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11:おまっ、ちょっ、それはないだろし

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ステ値振りに悩んだ私が馬鹿なのか。
いや、悩むよね?ゲームやってても悩むけど、これからのダンジョン攻略に直結する問題だから周りにモンスターいないし、リポップ制らしいから魔物襲来もそうそうない。
その場で悩むでしょ?

「ねぇ、これでいいのぉ?」

母のこと忘れてたってか気にしてなかった。
それが。

「えっ、ちょっ、何やってんの。」

母のステ値が変わっていた。一箇所だけ。
41から50へ。

「えへへぇ。ミリョクってキレイってことでしょ?キレイが上がるのいいよねぇ。」

いや、まじか。母にはできると思ってなかった。ステ振り。まぁ、携帯いじることはできるんだから油断しちゃいけなかった。
なんで勝手にするんだよ。魅力あげて何の意味あるんだよ。いや、あなたにはあるのかもしれませんが?ダンジョンに魅力、いる?
魅力値が高くなると実際に見た目に変化があるらしい。イケメンになったり美人になったり。肌も綺麗になって若々しくなるとか。
だけど、2回目言うけど、ダンジョン攻略に魅力いる?いらなくね?

踏破早くしたいって言ってるじゃん?
何、勝手なことしてんだよ。

早くイモムシを叩かねば。
ストレス発散になるぜ。ヒーハー。




加賀希星(16)

職業    ━━━

体力    18
魔力    25
攻撃力   11+3→14
防御力   6
瞬発力   8+3→11
知力    10
魔防力   3
魅力    11
運     16+3→19

状態  好調(精神的疲労)




イモムシを99匹倒して糸が3つ出て稼ぎが1万を越えた。しかし、ダンジョンに入ってもうなんだかんだ3時間。気持ち的に疲れてきた。
母なんか帰ろうよとしか言っていない。
でも、待って?時給に換算すると1人1600円。ちょっといいアルバイト並ではあるけど、母のキャバクラ時給には負けてるし、たまった支払いには微々たるもの。
もう1階行くしかない。行くぞ。3階。

「えー、ちょっと見るだけって言ってたじゃぁん。もう眠いよぅ。もう夜中だよぅ?帰ろうよぅ。」

「うっせー。私が倒すから黙ってついてこいやー。誰のせいで金がいるって言うんじゃぁ。もう、私も疲れたから次の階で帰るから!」



結果から言えば3階途中までが限界だった。
3階に出てきたのは27cmのネズミ。ドブネズミそっくりだけど倍以上ある姿でここも3匹ずつ出るネズミが体当たりして噛みついてきた。
3階からいきなりハードじゃね?

でも、瞬発力と力が上がっていた私にはまだザコキャラだった。1匹は何とか母がバットで牽制し後の2匹は私が避けながら思いっきり蹴りあげたり踏みつけたりした。もう撲殺じゃないよね。なんていうの?キックで殺すの。蹴殺?

母も攻撃力が+3だけど上がったおかげか1匹をバットで殴って弱らせてくれていた。弱ったネズミを私が踏みつけて殺す。それを繰り返した。それでも何回か足に噛みつかれたけど膝下までのブーツのおかげで深手にはならなかった。

ある時、まともに体当たりを受けた母が転んで2匹が同時に母の太ももと腕に噛みついた。母の手から落ちたバットを拾いあげて力業で撲殺したけど、母が泣き出してしまった。相当痛かったらしい。ハイヒールで治療してもらったけどここが限界だなって思ったからダンジョンから出ることにした。

ネズミは討伐数は33匹だった。





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