を思い出した。ひとりで楽しんできたまえ」
駆け出し、そう言っている自分が洋吉自身楽しくなっていた。こんなに胸が楽になったのは久しぶりだ。洋吉は走り出して、ある人物は振り返った。
何度も名前を呼ぶ。平凡な姿である。平凡な顔である。しかし、この男は平凡ではない力の持ち主であると洋吉は知っている。人ごみをかき分け、すみませんと謝りながら、三津堂と叫ぶ。
「お久しぶりです。洋吉さん」
いきなり三津堂が洋吉に言った。まだ遠くにいると思った洋吉には声を上げるくらい驚いた。洋吉の声は周りに響いたのか、迷惑そうに周りは見ていた。
三津堂に連れられ、商店街にある、とある飲み屋に連れられた。気がつけば、万華鏡商店街ということに気がついた。壁にいろんなポスターに混じって万華鏡商店街のポスターが貼られている。万華鏡商店街にいらっしゃいと女性が笑っているポスターだ。
「で、なにか用で」
ポッピーを飲む三津堂に正面切って、尋ねることははばかれた。
三津堂はおやおやというようにポッピーを傾ける。なにをどうしたいのかわかっているのに、言葉がでない悔しさに洋吉は唇をかみしめた。三津堂は哀れそうな顔で「忘れたらいかがですか」と切り出した。
なにをといえば事件のことだろう。事件のことを忘れれば楽になると周りからさんざん言われた。揚げ句の果てには、教授にまで言われた。そんなに思いつめたように見えるだろうか。いつも行っている演奏会すら心が躍らないということからでもわかるよと言われたのだ。
いつの間にか三津堂は紙になにかしたためている。
『玲子さんが気になるんですか』
ノートにはきれいな字が並んでいた。洋吉は文章の下に書いた。興奮しているのかいつもより雑な字になった。
『玲子さんはなぜ叔父さんを殺した。あんなに仲がよかったのに。殺すほど恨んでいたのか』
「実際に見た訳でもないでしょう。あなたは身内としてきただけだ」
身内として、という言葉に確かにと思う洋吉と違うと思う洋吉がいた。相反する気持ちがS極N極のように反目するようで洋吉はポッピーを乱暴に取った。
「玲子さんはあなたの叔父さんを好きだった。それだけですよ」
「じゃあなぜ」
「叔父さんの心にはあなたの叔母さんがいた。普通の女性ならば悲観的になって己の命を絶つ」
洋吉は事件の真実というわけでないのに、三津堂の意見をじっと聞いていた。
「だが、玲子さんは叔父さんの命を奪った」
玲子の顔を洋吉は浮かべた。あの玲子がそんな大胆なことができるだろうかと何度も思った。何度も思うが、洋吉は事実にぶち当たる。洋吉は鼻をすすった。鼻紙を取り出して、ちーんとかんだ。
周りは酒を楽しんでいる。ポッピーの焼酎割りを飲んでいるようだった。笑い声が部屋に響いて洋吉は下を向いた。
「そうして自分の命を絶った」
「なんで」
「来世に託したのか、それとも男を殺したことに対して後悔したのかもしれませんよ」
三津堂は別段、新聞記事のようにあおるようなことは言わない。淡々としている。
「じゃあ。僕が見たものは幻だったのかな」
「幻じゃありませんよ。現実でもありませんが」
「えっ」
「玲子さんがどうなったか知りたいんでしょう。楽しく地獄に落ちていますよ」
なぜか洋吉はゾッとした。三津堂の言葉に躊躇がないせいか。あの世があると言い切ったせいかもしれない。
喧騒の中で洋吉だけが冷ややかな気持ちになった。歌い出すものがいた。何か童謡だった。思い出せない洋吉に「新しい恋を探しましょう」とあっさりと言った。
これが恋? と洋吉は三津堂に問いかけたかった。
三津堂は穏やかな表情でポッピーを飲んでいる。
「万華鏡商店街を探したが見つからなかった」
非難するように洋吉は言った。
「わかりにくい土地だからね。まあ慣れですよ。何事にも」
「こうして会えたのも偶然かもしれないが」
「狭い世の中ですね」
三津堂は立ち上がった。足取りはしっかりしている。そうして、洋吉がついて来るのを待っていたようだ。洋吉は喧騒の中、店を出ると、白い月が出ていた。白い月は山に囲まれているせいか小さく見える。白い月明かりで山が紺に近い青だ。星を見つめていると三津堂は歩いていく。飲み屋街の明かりはしばらくつづく。小さな店が肩を寄せ合うようにぎゅっぎゅっと狭い土地に押し込まれている。店の扉が開けられ、座っているほろ酔いの赤い顔が並ぶ、みなみな幸せそうに笑っている。おしゃべりが聞こえてくる。
「梅雨が近いですね」
すっかり寒いと三津堂は洋吉の隣にいた。三津堂は洋装の洋吉と違い着流しである。その上には上着を着ている。寒そうには見えなかった。シャツ一枚のズボンだけの洋吉の方が寒そうだ。
「酒屋に行きましょう」
酒屋はこんな時間まで開いていた。万華鏡商店街の酒屋は目つきの悪い店主が、新聞を読みながら勘定をしていた。
「おう。三津堂か。そろそろあれの時期か」
「あれですから」
「友達か」
「違いますよ」
「なんだい。残念だな」
「これ、いただきますよ」
三津堂は酒瓶をひょいっと持ち上げて、配給を渡す。気のきいた主人は小さな瓶を渡してくれた。三津堂は自宅、古本屋朝霧に戻ると杯を取り出す。よし飲むかと思う前に「移動しましょう」と風呂敷に酒瓶と杯をまとめる。どこに行くのかわからない。月明かりが三津堂の行く先を照らす。商店街から抜けて、住宅が並ぶ。昔ながらの家が並ぶ。歩きながら三津堂は月を見ていた。
白い月である。白粉の匂いが香りそうな白さだ。紺色の空にぽつんとある。白と紺色、星は見えない。雲で月がかげることはない。洋吉は玲子を思い出した。もやもやしたものが胸をしめつけた。
「三津堂は、地獄があるって思うのか」
「さあ。私は死んだことがないんで知りません」
「じゃあ、どういう考えなんだ」
「あったらいいなと思いますよ。特に日本の地獄は」
「なんでさ。誰だって悪いことはしただろう」
「ふふ。言い逃れをして、悪態をつくのが人間ですもんね。私もそんな端くれ、わかっていますよ。ただ、もし自分が加害者になったら、どうします」
「謝るさ」
「謝って許されることではなかったら」
「償いを」
「償い。金を払うことじゃない。だから地獄が必要になるんだ」
はあと洋吉はつぶやいた。なぜか洋吉には、三津堂が誰かに断罪をしてほしいのではないかと考えた。三津堂自身、罪人なのだろうか。しかし、三津堂の顔を見ているとそんな風には見えない。
険しい顔も苦々しく言っているわけではない。ならばなにが三津堂にそれを言わせるのか、付き合いが浅い洋吉にはわからなかった。
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